9 / 49
二人目プレッシャー
しおりを挟む
「女の子がいいな。」
期待に満ちた目でみつめるのはアレクセイ。
もちろん、全然妊娠の傾向もないが、周りが反応する。
ギルバートを筆頭に宰相や官僚、侍女、みんながコワレモノ体制に入ろうとする。
「チガウ、違うから、妊娠してない。」
がっくりしたギルバートがアレクセイを抱きしめながら、
「アレクセイの妹を早く作ってやろうな。」
「父上がんばってください。」
アレクセイは言いながら、ギルバートの抱擁から抜け出す。
男の子のアレクセイでこれだ、女の子が生まれたら、ギルバートはきっと目に入れる!
マリコは今日も他人事のようにオヤツが美味しいとほおばっている。
まて、何故にアレクセイはそんなこと言う、と我が身を鏡で見ると、なんとなくポッチャリしたような気がする。
妊婦とマチガワレテイル?
ここにはスポーツジムはないのに美味しいご飯はある、このせいだ!
もしスポーツジムがあっても行くことはない、運動は苦手である。
だから初めてこの世界に来た時のジャングルで、すぐにトカゲもどきに追いつかれたのだ。
食べても太らないありがたい体質のおかげで、なんでも美味しく食べてきた。
出産で体質が変わる人も多いと聞く、やばい。 急に不安になってくる。
歩くぐらいなら出来る。
そしてマリコは間違った。
最近のギルバートは仕事から戻るのが遅い、夜こっそり歩こう。
マリコは自分の事しか考えないから間違ったのだ。
夜、仕事から戻ったギルバートが部屋にマリコがいないと発見したらどうなるか。
ギルバートにとってマリコは、部屋に戻ると優しく迎えてくれるイメージだ。
実際は部屋から一歩も出たくないマリコが、ソファでゴロンとしている。
湖畔地方のカエルの卵で外は怖いと思ったらしい。
ギルバートには理解できないが、部屋ですばらしい絵を描いている。
侍女もアレクセイも理解できないようだが、マリコの描く絵はすばらしい。
そのマリコが部屋にいないのである。
その夜、部屋に戻ってマリコがいないと分かると、ギルバートはマリコが拉致されたと大騒ぎだ。
外からマリコの香りがするからである。
竜王の番を誘拐するとは思い知らせてやる。
ギルバートの魔法をかけてあるので、危険が及ぶ事はないだろうが、マリコがいない。大事件だ。
外に出るとマリコの香りを追う。
犯人を刺激するといけないから、こっそり行ってマリコを奪い返したら成敗してやる。
ギルバートにとって、マリコを見つけることは難しいことではない。
はぁ、いっぱい歩いたな、これできっと痩せたに違いない。
ちょっと美味しいもの食べに行こうかな、マリコは街に向かう。
どこまでも自分に甘いマリコ、ギルバートには辛いが。
しばらくマリコの後を着けていたギルバートは不審に思う、マリコは1人のようだ。
しかも夜の街に向かっている。
もしかして、他の男に会いに行くのか。
マリコは魅力的だから、男がほおっておかないんだ。
それが大きな間違いである事を雄竜は気が付かない。
自分の番は世界一魅力的だと信じ込んでいる、目が腐っているからだ。
ダイエットの為にちょっと歩こう、は事件へと発展していく。
犯人はいない、しいていうなら妄想がギルバートを追い詰めるのだ。
マリコの向かうのはギルバートに連れていってもらった食堂だ。
「マリコ様、お一人ですか。」
「うん、ちょっとね。ギルバートには秘密にしていてね。」
ギルバートの耳はその気になれば1キロ先の音でもひろうことができる。
マリコが私に秘密だと。ギルバートのショックは大きい、絶対に男だ。
どれだ、あの髭か、あっちの優男か、怪しいと思うとどんどん不信に見えてくる。
冷静に見るとギルバートの方が断然にイケメンであるが、今は番に狂った哀れな男である。
マリコが奪われる妄想に追い込まれている。
マリコが雌竜であったならば雄竜の習性もわかっていようが、異世界人にそれは望めない。
食堂をマリコ以外燃やすか、マリコの住む籠を作ろう。
アレクセイも男だ、面会はさせない。
ギルバートの思考は、ドンドン危なくなっていく。
何故マリコが浮気などするのだ、誰かが手引きしたのか、最近仕事の帰りが遅かったからか。
可哀そうにマリコは寂しかったのだな。
浮気疑惑が、何故に可哀そうになるかが不思議である。
「マリコ!」
「え?ギルバート。」
食堂に入ってきたギルバートは、わき目も振らずマリコに抱きつく。
「寂しかったのだな。」
事情がわからないのはマリコ。
「王宮を抜け出してどこに行こうとしてたのだ?」
マリコは事情を察した、ギルバートは誤解している。
「誰かの手引きで王宮を抜け出したのか、侍女か、護衛か?」
沈黙はギルバートの誤解を増長させることも、身に染みて知っている。
「チガウ、あのね、歩こうと思っただけなの。」
「歩く?」
「あ、健康の為に歩こうと。」
「それが何故夜なのだ、散歩だろう。どこか病気なのか、医者をすぐ呼ぶ。」
そして焦るマリコは失敗した。
「違う、もっと健康になると二人目がさずかるかなぁって。」
人間ごまかそうとすると失敗する実例である。
正直に太ったと言えばよかったのに、見栄をはってしまった。
こんなこと言えばギルバートが感動するのが誰でもわかる。
その夜、マリコ失踪事件が起こり、発見されたのは5日後のベッドの中だった。
誰もがギルバートが騒がないので近くにいるとは思っていたが、さすがに心配した侍女達が騒ぎだした。
アレクセイの問い詰めにギルバートはおれ、異空間に作った部屋のベッドの中からマリコが発見されたのだった。
食事も口移しで構い倒されて疲れ果てダウンして夜を迎え、さらに昼間ダウンで夜を迎えるを繰り返していたらしく、マリコはウォーキング前より痩せていた。
ギルバートに限度はない。
期待に満ちた目でみつめるのはアレクセイ。
もちろん、全然妊娠の傾向もないが、周りが反応する。
ギルバートを筆頭に宰相や官僚、侍女、みんながコワレモノ体制に入ろうとする。
「チガウ、違うから、妊娠してない。」
がっくりしたギルバートがアレクセイを抱きしめながら、
「アレクセイの妹を早く作ってやろうな。」
「父上がんばってください。」
アレクセイは言いながら、ギルバートの抱擁から抜け出す。
男の子のアレクセイでこれだ、女の子が生まれたら、ギルバートはきっと目に入れる!
マリコは今日も他人事のようにオヤツが美味しいとほおばっている。
まて、何故にアレクセイはそんなこと言う、と我が身を鏡で見ると、なんとなくポッチャリしたような気がする。
妊婦とマチガワレテイル?
ここにはスポーツジムはないのに美味しいご飯はある、このせいだ!
もしスポーツジムがあっても行くことはない、運動は苦手である。
だから初めてこの世界に来た時のジャングルで、すぐにトカゲもどきに追いつかれたのだ。
食べても太らないありがたい体質のおかげで、なんでも美味しく食べてきた。
出産で体質が変わる人も多いと聞く、やばい。 急に不安になってくる。
歩くぐらいなら出来る。
そしてマリコは間違った。
最近のギルバートは仕事から戻るのが遅い、夜こっそり歩こう。
マリコは自分の事しか考えないから間違ったのだ。
夜、仕事から戻ったギルバートが部屋にマリコがいないと発見したらどうなるか。
ギルバートにとってマリコは、部屋に戻ると優しく迎えてくれるイメージだ。
実際は部屋から一歩も出たくないマリコが、ソファでゴロンとしている。
湖畔地方のカエルの卵で外は怖いと思ったらしい。
ギルバートには理解できないが、部屋ですばらしい絵を描いている。
侍女もアレクセイも理解できないようだが、マリコの描く絵はすばらしい。
そのマリコが部屋にいないのである。
その夜、部屋に戻ってマリコがいないと分かると、ギルバートはマリコが拉致されたと大騒ぎだ。
外からマリコの香りがするからである。
竜王の番を誘拐するとは思い知らせてやる。
ギルバートの魔法をかけてあるので、危険が及ぶ事はないだろうが、マリコがいない。大事件だ。
外に出るとマリコの香りを追う。
犯人を刺激するといけないから、こっそり行ってマリコを奪い返したら成敗してやる。
ギルバートにとって、マリコを見つけることは難しいことではない。
はぁ、いっぱい歩いたな、これできっと痩せたに違いない。
ちょっと美味しいもの食べに行こうかな、マリコは街に向かう。
どこまでも自分に甘いマリコ、ギルバートには辛いが。
しばらくマリコの後を着けていたギルバートは不審に思う、マリコは1人のようだ。
しかも夜の街に向かっている。
もしかして、他の男に会いに行くのか。
マリコは魅力的だから、男がほおっておかないんだ。
それが大きな間違いである事を雄竜は気が付かない。
自分の番は世界一魅力的だと信じ込んでいる、目が腐っているからだ。
ダイエットの為にちょっと歩こう、は事件へと発展していく。
犯人はいない、しいていうなら妄想がギルバートを追い詰めるのだ。
マリコの向かうのはギルバートに連れていってもらった食堂だ。
「マリコ様、お一人ですか。」
「うん、ちょっとね。ギルバートには秘密にしていてね。」
ギルバートの耳はその気になれば1キロ先の音でもひろうことができる。
マリコが私に秘密だと。ギルバートのショックは大きい、絶対に男だ。
どれだ、あの髭か、あっちの優男か、怪しいと思うとどんどん不信に見えてくる。
冷静に見るとギルバートの方が断然にイケメンであるが、今は番に狂った哀れな男である。
マリコが奪われる妄想に追い込まれている。
マリコが雌竜であったならば雄竜の習性もわかっていようが、異世界人にそれは望めない。
食堂をマリコ以外燃やすか、マリコの住む籠を作ろう。
アレクセイも男だ、面会はさせない。
ギルバートの思考は、ドンドン危なくなっていく。
何故マリコが浮気などするのだ、誰かが手引きしたのか、最近仕事の帰りが遅かったからか。
可哀そうにマリコは寂しかったのだな。
浮気疑惑が、何故に可哀そうになるかが不思議である。
「マリコ!」
「え?ギルバート。」
食堂に入ってきたギルバートは、わき目も振らずマリコに抱きつく。
「寂しかったのだな。」
事情がわからないのはマリコ。
「王宮を抜け出してどこに行こうとしてたのだ?」
マリコは事情を察した、ギルバートは誤解している。
「誰かの手引きで王宮を抜け出したのか、侍女か、護衛か?」
沈黙はギルバートの誤解を増長させることも、身に染みて知っている。
「チガウ、あのね、歩こうと思っただけなの。」
「歩く?」
「あ、健康の為に歩こうと。」
「それが何故夜なのだ、散歩だろう。どこか病気なのか、医者をすぐ呼ぶ。」
そして焦るマリコは失敗した。
「違う、もっと健康になると二人目がさずかるかなぁって。」
人間ごまかそうとすると失敗する実例である。
正直に太ったと言えばよかったのに、見栄をはってしまった。
こんなこと言えばギルバートが感動するのが誰でもわかる。
その夜、マリコ失踪事件が起こり、発見されたのは5日後のベッドの中だった。
誰もがギルバートが騒がないので近くにいるとは思っていたが、さすがに心配した侍女達が騒ぎだした。
アレクセイの問い詰めにギルバートはおれ、異空間に作った部屋のベッドの中からマリコが発見されたのだった。
食事も口移しで構い倒されて疲れ果てダウンして夜を迎え、さらに昼間ダウンで夜を迎えるを繰り返していたらしく、マリコはウォーキング前より痩せていた。
ギルバートに限度はない。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
【書籍化】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化決定しました。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。
しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。
よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう!
誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は?
全十話。一日2回更新 完結済
コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更しています。
氷の王妃は跪かない ―褥(しとね)を拒んだ私への、それは復讐ですか?―
柴田はつみ
恋愛
亡国との同盟の証として、大国ターナルの若き王――ギルベルトに嫁いだエルフレイデ。
しかし、結婚初夜に彼女を待っていたのは、氷の刃のように冷たい拒絶だった。
「お前を抱くことはない。この国に、お前の居場所はないと思え」
屈辱に震えながらも、エルフレイデは亡き母の教え――
「己の誇り(たましい)を決して売ってはならない」――を胸に刻み、静かに、しかし凛として言い返す。
「承知いたしました。ならば私も誓いましょう。生涯、あなたと褥を共にすることはございません」
愛なき結婚、冷遇される王妃。
それでも彼女は、逃げも嘆きもせず、王妃としての務めを完璧に果たすことで、己の価値を証明しようとする。
――孤独な戦いが、今、始まろうとしていた。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる