落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

文字の大きさ
200 / 369

聖剣による祭祀1

しおりを挟む
マキに小荷物を送った翌日の放課後。

生徒会の部屋に向かうリリスのカバンの中から、ピンピンと緊急連絡用の魔道具の警告音がなり始めた。

マキちゃんね。

リリスは向きを変え、学舎を出ると、少し離れた場所にある薬草園まで足早に向かった。

薬草園に辿り着き、周囲に誰も居ない事を確認した上で、薬草園の端にある小屋の中に入ったリリスは、椅子にもたれ掛かって魔道具の示す位置座標を確かめた。
やはり神殿からだ。
その位置座標に使い魔を召喚させ、五感を共有すると、目の前にマキの顔があった。
周囲を見回すと、どうやら神殿のゲストルームの中である。

「マキちゃん。どうしたの?」

白々しいと思いながら、リリスは平然と問い掛けた。

「どうしたって、これ!」

マキの手には案の定、半分残されたどら焼きがあった。

「このお菓子ってどう見ても・・・・・アレですよね。」

若干狼狽しているマキの表情が可愛い。
リリスはゲストルームの中を再度見回した上で、マキに小声で呟いた。

「私の周囲には誰も居ないから、回りくどい言い方をしなくても良いわよ。」

リリスの言葉を聞き、マキは焦るように口を開いた。

「これってどう見てもどら焼きですよね。どこでこんなものを手に入れたんですか? いや、そもそもこの世界に小豆ってあったんですか?」

早口でまくし立てるマキを落ち着かせ、リリスはエリスから貰った物だと説明した。

「大陸西方の離島ですか。この外側の生地はまだありふれたものですけど、この粒あんは秀逸ですねえ。元の世界で食べていたものと遜色ないですから。」

「これって明らかに日本人が召喚されてきた証拠ですよ。」

周囲に誰も居ないのでマキの口調が後輩の口調になっている。

「マキちゃんもそう思う?」

「だって、紗季さん。この焼き印! これを見ればやはりそう思いますよ。」

マキはそう言いながら、どら焼きの端に付けられた焼き印を、リリスの使い魔の目の前に突き出した。

「2枚の鳥の羽の焼き印でしょ? 確かにそう言う焼き印を生地に付けるわよね。」

リリスの言葉にマキはふうっとため息をついた。

「紗季さん。これって家紋ですよ。重ね鷹の羽と言って私の実家の家紋がこれだったんです。」

「これは間違いなく召喚者の仕事ですよ。」

マキは確信を持った目でリリスの使い魔を見つめた。

「その召喚者が今生きているか否かは分からないわよ。数世代前から製造技術を受け継いできたのかも知れないしね。」

「そうかあ。そうですよね。同じ時代に召喚される確率なんて低いですものね。むしろこのどら焼きの完成度を見ると、数世代前から受け継いできたと考えた方が良いのかも知れません。」

マキはそう言いながら、どら焼きの粒あんを少し指に付けて口に運んだ。

「このどら焼きを大量に仕入れたいですね。いや、それよりも小豆を手に入れたいなあ。紗季さん、何とかなりませんか? 私って元々豆を煮るのが得意だったんですよ。OLの時も夜食で煮豆を時々作っていたんですから。」

「そうねえ。どら焼きを仕入れて来た行商人について、エリスにもう一度聞いてみるわね。」

リリスの言葉にマキはうんうんと強く頷いた。

「もうアストレア神聖王国の事なんて、頭の中から吹き飛んじゃいましたよ。」

「まあ、そんな事は言わないでよ。王家からの依頼なんだからさ。」

「それはそうなんですけどねえ。」

マキの様子に苦笑いをしながら、リリスはマキに別れを告げ、使い魔の召喚を解除した。





そして日は経ち、メリンダ王女からアストレア神聖王国に行く事を要請された日から9日後。

リリスはメリンダ王女の使い魔を肩の上に憑依させ、マキと共に軍用馬車に乗り、ミラ王国から東に続く街道をひたすらに進んでいた。
この日の夕刻にはアストレア神聖王国に到着する。
ミラ王国からの2日に及ぶ馬車の旅は決して快適なものではない。
軍用馬車は頑丈ではあるが、それ故に居住性に乏しく、座席のクッションもあまり良くないからだ。
それでもマキと共に乗り込んでいるので、何かと気が楽である。

「リリスちゃん。メリンダ王女様の使い魔はまだ覚醒していないの?」

マキはそう言いながらリリスの肩の上に生えた芋虫を見つめた。

「そうね。明日の祭祀の始まる前には五感を共有する予定よ。それまでは単なる飾りのようなものだからね。」

「それにしても趣味の悪い飾りだわ。」

マキの言葉にリリスはハハハと笑った。

「それでもこうしてミラ王国の王女様が同行していると言う状況だからこそ、アストレア神聖王国も国賓扱いをしてくれるのよ。まあ、お守りだと思っていれば良いわ。」

マキはリリスの言葉を聞きながら、馬車の中に軽くヒールの波動を流した。
その波動を受けてリリスはう~んと唸りながらシートの背にもたれ掛かり、腰を伸ばすような動作を繰り返した。
軍用馬車の固いシートのせいで、腰が痛くなっていたからだ。

「マキちゃん、ありがとう。お陰で腰回りがすっきりしたわ。」

トントンと腰を軽く叩くリリスの仕草が老婆のそれに見え、マキは思わず吹き出してしまった。

マキちゃんと一緒で良かったわ。
精神的にも肉体的にも癒されちゃう。

車窓の外から流れ込む爽やかな風を感じながら、リリスはマキに心の中で感謝していた。

しばらく走ると、和やかな馬車の中に御者を務める兵士から、間も無くアストレア神聖王国の領地内に入るとの連絡があった。
ようやくここまで来たのだと思うとホッとする。
リリスは先行するもう一台の軍用馬車が、関所の手前で速度を落とすのを何げなく眺めていた。
先行する軍用馬車には文官のノイマンと警護の責任者としてジークが乗り込んでいる。
ノイマンは上級貴族でありながらも物腰が柔らかい好人物なので、リリスとしても気を遣わなくて済む。
今回のアストレア神聖王国の祭祀を機会にして、ミラ王国とアストレア神聖王国との貿易交渉を更に優位に進めたいと言う、王家の意向を一身に背負っているノイマンである。
だがその気負いは全く感じさせない。
常に自然体のノイマンだからこそ、他国の文官や王族なども心を開くのだろう。

ジークに関しては好印象は無い。
それでもメリンダ王女のように嫌っているほどではないが・・・。

マキもジークに関してはあまり好印象を持っていないようだ。

「ジークさんって・・・・・何を考えているのか分からない部分が少なからずありますよね。」

マキは出発の際にそう話していた。

「そうね。見た目がチャラい上に、行動も怪しいからね。」

二人からの印象は最悪である。
それでも軍の魔導士としては優秀なので、ジークが対外交渉などの際に警備の責任者に就くケースは多い。
おそらく王族との太いコネクションがあるのだろう。


関所を越えて、馬車はしばらく街道を進み、アストレア神聖王国の王都に入った。
賓客用の豪華なホテルに馬車が到着したのはその日の夕方の5時頃だった。

シャンデリアが輝き華麗な装飾が施されたエントランスに入ると、アストレア神聖王国の大神殿の祭司が笑顔で歩み寄って来た。
ミゲルと言う名のこの初老の男性は、王族とも懇意な大祭司の一人であるそうだ。
互いに挨拶を交わした上で、ミゲルはおもむろに口を開いた。

「申し訳ありませんが、チェックインの後に明日の祭祀の予行演習に同行していただきます。聖剣アリアドーネの確認もしておかなければなりませんので。」

ミゲルの言葉にジークはうんうんと頷いた。

「私とリリス君とマキ殿の3人で構いませんか?」

「ええ、それで結構です。勿論そちらの方も。」

そう言いながらミゲルはリリスの肩に生えている芋虫を指差した。
まだメリンダ王女本人と芋虫は五感を共有していないので、ぐったりしたままになっているのだが、ミゲルにとってその存在感は到底無視出来るものではない。

手早くチェックインを済ませた3人は、ミゲルの案内でホテルを出発し、幅の広い参道を歩き始めた。
その幅は20mほどもあるだろうか。
参道の真ん中を時折馬車が通り、その両側を参詣者達が歩いている。
人々の服装もまちまちで、民族衣装のようなものを着ている人も居た。
明日の祭祀に向けて多くの人が集まってきているのだろう。

高さ100mにも及ぶ巨大な大神殿は、近付くにつれてその威容に圧倒される。
その周囲にもたくさんの参詣客が集まっていた。

その人々をかき分けるように進み、エントランスから内部に入ると、マキの表情が強張っているように見えた。

マキちゃん、緊張しているのね。

マキもこの本神殿には色々と思い出もあるだろう。

「マキちゃん。緊張しているの?」

「色々と嫌な事を思い出しているの?」

マキを案じるリリスの問い掛けに、マキは笑顔で首を横に振った。

「大丈夫よ、リリスちゃん。ここでは聖女を目指して色々な修業を行なったので、それも良い思い出になっているわ。」

そう答えたマキの言葉にミゲルが敏感に反応した。

「そうですか。マキ殿は聖女を目指しておられたのですか。それなら気難しいと言われる剣聖にも受け入れられるはずですね。」

うっ!
拙いわね。
余計な事をマキちゃんに言わせちゃったかしら?

マキの素性がバレては拙い。リリスのその思いをマキも察していた。

「もうずっと以前の話です。途中で挫折して、聖女になる事は諦めちゃいましたからね。」

マキが咄嗟に口にした言葉に、ミゲルはうんうんと頷いた。

「そうですねえ。聖女に求められるスキルや能力は半端じゃないですからねえ。」

ミゲルの言葉にリリスは安堵した。
色々とマキの事を詮索されては困るからだ。

リリス達は神殿内部の広いホールに入り、明日の祭祀の準備で祭司達の行き交う中央の舞台に案内された。
直径30mほどの円形の舞台中央に剣架台があり、そこには一振りの聖剣が架けられていた。

「これは聖剣アリアリーゼと言い、聖剣アリアドーネに反応するように、何種類もの魔金属を配合して造られた剣です。我が神聖王国の国史には伝説の鍛冶職人シューサックが造り上げたと記録されています。」

ミゲルはそう言うと、聖剣アリアリーゼの前にマキを立たせた。

まあ、シューサックさんったら。
こんなところでも良い仕事をしていたのね。

シューサック作の聖剣だと聞いて、何気に親しみを感じてしまうリリスである。

「このアリアリーゼの前で、アリアドーネを取り出してください。」

ミゲルの言葉を聞き、マキは耳に付けていたピアスを外し、手のひらにおいて魔力を放った。
ピアスは仄かに光りを放ち、即座にショートソードの形態に戻った。

そのアリアドーネに対してアリアリーゼから幾つもの光の筋が放たれ、アリアドーネの剣身に絡みついた。
アリアドーネからもそれに答えるように光の筋が放たれ、アリアリーゼの剣身に絡みついていく。

これは単なる魔力のやり取りではなさそうだ。
まるで聖剣同士の記憶と記録を同調させているようにも思える。

「うむ。間違いなくアリアドーネですね。」

そう言うとミゲルはマキを後ろに下がらせた。
聖剣同士の光の筋のやり取りは、マキが後ろに下がる事で途切れてしまった。

「それではマキ殿。アリアドーネを構えて実戦用に装備してください。明日の祭祀では、このアリアリーゼを構えた女性のパラディンと剣技を行なっていただきますので。」

ミゲルの言葉にマキは戸惑った。
何を言っているのか分からない。

「実戦用の装備って・・・・・。それに私は剣術を習った事も無いので、剣技など出来ませんよ。」

困った表情のマキを見て、ミゲルはハハハと笑った。

「そうでしたか。まだ実戦用に装備された事が無かったのですね。それなら知らないのも無理も無い。」

ミゲルはにこやかな表情でマキに話し掛けた。

「アリアドーネを構えて、実践を意識しながら魔力を一気に流してみてください。そうすれば分かりますよ。」

マキはミゲルの言葉の意味も分からぬままに、言われる通りの動作を行った。
実践を意識してアリアドーネに一気に魔力を流すと、アリアドーネは眩い光を放ち、その剣身が3mほどにまで伸びた。
それは青白く光る魔力の剣となったのだ。

それと同時にリリスは驚くべきものを見た。
マキの頭頂部からプラチナ色のアーマーがマキの身体に装着されていく。
頭部から耳と首を覆い、喉から胸部、胴部を覆い、手や脚までも覆い尽くしていった。

まるで変身ものの特撮のようだ。

マキちゃん、カッコいい!

元々偽装によって多少なりとも美形になっていたマキではあるが、アリアのアドバイスでメイクを改善していた。
その上に細身でスタイルも良いマキなので、身体にぴったりとフィットしたプラチナ色のメタルアーマーがやたらに似合う。
等身大の美人戦士のフィギュアと言っても良い出来だ。
そのシルエットが実に美しい。

「おお、これは凄い。見惚れますなあ。」

背後から聞こえるジークの言葉が妙に生々しい。

マキちゃんに手を出しちゃダメよ!

リリスは心の中でそう叫んだ。

一方、ミゲルはマキの姿をにこやかに見つめながら、剣を振る動作をして口を開いた。

「少し剣を振ってみてください。そうすれば分かるはずです。」

何が分かるのかと言いたげな表情で、マキはアリアドーネを数度振ってみた。
だがその動作は驚く事に俊敏で無駄がない。
ヒュン、ヒュンと風を切る音が舞台に響く。
マキの所作が、剣術初心者とは思えないほどに板についているのが実に不思議だ。

「身体が・・・・身体が勝手に動いちゃうわ。」

マキも驚きの表情でアリアドーネを見つめた。

「お判りいただけましたか? 聖剣アリアドーネは憑依型の剣なのです。剣聖が持ち主に憑依して剣を操ると記録されています。」

「しかも相対するアリアリーゼもアリアドーネに反応して剣技を行ないます。アリアリーゼはその為に造られた剣なのですよ。マキ殿がアリアドーネに剣技を示すように指示すれば、2本の聖剣はそのごとくに剣技を行なってくれます。これは国史にはっきりと記録されているので間違いありません。」

ああ、そう言う事なのね。
憑依型の剣だから、持ち主のスキルのみならず容貌にまでこだわるのね。

リリスは納得してマキに笑顔を向けた。

「マキちゃん。かっこいいわよ。」

リリスの言葉にマキは照れ笑いをしてアリアドーネを高く突き上げた。
その気になってポーズをとっているようだ。

その後、ミゲルの指示でマキはアリアドーネの憑依を解除して、ショートソードの形態に戻した。
確認事項は終了したと言うので、更にピアスの形態に戻して耳に装着すると、マキはふうっと大きくため息をついた。
マキもマキなりに気疲れしたのだろう。

「マキちゃん、お疲れ様。これなら明日の本番も大丈夫そうね。」

リリスのねぎらいの言葉にマキはうんうんと頷いた。

「こんなところでコスプレのイベントの主役を張れるなんて、考えただけでウキウキしちゃうわ。」

あれっ?
マキちゃんのテンションがおかしいぞ。
確かにアリアドーネを実戦用に装備した際の姿はコスプレのようにも思えた。

マキちゃんったら、元々コスプレが大好きだったけど、どこかで変なスイッチが入っちゃったのかしら?

妙に高揚しているマキの表情を見ながら、リリスは若干の不安を覚えていたのだった。

























しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが

ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~

けろ
ファンタジー
【完結済み】 仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!? 過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。 救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。 しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。 記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。 偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。 彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。 「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」 強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。 「菌?感染症?何の話だ?」 滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級! しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。 規格外の弟子と、人外の師匠。 二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。 これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る

伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。 それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。 兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。 何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?! はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?! 火・金・日、投稿予定 投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

処理中です...