ルイとレオ~幼い夫が最強になるまでの歳月~

芽吹鹿

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63あるべきところ② ※

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 声がとめどなく外に流れていく。部屋にララがいなくて良かった。もし人払いを怠っていたら、女性陣や守り人に一生顔向けできなかっただろう。

「ぅく……んうぅ!?」

 太い指が、ルイの口に差し込まえれていく。だらだらと湿りきった内側の、やわらかな舌を犯す。ルイの狭苦しい領域にあえて突っ込み、レオポルドは何かを示そうとしている。

「声、おさえなくていい」

 命令口調は冷たくも、視線はごうごうと燃え盛る火のようであった。理性のぶっ飛んだ野獣という喩えがふさわしく、ルイを刺すように見ている。

 ぴちゃぴちゃと舌の根が動き、尻の方からもいやらしい音が続いている。どこに意識をやってもルイの理性は狂っていく。

「もうそろそろだから」

「はぁ……あ。そう……ん、イクんですね?」

「あぁ、ルイ。覚悟はできてるよな」

 覚悟、と言われてもルイには何のことかわからなかった。情をひとたび交えたからには、精液を吐き出させることは当たり前だ。ルイも腹や顔に、腰や足でも彼の射精を受けたことがある。知識を持っているからそこに抵抗はない。

「儀礼でっ……なんかい、したと思っているんです」

「まぁ。そうなんだけどな」

 別段、ここで断りをいれる必要性もないだろう。レオポルドの変な問いかけに首を傾げながら、ルイは目線をちょっと下げていった。

 上で激しく運動するレオポルド。彼の腰の調子にルイは弄ばれてばかりだった。緩やかな時と、すこぶる強く打ち付けてくる時がある。深い口づけがなされている際にも、緩急が切り替わることがあるので、受け手は予想もつかないのである。

 レオポルドは巧い。手技にまったくの迷いがなく、ルイへ与える快楽の最適解を知っている。成人する前によくよく性教育を学び、男の持ち得る技量を積んでいた。
 彼のひそやかな努力を後から知ったルイは、呆れて言葉も出せなかった。

「あなた……になら、私は」

 背中をするりと撫でつける手つきに、ルイは大きく声をあげた。背骨から尻の奥にかけて、快楽が湯水のごとく飛んでくる。それが頭のなかで泡のようにぱちぱち弾けて、えも言えぬ刺激となっていく。

 くすぐったくて、激しくて息苦しい。なのに幸福感に包まれて、身体の制御が追いつかないでいる。ルイは、自分が今、どんな顔をしているのか皆目見当もついていなかった。

「はぁ……はぁ、ルイ。すごいっ顔してるぞ」

「ふぇ……!?え……んっ、わからない」

 顔を隠そうとするが、その余力もない。今にも果てそうなレオポルドの腰の動きに、頑張って応えようとしている。見ないでと言っても、相手は聞かないだろう。

「あんっ、まりみないで……」

「ははっ、どうせもう終わるんだ。そのままでいてよ」

 汗ばんだレオポルドの背中にしがみつく。胸の鼓動がうるさいぐらい聞こえてきて、彼の方も限界に達しているのだと知る。

「中に出すからな」

 ルイは突き上げてくるものを抑えていた。だがまたその言葉を聞いて、耐えられないほどの背徳感を覚えるのだった。
 別に深く意識してみたことはない。今までの性交では、ずっと射精は体外になされていた。それが今日は違う、ただそれだけ。

「ルイっ……いいよな」

「いいよ、だして……!!」

 レオポルドにとって、もしかしたらそれは特別な意味が込められているのかもしれない。なんてことをルイは微かに感じ取りながら、目をぎゅっと瞑った。
 頭に乗せられた腕の重み、背中を撫でつける手の温度を必要以上に取りこみながら、ルイは小さく息を吐いた。

 尻の中で暴発するものを、じっと待ち、腰を震わしながら身を委ねている。絞り出されるレオポルドの射精、焼き付くほどの熱を浴びる。

「う……ルイっ……!!」

 互いに腰を揺すり合って、すき間なんて残されていないのに。埋めても足りないものを求めるようで。彼らは何かを補い合うかのように、ひたすら動かしていた。

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