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本編3
25-3 解ける誤解
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「何が分かったの?」
「第二王子から聞いたんだ。シアの妹が俺達夫婦の婚姻の無効を主張しようとしているって。彼女から嫌われているとは思っていたが、まさかそんな勘違いをされているとは思わなかったよ」
アンディが何気なく言った「シアの妹」という表現に少し引っかかりを覚えた。
「ジェシカよ。家族なんだからそんな言い回しはやめて欲しいわ」
「分かった」
注意されたというのに、アンディは何故か嬉しげだ。
「何、喜んでるのよ?」
隣で見ていたフェイが苦笑いを浮かべながらツッコミを入れた。
「シアが思ったことをはっきりと言ってくれたから……」
アンディはそう言うと私の額に彼の額を優しくつけてきた。
「これからは今みたいに不満や希望を言ってくれ。言ってくれないと、俺には分からないことが多いから」
彼の優しい囁きに、私は「うん」と返事をした。
アンディはゆっくりと額を離した。目が合うと私達は照れてしまって、微笑みあった。
「あらやだ。私のことを忘れてイチャイチャしないで欲しいわ」
フェイに言われて顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなった。
「そ、そんなんじゃないから!」
「あらあら、慌てちゃってかわいいんだから」
フェイはくすくすと笑う。
「もう私がいなくても大丈夫そうね」
フェイはくるりと回った。そして、窓辺に向かうと、彼女は魔法を使って窓を開けた。
「どこかに行っちゃうの?」
「ちょっと街の見学に行くだけよ。こんな大きな人間の住処を見る機会はなかなかないから」
フェイはそう言うと姿を消した。
「私が出かけている間にこれからのことを二人で話し合っておいてね。喧嘩はしちゃだめよ?」
「うん」
「人様に迷惑をかけるようなマネをするんじゃないぞ」
「分かってるわよ」
「気をつけてね」
「うん。行ってきます」
そう言うとフェイの気配が部屋から消えた。
「行っちゃったね」
「ああ……」
フェイのからかいによって生まれた気恥ずかしさは、まだ私達の間に残っていた。
「……茶でも飲もうか」
「そうね」
アンディとともに隣の一室に移動する。そして、私は備え付けられていたティーセットでお茶を作った。
「はい」
ソファーに座ったアンディにお茶を出す。私が彼の正面に座ると、彼はお礼を言って飲んだ。
私もお茶を口にする。私達は何もしゃべらなかったけれど、前みたいに気まずくはならなかった。
それに、温かいお茶を飲むと心が落ち着いた。そのおかげでこれからのことを冷静に考えられる。
「アンディ」
お茶を半分飲んだ所で、私は彼に声をかけた。
「どうした?」
「今度二人でジェシカに会って、誤解を訂正しましょう。それから、私達は離婚をする必要がないから心配がいらないってことも」
「ああ。分かった。彼女と連絡は取れるのか?」
「ジェシカは今、カーライル殿下の所にお邪魔していると聞いているわ」
「第三王子の宮に使いを出しておくか」
アンディはそう言うと早速行動に移した。部屋を出て、部下に使いを頼んだのだ。
彼が戻って来るまでの間、私は残りのお茶を飲みながら、ジェシカにどう説明をするべきなのかを考えた。
私達がアイネ山にいた頃の友達で、将来を約束した仲だったことは言った方がいいだろう。ただ、フェイや彼女との契約、私がすでに聖女としての力を開化していることは黙っていた方がいいのかもしれない。
ジェシカは、私の力を悪用しようとする人間ではないけれど、それが原因で、何かのトラブルに巻き込んでしまってはいけない。
だから、念には念を入れて、慎重に説明をするつもりだ。
━━アンディと、しっかりと打ち合わせをしておかなきゃ。ジェシカはしっかりしているから。矛盾や嘘に気がついたら、私を心配して今よりも強硬な態度を取りそうだわ。
考えがまとまると、お腹が鳴った。
さっきまで気を張っていたせいで、空腹を感じなかったけれど、夕飯を食べていないことに気が付いた。
お茶を飲み終えて、食べられる物がないかと部屋の中を探していると、アンディが帰ってきた。
「何してるんだ?」
アンディは不思議そうに私を見て言った。
「お腹がすいちゃって。まだ夕飯を食べてないの」
苦笑いを浮かべてそう言ったら、アンディは「それなら食べに行くか」と言った。
「でも、アンディは第二王子殿下と食べたんでしょ?」
「貴族の食べ物は量が少ないからすぐに腹が減るんだよ」
彼はそう言いながら、出かける準備を始めた。
「本当に? 無理して食べなくても良いのよ」
「大丈夫だって。まあ、流石にフルコースは無理だから軽い物を頼むが……」
アンディは無理をしてまで私に合わせているわけではなかった。
そのことにほっとすると、私は自然と彼の優しさに甘えられる気持ちになった。
「第二王子から聞いたんだ。シアの妹が俺達夫婦の婚姻の無効を主張しようとしているって。彼女から嫌われているとは思っていたが、まさかそんな勘違いをされているとは思わなかったよ」
アンディが何気なく言った「シアの妹」という表現に少し引っかかりを覚えた。
「ジェシカよ。家族なんだからそんな言い回しはやめて欲しいわ」
「分かった」
注意されたというのに、アンディは何故か嬉しげだ。
「何、喜んでるのよ?」
隣で見ていたフェイが苦笑いを浮かべながらツッコミを入れた。
「シアが思ったことをはっきりと言ってくれたから……」
アンディはそう言うと私の額に彼の額を優しくつけてきた。
「これからは今みたいに不満や希望を言ってくれ。言ってくれないと、俺には分からないことが多いから」
彼の優しい囁きに、私は「うん」と返事をした。
アンディはゆっくりと額を離した。目が合うと私達は照れてしまって、微笑みあった。
「あらやだ。私のことを忘れてイチャイチャしないで欲しいわ」
フェイに言われて顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなった。
「そ、そんなんじゃないから!」
「あらあら、慌てちゃってかわいいんだから」
フェイはくすくすと笑う。
「もう私がいなくても大丈夫そうね」
フェイはくるりと回った。そして、窓辺に向かうと、彼女は魔法を使って窓を開けた。
「どこかに行っちゃうの?」
「ちょっと街の見学に行くだけよ。こんな大きな人間の住処を見る機会はなかなかないから」
フェイはそう言うと姿を消した。
「私が出かけている間にこれからのことを二人で話し合っておいてね。喧嘩はしちゃだめよ?」
「うん」
「人様に迷惑をかけるようなマネをするんじゃないぞ」
「分かってるわよ」
「気をつけてね」
「うん。行ってきます」
そう言うとフェイの気配が部屋から消えた。
「行っちゃったね」
「ああ……」
フェイのからかいによって生まれた気恥ずかしさは、まだ私達の間に残っていた。
「……茶でも飲もうか」
「そうね」
アンディとともに隣の一室に移動する。そして、私は備え付けられていたティーセットでお茶を作った。
「はい」
ソファーに座ったアンディにお茶を出す。私が彼の正面に座ると、彼はお礼を言って飲んだ。
私もお茶を口にする。私達は何もしゃべらなかったけれど、前みたいに気まずくはならなかった。
それに、温かいお茶を飲むと心が落ち着いた。そのおかげでこれからのことを冷静に考えられる。
「アンディ」
お茶を半分飲んだ所で、私は彼に声をかけた。
「どうした?」
「今度二人でジェシカに会って、誤解を訂正しましょう。それから、私達は離婚をする必要がないから心配がいらないってことも」
「ああ。分かった。彼女と連絡は取れるのか?」
「ジェシカは今、カーライル殿下の所にお邪魔していると聞いているわ」
「第三王子の宮に使いを出しておくか」
アンディはそう言うと早速行動に移した。部屋を出て、部下に使いを頼んだのだ。
彼が戻って来るまでの間、私は残りのお茶を飲みながら、ジェシカにどう説明をするべきなのかを考えた。
私達がアイネ山にいた頃の友達で、将来を約束した仲だったことは言った方がいいだろう。ただ、フェイや彼女との契約、私がすでに聖女としての力を開化していることは黙っていた方がいいのかもしれない。
ジェシカは、私の力を悪用しようとする人間ではないけれど、それが原因で、何かのトラブルに巻き込んでしまってはいけない。
だから、念には念を入れて、慎重に説明をするつもりだ。
━━アンディと、しっかりと打ち合わせをしておかなきゃ。ジェシカはしっかりしているから。矛盾や嘘に気がついたら、私を心配して今よりも強硬な態度を取りそうだわ。
考えがまとまると、お腹が鳴った。
さっきまで気を張っていたせいで、空腹を感じなかったけれど、夕飯を食べていないことに気が付いた。
お茶を飲み終えて、食べられる物がないかと部屋の中を探していると、アンディが帰ってきた。
「何してるんだ?」
アンディは不思議そうに私を見て言った。
「お腹がすいちゃって。まだ夕飯を食べてないの」
苦笑いを浮かべてそう言ったら、アンディは「それなら食べに行くか」と言った。
「でも、アンディは第二王子殿下と食べたんでしょ?」
「貴族の食べ物は量が少ないからすぐに腹が減るんだよ」
彼はそう言いながら、出かける準備を始めた。
「本当に? 無理して食べなくても良いのよ」
「大丈夫だって。まあ、流石にフルコースは無理だから軽い物を頼むが……」
アンディは無理をしてまで私に合わせているわけではなかった。
そのことにほっとすると、私は自然と彼の優しさに甘えられる気持ちになった。
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