落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

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転移者との遭遇4

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ギースのダンジョンから戻ってきて数日後。

リリスは放課後に学生寮の最上階に呼び出された。

呼び出したのはもちろんメリンダ王女である。

いつも通り最上階に向かい、メイド長のセラのチェックを受け、メイドの案内でメリンダ王女の居る豪華な部屋に入った。

その場にはメリンダ王女とフィリップ王子がソファに座り、芳醇な香りの紅茶を優雅に飲んでいた。
来年度は最上級生になるメリンダ王女である。
17歳を目前にしているメリンダ王女は、少女から女性へと変貌する時期であり、最近妙に大人びた魅力が増してきたとリリスは感じていた。
それはフィリップ王子も感じているようで、メリンダ王女への視線がやたらに熱く感じるのだ。

まあ、仲が良いのは良いんじゃないの。
どのみちメルは殿下の元に嫁ぐ気満々なんだから。

そんな思いを抱きつつメリンダ王女の手招きで対面のソファに座ったリリスに、メイドが紅茶と小さな茶菓子を給仕した。
メイドに礼を言うリリスに、メリンダ王女は申し訳なさそうに口を開いた。

「リリス。あんたに謝らなければならない事があるのよ。それで急に呼び出したんだけどね。」

「謝るって何よ?」

思い当たる節も無いリリスである。

「以前に話していた私の秘書室を創設する件なんだけどね。これが暗礁に乗り上げちゃったのよ。」

「それって私の卒業後の就職先の話?」

「そう。そうなのよ。」

そう言ってメリンダ王女はふっとため息をついた。

「あんたの持つ強力な魔法やスキルを何処からか聞きつけて、『リリスをミラ王国の軍に所属させるべきだ』と言う声が絶えないのよ。それを抑えるために色々と画策しているんだけど、まだ時間が掛かりそうなの。」

メリンダ王女の言葉にリリスはう~んと唸って黙り込んだ。

私を軍の所属にするように進言しているのはジーク先生かしらね?

「軍の幹部の貴族達には、あんたが軍の所属にならなくても、ミラ王国の危機の際には先頭に立って力を尽くしてくれるって説得しているんだけどねえ。」

「まあ、そう言ってくれるのはありがたいわ。」

そう答えたリリスにメリンダ王女はうんうんと頷いた。

「そもそも私はね、リリスをミラ王国の軍の所属にしてしまうと、この大陸全土の軍事バランスが崩れてしまうと思っているのよ。」

メリンダ王女の言葉に、リリスは思わずプッと吹き出してしまった。

「そんな大袈裟な事を言わないでよ。」

「大袈裟じゃないわよ。私なりに根拠があるんだから。」

根拠?
根拠って何なのよ?

首を傾げるリリスの思いを察して、フィリップ王子がメリンダ王女の代わりに口を開いた。

「メルの言う根拠って言うのは、妹の星詠みによる予知の事なんだよ。」

ああ、エミリア王女の事ね。

「君も知ってお通り、妹のエミリアは精霊の加護を持って生まれてきた子だ。その加護が半端なく強いので、神殿で神官や祭司の職に就いていないと生命を永らえる事が出来ない。それで、卒業後の神殿への奉仕の為に、少し前から神殿に足を運んでいるんだよ。」

「だがエミリアの持つ星詠みのスキルが既に強く発動していて、幾つもの予知が与えられているんだ。その中には君を一国の軍に所属させてはいけないと言う内容のものがあってね。」

フィリップ王子の言葉にメリンダ王女もうんうんと頷いた。

「そんな予知があるんですね。でも星詠みって占いじゃないんですか?」

リリスの疑問にメリンダ王女はアハハと笑った。

「それは占星術でしょ? 星詠みは違うのよ。精霊界と通じて大陸中の生命体の意思とその動向を把握し、高確率で予測される今後の事態を認識出来るの。もちろんその精度は星詠みを行う者の技量にも拠るんだけど、エミリアの場合はかなり高精度であると思えるからね。」

「あんたもゲルから聞いたでしょ? エミリアって異常なほどに精霊界との親和性が高いのよ。それ故に寿命がかなり削られてしまうんだけどね。」 

そう言えば、エミリア王女の寿命に関しては、そんな事を聞いたわね。

「でも私の卒業後の立場まで予知出来るの? だって単なる地方貴族の娘よ。」

「まあ、それだけ影響力が大きいって事よ。それに、リリスにはいずれ最前線で闘ってもらう予知もあるし・・・」

メリンダ王女の言葉にフィリップ王子が、ウッと唸って口止めをしようとした。

「メル。それはここではまだ話さない方が良いと思うよ。」

何だか聞き捨てならないわね。

「でもいずれ話す事だから。」

メリンダ王女はそう言うと、フィリップ王子に目配せをした。

「それってどう言う事なのよ。私が最前線でどこの国と戦うって言うの?」

「それはねえ。エミリアの星詠みだと魔王軍って言う事なんだけどね。」

「魔王軍? そんなものが何処に居るのよ?」

リリスの言葉にメリンダ王女はふっとため息をついた。

「今はまだ存在していないわよ。エミリアの星詠みによる予知に拠ると、人族に敵対する魔族の中に勇者が召喚されるって言うの。多分その勇者も魔族だと思うわ。その勇者が魔族を束ね、魔王のような存在に転じて大陸全土に侵攻する。それに先頭で対峙するのがリリスだって言うんだけどね。」

「それって何時の事なの?」

「20年以内って言っていたわ。」

う~ん。
20年以内ねえ。

本当だとしたら厄介な事よね。

「その時の為にも、リリスの所属を一国に制限しない方が良いと言う事なんだろうね。」

フィリップ王子の言葉にリリスは、再びう~んと唸って黙り込んだ。

私にどうしろって言うのよ。

そう思ったリリスであるが、それが現実になるとしても20年後だ。
今どうこうしても仕方が無い。
リリスは気持ちを切り替えようとした。

「まあ、良いわよ。今直ぐの事じゃないし。それで私は今まで通り図書館の司書を続ければ良いのね。」

「そう。そう言う事なのよ。リリスの実家にはその旨を王家から伝えるわ。卒業後直ぐにどこかの貴族の家に、政略結婚に出される予定があればそれを断念してもらうしかないけど。」

「無いわよ、そんなもの。」

「そうよねえ。あんたって政略結婚を受け入れるタイプじゃないわよね。」

「分かっていてそんな事を聞くんじゃないわよ。」

リリスとメリンダ王女とのやり取りが軽い言い争いになりそうなので、フィリップ王子が間に入って話を止めさせた。

「まあ、しばらくは現状のままで頼むよ。君が図書館の司書で居る方が、我々も色々と依頼し易いからね。」

それって結構負担なんだけど・・・・・。

そう思いつつ、リリスは再び気持ちを切り替え、司書としての仕事の継続を渋々受け入れた。

「そう言えばフィリップ殿下に話しておきたい事があるんですけど・・・」

リリスの話の切り出しに、フィリップ王子はうん?と唸って首を傾げた。

「ドルキア王国に王立の薬師院がありますよね?」

「ああ、あるよ。何か用事でもあるのかい?」

フィリップ王子の問い掛けに、リリスは数日前に出会ったリナの事を簡略に話した。
その話にフィリップ王子は意外にも身を乗り出して聞き、リナの存在に大いに関心を見せた。

「調合関係の特殊なスキル持ちは希少だよ。我が国の辺境の村にそんな人物がいるなんて、これは朗報だね。リリスはその彼女のスキルを確認したんだね?」

「はい。発動状況は本人以外には見えないんですが、その成果物を目に前に出されたので確実だと思います。」

「うん。それなら一度確認してみよう。彼女と連絡が着くのなら後日呼び出してくれ。」

フィリップ王子の言葉にリリスはハイと答え、リナとの連絡用の魔道具を取り出してその旨を伝えた。
フィリップ王子の指定する期日を伝え、リリスは安堵して魔道具での連絡を解除した。

その後しばらく談笑し、リリスは階下の自室へと戻った。





だが、自室に戻ったリリスは異様な光景を目にした。

リビングスペースのソファにサラが座り、テーブルの上には紫色のフクロウが立っている。
紫色のフクロウはサラの祖先に当たる賢者ラダムの使い魔だ。
両者の身体が光を放ち、その間を小さな赤い球体がゆっくりと移動している。
サラからフクロウに向かってその赤い球体は移動し、フクロウの身体に吸い込まれていった。

近くでじっとその様子を見つめるリリス。
それに気が付き、サラは笑顔で『お帰り』と声を掛けた。

「サラ。それにラダム様。何をしていたの?」

リリスの問い掛けにフクロウはふふふと笑った。

「今、儂の特殊なスキルでサラから召喚獣を譲り受けたのだよ。」

「譲り受けるって・・・・・。そんな事が出来るんですか?」

リリスの疑問にフクロウはうんうんと頷いた。

「もちろん誰でも出来る事ではない。儂が召喚術を長年研究してきた成果の一つだ。。」

「でもどうして譲り受けたんですか?」

「それはなあ・・・」

フクロウは話を中断してサラを見つめた。
サラは照れくさそうな表情をしている。

「このサラが時々妙なものを召喚するのは、リリスも知っているだろう?」

「ええ。私が知っている範囲では、デュラハンや死神ですね。」

そう言えばぬらりひょんなんかもあったわね。
何処の世界から召喚してきたのか分からないけど。

「そうなのだよ。それでサラが今回も妙なものを召喚してしまったのだ。」

「そうなの?」

サラの方を見て問い掛けたリリスに、サラはうんうんと頷いた。

「最近、卒業間近なのでバルザック先生から特別指導を受けているのよ。先生の推薦で王立の研究所に入る予定なの。」

「へえ! それは良いじゃないの。」

「それはそれで良いんだけど、昨日また変なものを召喚しちゃってね。それを召喚解除する前にラダム様に話したら、気になるから譲ってくれって言う事になったのよ。」

サラの言葉にフクロウは強く頷いた。

「そうなのだ。儂が以前にデルフィ殿の研究施設で見せられた化石と良く似ているので、おそらく古代に生息していた魔物だと思われる。」

そんなものを召喚したの?

「それで・・・それってどんな魔物ですか?」

「ああ、見た目はサソリなんだが、全身が濃い紫色で、星のような模様が10個ほど斜めに線状に入っていて・・・」

うん?
どこかで聞いたような外見ね。

「実はそれによく似た従魔を持っている人と、先日知り合ったんですけどね。」

リリスの言葉にフクロウはえっ!と叫んだ。

「そんなものがまだ生き残っていたのか? その従魔について詳しく話してくれ!」

食い入るようにリリスの顔面に向かって、紫色のフクロウが迫ってくる。
リリスはまあまあと言って落ち着かせ、先日知り合ったリサの事を簡略に話した。
その説明にフクロウは奇声を上げ、羽根を羽ばたかせて興奮し始めた。

「う~む。是非とも見せてもらいたいものだ。サラから譲り受けた召喚獣と見比べてみたい。そのリサと言う人物と従魔をこの学生寮の前に呼んでもらえんか?」

「呼ぶのは良いですけど、ここでは従魔を出せませんよ。」

「そうなのか?1mほどのサソリならそんなに目立たないだろうに・・・」

1mほどですって?

「ラダム様。リサさんの従魔は体長3mを越えますよ。二股の尻尾を振り上げると高さ2m近くまでになりますし。」

「何! そんなに大きいのか?」

「ええ。それに強力ですよ。ギルったらギースのダンジョンで、20体のハービーを毒と火球で駆逐したんですから。」

リリスの言葉にラダムはウッと呻いて後ろに引いた。

「ギルと言うのはその従魔の名前だな。それにしてもそんなに強力な魔物なのか!」

そう言いながらフクロウはう~んと唸り、考え込む仕草を見せた。

「確かに3mを越える躯体の魔物となると、学院の敷地には無暗に出せないな。大騒ぎになってしまうわい。デルフィ殿の研究施設で見せて貰おうかね。デルフィ殿も関心があるだろうし、デルフィ殿所有の化石とも見比べられるからな。」

「面識のないリサさんを、デルフィ様の研究施設に連れて行って構いませんか?」

「それなら心配要らんだろう。研究の為ならデルフィ殿も寛容だからな。」

フクロウの言葉を受け、リリスは連絡用の魔道具を取り出し、リサとの連絡を始めた。

リサはリリスからの依頼を了承し、ラダムとデルフィの都合の良い日時に落ち合う事になった。

リリスが魔道具を解除すると、フクロウはリリスに礼を告げてその場から消えていった。

妙な事になったけど、成り行きに任せて良いのよね。

そう思いながらラダムが消えていった方向を見つめていたリリスに、サラがしみじみと話し掛けた。

「リリスったらまたギースのダンジョンに行ったのね。図書館の司書だって言うのに忙しいわねえ。」

「まあ、司書は仮の居場所なのよ。王家をはじめとして、色々なところからの依頼事を受けやすいように仕組まれているだけなのよね。」

若干自虐的な言い回しにサラはハハハと笑った。

「リリスったらどんな依頼でもこなしちゃうからね。卒業後もそのままずっと司書で居れば良いんじゃないの?」

「もうすでにそうなっているわよ。王家からの指示まで出ちゃったわ。実家にも王家から連絡しておくってさ。」

「ええっ! そうなの? 随分用意周到ねえ。まるで既定路線じゃないの。」

サラは驚き呆れて、憐れみを感じさせるような表情を見せた。
彼女なりに心配してくれているのだろう。

サラはふうっとため息をつき、リリスに向けて口を開いた。

「リリス。身体だけは大事にね。」

「分かってるわよ。ありがとう。」

言葉は少ないが、サラの気持ちが伝わってきた。
彼女との同室生活も5年になる。
リリスにとってサラは既に家族のようなものだ。
魔法学院の寮の規約で、同室者との相性が悪ければルームメイトを変更する事も出来るのだが、サラはリリスにとって相性の良い女性だった。

あんたには心底感謝しているわよ。

そう思いながらリリスは寝自宅を始めたのだった。




数日後。

リリスは学生寮の玄関でラダムと会い、そのままリサから指定された場所にラダムの空間魔法で転移した。
この日のラダムは使い魔では無く実体で、初老の男性の姿に偽装している。

待ち合わせ場所はドルキア王国の王城の前の広場だ。
大きな噴水が配置された美しい広場の向こう側には、ドルキア王国の壮麗な王城も見えている。
広場には多数の人々が行き交い、広場の両側の庭園では小さな子供連れの家族も散策を楽しんでいた。

少し離れた場所にリサの姿が見える。
レザーアーマーを着用したリサは、リリスを見つけると笑顔で手を振りながら駆けつけて来た。

リサとラダムは初対面だ。
初対面の挨拶を交わすと、ラダムはリサに早速デルフィの研究施設に転移する旨を伝えた。

「私ってドラゴニュートと会うのは初めてなのよね。」

少し不安そうに話すリサにリリスは笑顔で頷いた。

「大丈夫よ。デルフィ様はドラゴニュートの賢者様で、王族の一員でもあるからね。」

「ええ、そうなの? こんな格好でお会いして良いの?」

リサはそう言うと、自分の身なりを気にし始めた。
その様子を見てラダムがハハハと笑った。

「リサさん。デルフィ殿は気さくな賢者様だから、身なりなんて気にしませんよ。まあ、会えば分かる。」

ラダムはそう言うと、空間魔法でリリスとリサと共にその場からデルフィの研究施設に転移したのだった。




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