セカンドパートナー*夫婦交換*

フジキフジコ

文字の大きさ
31 / 41
遊佐江梨子

【1】お願い

しおりを挟む
遅れて待ち合わせ場所のカフェに行くと、一番隅の目立たない席に美紗都は座っていた。
そんなところを選ぶところが美紗都らしい。
「久しぶりね」
向かいに座って、言う。

髪を後ろでひとつに縛って、ごく薄い化粧をしている。
地味だと思う。
けれど、美紗都は変わった。
薄幸そうな顔立ちの中に、芯の強さを感じる。
半分閉じたような瞼や目元に、滲むような色気があった。

半年前、4人で食事をしたときにはこんな色気はなかった。
美紗都から女のエロスを引き出したのは、弘樹だろうか。
それとも、和也か。

「話って、なに」
美紗都は単刀直入に聞く。
わたしと、たわいない世間話などする気はないというように。
「弘樹に言われたわ。セカンドパートナーをやめたいって」
「そう」
自分には関係ない、そんな素っ気ない返事だ。

「やめるのは、構わない。でも、お願いだから、一度でいいから、わたしの夫と寝てくれない?」
やっと美紗都が、表情を変えた。
驚いている。
当然の反応。
「なにを言ってるの。出来るわけないでしょう、そんなこと!」
「やってもらわなきゃ、困るわ。だって、フェアじゃないでしょ?これから元の夫婦の形に戻るために、罪悪感を残したままでは、いられないのよ」
「勝手なこと言わないで!」
怒る美沙都は、無表情のときより美しいと思った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

夫婦交錯

山田森湖
恋愛
同じマンションの隣の部屋の同い年の夫婦。思いの交錯、運命かそれとも・・・・。 少しアダルトなラブコメ

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...