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第1章 SONATA
op.02 魔法使いの弟子(3)
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カフェを出てヴィオがリチェルを連れて行ったのは、先程紳士の言っていた楽器店だった。
「そろそろメンテナンスを頼みたかったんだ。自分で出来るものと出来ないものがあるから」
ヴァイオリンに限らず、楽器というのは日々の手入れや調律を必要とする。
弦の手入れくらいであれば個人でも出来るが、それ以外の調整となるとやはり定期的に職人に見てもらう必要があるらしく、最近少し音に違和感があるのが気になっていたのだとヴィオは道中話してくれた。
「だから演奏するのを迷ってたんですね」
「たまにああいった耳の良い人がいるからな」
珍しくボヤくようにヴィオが言う。それは昔孤児院にいた頃、年下の男の子が拗ねた時に出す声に似ていて、頬が緩んだ。この完璧な青年に垣間見える感情の動きが、リチェルには少し嬉しい。そう言ったらやはり失礼になってしまうだろうか。
◇
「おお、月並みな言葉ですがとても良いヴァイオリンですね。普段から丹念に手入れをされているのでしょう」
楽器店に入ってケースからヴァイオリンを取り出すと、店主が唸った。
「それで、音がおかしいんですか?」
「若干違和感がある程度なんだが。少し低音がザラつく」
「魂柱かな? 今うちで一番腕のいい調律師が外に出ていてね、戻ってくるのが明日なんですよ。繊細な調整なら彼の方がいい。待ちますか?」
「あぁ。明日なら特に問題ない」
「わかりました。では明日の夕方また持ってきて下さい」
「わかった」
店主とヴィオが話している間、リチェルは壊さないようにゆっくりと店内に並べられた楽器を見ていた。
ふと店の端っこに三本のヴァイオリンがどこか無秩序に並べられているのが目に止まった。
「あぁ、坊ちゃん。それはまだ売り物じゃないんだよ」
リチェルの様子に気付いたのか店主が声を掛けてくる。坊ちゃん、と言われて少し反応が遅れた。だけどリチェルはどう見ても男物の服を着ているのだから、店主は間違っていない。こくりとリチェルは声を出さずに頷いた。
話は終わったのかヴィオもリチェルの側に来ると、並べられたヴァイオリンに目をやる。
「店主、このヴァイオリンは?」
「流石お目が高い。その三本はクレモナの有名な職人から仕入れたばかりの品ですよ。つい先ほど工房の見習いが届けてくれたんです」
まだ調律も終わってないから、店には出せないんですがね。と店主が答える。
「少し見ても?」
「えぇ、構いませんよ。貴方は扱いに慣れていらっしゃるようですし。ただくれぐれも丁重にお願いしますよ」
ヴィオは頷くと並べられたヴァイオリンを手に取る。リチェルには並べられているヴァイオリンも、ヴィオのヴァイオリンも容易に区別がつくものではないが、ヴィオには違いがわかるのだろうか。
芸術品と言われても遜色のない優美なラインを描いたこの楽器には、装飾に見える部品が多い。弦を挟んで対象的に並び、遊ぶように歪曲する孔もそうだ。
「これは工房のサインなんですか?」
店主に聞こえないように、そっとヴィオに尋ねる。
エフ孔から覗くと、名前の入った焼印と四桁の数字が並んでいる。製造年だろう。
「あぁ。制作した人の名前だ。製造した素材が全て同じでも誰の手かによって、ヴァイオリンの価値は全く変わるから」
そのヴィオの視線がつと、一本のヴァイオリンの前で止まる。
「……店主、これは全てクレモナの同じ制作者の作ったもので合っているか?」
「えぇ、えぇ。工房の見習いさんが直接届けてくれましたし、サインも間違いはなかったはずですが」
「……その見習いは他に何か話を?」
「話? いや?」
ヴィオの言葉の意味を図りかねたのだろう。店主は首をかしげる。
「特には。少し慌てた様子はあったけど、まだ見習いさんだし、大事なヴァイオリンを運んできてたんだから緊張してたんですかね。私が軽くチェックして問題がない事を伝えるとホッとして戻って行きましたよ。今日は町で休んでからクレモナに帰ると言っていたから、ゆっくりしてるといいんですが」
「そうか」
答えるヴィオの声が少し硬い気がした。
「このヴァイオリンはいつ店に出す予定なんだ?」
「そうですね。明日か明後日には。さっき言った通りの名品ですから、念の為明日戻ってくる職人に見てもらうつもりだったんです。試し弾きしたいのなら、明日来た時に是非。近頃は楽器を習う人達も増えていますし、明後日には予約も入ってるから、売れてしまうかもしれません」
曖昧に返事を濁して、ヴィオは店を出た。その後ろを追いかけて、ふとリチェルは通りの向こうから一人の少年がじっとこちらを見つめているのに気がついた。
目が合うと、少年はパッと身を翻してその場から走り去っていく。
(今のは……)
偶然だろうか?
目が合った瞬間、避けられた気がした。
◇
次の日、朝食を宿で済ませるとリチェルはヴィオに連れられて外へ出た。
日差しが温かく、散歩にはちょうどいい気温だ。リチェルの服を買うためと言われて恐縮しきりだったが、まだ時刻が早かったからか店は空いておらず、近場の公園で二人は腰を降ろした。
リチェルもヴィオもあまり話をするタイプではなかったから、二人でいても何も話さない時間は少なくはなかったが、不思議なことにさして気にはならなかった。特に昨日楽器店から帰ってから、ヴィオは何か考え込んでいるようだったからそっとしておいたのだ。
だけど一緒にいて全く話さず座ったままというのも変なので、リチェルは一つ気になっていたことをヴィオに聞いてみる事にした。
「あの」
「ん?」
「昨日弾いてた曲は何と言う曲なんでしょうか? 昔楽舎でも聞いたことがあって」
随分前の話だ。まだ先代の雇用した音楽家達が残っていた頃、ヴァイオリン・チェロ・ヴィオラの奏者が楽舎でセッションしていたことがある。有名な曲なのだろうか。あの紳士は『モーツァルト』と言っていたが曲名までは聞いていない。
ヴィオは迷うでもなく、すぐに答えてくれた。
「『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』。モーツァルトのセレナードの中の一つだ。本来は四楽章まであるが、昨日演奏したのは第一楽章だよ。クライネルトの前当主は、近年の曲だけでなく昔の曲も好んでサロンで演奏していたと聞いているから、リチェルもそれで聞いたことがあるんだろう」
一般的にサロンや小さな演奏会では昔の曲が再演されることは少なく、今流行りの曲が演奏されることが多いとヴィオは話す。
「最近はその辺りも見直されていて、都市部の劇場ではバッハやベートーヴェンが演奏されていたりも勿論するけれど、大衆受けは近年の曲やオペラの方が良いから……」
そこまで言って、ヴィオは何か思いついたようにヴァイオリンのケースから一枚の紙を取り出した。まだ新しいインクで書かれた五本の線に音符が踊る。楽譜だ。
「リチェルは譜は読めるのか?」
問われてふるふると首を横に振る。グレゴール・クライネルトとの短い旅程の中で教えてもらったのは主に言語だった。音楽について教えてもらう前に彼は逝去してしまったし、リチェルが学ぶ機会はなかったのだ。
「じゃあ折角だから今覚えるといい。歌を聴いた時も思ったが、何度か聞いただけであれだけ正確に歌えるんだからリチェルは耳がいい。音を聴いて楽譜の音符を覚えようか」
ヴァイオリンを取り出すと、ヴィオが軽く肩にのせる。弦を持ったまま、楽譜にある音符の位置を指差して『これがC』と言って実際に弾いてみせる。
自然リチェルも声を出していた。発声しながらじゃないと身体が覚えられない。
「五線譜にも種類があって、こっちにある音部記号でどの位置がどの音だと決められるんだが、リチェルはソプラノだから基本的にはこの楽譜を覚えればいい。音が取れるようになれば聴かなくても、楽譜を見れば歌えるようになる」
ヴィオの教え方はシンプルだった。きっとヴィオが話す内容の裏側にはとてつもない知識と理論があるのだろうけれど、彼はそれを必要最低限しか口にはしなかった。
クライネルト家にいた時、音楽は高尚なものだ、お前などに分かるはずがないとデニスは何度も口にした。楽団に通う資産家の息子たちも皆同じだった。だけどヴィオの説明からはそういった壁は感じない。むしろ正反対で、難しいものではないのだから楽しめばいい、とそう言われているように感じる。
背中を押されているように感じる。
(だから……)
だからきっと、リチェルはヴィオの前では気負いなく歌えるのだ。彼の前で歌うことが、楽しくて仕方がないのだ。
(……あ!)
と、その時パチリと一人の少年と目が合った。
「リチェル?」
不思議に思ったのかヴィオが振り返って、いつの間にか近くに来ていた少年の姿に目をとめる。
はしばみ色の丸い瞳、日に焼けたブロンドヘアーがキャスケット帽からのぞいている。それは間違いなく、昨日楽器店を出た時にリチェルと目があった少年だった。
目が合うと少年は少しきまりが悪そうに目を逸らしたが、今度は逃げなかった。そばかすの散った頬が少し紅潮している。
「あの……」
「何か用か?」
尋ねたヴィオにオズオズと少年はヴィオの持っているヴァイオリンに目をやる。
「その、ヴァイオリン……」
「これが……何か?」
「えっと、その……」
歯切れ悪く言い淀んで、だが少年は意を決したようにキッと眦を上げると次の瞬間ガバッ! と勢いよく頭を下げた。
「そのヴァイオリン、見せて頂けませんか!!!」
「そろそろメンテナンスを頼みたかったんだ。自分で出来るものと出来ないものがあるから」
ヴァイオリンに限らず、楽器というのは日々の手入れや調律を必要とする。
弦の手入れくらいであれば個人でも出来るが、それ以外の調整となるとやはり定期的に職人に見てもらう必要があるらしく、最近少し音に違和感があるのが気になっていたのだとヴィオは道中話してくれた。
「だから演奏するのを迷ってたんですね」
「たまにああいった耳の良い人がいるからな」
珍しくボヤくようにヴィオが言う。それは昔孤児院にいた頃、年下の男の子が拗ねた時に出す声に似ていて、頬が緩んだ。この完璧な青年に垣間見える感情の動きが、リチェルには少し嬉しい。そう言ったらやはり失礼になってしまうだろうか。
◇
「おお、月並みな言葉ですがとても良いヴァイオリンですね。普段から丹念に手入れをされているのでしょう」
楽器店に入ってケースからヴァイオリンを取り出すと、店主が唸った。
「それで、音がおかしいんですか?」
「若干違和感がある程度なんだが。少し低音がザラつく」
「魂柱かな? 今うちで一番腕のいい調律師が外に出ていてね、戻ってくるのが明日なんですよ。繊細な調整なら彼の方がいい。待ちますか?」
「あぁ。明日なら特に問題ない」
「わかりました。では明日の夕方また持ってきて下さい」
「わかった」
店主とヴィオが話している間、リチェルは壊さないようにゆっくりと店内に並べられた楽器を見ていた。
ふと店の端っこに三本のヴァイオリンがどこか無秩序に並べられているのが目に止まった。
「あぁ、坊ちゃん。それはまだ売り物じゃないんだよ」
リチェルの様子に気付いたのか店主が声を掛けてくる。坊ちゃん、と言われて少し反応が遅れた。だけどリチェルはどう見ても男物の服を着ているのだから、店主は間違っていない。こくりとリチェルは声を出さずに頷いた。
話は終わったのかヴィオもリチェルの側に来ると、並べられたヴァイオリンに目をやる。
「店主、このヴァイオリンは?」
「流石お目が高い。その三本はクレモナの有名な職人から仕入れたばかりの品ですよ。つい先ほど工房の見習いが届けてくれたんです」
まだ調律も終わってないから、店には出せないんですがね。と店主が答える。
「少し見ても?」
「えぇ、構いませんよ。貴方は扱いに慣れていらっしゃるようですし。ただくれぐれも丁重にお願いしますよ」
ヴィオは頷くと並べられたヴァイオリンを手に取る。リチェルには並べられているヴァイオリンも、ヴィオのヴァイオリンも容易に区別がつくものではないが、ヴィオには違いがわかるのだろうか。
芸術品と言われても遜色のない優美なラインを描いたこの楽器には、装飾に見える部品が多い。弦を挟んで対象的に並び、遊ぶように歪曲する孔もそうだ。
「これは工房のサインなんですか?」
店主に聞こえないように、そっとヴィオに尋ねる。
エフ孔から覗くと、名前の入った焼印と四桁の数字が並んでいる。製造年だろう。
「あぁ。制作した人の名前だ。製造した素材が全て同じでも誰の手かによって、ヴァイオリンの価値は全く変わるから」
そのヴィオの視線がつと、一本のヴァイオリンの前で止まる。
「……店主、これは全てクレモナの同じ制作者の作ったもので合っているか?」
「えぇ、えぇ。工房の見習いさんが直接届けてくれましたし、サインも間違いはなかったはずですが」
「……その見習いは他に何か話を?」
「話? いや?」
ヴィオの言葉の意味を図りかねたのだろう。店主は首をかしげる。
「特には。少し慌てた様子はあったけど、まだ見習いさんだし、大事なヴァイオリンを運んできてたんだから緊張してたんですかね。私が軽くチェックして問題がない事を伝えるとホッとして戻って行きましたよ。今日は町で休んでからクレモナに帰ると言っていたから、ゆっくりしてるといいんですが」
「そうか」
答えるヴィオの声が少し硬い気がした。
「このヴァイオリンはいつ店に出す予定なんだ?」
「そうですね。明日か明後日には。さっき言った通りの名品ですから、念の為明日戻ってくる職人に見てもらうつもりだったんです。試し弾きしたいのなら、明日来た時に是非。近頃は楽器を習う人達も増えていますし、明後日には予約も入ってるから、売れてしまうかもしれません」
曖昧に返事を濁して、ヴィオは店を出た。その後ろを追いかけて、ふとリチェルは通りの向こうから一人の少年がじっとこちらを見つめているのに気がついた。
目が合うと、少年はパッと身を翻してその場から走り去っていく。
(今のは……)
偶然だろうか?
目が合った瞬間、避けられた気がした。
◇
次の日、朝食を宿で済ませるとリチェルはヴィオに連れられて外へ出た。
日差しが温かく、散歩にはちょうどいい気温だ。リチェルの服を買うためと言われて恐縮しきりだったが、まだ時刻が早かったからか店は空いておらず、近場の公園で二人は腰を降ろした。
リチェルもヴィオもあまり話をするタイプではなかったから、二人でいても何も話さない時間は少なくはなかったが、不思議なことにさして気にはならなかった。特に昨日楽器店から帰ってから、ヴィオは何か考え込んでいるようだったからそっとしておいたのだ。
だけど一緒にいて全く話さず座ったままというのも変なので、リチェルは一つ気になっていたことをヴィオに聞いてみる事にした。
「あの」
「ん?」
「昨日弾いてた曲は何と言う曲なんでしょうか? 昔楽舎でも聞いたことがあって」
随分前の話だ。まだ先代の雇用した音楽家達が残っていた頃、ヴァイオリン・チェロ・ヴィオラの奏者が楽舎でセッションしていたことがある。有名な曲なのだろうか。あの紳士は『モーツァルト』と言っていたが曲名までは聞いていない。
ヴィオは迷うでもなく、すぐに答えてくれた。
「『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』。モーツァルトのセレナードの中の一つだ。本来は四楽章まであるが、昨日演奏したのは第一楽章だよ。クライネルトの前当主は、近年の曲だけでなく昔の曲も好んでサロンで演奏していたと聞いているから、リチェルもそれで聞いたことがあるんだろう」
一般的にサロンや小さな演奏会では昔の曲が再演されることは少なく、今流行りの曲が演奏されることが多いとヴィオは話す。
「最近はその辺りも見直されていて、都市部の劇場ではバッハやベートーヴェンが演奏されていたりも勿論するけれど、大衆受けは近年の曲やオペラの方が良いから……」
そこまで言って、ヴィオは何か思いついたようにヴァイオリンのケースから一枚の紙を取り出した。まだ新しいインクで書かれた五本の線に音符が踊る。楽譜だ。
「リチェルは譜は読めるのか?」
問われてふるふると首を横に振る。グレゴール・クライネルトとの短い旅程の中で教えてもらったのは主に言語だった。音楽について教えてもらう前に彼は逝去してしまったし、リチェルが学ぶ機会はなかったのだ。
「じゃあ折角だから今覚えるといい。歌を聴いた時も思ったが、何度か聞いただけであれだけ正確に歌えるんだからリチェルは耳がいい。音を聴いて楽譜の音符を覚えようか」
ヴァイオリンを取り出すと、ヴィオが軽く肩にのせる。弦を持ったまま、楽譜にある音符の位置を指差して『これがC』と言って実際に弾いてみせる。
自然リチェルも声を出していた。発声しながらじゃないと身体が覚えられない。
「五線譜にも種類があって、こっちにある音部記号でどの位置がどの音だと決められるんだが、リチェルはソプラノだから基本的にはこの楽譜を覚えればいい。音が取れるようになれば聴かなくても、楽譜を見れば歌えるようになる」
ヴィオの教え方はシンプルだった。きっとヴィオが話す内容の裏側にはとてつもない知識と理論があるのだろうけれど、彼はそれを必要最低限しか口にはしなかった。
クライネルト家にいた時、音楽は高尚なものだ、お前などに分かるはずがないとデニスは何度も口にした。楽団に通う資産家の息子たちも皆同じだった。だけどヴィオの説明からはそういった壁は感じない。むしろ正反対で、難しいものではないのだから楽しめばいい、とそう言われているように感じる。
背中を押されているように感じる。
(だから……)
だからきっと、リチェルはヴィオの前では気負いなく歌えるのだ。彼の前で歌うことが、楽しくて仕方がないのだ。
(……あ!)
と、その時パチリと一人の少年と目が合った。
「リチェル?」
不思議に思ったのかヴィオが振り返って、いつの間にか近くに来ていた少年の姿に目をとめる。
はしばみ色の丸い瞳、日に焼けたブロンドヘアーがキャスケット帽からのぞいている。それは間違いなく、昨日楽器店を出た時にリチェルと目があった少年だった。
目が合うと少年は少しきまりが悪そうに目を逸らしたが、今度は逃げなかった。そばかすの散った頬が少し紅潮している。
「あの……」
「何か用か?」
尋ねたヴィオにオズオズと少年はヴィオの持っているヴァイオリンに目をやる。
「その、ヴァイオリン……」
「これが……何か?」
「えっと、その……」
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