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【第10部】東の島国・トヨノクニ開国(物理)編 ~悪役令嬢、黒船になる。鎖国? ならば「開国(物理)」して、美味しいお米と温泉をいただきます
第095話 アリスの巡礼ライブ:神様だって「推し活」したい! 呪いを解くのは祝詞ではなくアイドルソング!?
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黒鉄隊による開墾が進み、オワリの地力が回復しつつある頃。
わたしとノブナガが本拠地で軍備を整えている間、アリスはカエデと数名の護衛を伴い、西の国境付近にある古い社を訪れていた。
目的は、この国の「地脈」を復活させること。
「……ひどい。ボロボロだよ」
アリスが悲しげに呟く。
かつては参拝客で賑わっていたであろう神社の境内は、雑草に覆われ、鳥居は朽ちかけ、手水舎の水は干上がっていた。
何より、そこにあるはずの「気配」が、あまりにも薄い。
「この国の神様たちは、土地と人と繋がっているんです。……人が飢え、土地が荒れれば、神様もまた力を失い、消えてしまいます」
カエデが静かに説明する。
アリスは無言で頷くと、リュックから「タカニシキ」と「オダヒカリ」の握り飯を取り出し、埃を払った祭壇に供えた。
そして、パンパン! と柏手を打ち、祈りを捧げる。
(神様、神様。……美味しいご飯を持ってきたよ。食べて、元気を出して)
その時、祭壇の奥から微かな風が吹いた。
アリスの脳裏に、直接響くような声が届く。
『……美味い、米であった』
アリスが顔を上げると、そこには半透明の、痩せこけた白狐の姿があった。
土地神の化身だ。
『だが、足りぬ。……腹は満ちたが、心が寒い』
「心が……?」
アリスが問うと、神は荒れ果てた現実の社を指差した。
『我らは、人の「気」を糧とする。……恐怖や絶望ではない。喜び、笑い、そして明日を生きようとする熱気。それがなければ、我らは土地を守れぬ』
神の姿が薄れていく。
『娘よ……。水だけでは足りぬ。米だけでも足りぬ。……この国に必要なのは、「祭り」じゃ。……人が集い、笑い、地を揺らすほどの熱狂こそが、呪いを祓う最大の祈りとなる』
その言葉と共に、神の姿は掻き消えた。
代わりに、祭壇の裏から一冊の古びた書物が転がり落ちてきた。
「……これ、なんだろう?」
アリスが拾い上げて中を見ると、そこには古代の文字で記された神話が描かれていた。
光と闇の女神が背中合わせに座り、世界を回している絵図。
そして、『光は命を育み、闇は器を作る』という一節。
「……そっか。わかったよ、神様」
アリスは本を懐にしまい、立ち上がった。
彼女の脳裏に、前世の記憶――スタジアムを埋め尽くす観客、ペンライトの光、そして地響きのような歓声がフラッシュバックする。
「レヴィちゃんたちが『物理』で耕すなら……私は『エンタメ』で耕す!」
アリスはカエデを振り返り、キラキラした目で宣言した。
「カエデちゃん! 計画変更だよ! ただお米を配るだけじゃダメだ!」
「は、はあ。ではどうされるのです?」
「決まってるでしょ! ……歌って、踊って、お米を食べてもらう! 種籾を配って、ついでに握手会だってしちゃうよ! 小さなお祭り! 『全国・神社仏閣・復興ライブツアー』の開催だよ!!」
聖女アリス改め、「アイドル巫女アリス」の爆誕であった。
わたしとノブナガが本拠地で軍備を整えている間、アリスはカエデと数名の護衛を伴い、西の国境付近にある古い社を訪れていた。
目的は、この国の「地脈」を復活させること。
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アリスが悲しげに呟く。
かつては参拝客で賑わっていたであろう神社の境内は、雑草に覆われ、鳥居は朽ちかけ、手水舎の水は干上がっていた。
何より、そこにあるはずの「気配」が、あまりにも薄い。
「この国の神様たちは、土地と人と繋がっているんです。……人が飢え、土地が荒れれば、神様もまた力を失い、消えてしまいます」
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アリスは無言で頷くと、リュックから「タカニシキ」と「オダヒカリ」の握り飯を取り出し、埃を払った祭壇に供えた。
そして、パンパン! と柏手を打ち、祈りを捧げる。
(神様、神様。……美味しいご飯を持ってきたよ。食べて、元気を出して)
その時、祭壇の奥から微かな風が吹いた。
アリスの脳裏に、直接響くような声が届く。
『……美味い、米であった』
アリスが顔を上げると、そこには半透明の、痩せこけた白狐の姿があった。
土地神の化身だ。
『だが、足りぬ。……腹は満ちたが、心が寒い』
「心が……?」
アリスが問うと、神は荒れ果てた現実の社を指差した。
『我らは、人の「気」を糧とする。……恐怖や絶望ではない。喜び、笑い、そして明日を生きようとする熱気。それがなければ、我らは土地を守れぬ』
神の姿が薄れていく。
『娘よ……。水だけでは足りぬ。米だけでも足りぬ。……この国に必要なのは、「祭り」じゃ。……人が集い、笑い、地を揺らすほどの熱狂こそが、呪いを祓う最大の祈りとなる』
その言葉と共に、神の姿は掻き消えた。
代わりに、祭壇の裏から一冊の古びた書物が転がり落ちてきた。
「……これ、なんだろう?」
アリスが拾い上げて中を見ると、そこには古代の文字で記された神話が描かれていた。
光と闇の女神が背中合わせに座り、世界を回している絵図。
そして、『光は命を育み、闇は器を作る』という一節。
「……そっか。わかったよ、神様」
アリスは本を懐にしまい、立ち上がった。
彼女の脳裏に、前世の記憶――スタジアムを埋め尽くす観客、ペンライトの光、そして地響きのような歓声がフラッシュバックする。
「レヴィちゃんたちが『物理』で耕すなら……私は『エンタメ』で耕す!」
アリスはカエデを振り返り、キラキラした目で宣言した。
「カエデちゃん! 計画変更だよ! ただお米を配るだけじゃダメだ!」
「は、はあ。ではどうされるのです?」
「決まってるでしょ! ……歌って、踊って、お米を食べてもらう! 種籾を配って、ついでに握手会だってしちゃうよ! 小さなお祭り! 『全国・神社仏閣・復興ライブツアー』の開催だよ!!」
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