セカンドパートナー*夫婦交換*

フジキフジコ

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最終章

高梨美沙都

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一年後、わたしたちは、念願の家を買った。
郊外に小さな家を買うつもりだったけれど、わたしの両親が二世帯住宅を条件に、長年住み慣れた世田谷の戸建てを売って、頭金を出してくれたおかげで、都内に買うことが出来た。

二世帯住宅と言っても、玄関も、キッチンやバストイレもすべて別れているために、お互いに干渉せずに暮らせて、光里を預かってもらうにも都合が良かった。

もちろん、念願の庭も手に入れた。
いまはわたしより、両親がガーデニングに夢中になっている。
時間のある二人が育てた色鮮やかな花たちは、庭を飾って、わたしや光里を楽しませた。

新しい家に引っ越して3ケ月立つ。
わたしは、光里と手を繋いで、玄関の外に出て、弘樹を見送った。
「パパ、いってらっしゃい」
光里はもうすぐ4歳になる。
毎日のように新しい単語を覚え、しゃべるのが楽しくて仕方ないというふうだ。

「光里、ママの言うことをよく聞くんだぞ」
弘樹は目尻を下げて光里を見て、頭を撫でた。
「はーい!」

「じゃあ、行ってくるな」
わたしに言って、そっと、お腹に触れる。
わたしは今日から産休に入った。
お腹には、光里の弟がいる。

「弘樹、今晩、なにが食べたい?」
「何でもいいよ。あ、唐揚げなんか、どうだ?」
「わかったわ。美味しいの、作る」

弘樹は手を振って、出かけて行った。
光里も、パパが見えなくなるまで「ばいばい」と言って手を振っている。

「さあ、光里、家に入りましょう」
「はーい」
玄関のドアを開ける前に、庭に咲く、真っ赤なガーベラを見た。

こんな幸福な日々が自分に訪れるなんて、思ってもいなかった。
家族に恵まれ、とても幸せだ。

ただ。
ときどき、ほんのときどき、身体が疼くことがある。

あれ以来、セックスをするとき、弘樹は必ずわたしのあそこを舐めてくれるようになった。
気持ちいいけど、少し違う、とじれったく感じることがある。
遊佐さんにそれをされたときの感覚は未だに消えない。

昼間でも、光里と遊んでいるときでさえ、ふいに身体の奥が熱くなって、「欲しい」と思うこともある。
わたしの中に芽生えた「女」を、わたしは持て余しながら貞淑な妻の顔で暮らしている。

もしかしたら、いつか暴れだすかもしれないと、心のどこかで怯えながら。







◆完◆








******************

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

フジキフジコ

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