ひだまりを求めて

空野セピ

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第零章 全ての始まり

封印の時

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 二人の手から眩い光が放たれ、光は束になり一瞬にして突き進み、ガーネに直撃した。
 光が散乱し、眩い光が雨のように降り注ぐ中、ルーゼとマリアは目を細めながらガーネの様子を窺っていく。

「……やったか?」

「……いえ、駄目です」

 マリアは唇を噛み締め、ルーゼは小さく舌打ちをする。 
 二人の視線の先にあるガーネは、傷一つ付いて居なかった。
ルーゼはガーネを見据え、小さく息を吐く。

 マリアが不安そうに見ると、ルーゼは左腕を押さえ、マリアに小さく微笑みかけた。

「やはり、禁術を使うしか方法は無いようだ」

 ルーゼの言葉に、マリアは顔色を変える。

「それは駄目です! いくら精霊の鉱石があるとしても、必ず代償を受けてしまいます!」

「マリア」

「私は……私はそんなの耐えられません! 下手したら、貴方が死んでしまう!」

「マリア、聞くんだ!」

 取り乱すマリアを、ルーゼは優しく抱き寄せる。 
 マリアの肩に添えた手に力を入れると、どこか悲しそうな表情をした。 

「これは、俺達人間の愚かさが具現化した結果だ。人間の身勝手な行為で大地を傷付け、互いに人間を傷付け、やがては精霊まで傷付けた。俺達人間に責任が有るから、最後まで俺達人間で解決しないといけないんだ」

「でも……!」

「やるしか無いんだ。それに、俺以外にこの術が出来る奴は、今ここに居ない」

「ルーゼ」

「大丈夫だ。先程の封印陽術の効果が多少でも残っている限り、二人でもう一度ガーネに陽術を当てて、その直後に禁術を放てば、必ず成功する」

「……分かりました」

 暫く間を置き、マリアはルーゼを見つめ小さく頷いた。
 ルーゼは微かに微笑むと、そのまま眼を閉じ、ゆっくりと息を吐いていく。
 マリアが見守る中、ルーゼは左手を地面に強く打ち付け、自分の体に宿る力を左腕へと集中させた。

「精霊達よ、許してくれ。これ以外に、方法が無いんだ」

 ルーゼが小さく言葉を吐くのを合図に、ガーネの周りに赤黒い魔法陣が出現した。 
 同時に、魔法陣とルーゼの左腕に火花が発生し、ガーネが赤く輝き出す。 

 マリアは拳を握り締め、ルーゼを見詰めていた。 
 どこからか、澄んだ声が聴こえてくる。しかし、その声には怒りの感情も込められていた。

「ルーゼ!  やっぱり駄目です!  精霊達が……精霊達が激怒しています!」

「いいさ……代償は全て俺が受ける。フォルンが元に戻るなら、代償なんて小さいものだ。マリア、詠唱を始めろ」

「……はい」

 ルーゼに言われると、マリアは瞳を閉じ詠唱を始めた。 
 難しい言葉を並べ、次第にマリアの足元から金色の陣が出現する。ルーゼはその様子を伺いながら、更に自分の陽力を上げていく。 

(頼む、保ってくれ、俺の左腕) 

ルーゼの頬に、小さな汗が流れる。 
 赤黒い魔法陣が輝くと同時にルーゼは小さく唸り、マリアに視線を向けた。 

「……出来たか、マリア」

「はい。ガーネを……封印しましょう。そうすれば、フォルンは天変地異から救われる」

マリアの足元に浮かぶ金色の魔法陣が更に輝き、マリアはガーネに向かって手を向ける。 
 それを確認するとルーゼは微かに微笑み、左手を強く床へと打ち付けた。 
 打ち付けた所からヒビが入り、そこから赤黒い光が溢れ、一直線へとガーネに向かっていく。 

 同時に、マリアの手の平から眩い光が放たれ、同じようにガーネへと向かって行った。

「次こそ……当たって!」

「マリア、危ない!」

 ルーゼが叫ぶと、二つの光がガーネに直撃し、凄まじい衝撃波と轟音が空間に響き渡る。 
 ルーゼは瞬時にマリアを抱き寄せ、そのまま床へと体を倒すと熱気がルーゼの背中を擦り、その熱さにルーゼは顔をしかめた。
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