2 / 3
放縦
しおりを挟む
「さて、間違いが無かったようで安心いたしました。
ではゲームのルール説明をさせていただきます。
皆様は同じ1人の男性に好意を寄せていますね?
皆様には彼に、これまで以上のアプローチをしていただきます。
ただし貴女方の方から告白をすることは禁止です。全員が同時に告白しても、現状からして彼は主人公補正である、無意識な優しさと優柔不断と難聴を駆使して誰か一人だけを選ぶことなく、このままハーレムエンドを目指すでしょう。そんな非常にツマラナイ、その辺りに雑多に溢れ転がっているようなハーレム漫画的な展開など望んではいませんので。
ここまでで何か質問はございますか?」
正直、何を言っているのかわからなかった。
ゲーム?告白禁止?
私が混乱していると眉間の皺を更に深めた会長がスッと手を挙げた。
「聞きたいことはいくつかあるが、まず第一にゲームとはどういうことだ?」
それは私も、いや、おそらくここに居る全員が思っていることでしょう。
しかし【影】は不思議そうに小首を傾げました。
「どういうこととは?ゲームはゲームですよ?私がゲームマスターで、プレイヤーは貴女たち。
ゲームとは勝者と敗者を決めるモノ。
あぁ、カテゴリーはバトルロイヤルでしょうか?
ギルドバトルのようなチーム戦でも、レイドバトルのような多対一でもない。自分以外のプレイヤーは全て敵。故に勝者は一人。彼の隣に立つ権利を勝ち取るのは一人だけ。
そうですねぇ……敢えて名付けるならば【彼の隣争奪戦】と言ったところでしょうか?」
【影】が一人うんうんと頷きながら語ります。上手いこと言えたとでも思っているのでしょうか?
「椅子取りゲームって楽しいですよね~、私も昔使用人の方たちとやってました~。懐かしいですね~。」
【影】の言葉に反応したのか、間延びした柔らかい声が響きました。
目を向けると先程と変わらずニコニコしている神賀崎さんが居ます。
その場違いなほど明るい声を聴いた会長が眉間を手で揉みほぐしながら、深いため息を吐きました。
「……なぁ、麗、後で私が説明してやるから今は少し静かにしていてくれ。」
「は~い。」
「……ハァ」
「イストリゲームだか王様ゲームだか知らぬが、なぜウチらがそのようなものに参加せねば成らんのじゃ!」
会長が再度ため息を吐いたと同時くらいに、今度は美鈴ちゃんが【影】に吠えました。
「ゲーム対象に貴女方を選んだ理由は特にありませんよ。」
「なんじゃと!?」
「強いて言うなら、見ていて非常につまらなかったから、貴女方がたまたま目に付いたから。といったところでしょうか?
先程も言いましたが、このまま貴女方が大きな動きも見せずにズルズルと恋愛ごっこをしていると彼は貴女方の中の誰かを選ぶことなくハーレムエンドとなるでしょう。あ、あとこのままだとどんどんライバルも増えていくことでしょうねぇ。」
「なぜそんなことが言いきれるのじゃ!自分勝手にも程があるのじゃ!」
「私たちには私たちのやり方があります。あなたに【恋愛ごっこ】などと揶揄される謂れはありません。」
さすがにこの言い草は酷いと思いましたので、美鈴ちゃんに続いて私も意見します。
「それにだ。いつかは彼も私たちの中の誰かを選んでくれると信じている。お前の言う通りまだ小さなアクションしか起こしていないが、彼の隣に立つのは誰か、これからも私たちは正々堂々勝負していくつも「正々堂々ですか?」……なに?」
私の後に会長がまくし立てましたが途中で【影】が割り込みました。
「正々堂々勝負ですか?それは本当に正々堂々なのでしょうか?」
【影】は首を90度以上傾げ、笑みを深めるように口を引き裂きました。それは【影】がヒトでは無いことを再確認させるような異常さでした。
「正々堂々、できていますか?
公正に、真正面から勝負できていますか?
抜け駆けをしたり、嘘を言ったり、己自身を偽ったりしていませんか?
正々堂々しているつもりになっているのでは?
【生徒会長】【財閥令嬢】【委員長】【幼馴染み】これらは学年が違えど彼と同じ学生であり、ほぼほぼ同じ条件下で駆け引きにでられますが【担任教員】は違うでしょう?
ねぇ?縁 未来さん?」
「……そう…ですね」
先生はここに来てからずっと何かを考えているようで、一言も喋っていませんでしたが、ここに来てようやく言葉を発しましたが、それに被せるように【影】がまた喋り出しました。
「そうでしょう。そうでしょうとも。彼女らは特に何か用事がなくとも気軽に会えますし、周りを気にする事なく話せます。休日に大手を振って会いに行ったり、デートに誘ったりできます。
しかしもし貴女が彼女らと同じ行動や発言をしてしまえば、人々には後ろ指を指され、努力して手に入れた教師という職までも手放さなければならなくなるやもしれません。
彼女らに対して羨み、嫉妬したことも一度や二度では無いでショう!
そこで!このゲームなのです。
このゲームに参加すれば、ここに居る学生である彼女達のように正々堂々と彼と接することができるとお約束できますよ?
と言っても参加は強制なので拒否権はございませんが。」
先生は顎に手をやり、考えるような仕草をします。
「…なるほど、分かりました。説明を続けて下さい」
首を元の位置に戻しながら視線をぐるりと巡らせながら【影】は続けます。
「さてさてさてさて、他に質問はございますでしょうか?」
ではゲームのルール説明をさせていただきます。
皆様は同じ1人の男性に好意を寄せていますね?
皆様には彼に、これまで以上のアプローチをしていただきます。
ただし貴女方の方から告白をすることは禁止です。全員が同時に告白しても、現状からして彼は主人公補正である、無意識な優しさと優柔不断と難聴を駆使して誰か一人だけを選ぶことなく、このままハーレムエンドを目指すでしょう。そんな非常にツマラナイ、その辺りに雑多に溢れ転がっているようなハーレム漫画的な展開など望んではいませんので。
ここまでで何か質問はございますか?」
正直、何を言っているのかわからなかった。
ゲーム?告白禁止?
私が混乱していると眉間の皺を更に深めた会長がスッと手を挙げた。
「聞きたいことはいくつかあるが、まず第一にゲームとはどういうことだ?」
それは私も、いや、おそらくここに居る全員が思っていることでしょう。
しかし【影】は不思議そうに小首を傾げました。
「どういうこととは?ゲームはゲームですよ?私がゲームマスターで、プレイヤーは貴女たち。
ゲームとは勝者と敗者を決めるモノ。
あぁ、カテゴリーはバトルロイヤルでしょうか?
ギルドバトルのようなチーム戦でも、レイドバトルのような多対一でもない。自分以外のプレイヤーは全て敵。故に勝者は一人。彼の隣に立つ権利を勝ち取るのは一人だけ。
そうですねぇ……敢えて名付けるならば【彼の隣争奪戦】と言ったところでしょうか?」
【影】が一人うんうんと頷きながら語ります。上手いこと言えたとでも思っているのでしょうか?
「椅子取りゲームって楽しいですよね~、私も昔使用人の方たちとやってました~。懐かしいですね~。」
【影】の言葉に反応したのか、間延びした柔らかい声が響きました。
目を向けると先程と変わらずニコニコしている神賀崎さんが居ます。
その場違いなほど明るい声を聴いた会長が眉間を手で揉みほぐしながら、深いため息を吐きました。
「……なぁ、麗、後で私が説明してやるから今は少し静かにしていてくれ。」
「は~い。」
「……ハァ」
「イストリゲームだか王様ゲームだか知らぬが、なぜウチらがそのようなものに参加せねば成らんのじゃ!」
会長が再度ため息を吐いたと同時くらいに、今度は美鈴ちゃんが【影】に吠えました。
「ゲーム対象に貴女方を選んだ理由は特にありませんよ。」
「なんじゃと!?」
「強いて言うなら、見ていて非常につまらなかったから、貴女方がたまたま目に付いたから。といったところでしょうか?
先程も言いましたが、このまま貴女方が大きな動きも見せずにズルズルと恋愛ごっこをしていると彼は貴女方の中の誰かを選ぶことなくハーレムエンドとなるでしょう。あ、あとこのままだとどんどんライバルも増えていくことでしょうねぇ。」
「なぜそんなことが言いきれるのじゃ!自分勝手にも程があるのじゃ!」
「私たちには私たちのやり方があります。あなたに【恋愛ごっこ】などと揶揄される謂れはありません。」
さすがにこの言い草は酷いと思いましたので、美鈴ちゃんに続いて私も意見します。
「それにだ。いつかは彼も私たちの中の誰かを選んでくれると信じている。お前の言う通りまだ小さなアクションしか起こしていないが、彼の隣に立つのは誰か、これからも私たちは正々堂々勝負していくつも「正々堂々ですか?」……なに?」
私の後に会長がまくし立てましたが途中で【影】が割り込みました。
「正々堂々勝負ですか?それは本当に正々堂々なのでしょうか?」
【影】は首を90度以上傾げ、笑みを深めるように口を引き裂きました。それは【影】がヒトでは無いことを再確認させるような異常さでした。
「正々堂々、できていますか?
公正に、真正面から勝負できていますか?
抜け駆けをしたり、嘘を言ったり、己自身を偽ったりしていませんか?
正々堂々しているつもりになっているのでは?
【生徒会長】【財閥令嬢】【委員長】【幼馴染み】これらは学年が違えど彼と同じ学生であり、ほぼほぼ同じ条件下で駆け引きにでられますが【担任教員】は違うでしょう?
ねぇ?縁 未来さん?」
「……そう…ですね」
先生はここに来てからずっと何かを考えているようで、一言も喋っていませんでしたが、ここに来てようやく言葉を発しましたが、それに被せるように【影】がまた喋り出しました。
「そうでしょう。そうでしょうとも。彼女らは特に何か用事がなくとも気軽に会えますし、周りを気にする事なく話せます。休日に大手を振って会いに行ったり、デートに誘ったりできます。
しかしもし貴女が彼女らと同じ行動や発言をしてしまえば、人々には後ろ指を指され、努力して手に入れた教師という職までも手放さなければならなくなるやもしれません。
彼女らに対して羨み、嫉妬したことも一度や二度では無いでショう!
そこで!このゲームなのです。
このゲームに参加すれば、ここに居る学生である彼女達のように正々堂々と彼と接することができるとお約束できますよ?
と言っても参加は強制なので拒否権はございませんが。」
先生は顎に手をやり、考えるような仕草をします。
「…なるほど、分かりました。説明を続けて下さい」
首を元の位置に戻しながら視線をぐるりと巡らせながら【影】は続けます。
「さてさてさてさて、他に質問はございますでしょうか?」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!
タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。
姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。
しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──?
全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる