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第一章 穏やかな日常
お昼寝
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家の中に戻ると、丁度ティミーが洗い物が終わったのか、帰る支度をしていた。
村長の家から持って来たお菓子の材料を布袋に入れ終わると、ティミーはその細い腕でそれを持ち上げた。
「あ、マッド。私もそろそろ夕ご飯の支度しないといけないから、帰るね」
「ああ。片付け、ありがとな」
「うん。じゃあ、太陽が沈んだら村長の家に来てね。今日はキノコたっぷりオムライスだから」
「おー、行けたら行くわ。期待して待ってるぜ」
マッドの言葉に、ティミーはムッとした表情をする。
「必ず来てね! じゃあ、お邪魔しました。あ、そろそろ風が冷たくなるから布団取り込んじゃいなよ?」
「おう、分かってるって」
「絶対に来てよ?」
「分かった分かった」
マッドの返事にティミーは微笑むと、布袋を持ち玄関のドアを開け、外に出る時に手を振るとゆっくりと閉めた。
それを確認すると、マッドはその場に腰を下ろし、直ぐ様に大の字になり寝っ転がった。
先程まで騒がしかった家の中が急に静かになり、窓の外から聞こえてくる小鳥の囀ずりだけが聞こえた。
何処か感じる喪失感。
マッドは勢い良く起き上がると、頭を左右に振り、ゆっくりと息を吐く。
「あー考えるのは止めよう。日も落ちてくるだろうし、布団取り込んじまうか……」
欠伸をしながらゆっくりと立ち上がると、マッドは階段を上り、二階へと向かった。
二階に上がり、自分の部屋に入りバルコニーに出ると、太陽の光をふんだんに浴びた布団とシーツ、毛布が気持ち良さそうに風によって靡かれていた。
マッドは一番重たい布団から持ち上げ、ベッドの上に置くと、直ぐ様にシーツを、続いて枕と昨日着ていた服を取り込み、ベッドの上へと置いていく。
ふんわりと柑橘系の匂いがする洗濯仕立ての香りは、村であらゆる洗剤を作るスー・アラムレッドという老人が作っている洗剤の香りで、ルグート村の人々は、スーが作り上げた洗剤で洗濯をしている。
マッドもその一人で、特に柑橘系の香りがお気に入りなのか、ベッドに身を沈め、その香りを存分に味わっていた。
「ん……やっぱこの匂いが一番好きだな……」
優しい香りに包まれ、何処からか睡魔が訪れる。
うとうとしながら、マッドは素直に眠気に身を預けた。
「う……ん」
何処からか冷たい風が流れ、マッドは肌寒さを感じながら眼を覚ました。
いつの間にか眠ってしまったのか、辺りはオレンジ色に染まっていて、東の空は薄暗い闇に包まれていた。
日没を迎えたのだと理解したマッドは、眠たい眼を擦りながらゆっくりと体を起こし、大きな欠伸をする。
「ふあ~あ。もう夜か……」
欠伸をした時に無意識に出た小さな涙を拭くと、マッドは小さな火起こしで火を付け、ベッドの上に置いてあったランプに火を灯した。
肌寒くなり、洗濯したての上着を羽織り窓を締めると、ランプを持ちながら一階へと向かい、数個のランプに火を灯していった。
薄暗かった部屋が明るくなり、マッドは小さく息を吐く。
程無くしてお腹が鳴り、マッドは思い出した様にお腹を押さえた。
「うわ、腹減った……ティミーが夕飯出してくれるみたいだし、村長の家に行くかな。ジジイにも誤りたいし」
昼間の事を思い出し小さく苦笑すると、ランプを持ち足早に玄関を出て、鍵を締めると村長の家へと向かった。
太陽も西の空に沈み、辺りは完全に夜となっていた。
村人の家から溢れ出る光が道を微かに照らす中、ゆらゆらと揺れるランプの光を見ながら村長の家へと向かった。
マッドの家からそれほど距離は離れていないが、辺りが暗い為、足元に気を付けなから歩かないと転びかねない。
暫く歩いていくと、ふわりと香ばしい香りが鼻の奥で広がった。
ティミーが待つ村長の家が近い証拠で、前を見ると一際大きな家の窓から光が溢れているのをマッドは確認する。
足早に村長の家へと向かい、庭に入ると丁度ティミーがドアを開け、マッドと視線が合うとティミーは大きく手を振った。
村長の家から持って来たお菓子の材料を布袋に入れ終わると、ティミーはその細い腕でそれを持ち上げた。
「あ、マッド。私もそろそろ夕ご飯の支度しないといけないから、帰るね」
「ああ。片付け、ありがとな」
「うん。じゃあ、太陽が沈んだら村長の家に来てね。今日はキノコたっぷりオムライスだから」
「おー、行けたら行くわ。期待して待ってるぜ」
マッドの言葉に、ティミーはムッとした表情をする。
「必ず来てね! じゃあ、お邪魔しました。あ、そろそろ風が冷たくなるから布団取り込んじゃいなよ?」
「おう、分かってるって」
「絶対に来てよ?」
「分かった分かった」
マッドの返事にティミーは微笑むと、布袋を持ち玄関のドアを開け、外に出る時に手を振るとゆっくりと閉めた。
それを確認すると、マッドはその場に腰を下ろし、直ぐ様に大の字になり寝っ転がった。
先程まで騒がしかった家の中が急に静かになり、窓の外から聞こえてくる小鳥の囀ずりだけが聞こえた。
何処か感じる喪失感。
マッドは勢い良く起き上がると、頭を左右に振り、ゆっくりと息を吐く。
「あー考えるのは止めよう。日も落ちてくるだろうし、布団取り込んじまうか……」
欠伸をしながらゆっくりと立ち上がると、マッドは階段を上り、二階へと向かった。
二階に上がり、自分の部屋に入りバルコニーに出ると、太陽の光をふんだんに浴びた布団とシーツ、毛布が気持ち良さそうに風によって靡かれていた。
マッドは一番重たい布団から持ち上げ、ベッドの上に置くと、直ぐ様にシーツを、続いて枕と昨日着ていた服を取り込み、ベッドの上へと置いていく。
ふんわりと柑橘系の匂いがする洗濯仕立ての香りは、村であらゆる洗剤を作るスー・アラムレッドという老人が作っている洗剤の香りで、ルグート村の人々は、スーが作り上げた洗剤で洗濯をしている。
マッドもその一人で、特に柑橘系の香りがお気に入りなのか、ベッドに身を沈め、その香りを存分に味わっていた。
「ん……やっぱこの匂いが一番好きだな……」
優しい香りに包まれ、何処からか睡魔が訪れる。
うとうとしながら、マッドは素直に眠気に身を預けた。
「う……ん」
何処からか冷たい風が流れ、マッドは肌寒さを感じながら眼を覚ました。
いつの間にか眠ってしまったのか、辺りはオレンジ色に染まっていて、東の空は薄暗い闇に包まれていた。
日没を迎えたのだと理解したマッドは、眠たい眼を擦りながらゆっくりと体を起こし、大きな欠伸をする。
「ふあ~あ。もう夜か……」
欠伸をした時に無意識に出た小さな涙を拭くと、マッドは小さな火起こしで火を付け、ベッドの上に置いてあったランプに火を灯した。
肌寒くなり、洗濯したての上着を羽織り窓を締めると、ランプを持ちながら一階へと向かい、数個のランプに火を灯していった。
薄暗かった部屋が明るくなり、マッドは小さく息を吐く。
程無くしてお腹が鳴り、マッドは思い出した様にお腹を押さえた。
「うわ、腹減った……ティミーが夕飯出してくれるみたいだし、村長の家に行くかな。ジジイにも誤りたいし」
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太陽も西の空に沈み、辺りは完全に夜となっていた。
村人の家から溢れ出る光が道を微かに照らす中、ゆらゆらと揺れるランプの光を見ながら村長の家へと向かった。
マッドの家からそれほど距離は離れていないが、辺りが暗い為、足元に気を付けなから歩かないと転びかねない。
暫く歩いていくと、ふわりと香ばしい香りが鼻の奥で広がった。
ティミーが待つ村長の家が近い証拠で、前を見ると一際大きな家の窓から光が溢れているのをマッドは確認する。
足早に村長の家へと向かい、庭に入ると丁度ティミーがドアを開け、マッドと視線が合うとティミーは大きく手を振った。
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