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メイド達の雑談
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レイと会った翌日、リリスは屋敷の庭でファイヤーボルトの訓練を始めた。手のひらに魔力を集め、二重構造のファイヤーボルトをイメージすると、思い通りの姿のファイヤーボルトが出現した。これはレイが造り上げたイメージである。赤々と光るファイヤーボルトを標的に向かって投げると、ファイヤーボルトはヒユーンと言う風切り音をあげて標的に向かった。
ボスッ。
ファイヤーボルトは木製の標的を貫き、背後の地面にぶつかって地面を大きく抉った。粉塵が舞い上がり、小さく火の手が上がるが、その周辺に燃えるものも無いので直ぐに火は消えてしまった。
木製の標的では威力が分からないわね。
そう思ったリリスは、別の木製の標的の前に土壁を造る事を考えた。
魔力を集中させてアースウォールを発動させ、高さ1.5mの土壁を出現させた。この数か月の訓練ですでにこの土壁には硬化処置が施されている。
この土壁越しに標的を狙う。リリスはもう一度二重構造のファイヤーボルトを出現させ、全力で土壁に正面から放った。その途端に投擲スキルが予定外の補正を発揮し、放たれたファイヤーボルトに回転運動を加えた。更に初速も上がり、キーンと言う鋭い金切り音を発てて土壁にぶつかった。
ドウンッ。
鈍い衝撃音と共に土壁に穴が開き火の手が上がる。その爆発とごくわずかな時間差で、二重構造内部のファイヤーボルトが背後の木製の標的にぶつかった。
ゴウッ。
ファイヤーボルトの着弾と同時に標的が内部から激しく燃え上がり、瞬時に消し炭になってしまった。
予想以上の出来栄えだ。硬化された土壁の破壊された穴を確認しながらリリスはふと疑問を持った。
このファイヤーボルトでレイはどんな魔物を駆除していたと言うのだろうか?
その疑問に的確だと思われる答えを思いついて、リリスは改めてこの世界で生きる事を覚悟させられた。
これって対人攻撃用じゃないの。
硬化された土壁をメタルシールドや魔法によるシールドだと思えば良い。魔力で身体強化を掛けた肉体だと思っても良い。要するに敵の防御を破壊して本体に攻撃を加えるのが目的だ。
そうすると団長さんが言っていた魔物って・・・・・盗賊団も含めての事だったのね。
魔法攻撃に長けた盗賊団の話は耳にしていたが、その具体的な対応を考えさせられたのは初めての事だった。
「レイさんって何者なの?」
いずれそれを確かめたいと思いながら、リリスはもう一度土壁越しに標的を破壊してその日の訓練を終える事にした。魔力の消費が大きく、かなり魔力量を削られてしまったからだ。この数か月の訓練で魔力量は倍増した。そのお陰で持ち堪えているのだと思うと、改めてレイの魔力量の大きさを考えさせられてしまう。
・・・・・本当に、レイさんって何者なの?
この世界で生き残るための処世術だと割り切れず、再度リリスはそう思ったのだった。
この日の午後、リリスは母のマリアから魔法学院への入寮の為の荷造りをするように再度勧められた。そう言えば入学式はあと一週間後だ。
一週間もあれば大丈夫よ。
お母様ったら心配性なんだから。
そう思いながらもリリスは手伝おうとするフィナの申し出を断って、鼻歌を歌いながら準備を始めた。
魔法学院は全寮制で、必要最低限の荷物を学生寮に運び込まなければならない。母のマリアからは早めに準備しなさいと言われ続けていたのだが、リリスとしては事前に情報を収集してから荷造りをしようと考えていたのだ。
リリスの集めた情報では魔法学院の今期の新入生は20人。ミラ王国は小国なので、領土内の貴族の子弟で入学資格を得た者はこの程度の人数だ。
リリスを含む下級貴族からは15人、王家の外戚などの上級貴族が5人である。
上級貴族の子供達って私達を見下してくるだろうな。
そう考えると最初から目立つのは避けるべきね。
座学で学ぶ内容はすでに書物を取り揃えて確認済みだ。その学習内容は広範囲に及ぶ。だが驚いたのはかつてラノベで読み耽っていた内容が意外に役立ちそうな事だ。
更に社会人であった頃の知識や発想も役に立つ部分がある。それほどに困る事は無さそうだとリリスは感じていた。
ちなみにこの時リリスが何気に鼻歌で奏でていたのは、以前の世界で聞き慣れていたJ-POPだったのだが、そんな事をフィナが知る由も無い。
一方、リリスの部屋から出たフィナは、屋敷のダイニングルームの傍にあるメイドの休憩室に足を運んだ。この時間帯はそれほど忙しい用事は無いので他のメイドが休憩している事も有る。休憩室に入ると案の定、先輩のメイドのアンが紅茶を飲んで休憩していた。
アンはフィナよりも7歳年上で、さばさばとした性格の親しみ易いお姉さんだ。黒髪をポニーテールにして結び、屋敷内を笑顔を振りまきながら歩くアンはフィナにとっても頼りがいのある先輩である。
アンはフィナの顔を見てあれっと声を上げた。
「フィナ。お嬢様の荷造りのお手伝いはどうしたの?」
フィナは苦笑いをしながらアンの座る椅子の隣に腰かけ、テーブルに備えられたポットの紅茶を自分のマグカップに注ぎ始めた。
「それがねえ、一人でやるんだって・・・。一人暮らしは慣れてるからなんて言うのよ、お嬢様ったら。」
フィナの言葉にアンは大きな口であはははと笑った。
「それはフィナを安心させようとして、背伸びして言ったのよ。あの年頃の子供って大人の真似をしたがるからねえ。」
そうかしらと首を傾げながらフィナは紅茶を一口飲んだ。メイド用ではあるが屋敷の当主の配慮でそれなりに高級な茶葉である。その馥郁とした香りに心が癒されていく。
「そうだわ、アン。緑色のお茶って知ってる? お嬢様が昨日私に聞いてきたのよ。」
フィナの言葉にアンは眉をひそめた。
「何よそれ? 何かの本で読んだのかしら?」
「それとね。『あずき』って言う小さな黒い豆は無いかって。」
「そんなものをどうするの?」
「水と砂糖で煮てペーストにするんだって。『あんこ』って言うそうよ。」
「それって童話にでも出てくるのかしらね。本で読んだことを確認したかったからじゃないの?」
そうなのかなあとつぶやきながら、浮かぬ顔を見せるフィナに、アンは笑顔を振り向けた。
「そう言えば最近お嬢様は急に大人っぽくなってきたわね。思春期を迎えた少女って雰囲気だわ。」
「そうね。でも少し違和感を感じるのよね。なんて言ったら良いのかなあ。まるでおばさんになったような事をたまに言うんだよ。」
「あんた、それって失礼じゃないの。」
軽く窘められてフィナはうつむきながら言葉を続けた。
「だって・・・数日前もお風呂でバスタブのお湯に浸かった時に『ああ~極楽、極楽。』って呟いてたし、馬車に乗り込むときも『よいしょっ。』って掛け声を掛けながら乗り込むんだもの。」
「今日だって午前中に魔法の訓練を終えた後、バルコニーの椅子に座った時に冷えたラモのジュースをお出ししたら、一気に飲み干してぷはーと息を吐き出しながら、『これがのど越しの良い生ビールだったら最高なんだけどなあ。』なんて言い出すのよ。」
フィナの言葉にアンは思わず吹き出してしまった。
「だから、それは大人の真似をしているだけだってば。思春期を迎えた子供ってそんなものよ。」
それはアンの言う通りなのだろう。フィナもそう思っては居るのだがそれでもまだ違和感を拭えない。
「でもね、あんなに大事にして、寝る時まで手放さなかったぬいぐるみも薄汚れたからって捨てちゃったし・・・」
「そもそもお嬢様って、心細いから私に魔法学院の寮に住み込んでくれとまで言ってたのよ。それなのに今日は一人で鼻歌まで歌いながら荷造りしているんだもの・・・」
呟き続けるフィナの頭を軽くポンポンと叩きながら、アンは優しく笑いかけた。
「お嬢様が大人になってきているんだから、私達も喜んであげなきゃね。」
「そうかなあ・・・・・」
納得できない表情で紅茶をグイっと飲み干すフィナであった。リリスの精神年齢がおばさんに近い事は確かに事実なのだが・・・・・。
ボスッ。
ファイヤーボルトは木製の標的を貫き、背後の地面にぶつかって地面を大きく抉った。粉塵が舞い上がり、小さく火の手が上がるが、その周辺に燃えるものも無いので直ぐに火は消えてしまった。
木製の標的では威力が分からないわね。
そう思ったリリスは、別の木製の標的の前に土壁を造る事を考えた。
魔力を集中させてアースウォールを発動させ、高さ1.5mの土壁を出現させた。この数か月の訓練ですでにこの土壁には硬化処置が施されている。
この土壁越しに標的を狙う。リリスはもう一度二重構造のファイヤーボルトを出現させ、全力で土壁に正面から放った。その途端に投擲スキルが予定外の補正を発揮し、放たれたファイヤーボルトに回転運動を加えた。更に初速も上がり、キーンと言う鋭い金切り音を発てて土壁にぶつかった。
ドウンッ。
鈍い衝撃音と共に土壁に穴が開き火の手が上がる。その爆発とごくわずかな時間差で、二重構造内部のファイヤーボルトが背後の木製の標的にぶつかった。
ゴウッ。
ファイヤーボルトの着弾と同時に標的が内部から激しく燃え上がり、瞬時に消し炭になってしまった。
予想以上の出来栄えだ。硬化された土壁の破壊された穴を確認しながらリリスはふと疑問を持った。
このファイヤーボルトでレイはどんな魔物を駆除していたと言うのだろうか?
その疑問に的確だと思われる答えを思いついて、リリスは改めてこの世界で生きる事を覚悟させられた。
これって対人攻撃用じゃないの。
硬化された土壁をメタルシールドや魔法によるシールドだと思えば良い。魔力で身体強化を掛けた肉体だと思っても良い。要するに敵の防御を破壊して本体に攻撃を加えるのが目的だ。
そうすると団長さんが言っていた魔物って・・・・・盗賊団も含めての事だったのね。
魔法攻撃に長けた盗賊団の話は耳にしていたが、その具体的な対応を考えさせられたのは初めての事だった。
「レイさんって何者なの?」
いずれそれを確かめたいと思いながら、リリスはもう一度土壁越しに標的を破壊してその日の訓練を終える事にした。魔力の消費が大きく、かなり魔力量を削られてしまったからだ。この数か月の訓練で魔力量は倍増した。そのお陰で持ち堪えているのだと思うと、改めてレイの魔力量の大きさを考えさせられてしまう。
・・・・・本当に、レイさんって何者なの?
この世界で生き残るための処世術だと割り切れず、再度リリスはそう思ったのだった。
この日の午後、リリスは母のマリアから魔法学院への入寮の為の荷造りをするように再度勧められた。そう言えば入学式はあと一週間後だ。
一週間もあれば大丈夫よ。
お母様ったら心配性なんだから。
そう思いながらもリリスは手伝おうとするフィナの申し出を断って、鼻歌を歌いながら準備を始めた。
魔法学院は全寮制で、必要最低限の荷物を学生寮に運び込まなければならない。母のマリアからは早めに準備しなさいと言われ続けていたのだが、リリスとしては事前に情報を収集してから荷造りをしようと考えていたのだ。
リリスの集めた情報では魔法学院の今期の新入生は20人。ミラ王国は小国なので、領土内の貴族の子弟で入学資格を得た者はこの程度の人数だ。
リリスを含む下級貴族からは15人、王家の外戚などの上級貴族が5人である。
上級貴族の子供達って私達を見下してくるだろうな。
そう考えると最初から目立つのは避けるべきね。
座学で学ぶ内容はすでに書物を取り揃えて確認済みだ。その学習内容は広範囲に及ぶ。だが驚いたのはかつてラノベで読み耽っていた内容が意外に役立ちそうな事だ。
更に社会人であった頃の知識や発想も役に立つ部分がある。それほどに困る事は無さそうだとリリスは感じていた。
ちなみにこの時リリスが何気に鼻歌で奏でていたのは、以前の世界で聞き慣れていたJ-POPだったのだが、そんな事をフィナが知る由も無い。
一方、リリスの部屋から出たフィナは、屋敷のダイニングルームの傍にあるメイドの休憩室に足を運んだ。この時間帯はそれほど忙しい用事は無いので他のメイドが休憩している事も有る。休憩室に入ると案の定、先輩のメイドのアンが紅茶を飲んで休憩していた。
アンはフィナよりも7歳年上で、さばさばとした性格の親しみ易いお姉さんだ。黒髪をポニーテールにして結び、屋敷内を笑顔を振りまきながら歩くアンはフィナにとっても頼りがいのある先輩である。
アンはフィナの顔を見てあれっと声を上げた。
「フィナ。お嬢様の荷造りのお手伝いはどうしたの?」
フィナは苦笑いをしながらアンの座る椅子の隣に腰かけ、テーブルに備えられたポットの紅茶を自分のマグカップに注ぎ始めた。
「それがねえ、一人でやるんだって・・・。一人暮らしは慣れてるからなんて言うのよ、お嬢様ったら。」
フィナの言葉にアンは大きな口であはははと笑った。
「それはフィナを安心させようとして、背伸びして言ったのよ。あの年頃の子供って大人の真似をしたがるからねえ。」
そうかしらと首を傾げながらフィナは紅茶を一口飲んだ。メイド用ではあるが屋敷の当主の配慮でそれなりに高級な茶葉である。その馥郁とした香りに心が癒されていく。
「そうだわ、アン。緑色のお茶って知ってる? お嬢様が昨日私に聞いてきたのよ。」
フィナの言葉にアンは眉をひそめた。
「何よそれ? 何かの本で読んだのかしら?」
「それとね。『あずき』って言う小さな黒い豆は無いかって。」
「そんなものをどうするの?」
「水と砂糖で煮てペーストにするんだって。『あんこ』って言うそうよ。」
「それって童話にでも出てくるのかしらね。本で読んだことを確認したかったからじゃないの?」
そうなのかなあとつぶやきながら、浮かぬ顔を見せるフィナに、アンは笑顔を振り向けた。
「そう言えば最近お嬢様は急に大人っぽくなってきたわね。思春期を迎えた少女って雰囲気だわ。」
「そうね。でも少し違和感を感じるのよね。なんて言ったら良いのかなあ。まるでおばさんになったような事をたまに言うんだよ。」
「あんた、それって失礼じゃないの。」
軽く窘められてフィナはうつむきながら言葉を続けた。
「だって・・・数日前もお風呂でバスタブのお湯に浸かった時に『ああ~極楽、極楽。』って呟いてたし、馬車に乗り込むときも『よいしょっ。』って掛け声を掛けながら乗り込むんだもの。」
「今日だって午前中に魔法の訓練を終えた後、バルコニーの椅子に座った時に冷えたラモのジュースをお出ししたら、一気に飲み干してぷはーと息を吐き出しながら、『これがのど越しの良い生ビールだったら最高なんだけどなあ。』なんて言い出すのよ。」
フィナの言葉にアンは思わず吹き出してしまった。
「だから、それは大人の真似をしているだけだってば。思春期を迎えた子供ってそんなものよ。」
それはアンの言う通りなのだろう。フィナもそう思っては居るのだがそれでもまだ違和感を拭えない。
「でもね、あんなに大事にして、寝る時まで手放さなかったぬいぐるみも薄汚れたからって捨てちゃったし・・・」
「そもそもお嬢様って、心細いから私に魔法学院の寮に住み込んでくれとまで言ってたのよ。それなのに今日は一人で鼻歌まで歌いながら荷造りしているんだもの・・・」
呟き続けるフィナの頭を軽くポンポンと叩きながら、アンは優しく笑いかけた。
「お嬢様が大人になってきているんだから、私達も喜んであげなきゃね。」
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