落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

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久し振りのダンジョンチャレンジ5

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押し寄せてくる1000匹のサソリの群れ。

それを目の前にしてリリアは躊躇していた。

そのリリアの脳裏に女神の叱咤が届く。

(自信を持ちなさい、リリア。あなたは業火の化身なのですよ。)

そう言われて渋々、リリアは魔力を集中させ、ファイヤーボールを放とうとした。
だがその瞬間、身体中に火魔法の魔力がほとばしり、身体が赤々と光り始めた。
無数に生えた魔力の触手が全て前方に向きを変え、その全ての触手の先端から次々にファイヤーボールが放たれていく。
その総数はおよそ200。
赤々と燃える直径1mの火球は滑空に連れて直径が3mにもなり、ドドドドドッと衝撃音を立ててサソリの群れに向かって行った。

全弾の着弾と共に目の前が光で包まれ、眩しさで目を開けられない。
爆炎と共に炎熱がこちらにまで伝わってくる。

ドドドドドッと地響きが鳴り、サソリの群れが巨大な炎で焼き尽くされていくのを見ながら、リリアはその衝撃的な光景に唖然として、声をあげることも出来なかった。

だがそれでも魔力はまだ身体中に満ちている。
自分は今、どれだけの魔力を保持しているのだろう。

リリアの驚きはまだ治まらなかった。

消えつつある炎の向こうから、巨大な火球がこちらに向かってきたからだ。
思わず目を瞑ってしまったリリア。

だが、女神の指示は驚くべきものだった。

(リリア。あの巨大な火球を受け止めるのよ。あの程度の火球なら吸収してしまいなさい。)

そんな事が出来るはずもない。
そう思っていると、自然に身体が火球の正面に向かい、魔力の触手が更に伸びて火球を受け止める態勢に入った。

身体が勝手に動いてしまう!
女神が操っているのだろうか?

火球の炎熱が身近に感じられる距離になった時、触手は更にグッと伸びて、巨大な火球を受け止める形となった。

ズシンと大きな衝撃を受け、驚く事に魔力の触手はリリアの前方10mの位置で火球を受け止めた。
更に触手の先端が火球の魔力を吸い上げていく。

リリアの身体には吐き気を催すような禍々しい魔力が流れ込んできた。
それに耐えながら吸い上げる事、約5分。
火球はあっけなく消え去ってしまった。

(リリア。今の火球で攻撃してきたのはアイツよ。)

そう言われて前方を見ると、赤々と光を放つ蛇の様な巨大な魔物がこちらに向かってきた。

サラマンダーだ!

(あんな魔物は今のあなたの敵じゃ無いわ。安心しなさい。今吸い上げた魔力を凝縮し、火球にして放つわよ。)

女神の声と共に身体が勝手に動く。
触手が元の長さに戻ると身体中に魔力が満ちて来た。
更に周囲から魔力を吸い上げつつ、触手は前方に真っ直ぐに向かった。
その触手の先端から火魔法の魔力が放たれ、触手の間で干渉し合い、出現した炎が渦を巻いて縮小されていく。
程なく、真っ直ぐに伸びた触手の前方に、直径1mほどの青白い火球が出現した。
練り上げられ、超高温になった故に、火球は眩しいほどに青白く光っている。
恐らくその温度は1万度にも達しているだろう。

次の瞬間、青白く輝く火球はサラマンダーに向かって一直線に放たれた。
キーンと言う金切り音を上げて、高速で火球が飛んでいく。
それは中空を滑空するサラマンダーに避ける間も与えないほどだ。

着弾と共にカッと激しい光が放たれ、衝撃と炎熱が目の前を覆い尽くす。
時間差でドドーンと言う衝撃音と地鳴りが伝わって来た。

(火力で圧倒しちゃったわね。)

女神の言葉がリリアには信じられなかった。
だが爆炎が収まった時、目の前には何もなかった。
目に見える全ての地面が焼けただれ、あちらこちらからぶすぶすと白煙が立ち昇っているだけだ。

あまりの圧倒的な火力に、背後で見ていたリリス達も呆然と立ち尽くしていた。

(うん、今日はこれで終わりよ。加護は今のあなたに負担の無い程度に活性化させましたからね。)

その言葉と共にリリアの身体中に生えていた触手が消えていく。
リリアの身体はゆっくりと地面に降りた。
そのリリアの身体から女神がスッと抜け出し、宙に浮いて元の大きさに戻った。
リリアを見つめる女神の微笑みが慈愛に満ちている。

「リリア。『業火の化身』によって今あなたが放った高位魔法は、勿論今のあなたには実現出来ないわ。でも鍛錬を積み重ねれば、いずれはあの高位魔法を単独で放てるようになる。それは私が約束しますからね。」

女神の言葉にリリアはハイと答えて頭を下げた。

それを見ながら、女神は背後で見ていたウィンディに話し掛けた。

「ウィンディ。あなたもそうよ。風の女神の憑依によって発動した高位魔法は、今のあなたでは発動出来ない。でも鍛錬を積み重ねれば、いずれは単独で発動出来るように成るわ。それは風の女神が約束してくれるでしょう。」

「私達女神が与えた加護とはそう言うものなのよ。あなた達の不断の努力によって実現出来るレベルを、確約してくれるのが加護なのです。」

火の女神の言葉に、ウィンディはハイと答えて頭を下げた。
女神は優しく頷き、再びリリアに顔を向けた。

「リリア。自信を持ちなさい。再びあなたに会えるのは何年後か、何十年後か分かりませんが、私は何時でもあなたを見守っていますからね。」

そう言いながら女神の身体が上空に舞い上がり、光の球となって飛び去ってしまった。
リリアはグッとこぶしを握り締めている。
リリアなりに心に期するものがあるのだろう。

「凄いものを見せられた一日だね。」

ロイドがそう呟きながらリリアに傍に近付いて来た。

「まあ、一応最深部まで行こうかね。この状況だともうこれから魔物が出てくるとは思えないけどね。」

確かに、魔物が出尽くした感はあるわね。

リリスもそう思いながら、第4階層の最深部に向かって歩き出した。


業火で焼き尽くされた砂漠を歩く事、約10分。


何事も無くリリス達は最深部に辿り着いた。

「さあ、今日のダンジョンチャレンジはこれで終わりだよ。全員お疲れさまでした。」

ロイドの言葉にウィンディが首を傾げた。

「先生。まだ下に続く階段があそこにありますよ。」

ウィンディが指さす階段を忌々しそうに見て、ロイドは首を横に振った。

「あれは降りなくていいんだよ。我々を追い返すための仕組みだからね。降りると嫌な目を見るだけだ。」

うんうん。
そうなのよね。
心の奥底の嫌なものや隠したいものを、脚色して見せられるのよね。

リリスは以前にその階段を降りた時の経験を回想しながら、向きを変えて階段の傍から離れようとした。
だがその時、階段の奥から黒い触手が目も止まらぬ速さで飛び出し、ロイドの足首をがっしりと掴んで、あっという間に階段の奥に引きずり込んでしまった。
あまりに突然の事で、ロイドは声をあげる間もなかった。

「「ロイド先生!」」

ウィンディとリリアが同時に叫んだ。
その声が痛々しい。

ロイド先生ったら、また引きずり込まれちゃったわ。
どうしようかしら?

そう思っていると、上空からレイチェルの使い魔の小鳥が降りて来て、リリスの肩に止まった。

(リリス。話があるから3人共、階段の下に降りて。)

レイチェルの念話にリリスはうっと唸って躊躇ったが、ウィンディとリリアにはロイドを助けに行く気がありありと見えているので、階段を降りていく決意を固めた。

また変な物を見せられるかもしれない。

警戒しながらリリス達は慎重に階段を降りた。

だが階段を降りると、そこには真っ白な空間が広がっているだけだった。
周りには何もない。

その空間の少し離れた場所に、ロイドが意識を失った状態で宙に浮いていた。
その傍に二人の女性が立っている。

良く見るとそれは火の女神と風の女神の姿だった。

リリス達が足早に近付こうとしたのだが、後の二人が付いて来ない。
おかしいと思って振り返ると、ウィンディとリリアはその場でボーッと立っていた。
その顔を見ると視点が定まっていない。
意識が混乱している様子だ。

「ウィンディとリリアに何をしたのよ!」

リリスの叫ぶ声にレイチェルがニヤリと笑った。

「大丈夫よ、リリス。まずあなたに話をしたかったのでね。」

リリスはレイチェルの言葉に疑問を感じながらも、女神姿の二人の傍に近付いた。
その傍らに意識を失ったロイドが浮かんでいる。
実にシュールな光景だ。

「それで話って何よ?」

リリスの問い掛けにタミアが口を開いた。

「レイチェルからの提案なんだけどね。あそこの二人がそれぞれに持っている加護の事を、このロイドって言う男に知られているのは拙いんじゃないかって事でね。」

「この際、消してしまおうかと言う事になったのよ。」

タミアの言葉にリリスは顔色を変えた。

「ちょっと待ってよ! そんな事で殺さないでよ。一応私達の先生なんだから・・・」

タミアはリリスの言葉を聞いて手を横に振った。

「ごめんごめん。言葉が足りなかったわ。消そうと言うのは記憶の事よ。」

そう聞いてリリスは安堵の表情に戻った。

「紛らわしい事を言わないでよ。あんたなら本当にやりかねないんだから。」

タミアを睨むリリスにレイチェルが声を掛けた。

「このままこの男を放置すると、王家や軍にも間違いなく彼女達の情報が伝わるわ。それは今は避けたいのよ。」

「まあ、それはそうだと思うわよ。特にリリアは上級貴族の子女だから、王家には直ぐに伝わるわね。」

リリスの心配はそれだけではない。
ロイドの背後にジークが居る。
軍の事情だと言いながら二人を駆り出して悪用する可能性もあり得るからだ。

「それで筋書きなんだけどね。リリスの手助けを受けながら、ウィンディは20匹のハービーを、リリアは10匹のサソリをそれぞれ駆逐したと言う事にするわね。」

うんうん。
ロイド先生の記憶を改ざんするのね
まあ、妥当な筋書きだわ。
ついでにシトのダンジョンも若干、活性化したと伝えれば良いわよね。

「それでウィンディとリリアはどうするの?」

リリスの問い掛けにレイチェルは、二人の姿をちらっと見ながら口を開いた。

「あの二人はそのままにしておこうと思うの。今の状態では加護を上手く発動出来ないから、加護を持っているとだけ知っていれば良いわよ。」

「一応、他人には言わないように口止めしておきなさいね。」

リリスはレイチェルの言葉にうんうんと頷いた。

「でも、リリアの加護は秘匿されていて誰にも分からないけど、ウィンディの加護はステータス上に出てくるわよ。」

「それは大丈夫よ。さっきも言った通り、普通の人には風神の加護とだけしか見えないからね。その加護のお陰で風魔法が若干上達したと言う事で話が付くわよ。」

「そうね。それなら良いわ。」

そう答えたリリスにタミアが念を押す。

「リリス。特にリリアは注意深く見守ってあげてね。成長と共に加護の影響力で暴発しないとも限らないし、これから思春期だから、人間性にも影響が出てくるかもしれないわ。」

「そうね。今の彼女の性格ならあまり心配ないと思うけど、不得意だった魔法が急に上達したら、天狗になっちゃうって事も有り得るわね。」

リリスは万が一の事を想定して、二人の新入生を見守ってあげようと決意した。

「分かったわ。二人の様子は常にチェックするように心掛けるわ。」

リリスの返答に二人の女神は強く頷いた。

「それじゃあ、まず二人を覚醒させるから、リリスから事情を説明してね。」

レイチェルはそう言うとパチンと指を鳴らした。
それと同時にウィンディとリリアの意識が戻った。
リリスは二人の傍に駆け寄り、女神の言葉を簡略に伝えた。

その上でもう一度レイチェルがパチンと指を鳴らすと、リリス達の視界が暗転し、瞬時に第4階層の最深部の階段の前に戻っていた。
しかもリリス達の目の前にはロイドが上機嫌で立っている。

「さあ、魔法学院に戻ろう。今日は二人にとっても収穫の多い日だったね。リリス君、今日はご苦労様でした。」

ロイドの言葉に三人はニヤッと笑った。

「シトのダンジョンも少し活性化したようですから、ジーク先生にも伝えておいてくださいね。」

リリスの言葉にロイドは勿論だよと言いながら、転移の魔石を取り出した。

それを作動させてリリス達は、魔法学院の地下の訓練場に戻ったのだった。





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