10 / 11
#10
しおりを挟む
優しい笑みを作る博文を見つめ、葉菜は、持ち上げた缶を置き、肩を震わせた。
「どうしたら、葉菜が、喜んでくれるかとか、どうしたら、葉菜が、笑うかとか、そんな事ばっかり考えてる。僕は、葉菜に振り向いて欲しいから」
「…遅いんだよ…」
「え?」
首を傾げた博文を押し倒し、馬乗りになった葉菜は、酒臭かった。
「あんな事して今更でしょ。恋愛がしたいだの。振り向いて欲しいだの。ふざけすぎ。私を抱いた時点で、あの男と同じなの」
無表情の葉菜を見上げて、博文は、唇に力を入れた。
「結局、アンタもアンタの兄弟も、あの男と同じ。好き勝手抱ける女が欲しいだけ。騙されてても、そうゆう女が」
「僕にとっての葉菜は、本当に大切な人だよ」
笑みを崩さない博文を見下ろし、奥歯を噛み締めた。
葉菜は、博文の股の間に、膝を押し入れ、股間に擦り付けた。
「気持ちいい?」
顔を歪めた博文のぺニスが、固くなり、葉菜は、ニヤリと笑った。
「忘れられないから、探したんでしょ?」
「違う」
「ウソ。体は素直だよ?」
「…僕は…葉菜と…一緒にいたいだけ」
「だよね~。そしたら、いつでもセックス出来るもんね?」
「違う…そうじゃなくて…」
「何が違うのさ」
膝を押し当てられ、悶えながらも、博文は、手を伸ばし、その頬を包むように触れた。
「もう…そんな顔させたくない」
必死に我慢し、涙目になっても、博文は、葉菜の挑発には乗らず、真っ直ぐ見つめた。
「自分を隠して、嘘を装って、平気な顔してるように見えるけど、本当は、平気じゃない。葉菜は、自分を騙してるじゃない?」
「んな訳ないし」
「なら、どうして、そんな悲しそうなの?」
ニヤリと笑って、挑発してても、葉菜は、どことなく、悲しそうな雰囲気だった。
「なに言ってんの?悲しい訳…」
「もうやめようよ。自分騙すの」
博文の手が、優しく頭を撫でると、葉菜の脳裏に、古い記憶が写し出された。
葉菜が大好きだった手が、自分の頭を優しく撫でる。
大きくて、ゴツゴツしてて、優しくて、温かい、父親の手。
「葉菜。兄さんや久孝に乗せられたとは言え、あんな事してごめん」
自然と流れ出る葉菜の涙を拭い、博文は、悲しい顔をした。
「許される事じゃないと思う。でも、憎まれても、僕は、葉菜と一緒にいたい」
「…今更、もう遅いし」
「なら、もう一度、僕にチャンスをちょうだい」
顔を隠すようにうつ向き、声を震わせる葉菜の頭を撫でて、博文は、優しく微笑んだ。
「葉菜が求めたい時は、それに応えるよ?でも、その時以外は、絶対にあんな事しない。周りになんて言われても」
「絶対ムリだし」
「やってみなきゃ、分かんないじゃん?」
「流されやすいくせに」
「これでも頑固って言われる」
「どの辺がよ」
「分かんない」
「分かんないのかい」
さっきまでの雰囲気は、何処かに吹き飛び、葉菜は、涙を流しながら笑った。
博文も大きな声で笑い、部屋は、穏やかな時間が流れた。
互いに落ち着いて、葉菜は、腕を広げて転がる博文を見下ろした。
「なに?」
「なんでもない」
葉菜は、覆い被さるようにして、博文の上にうつ伏せになると、規則正しい心臓の音に耳を寄せた。
「…変わり者」
「なに?」
「母さんとおばさんが、話してたの聞いたの。息子の中で、次男は、変わり者なのって。確かに、変わり者だなって」
「どんなところが?」
「騙した相手に本気になったり、何もしないっていったり、頑固だって言ったり」
「頑固は、言われたんだって」
「あっそ」
暫くの間、オーディオから流れる音楽を聞いていた。
「あ。この歌知ってる」
「へぇ。あんまり、有名じゃないのに。どうして?」
「大学の友達から、オススメって聞かされた」
「その人、良い人?」
「どうかな。世話好きで、話好きな感じ」
「じゃ、紹介して?」
「イヤだよ!!」
「冗談だし。いじられキャラでしょ?」
「葉菜だけだし」
クスクス笑って、葉菜は、体を起こして、博文を見下ろした。
「辛くない?」
「なにが?」
「これ」
葉菜は、腰を動かして、博文の股間を刺激した。
「…ダイジョウブ」
「嘘つくの下手ね」
何とか笑おうとしても、博文は、眉間にシワを寄せて、苦しそうな顔をしていた。
「約束…だから…」
「でも、苦しいんでしょ?」
顔の横に手を置き、博文の鼻先まで、顔を近付けると、葉菜の息が、唇をかすめる。
「苦しい?」
「…ちょっと」
「したい?」
「葉菜がしたいなら」
「アナタは?」
「葉菜に任せる」
「じゃ、しない」
「分かった。ごめん。ちょっとよけてもらって良い?」
「なんで?」
「ちょっとお手洗いに」
「人ん家のトイレでするの?」
「それは」
「ある意味、変態だよ?」
「それでも良いから、よけて」
「イヤ」
「じゃ、動くのやめて」
「イヤ」
葉菜の股間が押し付けられ、ずっと動かされていた為に、博文のぺニスは、完全に勃起し、痛い程だった。
「お願い」
「だめ」
「なんで」
「仕返し」
「ごめん…ホント…よけて…漏れそう…」
「漏らせば?」
そんな事を言ってる間も、葉菜の動きは止まらない。
博文の我慢も限界に達し、無理矢理、起き上がって、離れようとしたが、葉菜の腕が回され、離れる事が出来なかった。
「…やってあげようか」
聞き返す前に、葉菜の唇が重なり、酒の臭いが鼻を抜けたと思うと、博文の耳や首筋に吸い付いた。
「ちょ…待って…」
震える声に微笑み、葉菜は、迷う事なく、博文のベルトに手を掛けた。
「パンツ、濡れちゃってるよ?」
ぺニスの先から、汁が溢れ、パンツにまで浸透していた。
それを指で撫でて、糸を引かせると、葉菜は、博文の脇腹に吸い付いた。
「葉菜…ちょっと…待っ…」
「待たない」
パンツのゴムに指を掛け、ぺニスの頭が出ると、葉菜の舌先が触れ、短い息に、小さな声が混ざり、博文は、下腹に力が入った。
「腰上げてよ。脱がせられない」
腕を口元に当て、素直に腰を上げると、ズボンを下ろされ、葉菜の指が、パンツ越しにぺニスに触れられ、博文は、また短い声を漏らした。
「スゴいね。ちょっといじっただけで、固くなるんだ」
裏筋を撫でられ、博文は、下腹に力が入り、また先っぽから汁が溢れた。
悶える博文を見つめ、パンツを下ろした葉菜の前に、博文のぺニスが現れ、裏筋に吸い付き、シゴき始めた。
「気持ちいい?」
息を荒くして、頷く博文を見つめ、葉菜は、手の動きを早めた。
射精が近付き、背中を丸め始めると、手が止まり、博文は、葉菜に視線を向けた。
「なん…」
「ヤバいんでしょ?」
意地悪な笑みを浮かべる葉菜は、手を離して、博文に覆い被さるようにして、顔を近付けた。
「葉菜…もう…」
「だめ」
「なんで…」
「だって、苦しくなくちゃ、仕返しにならないでしょ?」
「もう…勘弁して…」
「イヤだ」
「葉菜…」
「私の事好き?」
「急に…どうしたの?」
「好き?」
ニコニコする葉菜を見つめ、博文は、困ったように微笑んだ。
「好きだよ?」
「じゃ、我慢できるよね?」
ニッコリ笑う葉菜に、イヤな予感がし、ブルッと背中を震わせ、博文は、出しっぱなしの下半身を仕舞おうと、急いで、手を伸ばした。
だが、葉菜の手に押さえられ、強引なキスをされた。
鼻から抜ける酒の臭いと絡められる舌で、頭がクラクラし始め、博文は、葉菜の腕を掴んでいた。
絡んでいた舌が離れ、葉菜の唇が、頬や耳、首筋を滑るように触れる。
小さな声が漏れる博文の耳元に頬を寄せると、葉菜の太ももが、股間に押し当てられた。
「ねぇ。どうしたい?」
息を吹き掛けながら、葉菜の甘い声が、耳元で囁かれ、博文は、肩を震わせて、耳を離そうとした。
だが、葉菜の手が添えられ、阻止されてしまった。
「ちゃんと言って?どうしたい?」
目を閉じて、股間を擦る素足の感覚に、腰を震わせ、博文は、葉菜の手に手を重ねた。
「ねぇ」
自分の方に顔を向けさせ、葉菜が、足を押し付けたまま、見つめると、博文も、目元に涙を溜めて見つめた。
「どうしたい?」
「キス…したい」
触れるだけのキスをして、博文は、大きく息を吐き出した。
「もう…良い?」
「なにが?」
「気…済んだ?」
ここまでしても、博文が、抱こうとせず、葉菜にされるがまま、必死に耐えている。
そんな博文に、葉菜は、驚くと同時に笑いが込み上げた。
「なに?おかしい?」
「ごめん。マジなんだって思ったら、笑えちゃって」
ケタケタ笑う葉菜を見つめ、博文は、何処か安心したように、優しく微笑むと、鼻から息を吐き出した。
「…ねぇ。さっき、もう一度って言ってたじゃん?あれって、どうゆう事?」
「ん~お試し?みたいな感じ」
「お試しって。その格好で、アホでしょ」
「言わないでよ」
苦笑いしながら、パンツを上げようとするが、葉菜の足が邪魔で上げられない。
「よけて?」
ニッコリ笑う葉菜を見て、博文は、大きな溜め息をつき、パンツから手を離して、大の字になった。
「葉菜、意地悪な」
「そう?普通じゃない?」
「この状況で?普通じゃないでしょ」
自傷気味にケタケタ笑う博文を見つめ、葉菜は、小さく笑って、覆い被さった。
「まだやるの?」
ニッコリ笑って、葉菜の唇が優しく、重ねられた。
そのキスは、今までのような、欲望を掻き立てるキスじゃなく、優しくて、愛しさが溢れていた。
じっと、見つめ合い、どちらともなく、唇を重ねると、舌を絡める深いキスをした。
葉菜は、自分から、短パンと下着を脱ぎ、博文のぺニスに擦り付けた。
短い声を漏らし、眉を寄せる博文を見つめ、葉菜は、自ら、ナカにぺニスの頭を入れた。
鼻を鳴らす博文の呼吸が、ぺニスの頭を出し入れする度に、どんどん荒くなった。
唇が離れ、博文は、葉菜に触れようとしたが、その手を宙に止め、拳を作って耐えた。
腰のクッションをよけ、葉菜から逃れようとした。
「あーーーっ!!」
逃げようとする博文を葉菜は、逃さなかった。
一気に腰を下ろして、ぺニスを飲み込むと、博文は、声を漏らして、葉菜の足に触れた。
「どうしたの?いつもしてたじゃん?」
眉間にシワを寄せる博文を見下ろし、葉菜は、ゆっくり笑い、顔を近付けた。
「辛い?」
奥歯を噛み締め、頷く博文を見つめ、葉菜は、その胸に耳を着け、腰を動かした。
「…動いちゃ…」
「出ちゃう?」
何度も頷く博文を見つめ、葉菜は、ニッコリ笑い、動きを止めた。
「…ごめん…葉菜…もう…」
「限界?」
涙目で頷くと、葉菜は、腰を浮かせた。
「ねぇ。前みたいに、イカせて?」
「でも…」
「動いて良いから」
博文は、唾を飲み込み、ゆっくりと腰を浮かせ、ぺニスを奥に押し付けた。
葉菜は、小さな声を漏らし、博文の腕を掴み、体を震わせた。
何度も突き付け、博文は、支えるように、背中に腕を回すと、葉菜も、体を震わせながら、その胸に額を着けた。
荒くなった呼吸で、互いの体温が上がるのを感じ、短い声を漏らした。
「葉菜…」
「…もう…ちょっと…」
鼻先に顔を出して、葉菜は、甘えるような目で、博文を見下ろした。
「…我慢」
博文は、動きを止めて、体を起こすと、葉菜を抱き締め、クッションに寝かせた。
「痛くない?」
「大丈夫」
博文が腰と肩に、腕を回し、打ち付けるように、腰を動かすと、葉菜は、腰を押し付けるように浮かせ、背中に爪を立てた。
「…も…イク…」
喘ぎながら、押し寄せる感覚に、葉菜ナカが、引き寄せるように、力が入るのと同時に、博文も射精した。
溶けてしまいそうな顔で、見つめ合い、どちらともなく、キスをして、博文は、葉菜を抱き締めて、ぺニスを引き抜いた。
「…ごめん…大丈夫?」
頷いてから、大きく息を吐き出した葉菜の額にキスを落とし、博文は、横に転がった。
「…今度、映画でも行かない?」
「映画ねぇ~…あんまり、興味ない」
「じゃ買い物?」
「欲しいのないし」
「水族館か動物園」
「そんな子供じゃないし」
「遊園地」
「てか、なに?出掛けたいの?」
「そう。葉菜と出掛けたい」
「なんで」
「そうしたいから」
ニッコリ笑う博文を見つめ、葉菜は、困ったような笑みを見せた。
「考えとく」
「分かった。じゃ、ご飯行こう」
「だから、考えとくってば」
「違うよ。今から、ご飯、食べに行こうよ」
「そのまま?」
「ちゃんと着るよ」
「違うし。そのままじゃ臭いじゃん」
「そう?」
「とりあえず、シャワー浴びなよ」
自分の腕に鼻を寄せて、臭いを嗅いでる博文に向かい、追い払うような仕草をして、葉菜は背中を向けた。
「良いの?」
「別にいいよ。それくらい」
「ありがと」
嬉しそうに微笑む博文が、頬に軽くキスをして、葉菜の頬が赤くなった。
「嬉しい?」
「うるさい!早く行け!」
ケタケタ笑いながら、博文が、ズボンと下着を持って、葉菜の指差したドアに消えると、大きく息を吐き出し、手で顔を覆った。
葉菜は、自然と熱くなった頬に、戸惑い、それをどうしたら良いか分からなかった。
暫くして、頬の熱も治まり、シャワーの音が聞こえた葉菜は、いたずらっ子のような笑みを浮かべて、新しい下着とジーパン、脱ぎ捨てた洋服を持って、浴室に向かった。
静かにドアを開け、シャワーを浴びる背中を撫で下ろすと、博文は、驚いて、肘を壁にぶつけた。
「バカじゃん」
「驚かすからでしょ」
肘を擦る博文を見て、ケタケタ笑いながら、浴室に入った。
博文の顔が真っ赤になり、出て行こうとするのを葉菜が連れ戻す。
「ちゃんと洗いなよ」
「流すだけで大丈夫だろ」
「ダメだって。座って」
「自分でやるから」
「いいから」
博文を湯船の縁に座らせ、葉菜は、髪を洗い始めた。
「どう?」
「上手」
「でしょ?昔は、美容師になりたかったんだよね」
「良いじゃん。ならないの?」
「昔の話。幼稚園くらいのことだし」
それから、昔の話やくだらない話をしながら、シャワーを浴びて、着替えをすると、並んで、部屋を出た。
居酒屋で、博文はジュースで、葉菜はカクテルで、乾杯した。
笑いながら、食事をしてから、博文に送られて帰宅した。
「じゃ、おやすみ」
「おやすみ~」
アパートの前で、手を振って、博文を見送り、葉菜は、浮わついた足取りで、部屋に戻った。
葉菜は、普通の付き合いをした事がない。
だから、異性と食事に行く事が、新鮮で、くだらない話をするのが楽しかった。
「どうしたら、葉菜が、喜んでくれるかとか、どうしたら、葉菜が、笑うかとか、そんな事ばっかり考えてる。僕は、葉菜に振り向いて欲しいから」
「…遅いんだよ…」
「え?」
首を傾げた博文を押し倒し、馬乗りになった葉菜は、酒臭かった。
「あんな事して今更でしょ。恋愛がしたいだの。振り向いて欲しいだの。ふざけすぎ。私を抱いた時点で、あの男と同じなの」
無表情の葉菜を見上げて、博文は、唇に力を入れた。
「結局、アンタもアンタの兄弟も、あの男と同じ。好き勝手抱ける女が欲しいだけ。騙されてても、そうゆう女が」
「僕にとっての葉菜は、本当に大切な人だよ」
笑みを崩さない博文を見下ろし、奥歯を噛み締めた。
葉菜は、博文の股の間に、膝を押し入れ、股間に擦り付けた。
「気持ちいい?」
顔を歪めた博文のぺニスが、固くなり、葉菜は、ニヤリと笑った。
「忘れられないから、探したんでしょ?」
「違う」
「ウソ。体は素直だよ?」
「…僕は…葉菜と…一緒にいたいだけ」
「だよね~。そしたら、いつでもセックス出来るもんね?」
「違う…そうじゃなくて…」
「何が違うのさ」
膝を押し当てられ、悶えながらも、博文は、手を伸ばし、その頬を包むように触れた。
「もう…そんな顔させたくない」
必死に我慢し、涙目になっても、博文は、葉菜の挑発には乗らず、真っ直ぐ見つめた。
「自分を隠して、嘘を装って、平気な顔してるように見えるけど、本当は、平気じゃない。葉菜は、自分を騙してるじゃない?」
「んな訳ないし」
「なら、どうして、そんな悲しそうなの?」
ニヤリと笑って、挑発してても、葉菜は、どことなく、悲しそうな雰囲気だった。
「なに言ってんの?悲しい訳…」
「もうやめようよ。自分騙すの」
博文の手が、優しく頭を撫でると、葉菜の脳裏に、古い記憶が写し出された。
葉菜が大好きだった手が、自分の頭を優しく撫でる。
大きくて、ゴツゴツしてて、優しくて、温かい、父親の手。
「葉菜。兄さんや久孝に乗せられたとは言え、あんな事してごめん」
自然と流れ出る葉菜の涙を拭い、博文は、悲しい顔をした。
「許される事じゃないと思う。でも、憎まれても、僕は、葉菜と一緒にいたい」
「…今更、もう遅いし」
「なら、もう一度、僕にチャンスをちょうだい」
顔を隠すようにうつ向き、声を震わせる葉菜の頭を撫でて、博文は、優しく微笑んだ。
「葉菜が求めたい時は、それに応えるよ?でも、その時以外は、絶対にあんな事しない。周りになんて言われても」
「絶対ムリだし」
「やってみなきゃ、分かんないじゃん?」
「流されやすいくせに」
「これでも頑固って言われる」
「どの辺がよ」
「分かんない」
「分かんないのかい」
さっきまでの雰囲気は、何処かに吹き飛び、葉菜は、涙を流しながら笑った。
博文も大きな声で笑い、部屋は、穏やかな時間が流れた。
互いに落ち着いて、葉菜は、腕を広げて転がる博文を見下ろした。
「なに?」
「なんでもない」
葉菜は、覆い被さるようにして、博文の上にうつ伏せになると、規則正しい心臓の音に耳を寄せた。
「…変わり者」
「なに?」
「母さんとおばさんが、話してたの聞いたの。息子の中で、次男は、変わり者なのって。確かに、変わり者だなって」
「どんなところが?」
「騙した相手に本気になったり、何もしないっていったり、頑固だって言ったり」
「頑固は、言われたんだって」
「あっそ」
暫くの間、オーディオから流れる音楽を聞いていた。
「あ。この歌知ってる」
「へぇ。あんまり、有名じゃないのに。どうして?」
「大学の友達から、オススメって聞かされた」
「その人、良い人?」
「どうかな。世話好きで、話好きな感じ」
「じゃ、紹介して?」
「イヤだよ!!」
「冗談だし。いじられキャラでしょ?」
「葉菜だけだし」
クスクス笑って、葉菜は、体を起こして、博文を見下ろした。
「辛くない?」
「なにが?」
「これ」
葉菜は、腰を動かして、博文の股間を刺激した。
「…ダイジョウブ」
「嘘つくの下手ね」
何とか笑おうとしても、博文は、眉間にシワを寄せて、苦しそうな顔をしていた。
「約束…だから…」
「でも、苦しいんでしょ?」
顔の横に手を置き、博文の鼻先まで、顔を近付けると、葉菜の息が、唇をかすめる。
「苦しい?」
「…ちょっと」
「したい?」
「葉菜がしたいなら」
「アナタは?」
「葉菜に任せる」
「じゃ、しない」
「分かった。ごめん。ちょっとよけてもらって良い?」
「なんで?」
「ちょっとお手洗いに」
「人ん家のトイレでするの?」
「それは」
「ある意味、変態だよ?」
「それでも良いから、よけて」
「イヤ」
「じゃ、動くのやめて」
「イヤ」
葉菜の股間が押し付けられ、ずっと動かされていた為に、博文のぺニスは、完全に勃起し、痛い程だった。
「お願い」
「だめ」
「なんで」
「仕返し」
「ごめん…ホント…よけて…漏れそう…」
「漏らせば?」
そんな事を言ってる間も、葉菜の動きは止まらない。
博文の我慢も限界に達し、無理矢理、起き上がって、離れようとしたが、葉菜の腕が回され、離れる事が出来なかった。
「…やってあげようか」
聞き返す前に、葉菜の唇が重なり、酒の臭いが鼻を抜けたと思うと、博文の耳や首筋に吸い付いた。
「ちょ…待って…」
震える声に微笑み、葉菜は、迷う事なく、博文のベルトに手を掛けた。
「パンツ、濡れちゃってるよ?」
ぺニスの先から、汁が溢れ、パンツにまで浸透していた。
それを指で撫でて、糸を引かせると、葉菜は、博文の脇腹に吸い付いた。
「葉菜…ちょっと…待っ…」
「待たない」
パンツのゴムに指を掛け、ぺニスの頭が出ると、葉菜の舌先が触れ、短い息に、小さな声が混ざり、博文は、下腹に力が入った。
「腰上げてよ。脱がせられない」
腕を口元に当て、素直に腰を上げると、ズボンを下ろされ、葉菜の指が、パンツ越しにぺニスに触れられ、博文は、また短い声を漏らした。
「スゴいね。ちょっといじっただけで、固くなるんだ」
裏筋を撫でられ、博文は、下腹に力が入り、また先っぽから汁が溢れた。
悶える博文を見つめ、パンツを下ろした葉菜の前に、博文のぺニスが現れ、裏筋に吸い付き、シゴき始めた。
「気持ちいい?」
息を荒くして、頷く博文を見つめ、葉菜は、手の動きを早めた。
射精が近付き、背中を丸め始めると、手が止まり、博文は、葉菜に視線を向けた。
「なん…」
「ヤバいんでしょ?」
意地悪な笑みを浮かべる葉菜は、手を離して、博文に覆い被さるようにして、顔を近付けた。
「葉菜…もう…」
「だめ」
「なんで…」
「だって、苦しくなくちゃ、仕返しにならないでしょ?」
「もう…勘弁して…」
「イヤだ」
「葉菜…」
「私の事好き?」
「急に…どうしたの?」
「好き?」
ニコニコする葉菜を見つめ、博文は、困ったように微笑んだ。
「好きだよ?」
「じゃ、我慢できるよね?」
ニッコリ笑う葉菜に、イヤな予感がし、ブルッと背中を震わせ、博文は、出しっぱなしの下半身を仕舞おうと、急いで、手を伸ばした。
だが、葉菜の手に押さえられ、強引なキスをされた。
鼻から抜ける酒の臭いと絡められる舌で、頭がクラクラし始め、博文は、葉菜の腕を掴んでいた。
絡んでいた舌が離れ、葉菜の唇が、頬や耳、首筋を滑るように触れる。
小さな声が漏れる博文の耳元に頬を寄せると、葉菜の太ももが、股間に押し当てられた。
「ねぇ。どうしたい?」
息を吹き掛けながら、葉菜の甘い声が、耳元で囁かれ、博文は、肩を震わせて、耳を離そうとした。
だが、葉菜の手が添えられ、阻止されてしまった。
「ちゃんと言って?どうしたい?」
目を閉じて、股間を擦る素足の感覚に、腰を震わせ、博文は、葉菜の手に手を重ねた。
「ねぇ」
自分の方に顔を向けさせ、葉菜が、足を押し付けたまま、見つめると、博文も、目元に涙を溜めて見つめた。
「どうしたい?」
「キス…したい」
触れるだけのキスをして、博文は、大きく息を吐き出した。
「もう…良い?」
「なにが?」
「気…済んだ?」
ここまでしても、博文が、抱こうとせず、葉菜にされるがまま、必死に耐えている。
そんな博文に、葉菜は、驚くと同時に笑いが込み上げた。
「なに?おかしい?」
「ごめん。マジなんだって思ったら、笑えちゃって」
ケタケタ笑う葉菜を見つめ、博文は、何処か安心したように、優しく微笑むと、鼻から息を吐き出した。
「…ねぇ。さっき、もう一度って言ってたじゃん?あれって、どうゆう事?」
「ん~お試し?みたいな感じ」
「お試しって。その格好で、アホでしょ」
「言わないでよ」
苦笑いしながら、パンツを上げようとするが、葉菜の足が邪魔で上げられない。
「よけて?」
ニッコリ笑う葉菜を見て、博文は、大きな溜め息をつき、パンツから手を離して、大の字になった。
「葉菜、意地悪な」
「そう?普通じゃない?」
「この状況で?普通じゃないでしょ」
自傷気味にケタケタ笑う博文を見つめ、葉菜は、小さく笑って、覆い被さった。
「まだやるの?」
ニッコリ笑って、葉菜の唇が優しく、重ねられた。
そのキスは、今までのような、欲望を掻き立てるキスじゃなく、優しくて、愛しさが溢れていた。
じっと、見つめ合い、どちらともなく、唇を重ねると、舌を絡める深いキスをした。
葉菜は、自分から、短パンと下着を脱ぎ、博文のぺニスに擦り付けた。
短い声を漏らし、眉を寄せる博文を見つめ、葉菜は、自ら、ナカにぺニスの頭を入れた。
鼻を鳴らす博文の呼吸が、ぺニスの頭を出し入れする度に、どんどん荒くなった。
唇が離れ、博文は、葉菜に触れようとしたが、その手を宙に止め、拳を作って耐えた。
腰のクッションをよけ、葉菜から逃れようとした。
「あーーーっ!!」
逃げようとする博文を葉菜は、逃さなかった。
一気に腰を下ろして、ぺニスを飲み込むと、博文は、声を漏らして、葉菜の足に触れた。
「どうしたの?いつもしてたじゃん?」
眉間にシワを寄せる博文を見下ろし、葉菜は、ゆっくり笑い、顔を近付けた。
「辛い?」
奥歯を噛み締め、頷く博文を見つめ、葉菜は、その胸に耳を着け、腰を動かした。
「…動いちゃ…」
「出ちゃう?」
何度も頷く博文を見つめ、葉菜は、ニッコリ笑い、動きを止めた。
「…ごめん…葉菜…もう…」
「限界?」
涙目で頷くと、葉菜は、腰を浮かせた。
「ねぇ。前みたいに、イカせて?」
「でも…」
「動いて良いから」
博文は、唾を飲み込み、ゆっくりと腰を浮かせ、ぺニスを奥に押し付けた。
葉菜は、小さな声を漏らし、博文の腕を掴み、体を震わせた。
何度も突き付け、博文は、支えるように、背中に腕を回すと、葉菜も、体を震わせながら、その胸に額を着けた。
荒くなった呼吸で、互いの体温が上がるのを感じ、短い声を漏らした。
「葉菜…」
「…もう…ちょっと…」
鼻先に顔を出して、葉菜は、甘えるような目で、博文を見下ろした。
「…我慢」
博文は、動きを止めて、体を起こすと、葉菜を抱き締め、クッションに寝かせた。
「痛くない?」
「大丈夫」
博文が腰と肩に、腕を回し、打ち付けるように、腰を動かすと、葉菜は、腰を押し付けるように浮かせ、背中に爪を立てた。
「…も…イク…」
喘ぎながら、押し寄せる感覚に、葉菜ナカが、引き寄せるように、力が入るのと同時に、博文も射精した。
溶けてしまいそうな顔で、見つめ合い、どちらともなく、キスをして、博文は、葉菜を抱き締めて、ぺニスを引き抜いた。
「…ごめん…大丈夫?」
頷いてから、大きく息を吐き出した葉菜の額にキスを落とし、博文は、横に転がった。
「…今度、映画でも行かない?」
「映画ねぇ~…あんまり、興味ない」
「じゃ買い物?」
「欲しいのないし」
「水族館か動物園」
「そんな子供じゃないし」
「遊園地」
「てか、なに?出掛けたいの?」
「そう。葉菜と出掛けたい」
「なんで」
「そうしたいから」
ニッコリ笑う博文を見つめ、葉菜は、困ったような笑みを見せた。
「考えとく」
「分かった。じゃ、ご飯行こう」
「だから、考えとくってば」
「違うよ。今から、ご飯、食べに行こうよ」
「そのまま?」
「ちゃんと着るよ」
「違うし。そのままじゃ臭いじゃん」
「そう?」
「とりあえず、シャワー浴びなよ」
自分の腕に鼻を寄せて、臭いを嗅いでる博文に向かい、追い払うような仕草をして、葉菜は背中を向けた。
「良いの?」
「別にいいよ。それくらい」
「ありがと」
嬉しそうに微笑む博文が、頬に軽くキスをして、葉菜の頬が赤くなった。
「嬉しい?」
「うるさい!早く行け!」
ケタケタ笑いながら、博文が、ズボンと下着を持って、葉菜の指差したドアに消えると、大きく息を吐き出し、手で顔を覆った。
葉菜は、自然と熱くなった頬に、戸惑い、それをどうしたら良いか分からなかった。
暫くして、頬の熱も治まり、シャワーの音が聞こえた葉菜は、いたずらっ子のような笑みを浮かべて、新しい下着とジーパン、脱ぎ捨てた洋服を持って、浴室に向かった。
静かにドアを開け、シャワーを浴びる背中を撫で下ろすと、博文は、驚いて、肘を壁にぶつけた。
「バカじゃん」
「驚かすからでしょ」
肘を擦る博文を見て、ケタケタ笑いながら、浴室に入った。
博文の顔が真っ赤になり、出て行こうとするのを葉菜が連れ戻す。
「ちゃんと洗いなよ」
「流すだけで大丈夫だろ」
「ダメだって。座って」
「自分でやるから」
「いいから」
博文を湯船の縁に座らせ、葉菜は、髪を洗い始めた。
「どう?」
「上手」
「でしょ?昔は、美容師になりたかったんだよね」
「良いじゃん。ならないの?」
「昔の話。幼稚園くらいのことだし」
それから、昔の話やくだらない話をしながら、シャワーを浴びて、着替えをすると、並んで、部屋を出た。
居酒屋で、博文はジュースで、葉菜はカクテルで、乾杯した。
笑いながら、食事をしてから、博文に送られて帰宅した。
「じゃ、おやすみ」
「おやすみ~」
アパートの前で、手を振って、博文を見送り、葉菜は、浮わついた足取りで、部屋に戻った。
葉菜は、普通の付き合いをした事がない。
だから、異性と食事に行く事が、新鮮で、くだらない話をするのが楽しかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる