転生悪役令嬢は逆ハーエンドの夢を見るか?

片上尚

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ルシア12歳、今私にできる事

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邸につき、着替えなどを済ませ部屋で人心地ついていると、お母様から呼び出しがあった。
ジョルジオ、呼び出しがこんなに早いなんて、さすがに誤魔化すのが下手すぎやしないだろうか……
仕方がないので重い腰をあげ、自分の服装に指摘される所がないかチェックした後、急ぎお母様の私室に向かう。

「王宮に来ていたと聞いたけど。」

部屋に入ると、単刀直入に聞かれる。
……来ていた?自分も居たことを隠す気は無いようだ。
真正面に座るお母様、アウローラ夫人は高々と結い上げたヘーゼル色の髪に、意志の強そうな赤茶色の瞳。
一目見て高価なものとわかる真っ赤なドレス。
自分の親ながら、いかにも高慢で意地悪そうな雰囲気を醸し出している。
……悪役顔の父とこの母から生まれたお兄様と私の顔が凶悪になるのは自明の理だろう。

「はい、お招きを受けておりまして。」

可能なら、与える情報は減らしたいところだ。
というか、ジョルジオがなんと話したかわからないため、話の合わせようがない。
そもそも、「散歩に出たら殿下たちに誘われて話していた」という話の中に、私の名前は出てくる余地がないはず……

「誰から?」

さて、予定通りの言い訳でいこうか。

「アドリアナ姫殿下です。」

「姫殿下?どこで知り合ったの。」

「いえ、噂に聞き興味を持たれたようでして……」

噂のでもとはアレクス殿下だが、出元や内容までは問われまい。
なんと言っても我が家で最も大きな噂はお母様の不倫についてだ。
あえて自分から聞いてこないであろう。

「それで、何を話したんだい」

「世話話ばかりですが……何か心配事でも?」


これも、貴族としては当たり前の回答だ。
それにしてもお母様は私に何を確認したいのだろう。

「他には誰に会った?」

アレクス殿下のことまで言うべきだろうか。
一瞬躊躇すると、苛立ったように畳み掛けられる。

「全く、油断も隙も無い泥棒猫だわ。やはり卑しい血が入るとこんなものなのね。」

……ん?
何か勝手に勘違いされている?

「あの人は、私のものなんだから。ちょっと若いからって良い気になるんじゃないわよ。私に似て美しい、だなんてどこを見て言っているのかしら。全く。」

ちょっと待て、もしかしてお母様、今日はリッチオーニ公爵との密会だった?
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