158 / 200
【第15部】大陸横断大工事編 ~神の雷を買い取り、断絶の壁をブチ抜いて、最愛(既読スルー男)に右ストレートを叩き込みますわ~
第158話 黒き道の波紋:あるいは帝国と王国の掃除、そして子供たちの願い
しおりを挟む
レヴィーネ・ヴィータヴェンによる、西方連邦の電撃的な「吸収合併」。
その報せは、風よりも速く、東方諸国の枢要へと届いていた。
世界が、軋みを上げて動き出そうとしていた。
◆◆◆
大陸東部、ガルディア帝国。皇城の奥深くにある「皇帝私室」。
そこには、帝国を支える四人の皇族の姿があった。
威厳に満ちた皇帝。
病床から復帰し、精悍さを取り戻しつつある第一皇子(皇太子)。
妖艶な美貌の裏に、母譲りの諜報部隊「宮家の影」を従える第一皇女アナスタシア。
そして、冷徹な切れ者である第二皇子、アレクセイ。
「……わずか半月か。早すぎるな、あの娘は」
皇帝が、報告書を卓上に置き、重々しく呟いた。
その顔には、驚きと共に、隠しきれない焦燥の色が浮かんでいる。
「西方連邦は、腐っても大国だ。それを武力による破壊ではなく、経済とインフラで飲み込むとは……。これでは、我々帝国が『旧時代の遺物』になりかねん」
「はい、父上。……彼女の歩幅は、我々の想定を常に超えていきます」
アレクセイが、静かに、しかし熱のこもった瞳で肯定した。
彼は窓の外、西の空を見つめる。
「彼女は大陸を横断し、東西を繋ぐ『大回廊』を造ろうとしています。……もし、それを彼女単独の手で成し遂げられてしまえば、帝国の威信は地に落ちるでしょう。『ただ待っていただけの国』として。何より、私が許せません」
その言葉に、第一皇子が深く頷いた。かつてスキルを奪われ、絶望の淵にあった彼を救ったのもまた、レヴィーネたちがもたらした「変革」の風だった。
「我々も変わらねばならない。……父上。私は、この『大陸横断道路』の建設事業を、帝国再生の象徴としたいと考えています。東側からのルートを開拓し、未開の樹海を切り開き、彼女を迎え入れる。……それは、帝国が新しい時代に適応したことを世界に示す、絶好の機会です」
皇太子の力強い言葉に、皇帝は満足げに目を細めた。
「うむ。……それが成った暁には、私は退こう。新しい道には、新しい皇帝こそが相応しい」
譲位の意志。
それは、帝国の歴史が動く瞬間だった。
だが、変革には痛みが伴う。光が強くなれば、影もまた濃くなるものだ。
「……ですが、兄上。国内には、それを面白く思わない『旧き血』も澱んでいますわ」
第一皇女アナスタシアが、扇子で口元を隠しながら、冷ややかな声で指摘した。
既得権益にしがみつく旧貴族たち。彼らはトヨノクニの台頭とレヴィーネの影響力を恐れ、裏で不穏な動きを見せている。改革を阻む、獅子身中の虫だ。
「彼らの情報は、すべて掌握済みです」
アレクセイが、懐から分厚い書類の束を取り出した。
そこには、旧貴族たちの横領、裏取引、そしてクーデター計画の証拠が網羅されている。
「兄上は、光の当たる場所で旗を振ってください。……影の掃除は、私とアナスタシア姉上が引き受けましょう」
「……頼めるか、アレクセイ。それにアナスタシアも」
「ええ、任せてくださいませ、兄上。……帝国の膿を出し切り、その財産をすべて『道路工事』の予算に組み替えて差し上げますわ」
アナスタシアが妖艶に微笑み、アレクセイが不敵に口角を上げる。
帝国は動き出す。内なる敵を喰らい、そのエネルギーを外への道に変えるために。
◆◆◆
同時刻。聖教国ラノリア。
王城の謁見の間は、物理的な「熱」に包まれていた。
床には、豪奢な衣装を纏った数名の男たちが、白目を剥いて転がっている。
かつて、第三王子であったギルベルトを蔑み、追放しようとした第一王子、第二王子を中心とする「旧体制派」の残党たちだ。
「……ふぅ。これで全員か」
ラノリア国王、ギルベルトは、額の汗を拭いながら、大きく息を吐いた。
彼の手には剣ではなく、トレーニング用のダンベルが握られている。
周囲では、彼の腹心である「筋肉神官団」が、倒れた貴族たちを担架で運んでいるところだった。
「陛下。……通信が入っています。トヨノクニの『ミリア様』からです」
側近の言葉に、ギルベルトは表情を引き締め、通信機を受け取った。
「……ギルベルトだ。どうした、ミリア殿」
『お疲れ様です、ギルベルト陛下。……いえ、ここは敢えて「さすがは私の『弟弟子』です!」と言うべきでしょうか?』
通信機の向こうから、こちらを気遣うように柔らかな声が響く。
レヴィーネの最側近にして、V&C商会の金庫番、ミリア・コーンフィールドだ。
その声色は、いつもの事務的なものではなく、かつてラノリアの「ちゃんこ道場」で共に汗を流した頃の、親愛と茶目っ気を含んだものだった。
『イリスからの報告によれば、国内の不穏分子……旧王族派の鎮圧が完了したようですね。手際が良いです』
「……耳が早いな。たった今、終わったところだよ」
ギルベルトは苦笑した。その表情は、王としての硬さが抜け、一人の武人に戻っていた。
『……本当にお疲れ様でした。イリスの分析では、この粛清によるラノリアの国力低下は見られないとのことですが……。とはいえ、かつての兄弟や親族を手にかけるというのは、お辛かったでしょう?』
不意に、声色が柔らかくなる。
事務的な報告の裏に滲む、彼女なりの労り。
ギルベルトは、ふと窓の外を見た。
「……なに、殺してはいないさ」
彼は、運び出されていくかつての兄たちを見下ろした。
「彼らの財も、彼らの私兵も、これからは大事な『工事力』になるのだからな。……殺してしまっては、筋肉の無駄遣いだ」
『……ふふ。言うようになりましたね』
ミリアが笑う。ギルベルトもまた、確信を持って続ける。
「それに……姐さんへの合力を阻む者が、このラノリアにあってはならない。この国は、彼女に救われたのだから」
ギルベルトの声には、迷いのない信念が宿っていた。
かつて『運営』の洗脳に囚われ、絶望していた自分と国を、物理的に叩き直してくれた恩人。
彼女の行く道を塞ぐ小石があるなら、王として、弟弟子として、取り除くのが道理だ。
『……ええ。その言葉、レヴィーネ様も喜ぶと思います。……では、後の始末については、こちらでプランを送りますね。無理をなさいませんように』
「ああ。……そちらもな、ミリア殿」
通信が切れる。ギルベルトは、少しだけ軽くなった心で、ダンベルを握り直した。
国内の憂いは絶った。あとは、東への道を切り拓くだけだ。
◆◆◆
そして、トヨノクニ、オワリ城。
大広間には、小さな訪問者たちの姿があった。
「ノブナガ様! お願いします! 私たちも連れて行ってください!」
必死の形相で頭を下げているのは、十歳にも満たない子供たち。
アリスが滞在中に育て上げた「巫女連」の子供たちだ。その先頭には、代表格の少女、スズがいる。
彼女たちの後ろには、ヒデヨシが率いていった本隊に入れなかった、トヨノクニ残留組の「黒鉄組」の男たちも控えていた。彼らもまた、顔に「行きたい」と書いてある。
「……ならぬ」
上座に座るオダ・ノブナガは、短く、しかし厳しく告げた。
「西への道は、物見遊山ではない。あやつらからの報告によれば、その先には広大な砂漠と、魔物が跋扈する荒野が広がっておる。……お主らのような子供が行って、生きて帰れる保証はない」
「でも! お師匠様が、砂漠でお水を出す魔法を使ってるって聞きました!」
スズが食い下がる。
「私たちは、お師匠様に魔法を教わりました! 植物を育てる魔法も、お水をきれいにする魔法も使えます! ……絶対に、お師匠様とレヴィーネ様のお役に立てます!」
「俺たちだってそうです! 現場仕事なら誰にも負けねぇっす!」
子供たちの純粋な瞳。職人たちの熱意。
それは、レヴィーネとアリスがこの国に撒いた「種」が、確実に芽吹いている証拠だった。
ノブナガは、扇子で口元を隠し、内心で舌を巻いた。
(やれやれ。レヴィーネよ、お主らが残していった者達は、お主らが思うよりずっと、お主に合力したがっておるぞ……)
だが、為政者として、安易に許可を出すわけにはいかない。
彼らは国の宝だ。無駄死にさせるわけにはいかないのだ。
「……気持ちは分かった。だが、今は時期尚早じゃ」
ノブナガは、声を少しだけ和らげて諭した。
「兵站の船に乗せれば、西海岸までは行けるじゃろう。だが、そこから先の内陸は戦場(現場)じゃ。……お主らがどうしても行きたいと言うなら、まずは己を鍛えよ。そして、機が熟すのを待て」
「うぅ……」
「……はい」
スズたちは、悔しそうに唇を噛み締め、すごすごと引き下がった。
その小さな背中を見送りながら、ノブナガは独りごちた。
「……機が熟す、か。まあ、そう遠い話でもないかもしれんがな」
ノブナガは、手元の書状に視線を落とした。
そこには、東方諸国の首脳たちとの「緊急回線」の準備が整ったとの報告があった。
もし、世界中が動くなら。
あの子供たちを安全に送り届ける「護衛(エルフや帝国の軍勢)」も、確保できるかもしれない。
「さて、どう口説いてやろうかのう」
魔王はニヤリと笑い、通信機のスイッチに手を伸ばした。
それぞれの国で、それぞれの想いが動き出す。
それらが一つに繋がる「サミット」の幕開けは、もう目の前だった。
その報せは、風よりも速く、東方諸国の枢要へと届いていた。
世界が、軋みを上げて動き出そうとしていた。
◆◆◆
大陸東部、ガルディア帝国。皇城の奥深くにある「皇帝私室」。
そこには、帝国を支える四人の皇族の姿があった。
威厳に満ちた皇帝。
病床から復帰し、精悍さを取り戻しつつある第一皇子(皇太子)。
妖艶な美貌の裏に、母譲りの諜報部隊「宮家の影」を従える第一皇女アナスタシア。
そして、冷徹な切れ者である第二皇子、アレクセイ。
「……わずか半月か。早すぎるな、あの娘は」
皇帝が、報告書を卓上に置き、重々しく呟いた。
その顔には、驚きと共に、隠しきれない焦燥の色が浮かんでいる。
「西方連邦は、腐っても大国だ。それを武力による破壊ではなく、経済とインフラで飲み込むとは……。これでは、我々帝国が『旧時代の遺物』になりかねん」
「はい、父上。……彼女の歩幅は、我々の想定を常に超えていきます」
アレクセイが、静かに、しかし熱のこもった瞳で肯定した。
彼は窓の外、西の空を見つめる。
「彼女は大陸を横断し、東西を繋ぐ『大回廊』を造ろうとしています。……もし、それを彼女単独の手で成し遂げられてしまえば、帝国の威信は地に落ちるでしょう。『ただ待っていただけの国』として。何より、私が許せません」
その言葉に、第一皇子が深く頷いた。かつてスキルを奪われ、絶望の淵にあった彼を救ったのもまた、レヴィーネたちがもたらした「変革」の風だった。
「我々も変わらねばならない。……父上。私は、この『大陸横断道路』の建設事業を、帝国再生の象徴としたいと考えています。東側からのルートを開拓し、未開の樹海を切り開き、彼女を迎え入れる。……それは、帝国が新しい時代に適応したことを世界に示す、絶好の機会です」
皇太子の力強い言葉に、皇帝は満足げに目を細めた。
「うむ。……それが成った暁には、私は退こう。新しい道には、新しい皇帝こそが相応しい」
譲位の意志。
それは、帝国の歴史が動く瞬間だった。
だが、変革には痛みが伴う。光が強くなれば、影もまた濃くなるものだ。
「……ですが、兄上。国内には、それを面白く思わない『旧き血』も澱んでいますわ」
第一皇女アナスタシアが、扇子で口元を隠しながら、冷ややかな声で指摘した。
既得権益にしがみつく旧貴族たち。彼らはトヨノクニの台頭とレヴィーネの影響力を恐れ、裏で不穏な動きを見せている。改革を阻む、獅子身中の虫だ。
「彼らの情報は、すべて掌握済みです」
アレクセイが、懐から分厚い書類の束を取り出した。
そこには、旧貴族たちの横領、裏取引、そしてクーデター計画の証拠が網羅されている。
「兄上は、光の当たる場所で旗を振ってください。……影の掃除は、私とアナスタシア姉上が引き受けましょう」
「……頼めるか、アレクセイ。それにアナスタシアも」
「ええ、任せてくださいませ、兄上。……帝国の膿を出し切り、その財産をすべて『道路工事』の予算に組み替えて差し上げますわ」
アナスタシアが妖艶に微笑み、アレクセイが不敵に口角を上げる。
帝国は動き出す。内なる敵を喰らい、そのエネルギーを外への道に変えるために。
◆◆◆
同時刻。聖教国ラノリア。
王城の謁見の間は、物理的な「熱」に包まれていた。
床には、豪奢な衣装を纏った数名の男たちが、白目を剥いて転がっている。
かつて、第三王子であったギルベルトを蔑み、追放しようとした第一王子、第二王子を中心とする「旧体制派」の残党たちだ。
「……ふぅ。これで全員か」
ラノリア国王、ギルベルトは、額の汗を拭いながら、大きく息を吐いた。
彼の手には剣ではなく、トレーニング用のダンベルが握られている。
周囲では、彼の腹心である「筋肉神官団」が、倒れた貴族たちを担架で運んでいるところだった。
「陛下。……通信が入っています。トヨノクニの『ミリア様』からです」
側近の言葉に、ギルベルトは表情を引き締め、通信機を受け取った。
「……ギルベルトだ。どうした、ミリア殿」
『お疲れ様です、ギルベルト陛下。……いえ、ここは敢えて「さすがは私の『弟弟子』です!」と言うべきでしょうか?』
通信機の向こうから、こちらを気遣うように柔らかな声が響く。
レヴィーネの最側近にして、V&C商会の金庫番、ミリア・コーンフィールドだ。
その声色は、いつもの事務的なものではなく、かつてラノリアの「ちゃんこ道場」で共に汗を流した頃の、親愛と茶目っ気を含んだものだった。
『イリスからの報告によれば、国内の不穏分子……旧王族派の鎮圧が完了したようですね。手際が良いです』
「……耳が早いな。たった今、終わったところだよ」
ギルベルトは苦笑した。その表情は、王としての硬さが抜け、一人の武人に戻っていた。
『……本当にお疲れ様でした。イリスの分析では、この粛清によるラノリアの国力低下は見られないとのことですが……。とはいえ、かつての兄弟や親族を手にかけるというのは、お辛かったでしょう?』
不意に、声色が柔らかくなる。
事務的な報告の裏に滲む、彼女なりの労り。
ギルベルトは、ふと窓の外を見た。
「……なに、殺してはいないさ」
彼は、運び出されていくかつての兄たちを見下ろした。
「彼らの財も、彼らの私兵も、これからは大事な『工事力』になるのだからな。……殺してしまっては、筋肉の無駄遣いだ」
『……ふふ。言うようになりましたね』
ミリアが笑う。ギルベルトもまた、確信を持って続ける。
「それに……姐さんへの合力を阻む者が、このラノリアにあってはならない。この国は、彼女に救われたのだから」
ギルベルトの声には、迷いのない信念が宿っていた。
かつて『運営』の洗脳に囚われ、絶望していた自分と国を、物理的に叩き直してくれた恩人。
彼女の行く道を塞ぐ小石があるなら、王として、弟弟子として、取り除くのが道理だ。
『……ええ。その言葉、レヴィーネ様も喜ぶと思います。……では、後の始末については、こちらでプランを送りますね。無理をなさいませんように』
「ああ。……そちらもな、ミリア殿」
通信が切れる。ギルベルトは、少しだけ軽くなった心で、ダンベルを握り直した。
国内の憂いは絶った。あとは、東への道を切り拓くだけだ。
◆◆◆
そして、トヨノクニ、オワリ城。
大広間には、小さな訪問者たちの姿があった。
「ノブナガ様! お願いします! 私たちも連れて行ってください!」
必死の形相で頭を下げているのは、十歳にも満たない子供たち。
アリスが滞在中に育て上げた「巫女連」の子供たちだ。その先頭には、代表格の少女、スズがいる。
彼女たちの後ろには、ヒデヨシが率いていった本隊に入れなかった、トヨノクニ残留組の「黒鉄組」の男たちも控えていた。彼らもまた、顔に「行きたい」と書いてある。
「……ならぬ」
上座に座るオダ・ノブナガは、短く、しかし厳しく告げた。
「西への道は、物見遊山ではない。あやつらからの報告によれば、その先には広大な砂漠と、魔物が跋扈する荒野が広がっておる。……お主らのような子供が行って、生きて帰れる保証はない」
「でも! お師匠様が、砂漠でお水を出す魔法を使ってるって聞きました!」
スズが食い下がる。
「私たちは、お師匠様に魔法を教わりました! 植物を育てる魔法も、お水をきれいにする魔法も使えます! ……絶対に、お師匠様とレヴィーネ様のお役に立てます!」
「俺たちだってそうです! 現場仕事なら誰にも負けねぇっす!」
子供たちの純粋な瞳。職人たちの熱意。
それは、レヴィーネとアリスがこの国に撒いた「種」が、確実に芽吹いている証拠だった。
ノブナガは、扇子で口元を隠し、内心で舌を巻いた。
(やれやれ。レヴィーネよ、お主らが残していった者達は、お主らが思うよりずっと、お主に合力したがっておるぞ……)
だが、為政者として、安易に許可を出すわけにはいかない。
彼らは国の宝だ。無駄死にさせるわけにはいかないのだ。
「……気持ちは分かった。だが、今は時期尚早じゃ」
ノブナガは、声を少しだけ和らげて諭した。
「兵站の船に乗せれば、西海岸までは行けるじゃろう。だが、そこから先の内陸は戦場(現場)じゃ。……お主らがどうしても行きたいと言うなら、まずは己を鍛えよ。そして、機が熟すのを待て」
「うぅ……」
「……はい」
スズたちは、悔しそうに唇を噛み締め、すごすごと引き下がった。
その小さな背中を見送りながら、ノブナガは独りごちた。
「……機が熟す、か。まあ、そう遠い話でもないかもしれんがな」
ノブナガは、手元の書状に視線を落とした。
そこには、東方諸国の首脳たちとの「緊急回線」の準備が整ったとの報告があった。
もし、世界中が動くなら。
あの子供たちを安全に送り届ける「護衛(エルフや帝国の軍勢)」も、確保できるかもしれない。
「さて、どう口説いてやろうかのう」
魔王はニヤリと笑い、通信機のスイッチに手を伸ばした。
それぞれの国で、それぞれの想いが動き出す。
それらが一つに繋がる「サミット」の幕開けは、もう目の前だった。
10
あなたにおすすめの小説
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
前世ブラックOLの私が転生したら悪役令嬢でした
タマ マコト
ファンタジー
過労で倒れたブラック企業勤めのOLは、目を覚ますと公爵令嬢アーデルハイトとして転生していた。しかも立場は“断罪予定の悪役令嬢”。だが彼女は恋愛や王子の愛を選ばず、社交界を「市場」と見抜く。王家の財政が危ういことを察知し、家の莫大な資産と金融知識を武器に“期限付き融資”という刃を突きつける。理想主義の王太子と衝突しながらも、彼女は決意する――破滅を回避するためではない。国家の金脈を握り、国そのものを立て直すために。悪役令嬢の経済戦争が、静かに幕を開ける。
【完結】異世界で幽霊やってます!?
かずきりり
ファンタジー
目が覚めたら、豪華絢爛な寝室……に、浮かぶ俺。
死んだ……?
まさかの幽霊……?
誰にも認識されず、悲しみと孤独が襲う中で、繰り広げられそうな修羅場。
せめて幽霊になるなら異世界とか止めてくれ!!
何故か部屋から逃げる事も出来ず……と思えば、悪役令嬢らしき女の子から離れる事が出来ない!?
どうやら前世ハマっていたゲームの世界に転生したようだけど、既にシナリオとは違う事が起きている……。
そして何と!悪役令嬢は転生者!
俺は……転……死?幽霊……?
どうなる!?悪役令嬢!
ってか、どうなるの俺!?
---------------------
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
【完結】無能と婚約破棄された令嬢、辺境で最強魔導士として覚醒しました
東野あさひ
ファンタジー
無能の烙印、婚約破棄、そして辺境追放――。でもそれ、全部“勘違い”でした。
王国随一の名門貴族令嬢ノクティア・エルヴァーンは、魔力がないと断定され、婚約を破棄されて辺境へと追放された。
だが、誰も知らなかった――彼女が「古代魔術」の適性を持つ唯一の魔導士であることを。
行き着いた先は魔物の脅威に晒されるグランツ砦。
冷徹な司令官カイラスとの出会いをきっかけに、彼女の眠っていた力が次第に目を覚まし始める。
無能令嬢と嘲笑された少女が、辺境で覚醒し、最強へと駆け上がる――!
王都の者たちよ、見ていなさい。今度は私が、あなたたちを見下ろす番です。
これは、“追放令嬢”が辺境から世界を変える、痛快ざまぁ×覚醒ファンタジー。
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
【完】相手が宜しくないヤツだから、とりあえず婚約破棄したい(切実)
桜 鴬
恋愛
私は公爵家令嬢のエリザベート。弟と妹がおりますわ。嫡男の弟には隣国の姫君。妹には侯爵子息。私には皇太子様の婚約者がおります。勿論、政略結婚です。でもこればかりは仕方が有りません。貴族としての義務ですから。ですから私は私なりに、婚約者様の良い所を見つけようと努力をして参りました。尊敬し寄り添える様にと努力を重ねたのです。でも無理!ムリ!絶対に嫌!あからさまな変態加減。更には引きこもりの妹から明かされる真実?もう開いた口が塞がらない。
ヒロインに隠しキャラ?妹も私も悪役令嬢?ならそちらから婚約破棄して下さい。私だけなら国外追放喜んで!なのに何故か執着されてる。
ヒロイン!死ぬ気で攻略しろ!
勿論、やられたら倍返ししますけど。
(異世界転生者が登場しますが、主人公は異世界転生者では有りません。)
続編として【まだまだ宜しくないヤツだけど、とりあえず婚約破棄しない。】があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる