落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

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少年とダンジョン2

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再び訪れたケフラのダンジョンの第6階層。

樹間の小径を進むとリリスは少し開かれた草原に出た。草原と言えば狼だろうか?

そのリリスの期待通りに、数匹のブラックウルフが遠方から駆け寄ってくるのが見えた。

別に期待した訳じゃないんだけどね。

そう思いつつもリリスは前方20mほどの場所に高さ1mの土壁を幾つも出現させ、幅30mほどの土壁を構築した。その手前には深さ30cmほどの泥沼を配置し他のだが、その底には長さ15cmほどのアースランスをびっしりと出現させた。長さが短いので外からはその存在が分からない。
土壁の両脇を回り込む魔物も居るかも知れないが、土壁の高さが1mと言うところがミソである。
この高さなら楽に飛び越えられるとブラックウルフは判断する筈だ。

初めて見る土壁と泥沼にリトラスは驚きを禁じ得ない。

「土魔法ってこんな事が出来るんですね!」

「そうなのよ。リリスの土魔法は姑息だからねえ。」

何処が姑息なのよ!

そうは思っても反論している余裕は無い。接近してきたブラックウルフが次々と土壁を飛び越えた。だが土壁の手前の泥沼に着地した途端にギャッと悲鳴を上げて動けなくなってしまう。ここが狙い目とばかりに放たれたリリスのファイヤーボルトが易々と着弾し、ドウンと爆音と爆炎を上げて燃え上がった。

確かに姑息かもね。

改めて思い直したリリスである。

アースランスを解除し、泥沼を元の地面に戻してリリスは草原の向こう側に見える階段に向かった。だが階下への階段に近付くにつれて地面がゴゴゴゴゴッと地鳴りを始めた。
微細な振動が足元から伝わってくる。

気味が悪いわね。
何か嫌な予感がするわ。
そう言えばゲールさんの反応も無いわね。

そう思いながら階段を降りると第7階層、ここも森のはずだ。以前に潜った時はハービーの群れに襲われたっけ。
リリスは回想しながら足を進めた。

だが予想に反して、第7階層は薄暗い洞窟のような場所だった。

「これは・・・どうしたんだ?」

背後でジークの声が聞こえた。ダンジョンの様子が変だ。やはり自分がダンジョンに潜ると過剰に反応するのだろうか?
不安に駆られつつも湿った洞窟の地面を歩く。洞窟と言っても幅は30mほどもある。まるで鍾乳洞の中に入ったような感覚だ。

洞窟の壁は湿っていてそれも気味が悪い。しかも何かの腐臭が漂ってきて鼻を刺激する。

「嫌な感じねえ。」

芋虫の声に反応するかのように、前方約10mの場所で地面が黒く盛り上がってきた。何かの塊が蠢いている。それが次第に人の形となり、目鼻の無い口だけののっぺりとした顔をこちらに向けた。

グールだ。5体ほど居るようだ。

その腐臭が一段と漂ってきて頭が痛い。

「ああ、おぞましい。リリス!焼き払ってよお!」

気味悪がって芋虫が叫んだ。それはリリスも同じ思いだ。

即座にファイヤーボルトを数発放っ他リリスだが、グールの動きが緩慢なのですべて着弾した。ゴウッと爆炎を上げてその一帯が焼き払われる。
グールは全て焼き払われた。

「このまま・・・・・進むの?」

リリスの問い掛けに芋虫はう~んと考え込み、

「とりあえず焼き払えるようだから、行けるところまで行ってみたいわね。」

芋虫の出した答えにジークもうなづいた。

「そうだね。僕も念のためにシールドを強化するので、行けるところまで行ってみよう。それでやばく成れば転移の魔石を使うからね。」

ジークの言葉にリリスはハイと答えた。だが転移の魔石が常に有効であれば良いのだが、それを無効にしてしまうような現象に遭った事だってある。
決して安心は出来ないのだ。

再度気を引き締め、警戒しながら薄暗い洞窟を奥に進むと少し広い空間に出た。

その天井部分が半透明に光っている。あれは何だろうか? 

近くに進むとその半透明のものが揺れ動きふわっと舞い落ちてきた。
ギエエエエエッと言う不気味な悲鳴が広がる。それと共に強烈な邪気がリリス達を襲ってきた。頭がクラクラする。

「レイスだ!」

ジークの叫び声を聞き、リリスは反射的に魔装を非表示で発動した。瞬時に邪気の影響は消えたが、飛び回る死霊の数は10体を越えている。
おぞましい声を上げ、長い爪を伸ばして襲い掛かるレイスを避けながら、リリスはファイヤーボルトを放った。

だがファイヤーボルトはレイスの身体を突き抜けて、天井にぶつかり燃え上がった。その近くにいたレイスが爆炎に巻き込まれたがダメージを負った様子も無い。どうやら火魔法に対して耐性を持っているようだ。

「リリス! 黒炎で対処するわよ!」

芋虫がそう叫ぶと同時にリリスの両手に黒炎の魔力が生じた。それを瞬時に槍状に錬成してレイスに放つと、レイスはギャッと悲鳴を上げて後方へ引き下がった。だがそれほどにダメージを受けている様子は無い。嫌がる程度なのだろうか?

「拙いわね。あまり効いていないわよ。」

芋虫の落胆の声にリトラスが反応して、

「あんなの、剣があれば浄化してやるのに・・・」

その呟きでリリスは気が付いた。

そうだ。
リトラスって聖魔法が使えるのよね。
剣があれば・・・・・。

そう思って周囲を見回しても洞窟なので木の枝すら無い。何か代わりになるものは無いのか?
レザーアーマーの内ポケットに手を伸ばすと、護身用の魔金属のスローイングダガーがあった。
とりあえずこれを使うしかない。
リリスは鈍い光沢を放つスローイングダガーを手に持つと、芋虫に指示を出した。

「メル! リト君と私との憑依を高めたいの。そうすれば聖魔法で対処出来るわ。」

「うん! やってみるわ!」

芋虫がうっと唸って魔力を集中させた。それと同時にリリスの精神にリトラスの意志が割り込んでくる。憑依のレベルを上げないとリリスの魔力をリトラスが使えないからだ。 

「リト君! 私の手にあるダガーに君の聖魔法を付与させて!」

ハイと言うリトラスの返事と共にリリスの持つダガーが白い光を放ち始めた。その清らかな光が唯一の頼りだ。
隙を狙って天井から襲い掛かってきたレイスに切りつけると、ギエエエエエッと言う悲鳴を上げてレイスは霧のように消えてしまった。

うん。
これならいけるわよ。

ダガーの大きさ故に接近戦となるが、無暗に襲い掛かってくるレイスは全て駆除出来た。その効果を警戒して3体のレイスが天井付近で蠢いている。

「あれって駆除出来ないかしら?」

リリスの問い掛けにリトラスは生き生きとした声で、

「ソニックを放てますよ!」

そうだわ。
この子って剣技が使えるのよね。

「ソニックってどうするの?」

「取り敢えずレイスに向けて魔力を放つ動作をして下さい。ソニックと叫ぶことを合図にしましょう。それに合わせて発動させますから。」

リトラスの指示通りに、リリスはレイスに向けてダガーを振りかざした。

「ソニック!」

その声と同時にダガーから白い弓状の光が放たれ、ブンッと音を発てて天井のレイスに襲い掛かった。パンッと弾けるような音がしてレイスが消えて行く。

「うん、上出来よ!」

芋虫が歓喜の声を上げた。

同じ動作で残りのレイスも駆除すると、再びゴゴゴゴゴッと地鳴りが響いた。この地鳴りがどうにも不気味だ。何かの前触れかも知れない。

「細心の注意を払って進むことにしよう。」

ジークもこの地鳴りが気に成るようだ。



周囲を探知しながらゆっくり前に進むと、細い通路を過ぎて広いドーム状の空間に出た。

広さは直径が30mほどで、その中央に直径20mほどの台座がある。高さは1mほどで、まるで舞台のようだ。
リリス達が近付くと、ドーム状の天井から幾つかの光が放たれ、その台座の中央をスポットライトのように照らした。

それと共に台座の中央部に魔方陣が出現し、その魔方陣の中央部に黒い霧のようなものが浮き上がってきた。

何かが現われようとしている。

反射的に後方を見ると、

今通過してきた細い通路が塞がれてしまっている。

閉じ込められちゃったわ!

焦る思いでリリスは魔方陣の中央を見つめた。何処からともなく笑い声が聞こえてくる。

「ワハハハハハハッ!」

笑い声の主は魔方陣の中央の黒い霧だ。それは徐々に姿を変えてきた。
4本の足が見える。これは馬の脚だ。だがそれに騎乗している黒い甲冑の騎士が現われた。しかもその首が無い。

「デュラハンだ! どうしてこんなものがここに・・・・」

ジークは強張った表情でリリスの顔を見つめた。

「私のせいじゃありませんよ!」

思わず叫んだリリスである。いくらダンジョンメイトと揶揄されるとしても、こんなものまで呼び出すとは思いたくない。
ダンジョンマスターのゲールは何を考えているのだろうか?
リリスの脳裏に色々な思いが錯綜する。

「今回の挑戦者はお前達か?」

デュラハンが甲高い声で叫んだ。右手に長剣を持ち、左手に自分の首を抱えている。その口がニヤリと笑いながら叫んだのだ。
不気味なのはその騎乗している馬も同様で、上半身に金属製の防具を纏っている。その防具には黒い横縞が幾つも見えるのだが、そこからは禍々しい邪気が強烈に漂ってくる。

あれは呪詛だわ。しかも相当に凶悪な呪詛ね。

リリスの顔にも緊張が走る。

デュラハンはその手に持つ長剣をリリスに向けた。

「ここから出たければ、儂を倒すのだ。それしか道は無いぞ。」

その言葉に拙いと思ったジークが転移の魔石を取り出したが、ジークの魔力に全く反応しない。

「何故だ? 転移の魔石が反応しないぞ!」

焦って魔石に魔力を流すジークの姿を見て、デュラハンはハハハハハと高笑いをした。

「そんなものは効かんぞ。儂が無効にしてやったわい。」

これはますます拙い状況だ。

「どうするの?」

心配そうに芋虫が呟いた。

「やるしかないんじゃないの。」

リリスの呟きにデュラハンは、

「その通りだ。やるしかないのだ。」

そう言いながら長剣を下ろした。

「儂の名はハーグと言う。儂はこの舞台の中央の直径10mの範囲でしか動けん。接近戦を好まぬのならその外から攻撃するが良い。だが儂の動ける範囲に入ればこの長剣の餌食となる。」

「さあ! お前の力を見せてみよ!」

そう言いながらハーグは長剣を振りあげ、リリスに向かって力強く振り向けた。その瞬間に長剣から黒炎が音も無く飛んできた。

危ない!

思わず避けたリリスの傍を黒炎がすり抜け、背後に居たジークを直撃した。その威力でジークの身体が後ろの壁にドンと跳ね飛ばされてしまった。

「ジーク先生!」

悲鳴のようなリリスの声が響き渡る。
ジークはそれでもふらふらしながら態勢を整えた。頭をポンポンと軽く叩きながら、リリスに軽く手を振り、

「大丈夫だ。シールドを破壊されたが直ぐに張り直したからね。」

それはリリスを安心させるつもりで言ったのだろう。身体を吹き飛ばされるほどの威力の黒炎だ。ダメージの無い筈がない。
リリスは気を引き締めてハーグを睨んだ。

リリスはグッと魔力を両手に集中させ、極太のファイヤーボルトを出現させると、ハーグに向けてその火矢を瞬時に放った。
キーンと金切り音を立てて4本のファイヤーボルトがハーグに向かい、逸れる事無く全弾着弾した。
ドウンと言う衝撃音と共に爆炎が舞い上がる。威力は充分だ。

だが爆炎が消え去ると、そこにはハーグが無傷でリリスを睨んでいた。

「こんなものは儂には効かんぞ!」

火魔法に耐性があるようだ。それなら闇魔法はどうだ?

レイスの時と同様に、リリスはメリンダ王女の魔力で黒炎を両手に宿し、錬成して槍状にした上でハーグに放った。
これも着弾したがハーグには全くダメージが無い。

「リリス! リトラスの聖魔法を使うのよ!」

芋虫が叫んだ。その声にリトラスも反応して興奮した波動が伝わってくる。

確かに相手はアンデッドだ。聖魔法なら浄化できるはずだ。
リリスはレザーアーマーの懐から魔金属のダガーを取り出した。

「リト君! もう一度聖魔法の魔力を流して!」

リリスの声に応じてリトラスが聖魔法の魔力をダガーに纏わらせた。ダガーが清らかな白い光に包まれる。リリスはそれを確認すると、ハーグに向けてダガーを振り向けた。

「ソニック!」

リリスの声と同調してリトラスが放った白い弓状の光がハーグに襲い掛かる。それは着弾してハーグの身体を激しく揺り動かした。
だがそれも一瞬の事で、ハーグは何事も無かったかのようにリリスに向き直った。

「その程度の聖魔法など、儂には効かんぞ!」

そう言って振り回したハーグの長剣から放たれた二つの黒炎が、リリスの身体に向かってきた。

避けられない!

そう思ったリリスだが、咄嗟に身体がスッと動き、その黒炎を間一髪で躱す事が出来た。身体が勝手に動いたような感覚だ。

「大丈夫ですか?」

リトラスの声が聞こえてくる。

「リト君。身体強化で動かしてくれたのね。」

深く憑依状態に有ったリトラスの身体強化のスキルのお陰で、リリスの身体能力を超えるレベルで機敏に動けたようだ。
だがこれでは打つ手がない。

どうすれば良いの?

リリスはハーグを睨みながら思いを巡らせていた。






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