AIは電気脳の死を喜ぶか?

幻奏堂

文字の大きさ
13 / 15
トラック6

I wouldn't have nothing if I didn't have you. 後奏

しおりを挟む


 ――寒い。どこだ、ここは……?

 ハッとして顔を上げる悠久。無表情の愛利と目が合う。しゃがみ込んだまま、意識を失っていたようだ。崩れかけた屋根の上に、はらはらと雪が降り注いでいる。

「今度は何? 片頭痛?」

 愛利が子馬鹿にした態度で口角を上げる。どうやら気を失っていたのはほんのひと時らしい。

 ――僕、俺は……魔術師の息子で、父さんが死んで銀河連合に入って……それで、あの子……イリア、の弟を助ける為に地球に……それで失敗して、記憶を改変されて……戦った……、

「っうあ……ぁああ……!!」

 ひどい頭痛に両手で頭を抱え、悶え始める悠久。愛利は身動き一つせず、その様子を眺めている。

「う……っぐ……っ」

 奇妙なことが起きた。愛利が僅かに目を見張る。

 苦しむ悠久の黒い髪が――根元から少しずつ、金色に変わっていく。

「なにそれ! どうなってんの? すっごーい!」

 囃し立てる愛利。やがて完全に金髪になった悠久が、ゆっくりと顔を上げる。愛利を睨み付けるその目は――赤く染まっていた。ユークそのものだ。

 ――俺は、ずっと……銀河連合と戦っていた……そもそも俺が失敗したせいで、全部……

「え、じゃあもしかして、記憶が戻ったとか?」

 考えを巡らせているユークの顔を、愛利が覗き込む。無反応のユーク。青白い肌。

 ――沢山、敵を殺した。仲間の為に。仲間じゃなかった、敵じゃなかった。……イリア……、

「ねーちょっと聞いてんのっ?」

 痺れを切らした愛利がユークを蹴り飛ばす。ユークはされるがまま、赤い屋根から投げ出された。

「っ……」

 落下途中で外壁の縁を片手でつかみ、ぶら下がるユーク。半ば無意識だったらしく、ユークは不可解とばかりに自らの手を見つめた。

 ――この手で、イリアを殺した。みんなも……。なのに、俺は助かろうとしている……何の為に……? 誰が、望む?

 ユークの手が、外壁から離れる。

「あはっだから言ったじゃん! バイバイッ」

 屋根から顔を出し、満足そうな笑顔を浮かべる愛利。

 雪片と共に背中から落ちていく、ユーク。悲しみに歪みながらも、どこか安堵したような表情。アーキンが、湖に落ちていく様と重なる。黒い五芒星が、ユークの眼前で揺れている。

 ――うまく生きられなかった。俺には、無理だったよ。

「父、さん……」

 ユークはそう呟き、静かに目を閉じた。硬い石畳が迫る――。

 !!

 落下点に魔術陣が現れ、ユークの体は石畳に沈み込んだ。かと思うと、石畳はゴムのように反発し、衝撃を吸収した。

 無傷で地面に横たわるユーク。目を開けると――杖を片手に、隊服姿のロカリオが駆け寄ってくるところだった。

「どうして魔術を使わない!? 死ぬところだったんだぞ!!」

 ロカリオの姿を見て、懐かしさに目が潤むユーク。しかしすぐに、表情が消え失せる。

「ごめん、なさい……」

 ユークはそう口走った。ロカリオは言葉を失い、やがて怒りに体を震わせる。

「っ勝手に、終わらせようとすんな……!!」

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 ユークは虚空を見つめ、何度も謝罪を繰り返す。赤い瞳は深く陰っている。

「やめろ!! 黙れ。っ返せよ……っイリアを、返せ……!!!」

 ロカリオは鼻を真っ赤にしながら、絞り出すように悲痛な声を上げた。そびえ立つ、黒きシャンデリア城。

「わぁ、出たよ~自己満正義マン! 悠久がかわいそ~~死なせてあげなよ~?」

 いつの間にか、ロカリオの背後に愛利が立っていた。すぐさま振り向き、戦闘態勢に入るロカリオ。 

「チッ、クソ人形が。その喋り方やめろよ。死ぬほど苛つく」

「え、似てるでしょ? みんな大好き、イリアちゃんだよぉ~!!」

 愛利が人差し指で唇に触れながら、ウインクをする。というか、むき出しの赤い右目にはもはや瞼がない。

「微塵も似てねえ。二度と喋れないようにしてやる」

 鋭い眼光で愛利を見据え、杖を突き付けるロカリオ。真っ白で、重量感のある杖。愛利は可笑しそうに吹き出し、悠久を見やった。

「悠久~ちょっと待っててねぇ? この鬱陶しいの挽肉にしたら、すぐに殺してあげるからっ」

 愛利はそう言って、左手と同化した刀を舌先で舐め上げる。ユークは力なく横たわったままだ。

「スクラップになるのはお前だ」

 そう言い終わるや否や、ロカリオの杖先が眩い光を放った。愛利の足元に魔術陣が現れ、太い氷の刃が突き出る。寸前に地面を蹴り、宙返りをして軽々とかわす愛利。しかし着地点にも魔術陣が出現する。
 再び突出した刃を今度は蹴り上げ、さらに後ろに宙返りする愛利。間髪入れず繰り出される連撃を、同様にかわしていく。

「くそ……っ目障りな」

 ロカリオが一瞬、攻撃の手を緩めたかと思うと、愛利は不敵な笑みを浮かべた。身をひるがえし、猛スピードでロカリオに向かって走り出す。
 すぐさま攻撃を再開するロカリオだったが、あまりの速さに追いつけない。ロカリオの眼前で大きくジャンプし、刀を振りかぶる愛利。

 ガキィィィン!!

 ロカリオが杖で愛利の一撃を受け止める。想像以上の衝撃に、ロカリオの立つ石畳に亀裂が走る。
 ロカリオが大きく杖を振るい、愛利を跳ね返した。反動で割れ、盛り上がる石畳。ロカリオが跳び上がり、空中に投げ出された愛利に追撃しようと迫る。

「ロカリオやめて!!」

 ロカリオが杖を振りかぶったところで、顔色と声色を変え、そう叫ぶ愛利。思わず躊躇してしまうロカリオ。それを見て愛利がニヤリと笑う。

「ちょろ~いっ!」

 愛利は着地するなり再びジャンプし、まだ空中にいるロカリオに迫る。頭を振り、杖を握り直すロカリオ。しかし――遅い。

 !!!

 愛利の一閃がロカリオの顔面を切り裂いた。

「ぐぁ……っ」

 両手で額を押さえながらも、なんとか着地するロカリオ。ぼたぼたと、指の間から血が流れ落ちる。
 ロカリオの杖は後方に投げ出され、横たわるユークの近くまで転がった。ぼんやりとそれを眺めるユーク。

「さっきのお返しっ! ま、やったのは悠久だけど」

 上機嫌に微笑む愛利。しかしロカリオの手が緑色に発光し始めたのを見て、膨れっ面になる。

「も~だからそれずるいってぇ!!」

 そう抗議しながら跳ね上がり、ロカリオに斬りかかる愛利。寸前で出現した魔術陣が盾となり、愛利の攻撃を阻んだ。
 構わず連撃する愛利。回復を諦め、顔を上げたロカリオだったが、流れる血で視界を奪われている。愛利の正確な位置が把握できないようで、何度か攻撃をくらってしまう。同時に多数の盾を出すことでカバーしている為、魔力の消耗も激しい。

「ロカリオ、わたしだよ……っやめてよぉ……!」

 イリアの声真似をしながら、攻撃の手を早める愛利。盾の生成が追い付かず、傷だらけになっていくロカリオ。

「くそが……っ!!」

 ロカリオはそう吐き捨てると、魔術陣の盾から刺々しい鎖を放射する。いくつもの鎖は愛利を捉えようと、縦横無尽に動き回る。

「あぁ~もうめんどくさいなぁ!! お前はあとでいいや! そもそも悠久さえ殺せれば任務完了だしっ」

 愛利はロカリオを大きく飛び越え、ユークへと向かう。ユークは未だ放心状態だ。

「ユーク!! 戦え!!!」

 ロカリオは絶叫し、高速で魔術を発動させる。連なる氷の刃が愛利を追うが、捉えられない。ユークの位置がわからない為、これ以上の攻撃は危険だ。無我夢中で走り出すロカリオ。

「戦わなくてもいい!! 杖があるだろ?! 防げ!! ユーク!!!」

 ロカリオの必死の呼びかけも虚しく、ユークは微動だにしない。愛利が着地と共にロカリオの杖を踏み割り、不敵な笑みを浮かべた。

「ォ、ャスミ……」

 ユークを見下ろし、機械音声のような声を出す愛利。ユークの脳裏にフラッシュバックする光景。卒業旅行の悪夢。――これも、きっと夢だ。悪い夢。

「ユーク!!!!!」

 刀が、振り下ろされる。ユークの目尻から涙が零れ落ちた。


 ――?

 ユークに刀の切っ先を突き付けたまま、硬直している愛利。当惑の表情。
 一度刀を引き、もう一度攻撃を試みるが、どうしても振り切ることができない。ユークは不思議そうにその様子を見つめている。

「な……に」

 愛利がそう発したところで、追い付いたロカリオが愛利を横殴りにした。受け身も取れず、地面に叩き付けられる愛利。

「はぁっ……はぁ、っ大丈夫か、ユーク……っ」

 手探りでユークに触れるロカリオ。ユークはそれに応えるように、震える手をロカリオの額にかざした。淡い緑色の光に照らされ、滴り落ちていたロカリオの血が止まった。傷は癒えていない。

「ごめん……でも、俺……、」

 そう言いかけたユークだったが、激しい空気の振動音にかき消される。ハッとして顔を上げるロカリオ――母船だ。銀河連合の母船が目前に着陸した。

「ロカリオ、ユーク、帰船してください」

 聞き覚えのある声がしたかと思うと、母船の底部が滑らかに動き、スロープ式の出入り口が現れる。

「っ行くぞ!!」

 ロカリオがユークに肩を貸し、立ち上がらせる。ユークは僅かに抵抗を示したが、ロカリオが半ば引きずるように連れて行く。
 ユークが後ろを振り返ると、愛利は静止したまま、何かを口走っている。大きく見開かれた真っ黒な瞳。


 ロカリオとユークが辿り着くなり、スロープを収納しながら母船が発進する。スロープは司令室に繋がっており、頼もしい後ろ姿が二人を出迎えた――振り向く、クローディア。

「おかえりなさい、ユーク。よくやりましたね、ロカリオ」

「はい、ありがとうございます」

 ロカリオが落ち着いた声色で応える。ユークは何も返すことができなかった。クローディアと目を合わせることもできない。全身の、震えが止まらない。

 優しい表情でユークを見つめていたクローディアが、無言でユークを抱き寄せる。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 何度も謝罪するユークに、クローディアは頭を振る。ユークから手を離し、その目を真っすぐに見据える。

「ユーク、何も謝るようなことはありません。全て私が判断したことで、責任は私にあります。記憶を改変されていたあなたに落ち度はありません。私でも同じことをしたでしょう。……そもそもあなたは両足を失うという、充分すぎる代償を負いました。辛い役目を引き受けていただき、心から感謝申し上げます」

 顔面蒼白のユーク。クローディアの言葉を否定するように、何度も頭を振った。嗚咽が漏れるが、涙は出ない。ロカリオは複雑な表情で唇を噛んだ。

「……それに、あなたの潜入は成功していました。同じグリッドの綻びから送り込んだ援軍が察知され、AIの報復を受けたのです。原因不明ですが、どちらにせよ私の判断ミスです。申し訳ありません」

 クローディアの声に後悔が滲む。ユークはただただ繰り返し、頭を振った。声にならない、悲痛な思い。戻らない過去。失われた未来。
 銀河連合は白がシンボルカラーであり、隊服はもちろん船内も真っ白だ。その中で黒い戦闘服に身を包んだユークの姿は、周囲との隔たりを体現しているかのようだ。

「よく生きて帰ってきてくれました。それが一番大事なことです。みな、あなたの帰りを心待ちにしていたのですよ」

 クローディアが振り返ると、操縦席に座っていた隊員らがユークを見据え、力強く頷いた。
 ユークは少しだけ隊員らを見やったが、苦しそうに顔を歪ませると、深く俯いてしまう。それを見て、隊員らの表情も僅かに陰った。

「っおい! ユーク、見ろ!!」

 司令室は壁や床がモニターになっており、船体の各方位に取り付けられたカメラと繋がっている。まるで透明な船に乗っているかのようだ。足下に映る地上を眺めていたロカリオが、驚いた様子でユークを呼び寄せる。
 母船はまだ地上からそう離れていない。複数の人影が確認できた。こちらを見上げている――気だるげな雅仁、無表情の蜜花、不機嫌そうな加乃、

 それと――もう一人。

「父……さん……?」

 ユークは目を疑った。かつての仲間に紛れて、そこには確かにアーキンが立っていた。気難しそうな表情。懐かしさに鳥肌が立つ。

「ったく、どうなってんだよ……っ」

 ロカリオがため息混じりに頭をかいた。ユークは小さくなっていく肉親の姿から、目を離せなかった。


「ロカリオ、まずはユークと共に治療を受けてください。その後、ユークをイリアのところへ」

 地球から脱出したところでクローディアが切り出す。四方八方を星々に囲まれ、宇宙空間に浮かんでいるかのような錯覚に陥る。
 俯いたユークの瞳が、虚ろに陰った。それを見て、クローディアは素早くロカリオに目を移した。

「まさかロカリオ……伝えていないのですか? イリアは生きていると」

 弾かれたように顔を上げるユーク。ロカリオがばつが悪そうに目をそらす。

「あんなの……死んでるも同然だろ」

 そう吐き捨てたロカリオの目は、悲痛に満ちていた。クローディアが小さくため息をつく。 

「イリアは眠っています。治療は成功しましたが、意識が戻りません」

 淡々とクローディアが説明する。ユークは遠慮がちにロカリオを見やると、険しい表情で視線を落とした。

「……俺、いいです。会う資格ありません」

 絞り出すように、そう申し出るユーク。するとロカリオは鋭い視線をユークに向けた。 

「そうやって逃げる気か? ……イリアは洗脳されたお前を、一切傷付けなかった。どんなに敵意を向けられようと、ひたすら心配して、きっともうすぐ帰ってきてくれるって、信じ続けて……っそれをお前は! 会う資格がないとかくだらねえ理由付けて、裏切る気かよ!!?」

「っ俺は……、」

 何か言いかけたユークだったが、すぐに口をつぐみ、悲しげに目を伏せた。痛々しい沈黙が流れる。

「来いよ。ちゃんと向き合え」

 ロカリオが力強くそう言い放ち、歩き出す。少し間を置いて、後に続くユーク。

「あっ、まずは医療部ですからね~?」

 クローディアが慌てて声をかけるが、聞こえていないのか二人はそのまま司令室を出て行った。

「私も治療が必要でしょうか。胸が痛いです……」

 やさぐれるクローディアを、操縦席の隊員らが優しく慰めた。





 ロカリオに連れられ、イリアの私室に案内されたユーク。ドアが開くなり――ベッドに横たわるイリアの姿が目に飛び込んでくる。
 医療器具などには一切繋がれていない。本当に眠っているだけのように見える。穏やかな表情、身体にも傷ひとつない。真新しい隊服を身に付けている。片側だけに付けられた、リボンの髪飾り。

「どうした? 入れよ」

 入口で立ち止まったままのユークを見やり、ロカリオが入室を促す。イリアの姿に釘付けになっていたユークは、ためらいがちに一歩、踏み出した。背後でドアが自動で閉まる。

 イリアのベッド近くの壁には、二本の刀が立てかけられていた。イリアのものと、ゼロのものだ。二つの持ち手は、幾重もの天色の糸で繋がっている。

「宙馬のたてがみだ。イリアが結んだ。宙馬は一生を群れで過ごすことから、そのたてがみは家内安全の縁起物とされている。ゼロが神降村に残していった刀を、村人がイリアに託してくれたんだ」

 ユークの視線に気付き、ロカリオが説明する。イリアの切なる願いを感じ取り、暗然たる思いに沈むユーク。――俺は、何もできなかった。ゼロの手がかりさえつかめずに、それどころか……、

「……俺は少し休む。お前は医療部に行けよ。場所わかるよな?」

「え、ロカリオは……」

「これくらい、血が止まっていればそれでいい」

 そう言うが早いか退室するロカリオ。気を遣ったのだろうか。イリアと二人、部屋に残されたユーク。抑えていた思いが、溢れ出す。

「っ……ごめん……、イリア……! ごめ、なさい……っ」

 その場に泣き崩れるユーク。涙が心を潤すように、感情を呼び覚ましていく。激しい胸の痛みが悲哀に叫んでいる。
 イリアは依然、眠り続けている。少し悲しげな表情に見えるのは、気のせいだろうか。

 ユークは戦闘服のポケットから、レースのリボンを取り出した。改めて眺め、それが自分が作った方のリボンだと気付く。そしてあの時、イリアが落としたリボンだ。乱雑にしまったせいで、ところどころに折り目が付いてしまっている。
 震える手で、綺麗に結われたイリアの髪に触れ、リボンを結ぶユーク。不格好なリボンが、イリアの元へと戻った。

 ユークは気が抜けたように膝を折り、おぼつかない動きで床に倒れ込んだ。ユークの頭が触れたことでバランスを崩し、眼前に転がり込む二本の刀。ユークは何気なく、一方の刀に手を伸ばした。

 ?!

 ユークの脳内に、鮮明な映像が浮かび上がる。間近で地球を見ている映像、堕天進歩主義者らしき戦闘員らが茫然自失としている映像、――神降村を散策している映像。

「これは、ゼロの……?」

 動揺するユーク。走馬灯のように、断続的な映像が脳裏を駆け抜けていく。うっすらとだが、ゼロの思考までも伝わってくる。
 ユークは刀をしっかりと握り直し、ぎゅっと目を閉じた。僅かな情報も、取りこぼさないように――。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち

半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。 最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。 本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。 第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。 どうぞ、お楽しみください。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...