頬を撫でる唇

咲 カヲル

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一話

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床に脱ぎ捨てられた服。
その中には、下着もある。
ありきたりだが、今、全裸の状態だ。
上で、江ノ本陽一(エノモトヨウイチ)が、肉棒から受ける刺激に顔を歪め、快楽に溺れている。
醜い。
その姿を見るのが、嫌で嫌で、仕方ない。
腕で、顔を隠そうとしたが、すぐに取り払われてしまう。
全てが露になると、陽一は、興奮したように、更に、鼻息を荒くした。
それが、更に醜い。
力任せに動き、時々、肉と肉がぶつかり合い、パチンと音が響く。
正直、ただ痛いだけで、なんの快楽も得られない。
苦痛でしかない。
その証拠に、陽一が呼吸を荒くし、小さく喘ぐ中、喘ぎもせず、言葉も出さず、軽く運動してる程の静かな息遣いで、寝転び、その行為が、早く終わるのを待ってるだけだ。

「あ~…ふっ」

腰の動きが速さを増し、肉棒からの快楽が増したのか、陽一の呼吸が、更に乱れ始めた。

「も…イク」

陽一の呼吸が止まり、膣(ナカ)に生暖かなものが流れ込んで、やっと終わりを告げた。
絶頂を迎え、脱力した陽一が、のし掛かってこようとする。

「重い。どけて」

その腕を押し退けると、陽一は、背中を丸め、ティッシュで、股間を拭き始めた。
四十にもなって、この行為が、ただの自慰と同じだと、この男は気付いていない。
いい加減、気付いてくれないだろうか。
疲れて寝転ぶ陽一に背を向け、床に散らばる服や下着を拾い、浴室に向かう。
髪の毛から足の先に至るまで、触れられた部分を全て綺麗に洗う。
特に、陰部に関しては、念入りに洗い、膣から白乳色の液体を掻き出すように洗わないと、下着が汚れて落ち着かない。
泡を洗い流していると、入って来た陽一に、後ろから抱きつかれそうになるが、その腕からすり抜け、浴室から出た。
ベタベタと、引っ付かれるのは、正直好きじゃないし、せっかく、綺麗に洗ったのだから、触られたくない。
全身を拭いて、下着を着け、適当に髪を拭く。
女らしくないが、美容に興味がないから仕方ない。
ある程度、拭き終えてから、タンクトップとジーパンを履いて、アメニティから袋を破り、歯磨きをする。
ネチネチと、嫌味ったらしいキスは、とても不快で、何より、臭いが気になる。
歯磨きが終わっても、なんとなく、臭っている気がする。
ダメ押しで、口内洗浄液で洗い流すと、やっと気にならなくなり、髪を乾かし始めると、陽一が、浴室から出て来てしまった。
まだ入ってればいいのにと、思いながら、ドライヤーを止め、白いブラウスに袖を通しながら、その場から離れた。
正直、ここまで破綻した関係でも、陽一は、諦めようとしない。
その根性は凄いと思うが、そろそろ、色々と気付いて欲しい。
ただ力任せのセックスも、過剰な程のスキンシップも、私は好きじゃない。
だが、陽一は、全く気付かない。
それが疲れる。
真っ赤なソファに座り、仕事や友人からのメールを確認し、返信を始め、一通り終わってから、大きく背伸びをした。
この空間から早く出たい。
ジャケットを着て、ソファに座り直し、タバコに火を点けて、白い煙に乗せて、苛立ちを吐き出す。
二本目を吸い終わる頃、やっと着替えを済ませ、陽一が、洗面所から出てきた。
最初の頃は、十分もしないで、済ませていた着替えが、最近は、三十分近く掛かる。
意味が分からない。
陽一だって、早く帰らなきゃならないのに、ズルズルと、引き延ばそうとする。
いい加減、やめて欲しい。
ジャケットのポケットに、携帯を押し込んで、出入口に向かおうとすると、陽一は、腕を広げた。
その手から逃れ、玄関に向かい、二つ折りの財布を取り出して、会計ボタンを押した。
電子音声と共に、料金が表示され、一万円札を取り出して、機械に入れようとしたが、先に、五千円札が吸い込まれた。
陽一が、ボタンを押すと、ガチャと、玄関の鍵が開き、財布を仕舞いながら、一足先に外へ出た。
廊下の空気が、ひんやりしていて、とても気持ちいい。
大きく背伸びをしてから、エレベーターに向かった。
陽一も、並んで乗り込むと、抱き寄せられそうになり、何度も、その手を払い除けた。
それを繰り返している内、地下駐車場に着き、すぐにエレベーターを降りた。
真っ直ぐ歩き、白の乗用車の助手席側に立ち、陽一が、鍵を開けるのを待った。
こんな時は、絶対に顔を見せない。
顔を見せたら、また、触ろうとしてくるから、顔を見せたらいけない。
鍵が開き、滑り込むように、助手席に乗り込むと、陽一も、運転席に乗り込んで、車が走り出す。
近場のコインパーキングまでの間、陽一が、色々と話していたが、私の耳には入らない。
毎回毎回、同じような話ばかりで、とても退屈だ。
やっと、コインパーキングの前に停車して、すぐに、車を降りようとするが、腕を掴まれて止められる。

「マコト」

車の外に、片足を出し、顔だけを向ける。

「今度、どっか行こう。例えば、遊園地とか水族館とか」

頬を吊り上げ、口角だけの笑みを作った。

「やめましょう。お互いの為に」

驚いた顔の陽一を置き去りにして、車を降りて、ドアを締め、黒のミニバンに乗り込んだ。
あの程度で、上手く隠してるつもりなら、世の中の男は、もっと上手く立ち振る舞えるだろう。
エンジンを掛け、料金を支払い、車を発進させ、ある場所に向かう。
私は、あの男に、妻子があるのを知ってる。
初めて会った時から、すぐに分かった。
後部座席には、いつも仕事の荷物が乗っていて、時々、予備のスーツも置いてあった。
つまり、あれは社用車だ。
別に自家用車があり、それでは会えない理由くらい、簡単に予想出来た。
車で、知られたくないことは、一番は不倫や浮気だ。
残り香や髪の毛などを残したくない。
更に、陽一のように、独身だと偽っていれば、チャイルドシートなど、子供や家族に関する物があれば、すぐにバレてしまう。

『浮気や不倫は男の性だ』

テレビかラジオで、そんな事を言っていたような気もするが、どうでもいい。
相手に特定の人が、居ても居なくても、私には関係ないのだ。
満たされたい。
この渇いた身体を満たしたい。
ただ、それだけしか考えていない。
世間から見たら、バカだと思われる理由だが、簡単には、満たされないのが現実だ。
私が、絶頂を迎えたのは、夢の中での一度しかない。
それを陽一は知らない。
知ろうともしない。
色んな事を考えていると、目的地に着き、車を降りた。
ヘッドライトに照らされる薄暗い世界を見つめる。
昼間なら、蓮の葉が、沢山浮かんでいるが、それも、今は、微かに見えるだけの世界。
周りには、木々が、多く茂り、そこまでは、光も届かない暗闇が広がる。
小さい頃、よく父と一緒に来ていた場所は、大人になっても、私に小さな安らぎをくれる。
誰も知らない場所だった。
それも、二ヶ月前までの話だ。
その日も、今日と同じように、ここに来た時、誰かに、背中を押され、この蓮池に落とされた。
見た目以上に深く、泥が沈殿していて、必死にもがいても、まとわりついて、這い上がることが出来ず、ただ疲れるだけだった。
もうどうでもいい。
這い上がるのを諦め、吸い込まれるように沈みながら夢を見た。
とても温かで、優しい夢だった。
池の畔で、二つの影が見え、逆光の中、ぼんやりと浮かぶ二人を見つめた。
色白で、猫のように目尻が吊り上がり、鋭い目付きだが、とても優しく、温かな雰囲気の若い男性。
襟足だけが、腰の辺りまで長く伸ばされ、うぐいす色の袴を着た彼は、とても綺麗な顔立ちだった。
その人と同じように、色白で、目付きも雰囲気も、優しい年配の男性。
後ろ髪を結い上げ、群青色の袴を着ていて、二人共、腰に刀のような物を差していた。
幕末や江戸時代の服装に、よく似ていて、テレビや映画の世界に紛れ込んだような感覚だった。
若い方に背負われ、寺のような屋敷に着くと、中から大勢の男の人達が出て来て、優しい目付きの人が事情を説明してる様だったが、頭がボーッとして、何を言ってるのか分からなかった。
こちらに向き直り、優しい目付きの人が、何か言っているようだが、上手く聞き取れない程、耳も遠くなっていた。
伝わる振動で、彼が頷き、歩き始めたのは分かった。
周りが、バタバタと、慌ただしい中、彼は、ゆっくり、静かに歩いた。
和室の布団に寝かされ、着ていた物が脱がされると、その頬が赤くなって、布団が掛けられた。
昔から、よく間違われていた。
中性的な見た目と短い髪、動きやすい服装。
華やかさがなく、唯一、胸と背の小ささだけが、私が、女であることを示していた為、大きめの服を着たら、見た目では、どちらか分からなくなる。
彼も、私を男だと思っていたのだろう。
着物を着た医者のような男が来ると、すぐに出て行ってしまい、部屋には、その男と二人だけになった。
慌ただしいというか、とても忙しない人だった。
だが、医者らしく、ちゃんと人の体を調べて、カルテと思われる雑紙に、スラスラと書き込んでいた。
診察が終わり、しばらくすると、彼が、白い包みを持って現れた、横で正座し、頬を赤くしながら、何度も、深呼吸していた。
その姿が可愛く思え、その手に触れたくなって、動こうとしてみたが、動かなかった。
まるで、重りが着けられてるようだなと、考えていると、彼が包みを開けた。
その中身は、少し大きめの着物だった。
掛布団を退かされると、彼の頬が、更に赤くなり、耳は桃色に染まっていた。
極力見ないように、視線を反らしながら着付けると、真っ赤になった頬を手で挟む姿が、とても可愛らしかった。
今度こそと思い、重い体を動かそうとしたが、彼は、廊下に顔を出して、何人かの男が部屋に入って来て、伸ばそうとした手を引っ込めた。

『何処から来た』

まだボーッとしてるが、なんとか声も聞き取れるようになり、少し安心したが、何も答えられなかった。
声が出ない。
やっと出たと思っても、聞き取れない程の掠れ声で、母音だけが、辛うじて、聞き取れるくらいだった。
自分が情けなくなり、次第に不安になった。
そんな時、彼と視線がぶつかり、男たちに、ヒソヒソと、耳打ちをした。
それで、不安が煽られ、情けない掠れ声が出そうになったが、耳打ちされた男の人たちは、部屋から出て行った。
彼が、私の様子で、色々と理解してくれたのだと分かり、少し嬉しくなった。
彼は、あまり話さない人だった。
寡黙という言葉が、ピッタリの人で、それが、彼を怖い印象にさせてるようにも思った。

『大丈夫か?』

そんな見た目でも、その声色は、とても優しくて温かかった。
互いに言葉を無くし、見つめ合っていると、彼の指が、私の頬を撫で下ろした。
ひんやりと冷たいが、その手付きは、とても優しく、壊れ物を扱うようだった。
その手に触れられて、頬が温かくなった。
その手を離して欲しくなくて、袂を掴むと、驚いた顔をしていたが、小さく微笑みを浮かべ、優しく手を繋いでくれた。
私が眠るまで、手を繋いだまま、彼は、ずっと傍に居た。
満たされていく感覚は、私が求めるものだった。
それからは、彼が、看病をしてくれて、時々、あの優しそうな人や男たちも、様子を見に来たが、相変わらず、声が掠れてしまい、何も言えずにいた。
その度に、彼が、代わりに説明してくれた。
なんとなくでも、私の事を理解してくれる彼が、とても愛おしい。
私が、追い求めていたのは、彼のような存在だったのかもしれないと、次第に思うようになり、このまま、彼と共に居たいと願うようになっていた。
全てが満たされ始め、フワフワと、心地良い寝たきりの日々を過ごしていたが、ある日、その夢が終わりを迎えた。
誰も居ない。
二人だけの世界。
そんな錯覚をしてしまいそう程、静まり返っていた日の夕方のことだった。
彼の膝の上に座らせられ、もたれ掛かって、粥を食べさせてもらっていた。
普段なら、茶碗一膳分を食べきると、口元を優しく拭かれ、すぐに寝かされていたが、この日は違った。
そのまま抱き締められ、いつもの穏やかな雰囲気と違い、切羽詰まったような彼は、黙ったまま、唇を強く噛み締めて、小さく震えていた。

『…すまない…』

微かに呟かれ、その意味を知る前に、淡い痺れが駆け抜けた。
頬を撫で下ろすような唇に、ゾワゾワと、背中に鳥肌が立つような感覚に体が震えた。
混乱する頭で、必死に考えようとするが、鎖骨に、チクリと、小さな痛みが走り、思考と息が止まった。
首元に顔を埋め、唇で、首筋を撫でられると、背中が逆毛たち、呼吸が荒くなった。
吐き出す息が熱い。
混乱と熱い吐息に、ボーッとし始めた時、淡い痺れが、全身を駆け巡った。
肌が高揚し、赤みを帯びると、乳首が、痛い程に起ち、先っぽを撫でられただけで、電流が走ったように体が震えた。
初めてだった。
触れられた所から、熱が広がる。
そんな感覚に、恥ずかしさが込み上げた。
なんとか、熱を逃したくて、短く息を吐き出し、体を捩ってみても、着物が乱れるだけだった。
合わせ目から現れた内腿を撫でられ、更に熱が増した。
体を捩れば捩る程、自分が乱れた。
次第に、その熱が、思考や感覚を鈍らせ、本能の丸出しの獣に堕ちてしまいそうだった。
乳首を摘まれると、呼吸が上手く出来なくなり、何度も、息を吐き出した。
撫でられる部分が、ソワソワと、熱が広がり、淡い痺れが駆け回った。
彼の熱と自分の吐息に、体が、期待しているように震えた。
息を止め、落ち着けようとするが、首筋を舐められる感覚に、体を縮めてしまった。
その瞬間、陰部を掴まれ、私は、掠れながらも、小さく喘いだ。
初めての喘ぎ声。
情けない声で、更に、恥ずかしくなった。
背中を丸め、小さくなろうしたが、彼の腕に拒まれ、何度も、陰部を握っては離すを繰り返される度、全身が痙攣するように震えた。
何度も、情けない喘ぎ声を漏らし、下着を汚してしまった。
もう、何も分からない。
どうやって、この熱を逃せばいいのか。
どうやって、息をすればいいのか。
彼の熱く甘い吐息が、頭に響いて、体の中で混ざり合った。
無意識に体を捩り、快楽の渦に溶けていった。
もっと、触れられたい。
もっと、触れて欲しい。
次第に、そう思い始め、その腕を引き寄せていた。
下着越しに、膨れ上がった蕾を指が掠めると、腰が跳ね上がり、大きな声が出そうになるのを噛み殺した。
彼の指が、遊ぶように撫で回し始め、噛み殺したはずの声が、抜け出ていった。
コリコリと、蕾が動く度、ビクビクと、腰が動き、快楽を追っていた。
自分の体なのに、別の生き物のように動き回った。
喘ぎ声が部屋に響き、頭の中でこだまする。
もう何がなんだか、分からない。
手が速くなると、無意識の内に、丸めた背中を反らし、彼の腕に爪を立てていた。
快楽に溺れかけ、窒息しそうだった。
何度も、理性の縁に手をかけ、這い上がろうと、唇を噛んでみても、声が漏れ出て、簡単に流されてしまった。
視界がぼやけ、不安と恐怖で、助けを求めるように、爪を食い込ませながら、彼に顔を向けた。
その唇が重なり、互いの荒い鼻息で、頬を撫で合えば、それも、すぐに消えてしまった。
彼になら、何をされてもいいと思い、全てを委ねた。
クチュクチュと、粘り気のある水音だけが部屋に響く中、体は、彼の熱をも、取り込もうとしていた。
手の動きが緩み、物足りなさを訴え、その手に腰を押し付け、彼の全てを求めた。
今、思えば、とても醜くて、はしたない事をしたが、その時の私は、何も考えられなかった。
それくらい、自分の熱に追い詰められていた。
下着を押し退け、その指が、膣(ナカ)に入れられると、悲鳴に近い喘ぎ声を響かせ、全身を震わせた。
求めたものを与えられ、体が、悦びに震えた。
唇が離され、彼と見つめ合い、互いの熱を感じ合った。
彼の指が動く度、頭を突き抜けるような痺れが駆け抜け、体が震えて喘いだ。
そこが、私にとってのツボだった。
擦るように動かされると、更に、呼吸は乱れ、涙が零れ落ちた。
指の付け根辺りが、勃起した蕾を刺激し、私の声は、廊下にまで響いていた。
聞かれてしまうかもしれない。
だが、もうやめられない。
互いに、止められなくなっていた。
彼の手に、自ら蕾を擦り付け、腰を揺らし、刺激を求めた。
血液が沸騰するように熱い。
全身が波打つように痺れる。
膣が広がり、彼の全てを受け入れようと、背中を反らして、陰部を押し付けた。

『…好きだ…』

彼の囁きが、きっかけになった。
息が止まり、全てを引き寄せるように、体を縮め、彼の指を飲み込もうとした。
彼にしがみついて、体を震わせ、涙で汚れた頬を擦り寄せた。
これが、初めてのエクスタシーだった。
彼に寄り掛かり、乱れた呼吸を必死に整えようとしたが、上手く出来なかった。
どうすればいいかと、助けを求め、泣き叫びそうになるが、優しく頬を撫でられ、次第に、落ち着いた。
初めての体験で疲れ果て、そのまま、彼の温もりに抱かれて、静かに眠りに落ちた。
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