落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

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古都再生3

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リリス達が取り込まれてしまった仮想空間。

その中で賢者オルヴィスが語った伝染病の元凶。

それが人為的に造られたものだと聞き、リリスとケネスの衝撃は大きかった。

「それで・・・それでそれをどうしろと言うんですか?」

リリスはある程度覚悟しながらも、話を切り出した。
オルヴィスは神妙な表情でリリスに向き合った。

「ここを管理する人工知能が、君の魔力を分析してここに呼び込んだ事は間違いない。」

「君なら奴を駆除出来ると判断したのだろう。」

そう言ってオルヴィスは懐から小さな魔道具を取り出し、リリスの手に受け取らせた。

「その魔道具は、体密着型の亜空間シールドを創り上げる特殊なものだ。魔力の循環による防疫機能も付与されていて、使用者の魔力のレベルによって、理論的には無制限に強化される仕様になっている。それを使って駆除にあたって欲しい。」

う~ん。
やはりそう言う流れよね。
でも属性魔法の全てに耐性を持ち毒耐性まで持つ生物兵器に、駆除の方法が直ぐには浮かばないわね。

そう思いながら、リリスは手渡された魔道具に自分の魔力を流して発動させた。
魔道具はブーンと言う鈍い音を発すると、リリスの手の中に溶け込むように消えていった。
埋め込み型の魔道具なのだろう。

程なくリリスの身体中の魔力が、体表部近くをぐるぐると循環し始めた。
その魔力は徐々に高濃度となり、身体が少し火照ってくる。
それと同時に亜空間シールドが身体を覆い尽くし、リリスの外見が若干青白く光って見えてきた。

「う~む。循環する魔力の濃度が尋常では無いな。元々の魔力の濃度が極めて高いのだろう。これなら亜空間シールド無しでも防疫対策は充分かも知れん。」

リリスはオルヴィスの言葉を聞きながら、身体に張り巡らせた亜空間シールドを目視で点検していた。
両肩の上に小さな突起がある。
これは何だろうか?

疑問に思いながら肩を擦っていると、オルヴィスがふふふと薄ら笑いを浮かべた。

「その部分はモニタリングの為の付属品だよ。儂の手元のモニターでリリスの駆除の様子を見る為の機能と、リリスと直に会話出来る機能が埋め込まれているんだ。」

う~ん。
高見の見物って事なの?
まあ、メルの使い魔で慣れているから良いけどね。

「この部屋から外に出ると仮想の街並みが広がっている。駆除対象の生物兵器の居場所は儂が音声で案内するからな。」

そう言われても何となく、しっくりこないリリスである。

仕方が無いわねえ。

そう思ってリリスは部屋の外に向かった。
だが部屋から外に出るとドアがあり、それを開けるとまたドアがあった。
しかも天井からは常に紫外線のような波長の光を受けている。
これは恐らくオルヴィスの居る部屋を外気から隔離するための措置なのだろう。

最後の扉を開けて外に出ると、そこには仮想の街並みが広がっていた。
見た目は普通の街並みだが色合いが無く、人の気配も全く無い。
白黒写真の中に入り込んだような、味気無い雰囲気の街並みだ。

少し歩くと解析スキルが発動してしまった。

『致死性の病原菌を検出しました。亜空間シールドによって防護されていますが、体内に取り込んでしまったら、かなり危険な病原菌ですね。』

そうなのね。
亜空間シールドが有効なら大丈夫なのね。

『そうですね。ですが、魔装の発動をお勧めします。少し離れた場所から、複雑な多数の精神波の放出を感じますので。』

精神波?
生物兵器からの精神攻撃も有り得るって事ね。

リリスは解析スキルの勧めに従い、魔装を非表示で発動させた。
その途端に街並みの前方から、偽装された探知波が放たれている事に気が付いた。
敵は既にリリスを探知し始めているようだ。

そう思って前方に歩くリリスの耳に、オルヴィスからの音声が届いた。

「リリス、聞こえるかね? 生物兵器は君の前方の建物の背後に潜んでいるようだ。そちらに向かってくれ。」

「前方の建物って・・・あの巨大な宮殿のような建物ですか?」

「そうだ。あの建物の背後に回ってくれ。」

オルヴィスの指示に従って、リリスは前方にある巨大な宮殿に向かった。その周囲をぐるっと回ると少し小さな、倉庫のような建物が見える。その傍に近付くと、そこから強い精神波が放たれてきた。
既に敵認定されているようだ。

倉庫らしき建物の扉を開くと、そこには何もない空間が広がっていた。
灯は無いが壁の開口部からの光で中の様子は見える。
その奥の方に黒い塊りがあった。
それがすくっと立ち上がると、ゆっくりとこちらに向かって来た。

それを見てリリスはえっ!と声をあげて驚いた。

近付いて来たのは小さな子供だった。
10歳程度の男の子だ。
薄汚れた衣服を纏い、裸足で歩いている。
髪は金髪で瞳はブルーだ。
端正な顔立ちでリリスは率直に可愛いと思ってしまった。

その子供はリリスの前方10mほどの場所で立ち止まり、リリスの顔をじろじろと見つめている。

「オルヴィス様。これが・・・この子が生物兵器だと言うんですか?」

リリスの上ずった言葉にオルヴィスは冷静に答えた。

「そうだ。そうなのだよ。ホムンクルスをベースにした生物兵器だ。だが普通の子供と区別がつかないだろう?」

「はい。見た目は全く普通の子供ですよ。むしろ可愛い・・・」

「そうだよな。それが厄介なところだ。こんなものを街中に放たれたら、誰が警戒するかね? 実に卑怯なやり方だと思うぞ。」

う~ん。
そう言われても良く分からないわねえ。

リリスはその子供を見つめながら、解析スキルを発動させた。

この、目の前の子供って生物兵器なの?

『精査すると人間で無い事は分かります。ホムンクルスをベースにしたものに違いありませんね。しかも体内に埋め込まれた特殊な器官によって、人族の子供の気配まで漂わせている。』

『体内の奥の方に人族には無い器官がもう一つあります。毒腺のような物で、病原菌を培養し体表から放つ為の器官ですね。』

『これらの特殊な器官を埋め込まれているので、生物兵器だと言っても不自然ではありません。』

そうは言っても生物兵器のイメージじゃ無いわよ。
どう見ても人族の子供じゃないの。

リリスはそう思ってオルヴィスに問い掛けた。

「この子って本当に駆除対象なんですか? 普通の子供にしか見えないんですけど・・・・・」

「リリス。良く考えてごらん。奴は水も食べ物も無いこの空間で数百年も存在し続けているのだよ。しかもその周囲は致死性の高い病原菌が蔓延しているんだ。奴が普通の子供である筈が無いだろう?」

う~ん。
そう言われればそうなんだけど・・・。

「ちなみに奴は病原菌を撒き散らす以外には、これと言った攻撃手段を持っていない。」

「それって・・・無抵抗な子供を殺せって言われているみたい・・・・」

「だから・・・子供じゃないと言っているじゃないか。君の気持ちは分かるが、それが奴を造り上げた連中の意図なのだよ。その見た目故に可哀そうに思ってしまうのは無理もないが、そいつの撒き散らした病原菌のせいで、数万人のフィリスの人々が無残な死を遂げてしまった事実を忘れてはいかん。」

う~ん。
そうは言われてもねえ。
これって駆除したらトラウマになっちゃうわよ。

「こんなものを誰が造り上げたんですか?」

「おそらく魔族だろう。血の通った人間の出来る事じゃ無い。儂の居た頃のドルキア帝国は度々、魔族の激しい攻撃に遭っていたからな。」

そう言えばドルキア帝国時代に勇者レッドが召喚されたのも、帝国の領地のほとんどを占拠されるほどの、激しい魔族の攻勢に晒されていたからだと聞かされた事があったわね。
でも魔族の仕業とは素直に思えないなあ。
魔族だったらもっと直接的な攻撃方法を選ぶと思うんだけど。

それで本当にこの子って様々な耐性を持っているのかしら?

リリスはいきなり目の前の子供に火球を放つのも躊躇われるので、麻痺毒で試してみようと思った。
解析スキルを発動させ、その旨の指示を出す。

少し強めの麻痺毒を生成して。
ウォータースプラッシュで散布するから。

『了解しました。即座に生成します。出来上がり次第疑似毒腺に保存しておきますね。』

毒生成スキルが発動され、瞬時に麻痺毒が生成された。
リリスはそれを魔力に交え、ウォータースプラッシュで広範囲に散布した。
だが、目の前の子供は濡れているものの、何の変化も起きていない。

『全く効いていませんね。致死性は低いですが、これでもかなり麻痺性の高い毒ですよ。』

う~ん。
確かに高度な毒耐性を持っているのね。

リリスはそう思って割り切る事にした。
小さなファイヤーボルトを数本出現させ、子供の足を狙って恐る恐る放った。
ファイヤーボルトは子供の足首に命中したが、爆炎も爆発音も起きず、ふっと消えてしまった。

無効化しているのね!

しかも意図的にしている様子が無い。常時無効化出来るのだろう。

リリスは闇魔法を発動させ、両手から黒炎を放った。
だがその黒炎も命中したが、何事もなくふっと消えてしまう。

目の前の子供は表情すら変えていない。
リリスをじろじろと見つめているだけだ。

何の変化も無いのね?

『そうですね。ですがこちらを敵認定はしているようですよ。』

敵認定って言っても何の攻撃手段も持っていないんでしょ?

『直接的にはそうですが、体内の器官が活性化して、放出する病原菌が倍増していますよ。』

そうなの?
でもそれすら意図的にやっているとは思えないわ。

どうしたら良いのかとリリスは考えあぐねた。
そのリリスに解析スキルが提案を出した。

『この状態で出来る事としては、火力で押し切るしかありませんね。』

それって溶岩流に叩き落せって事?

『生身で見るのが嫌なら、闇で包み込んで落とせば良いですよ。』

う~ん。
それしか無いのかしら?

リリスは少し考え込んだが、結局割り切って実行する事にした。
闇魔法で闇を出現させ、目の前の子供のホムンクルスを包み込むと、その建物から外に転移させた。

リリスは倉庫らしき建物の外に出ると土魔法を発動させ、近くの地面に泥沼を出現させた。
大きな泥沼は必要ではない。
直径3m程の泥沼だ。
少し深めに造り上げた上で火魔法を連動させ、溶岩流へと移行させていく。
泥沼が徐々に熱を帯び、蒸気が湧きあがってくる。
泥沼の周囲の空気がその熱で揺らぎ、泥沼の表面が少し赤く光り始めた。

リリスは更に魔力を注いでいく。

「これは・・・・・溶岩の沼を造り出そうとしているのか! どうしたらこんなものが造れるのだ?」

オルヴィスの驚きの声をスルーして、リリスは魔力を注ぎ続けた。
程なく沼の表面が赤々と沸き立ち、強烈な熱気と蒸気が湧きあがってくる。

るつぼのような溶岩の沼を前にして、リリスは再度解析スキルに問い掛けた。

これって本当に人間じゃ無いわよね。

『それは間違いありません。ホムンクルスをベースにした人工物です。躊躇う必要はありませんよ。』

そう。
それなら・・・。

リリスはホムンクルスを包み込んだ闇を移動させ、溶岩の沼の中にゆっくりと沈めていった。
その闇が溶岩の中に沈むに連れ、沼の周囲に溶岩がこぼれ出し、その周囲に蒸気が立ち込めた。
闇の中で何かが暴れている気配はある。
だがそれをあれこれと考える事をリリスは敢えて避ける事にした。

しばらくして闇の内部の反応が無くなったのを確認し、リリスは闇を消滅させた。
だがその直後、溶岩の沼の中から何かが上がってくるのを感じた。

えっ!
溶岩流の中でも耐えきれるの?

赤々とした溶岩の表面がぷくっと膨れ上がり、黒い塊りが上空に飛び出した。
だがそれは直ぐに霧のように消えていった。

あれは何なの?

『あれはホムンクルスの中核に潜んでいたキメラですね。属性魔法に対する耐性や毒耐性を付与し、その行動を操っていた元凶だと思われます。』

そうだったのね。

『外部からの探知ではその存在そのものが分かりませんでした。消滅の危機に瀕してようやく姿を現わしたのでしょう。』

解析スキルの分析を確認しながら、リリスは再度土魔法を発動させた。

後片付けは大事よね。

自分にそう言い聞かせながら、溶岩の沼を普通の沼に変えていく。更に表面から硬化を掛け、普通の地面に戻していく作業だ。
それでも地下からの熱はまだ地表に伝わってくる。
それを短時間で冷却するためには水魔法にも習熟しなければならないが、リリスは今はそこまで考えてはいない。

とりあえずウォータースプラッシュで水を撒き、まだ少し熱いが硬化した地面を踏みしめて、リリスの後片付けは終了した。

「奴を火魔法の火力で押し切るとはなあ。」

「それにまるで庭掃除のように、溶岩の沼の後処理を簡単に済ませるとはな。実際にやっている事は途方も無いのだが・・・」

オルヴィスの呆れた声がリリスの耳に届いた。

その声にえへへと照れ笑いしながら、リリスはオルヴィス達の居る施設に戻って行ったのだった。
















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