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第十三章
第二十二話 神々の攻撃
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上空からは天照大神からの火球が降り注ぎ、地上ではヒノカグツチが暴れている。
これらのギミックをまともに相手にしていては、いずれ体力を失って攻撃を受け、リタイアさせられる可能性もある。
おそらく正しいのは、上空と地上からの攻撃を掻い潜って、ギミックエリア外に出ることだろう。だが、そう簡単には行かせてくれないはず。上手く隙を突いて突破しなければならないだろう。
上空から降り注ぐ火球の影響でこの場の気温が高くなっているのか、いつも以上に汗が流れてくる。
この気温も俺にとっては敵だ。早急に対処したほうが良いだろう。
「レインシャワー」
天候を操る魔法を発動させると、上空の水分が集まって雲を生成、空一面を覆うと、コース内に雨を降らせる。
これで、気温対策はできるだろう。
『雨を降らせた程度で、妾の火球が消えることはないバカめ!』
俺に向けて天照大神が火球を放ってきた。
炎と言うのは、水の冷却効果が上回らないと消えることはない。雨なんかでは消えることはないと言うのは、最初から分かりきっていることだ。
「ウォーターポンプ!」
迫り来る火球に対して水圧の強い水の塊をぶつける。だが、火球は消えることはなく、時間稼ぎにしかならない。
だが、それで良い。時間さえ稼げれば、火球を避けることができる。
『この俺が居ることを忘れては困る!』
巨大な火球を防いでいると、今度は炎の蛇の姿となったヒノカグツチが大きな口を開けて飲み込もうとしてきた。
『妾たちの連携勝ちだな。ヒノカグツチよ! 今の内にその小僧をリタイアさせよ』
迫り来る炎の蛇に、思わず口角を上げる。
計算通りだ。
「ばかはお前たちの方だ。俺に誘導されていたとは思ってもいなかったようだな!」
『なんじゃと!』
ウォーターポンプを消すと、俺は後方に跳躍した。
水による支えを失った火球は重力に従って下降する。その結果、俺をリタイアさせようとしたヒノカグツチに火球が直撃する。
『ヒノカグツチに直撃してしまったか。だが、妾の火球を受けた程度では、ヒノカグツチはやられないぞ!』
当然炎の神様が火球を受けた程度でやられる訳がない。俺が狙ったのは、同士討ちを行った際に生じる僅かな隙だ。
「スピードスター!」
俊足魔法を発動し、攻撃を受けて怯んだヒノカグツチの横を通りすぎる。
だが、その後直ぐに火球による追撃が俺に向かってくることはなかった。
やっぱりな可笑しいと思ったが、どうやら俺の読みは正しかったみたいだ。
このギミックは、打ち消すことがほぼ不可能な火球に加え、即リタイアのギミックも同時にある。普通に考えれば、クリアさせるつもりがないように思えた。
だが、これはあくまでも競技だ。走券なんてものを販売している以上、完走できる者がいないと成り立たない。
全員がリタイアなんてことになれば、観客たちが暴動を起こすのが運営たちも目に見えているはずだ。
どこかに突破口が用意されてある。そう思っていた。そして観察していると、天照大神の攻撃には一定のパターンがあることに気付いた。
それは、一度火球を放った直後、直ぐに次の火球を放つことができないというものだ。
それはほんの短い時間ではあるが、その隙を突くことができるものが、優勝するに相応しい実力者である証明にもなる。
「さぁ、俺をリタイアさせられるものならさせてみせろよ」
『ぐぬぬぬぬ! 次こそは絶対に当ててやる! 食らえ!』
数秒の時間が経過し、天照大神がもう一度俺をリタイアさせようと、火球を放ってきた。
『そんなバカな! 妾の攻撃が当たらないじゃと! いくら俊足の魔法を使っていたとしても、やつの動きを先読みした上で、火球を放っているはずなのに!』
彼女の放つ火球は、俺の後を通り過ぎていく。
それも当然だ。俺はやつの火球を確実に躱せるように、既に種を蒔いていた。その種が芽を出し、やつの攻撃を容易に躱すことができるようになっている。
「もう、お前の攻撃は通用しないぞ!」
『おのれ! ヒノカグツチ、お前が小僧をリタイアさせよ!』
俺をリタイアさせようと、ヒノカグツチが迫りくる。
「追い付かせる訳がないだろうが! ストロングウインド!」
後方に向けて強風を放つ。
進行方向から風が吹けば、風の抵抗力が生まれ、動く速度が低下する。
風の抵抗に加え、俊足魔法で強化された俺の足に追い付くことができない。
「これで、ギミック突破だ!」
全力で走り、最後のギミックを突破する。
『さぁ、ここでようやくシャカール走者が最終ギミックをクリアしましたが、先頭を走るルビー走者と5メートル差です。果たして追い付くことができるのか!』
実況者の言葉を聞き、一瞬だけいつの間にと思ってしまった。だが、良く考えれば当然のことだ。
天照大神とヒノカグツチが俺を狙っていたのであれば、気付かれないように走れば良いだけの話だ。
きっと隠避関連の魔法を使ったのだろう。
やっぱり最後はお前との競争になったみたいだな。だが、勝利の種を蒔いているのは俺だ。絶対に追い抜いてやる。
これらのギミックをまともに相手にしていては、いずれ体力を失って攻撃を受け、リタイアさせられる可能性もある。
おそらく正しいのは、上空と地上からの攻撃を掻い潜って、ギミックエリア外に出ることだろう。だが、そう簡単には行かせてくれないはず。上手く隙を突いて突破しなければならないだろう。
上空から降り注ぐ火球の影響でこの場の気温が高くなっているのか、いつも以上に汗が流れてくる。
この気温も俺にとっては敵だ。早急に対処したほうが良いだろう。
「レインシャワー」
天候を操る魔法を発動させると、上空の水分が集まって雲を生成、空一面を覆うと、コース内に雨を降らせる。
これで、気温対策はできるだろう。
『雨を降らせた程度で、妾の火球が消えることはないバカめ!』
俺に向けて天照大神が火球を放ってきた。
炎と言うのは、水の冷却効果が上回らないと消えることはない。雨なんかでは消えることはないと言うのは、最初から分かりきっていることだ。
「ウォーターポンプ!」
迫り来る火球に対して水圧の強い水の塊をぶつける。だが、火球は消えることはなく、時間稼ぎにしかならない。
だが、それで良い。時間さえ稼げれば、火球を避けることができる。
『この俺が居ることを忘れては困る!』
巨大な火球を防いでいると、今度は炎の蛇の姿となったヒノカグツチが大きな口を開けて飲み込もうとしてきた。
『妾たちの連携勝ちだな。ヒノカグツチよ! 今の内にその小僧をリタイアさせよ』
迫り来る炎の蛇に、思わず口角を上げる。
計算通りだ。
「ばかはお前たちの方だ。俺に誘導されていたとは思ってもいなかったようだな!」
『なんじゃと!』
ウォーターポンプを消すと、俺は後方に跳躍した。
水による支えを失った火球は重力に従って下降する。その結果、俺をリタイアさせようとしたヒノカグツチに火球が直撃する。
『ヒノカグツチに直撃してしまったか。だが、妾の火球を受けた程度では、ヒノカグツチはやられないぞ!』
当然炎の神様が火球を受けた程度でやられる訳がない。俺が狙ったのは、同士討ちを行った際に生じる僅かな隙だ。
「スピードスター!」
俊足魔法を発動し、攻撃を受けて怯んだヒノカグツチの横を通りすぎる。
だが、その後直ぐに火球による追撃が俺に向かってくることはなかった。
やっぱりな可笑しいと思ったが、どうやら俺の読みは正しかったみたいだ。
このギミックは、打ち消すことがほぼ不可能な火球に加え、即リタイアのギミックも同時にある。普通に考えれば、クリアさせるつもりがないように思えた。
だが、これはあくまでも競技だ。走券なんてものを販売している以上、完走できる者がいないと成り立たない。
全員がリタイアなんてことになれば、観客たちが暴動を起こすのが運営たちも目に見えているはずだ。
どこかに突破口が用意されてある。そう思っていた。そして観察していると、天照大神の攻撃には一定のパターンがあることに気付いた。
それは、一度火球を放った直後、直ぐに次の火球を放つことができないというものだ。
それはほんの短い時間ではあるが、その隙を突くことができるものが、優勝するに相応しい実力者である証明にもなる。
「さぁ、俺をリタイアさせられるものならさせてみせろよ」
『ぐぬぬぬぬ! 次こそは絶対に当ててやる! 食らえ!』
数秒の時間が経過し、天照大神がもう一度俺をリタイアさせようと、火球を放ってきた。
『そんなバカな! 妾の攻撃が当たらないじゃと! いくら俊足の魔法を使っていたとしても、やつの動きを先読みした上で、火球を放っているはずなのに!』
彼女の放つ火球は、俺の後を通り過ぎていく。
それも当然だ。俺はやつの火球を確実に躱せるように、既に種を蒔いていた。その種が芽を出し、やつの攻撃を容易に躱すことができるようになっている。
「もう、お前の攻撃は通用しないぞ!」
『おのれ! ヒノカグツチ、お前が小僧をリタイアさせよ!』
俺をリタイアさせようと、ヒノカグツチが迫りくる。
「追い付かせる訳がないだろうが! ストロングウインド!」
後方に向けて強風を放つ。
進行方向から風が吹けば、風の抵抗力が生まれ、動く速度が低下する。
風の抵抗に加え、俊足魔法で強化された俺の足に追い付くことができない。
「これで、ギミック突破だ!」
全力で走り、最後のギミックを突破する。
『さぁ、ここでようやくシャカール走者が最終ギミックをクリアしましたが、先頭を走るルビー走者と5メートル差です。果たして追い付くことができるのか!』
実況者の言葉を聞き、一瞬だけいつの間にと思ってしまった。だが、良く考えれば当然のことだ。
天照大神とヒノカグツチが俺を狙っていたのであれば、気付かれないように走れば良いだけの話だ。
きっと隠避関連の魔法を使ったのだろう。
やっぱり最後はお前との競争になったみたいだな。だが、勝利の種を蒔いているのは俺だ。絶対に追い抜いてやる。
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