28 / 31
第三章 偽りの婚約者
終わりと始まり
しおりを挟む
「レイヴ、迎えにきたにゃ!
あれ?
レイヴ?」
シャワー室の扉ごしに聞こえるミィの声。前回の轍を踏まぬよう、こちらから声をかけ開けないように心がけた。
「レイヴさん、いらっしゃらないの?
こちらの部屋はなんですの?」
遅れて入ってきたであろうティティの声がすると、ゆっくりとノブが回る。
「待て、開けるな!」
言ったところで間に合わず、裸のオレとティティが対面してしまった。無言のままティティが振り返り、オレはノブを引き寄せさっさと着替えを済ませた。
「どうしてお前達はいっつもこのタイミングなんだ!」
「知らないにゃ!
このタイミングで着替えてるレイヴがいけないにゃ!」
開口一番文句を言ってやるが、ミィにはミィなりの言い分もあるらしく、話は平行線を辿りそうだったのでティティに話を向けた。
「大丈夫か?
おーい」
どこか遠くを見つめたまま何か呟いている。
「あ、あれが男の人の裸。
あれが……」
興奮なのか衝撃なのか分からないが手の施しようがないように思え、ティティをルニに任せる。すると部屋の外から兵士が顔を覗かせた。
「レイヴ殿。
陛下が会議の間でお待ちですので、急いでいただきませんと」
「大丈夫、もう行ける。
さぁ、皆行くぞ」
会議の間にはメイル唯一人で待っていた。
「待っていたわ。
今回の依頼の件、とても感謝しています。
報酬はその袋の中に。
満足出来る分はあると思うわ」
目の前の袋を開けると、これでもかというくらい輝きを放つ金銀宝石が詰まっている。
「それと、あなた。
レイヴと一緒に行くのね?」
ティティは投げかけられた言葉に静かに頷き、今までの礼を述べた。
「これで全て終わりだな。
ディバイルがいなくなったことで、これからが本当の女王として始まることになるな。
大丈夫か?」
「なにを心配することがあって?
私にはアーサーもついているのですよ。
怖いものなんて何もないわ。
むしろ、貴方達にこの国の行く末を見てもらえないのが残念なくらいよ。
でも、またいつか遊びに来るんでしょ?」
「あぁ、落ち着いたら寄らせてもらうよ。
その時まで楽しみにしてるよ」
「それと、ミィさんだったかしら?
レイヴのこと、大切にするのよ。
私みたいに狙おうとする人はいるでしょうからね」
「でも、女王様は依頼だったにゃ。
本気で狙ってなかったにゃ」
「あら、そうかしら?
ね、レイヴ。
私の唇、良かったでしょ?」
自分で言わないほうがいいと言っておきながら、ここで直接言うか。
「はぁぁぁぁ!?
レイヴ!
どういうことにゃ!!」
「全く呆れるわ、レイヴには」
「唇とは一体、何かなされたのですか?」
「お姉ちゃん、レイヴとお姫様チューしたの?」
口々にオレを責めるが、今言ったところで聞く耳を持たれることはないだろうな。
「メ、メイルそれじゃあ、またいつか。
それまで頑張れよ」
「そっくりそのまま返すわ。
またね、レイヴ」
別れもそこそこに、この状況を切り抜けたく足早に城外へ出るが、未だ耳元や背中、果ては足元から罵声を浴びせられ続けている。
「もう分かったから、ちゃんと話すから、頼む落ち着いてくれ。
ここで馬車を借りたらその中で話すから、な。
お願いだ!」
ようやく少し落ち着いてくれたようだが、目はまだ許してないと言っているかのようだったが、馬車も借りることが出来、次に向かう街ドミニオンへと馬を走らせた。
道中、唇の件をこれでもかと丁寧に説明し終えると、どうにか許してもらえたようで雰囲気も落ち着いてきた。
「あのぉ、レイヴさんとミィさんはどのようにしてお知り合いになられたのですか?」
「私も知りたいわ。
今まで聞いてなかったし。
いいでしょ?」
ティティの質問にルニも興味を持ったので、少し話してみようと思う。
あれ?
レイヴ?」
シャワー室の扉ごしに聞こえるミィの声。前回の轍を踏まぬよう、こちらから声をかけ開けないように心がけた。
「レイヴさん、いらっしゃらないの?
こちらの部屋はなんですの?」
遅れて入ってきたであろうティティの声がすると、ゆっくりとノブが回る。
「待て、開けるな!」
言ったところで間に合わず、裸のオレとティティが対面してしまった。無言のままティティが振り返り、オレはノブを引き寄せさっさと着替えを済ませた。
「どうしてお前達はいっつもこのタイミングなんだ!」
「知らないにゃ!
このタイミングで着替えてるレイヴがいけないにゃ!」
開口一番文句を言ってやるが、ミィにはミィなりの言い分もあるらしく、話は平行線を辿りそうだったのでティティに話を向けた。
「大丈夫か?
おーい」
どこか遠くを見つめたまま何か呟いている。
「あ、あれが男の人の裸。
あれが……」
興奮なのか衝撃なのか分からないが手の施しようがないように思え、ティティをルニに任せる。すると部屋の外から兵士が顔を覗かせた。
「レイヴ殿。
陛下が会議の間でお待ちですので、急いでいただきませんと」
「大丈夫、もう行ける。
さぁ、皆行くぞ」
会議の間にはメイル唯一人で待っていた。
「待っていたわ。
今回の依頼の件、とても感謝しています。
報酬はその袋の中に。
満足出来る分はあると思うわ」
目の前の袋を開けると、これでもかというくらい輝きを放つ金銀宝石が詰まっている。
「それと、あなた。
レイヴと一緒に行くのね?」
ティティは投げかけられた言葉に静かに頷き、今までの礼を述べた。
「これで全て終わりだな。
ディバイルがいなくなったことで、これからが本当の女王として始まることになるな。
大丈夫か?」
「なにを心配することがあって?
私にはアーサーもついているのですよ。
怖いものなんて何もないわ。
むしろ、貴方達にこの国の行く末を見てもらえないのが残念なくらいよ。
でも、またいつか遊びに来るんでしょ?」
「あぁ、落ち着いたら寄らせてもらうよ。
その時まで楽しみにしてるよ」
「それと、ミィさんだったかしら?
レイヴのこと、大切にするのよ。
私みたいに狙おうとする人はいるでしょうからね」
「でも、女王様は依頼だったにゃ。
本気で狙ってなかったにゃ」
「あら、そうかしら?
ね、レイヴ。
私の唇、良かったでしょ?」
自分で言わないほうがいいと言っておきながら、ここで直接言うか。
「はぁぁぁぁ!?
レイヴ!
どういうことにゃ!!」
「全く呆れるわ、レイヴには」
「唇とは一体、何かなされたのですか?」
「お姉ちゃん、レイヴとお姫様チューしたの?」
口々にオレを責めるが、今言ったところで聞く耳を持たれることはないだろうな。
「メ、メイルそれじゃあ、またいつか。
それまで頑張れよ」
「そっくりそのまま返すわ。
またね、レイヴ」
別れもそこそこに、この状況を切り抜けたく足早に城外へ出るが、未だ耳元や背中、果ては足元から罵声を浴びせられ続けている。
「もう分かったから、ちゃんと話すから、頼む落ち着いてくれ。
ここで馬車を借りたらその中で話すから、な。
お願いだ!」
ようやく少し落ち着いてくれたようだが、目はまだ許してないと言っているかのようだったが、馬車も借りることが出来、次に向かう街ドミニオンへと馬を走らせた。
道中、唇の件をこれでもかと丁寧に説明し終えると、どうにか許してもらえたようで雰囲気も落ち着いてきた。
「あのぉ、レイヴさんとミィさんはどのようにしてお知り合いになられたのですか?」
「私も知りたいわ。
今まで聞いてなかったし。
いいでしょ?」
ティティの質問にルニも興味を持ったので、少し話してみようと思う。
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる