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第二章 旅立ちの決意
朝食の誘い
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東の山からゆっくりと姿を表した太陽の光がゆっくりと村を包み、ゆっくりと息を吸いながら、マッドは村と森の境目である柵を跨ぎ、森の奥へと足を踏み入れていく。
朝の陽射しが交じり合う木の葉の間から零れ、森の中はどこか幻想的な雰囲気に包まれていた。
数羽の小鳥がマッドの頭や肩に止まったがマッドは気にも止めず、更に森の奥へと歩いて行く。
「ん~、こりゃ今日も一日晴れだな。チビ達が来るのは昼過ぎだし、少し森の中でのんびり過ごすか」
大きく深呼吸をすると、小さく生い茂る草がマッドの視界に入った。
それらの一本をむしり取り、マッドは味を軽く味わおうと葉を一枚口に含み、舌でそれを転がす。
味に納得したのか、マッドはその葉を何枚かむしり取ると、布袋に葉を入れた。
「ん、今日のお茶はこれで大丈夫だな。後は薬草と木の実と……」
ゆっくり立ち上がると、マッドは周りを見回した。
目当ての薬草や木の実が視界に入らなかったのか、更に森の奥へと歩いて行く。
のんびりと歩いて行くうちに、一本の大きな木の前にたどり着いた。
上には小さな黄色の木の実が実り、マッドは軽々と木に登ると木の実を毟り取り、布袋がパンパンになるまでそれを詰め込んだ。
「うし。残りは薬草……って言っても、まだそれなりに残ってるんだよな。かと言ってもう帰るのも……」
「じゃあ、村長さんの家で朝ご飯食べない?」
「いや、腹減ってないし……って、うわっ!」
不意に下から声が聞こえ、マッドは危うく木から落ちそうになってしまった。
慌てて体制を整え声が聞こえた方へ顔を覗かせると、その視線の先にはティミーが大きな籠を持ちながらにっこりと微笑み、小さく手を振ってマッドを見上げていた。
「おはようマッド! 今日も相変わらず早いね」
「おはよう……って、お前こそこんな朝っぱらから何してんだよ」
「あ! ちょっと、そのまま動かないで」
マッドは呆れながら下へ飛び降りようとしたが、ティミーが慌ててそれを止めた。
マッドが不思議そうに下を見ると、ティミーは自分のスカートを左右に軽く広げ、マッドの直ぐ下へと移動し、マッドは納得したのか木の実をむしり取った。
「何だよ、お前もユタの実採りに来たのか」
「うん。昨日の夜に丁度使い切っちゃったから、朝一で採りに行こうと思ってて」
「成る程な。そらっ、落とすぞ」
「はーい」
マッドは手のひらサイズのユタの実を二つずつティミーの広げるスカートへと落としていった。
十個前後溜まる度にスカートから籠の中へとユタの実を入れていき、その作業を籠の中がいっぱいになるまで繰り返していく。
暫くして籠の中がユタの実でいっぱいになると、マッドは勢い良く木から飛び降り、大きく伸びをした。
「ん、こんなもんで良いだろ?」
「うん。ありがとうマッド、これでジャムが作れるよ」
「妙に多いと思ったら、ジャム作るからだったのか」
「そうだよ。マッドにも作ってあげるからね」
ティミーがにっこりと笑いながら背を向けると、マッドはどこか難しい表情でティミーの背中を見詰め、小さく息を吐いた。
「……なあ。何でいつもそんなにお裾分けとかしてくるんだよ」
「え? だって、どのみち余っちゃったりもするし、それに」
「余るのはこんなに沢山採るからだろ。店で使う分だけ採れよな」
「……もう! 何でいつもそうなの?」
呆れながら見てくるマッドに対し、ティミーは軽く睨みつける。
マッドは大きく息を吐き頭を掻くと、地面に視線を向け、ティミーと目線をあわせないようにした。
「マッド、目線逸らさないで」
「うるせーな。関係無いだろ。自分の事は自分で出来るんだ。俺が過保護過ぎるのが嫌いだって知ってるだろ」
「知ってるよ。でも」
「……何だよ」
低い声で明らかに不機嫌な表情のマッドに、ティミーは思わず後退りをした。
朝の陽射しが交じり合う木の葉の間から零れ、森の中はどこか幻想的な雰囲気に包まれていた。
数羽の小鳥がマッドの頭や肩に止まったがマッドは気にも止めず、更に森の奥へと歩いて行く。
「ん~、こりゃ今日も一日晴れだな。チビ達が来るのは昼過ぎだし、少し森の中でのんびり過ごすか」
大きく深呼吸をすると、小さく生い茂る草がマッドの視界に入った。
それらの一本をむしり取り、マッドは味を軽く味わおうと葉を一枚口に含み、舌でそれを転がす。
味に納得したのか、マッドはその葉を何枚かむしり取ると、布袋に葉を入れた。
「ん、今日のお茶はこれで大丈夫だな。後は薬草と木の実と……」
ゆっくり立ち上がると、マッドは周りを見回した。
目当ての薬草や木の実が視界に入らなかったのか、更に森の奥へと歩いて行く。
のんびりと歩いて行くうちに、一本の大きな木の前にたどり着いた。
上には小さな黄色の木の実が実り、マッドは軽々と木に登ると木の実を毟り取り、布袋がパンパンになるまでそれを詰め込んだ。
「うし。残りは薬草……って言っても、まだそれなりに残ってるんだよな。かと言ってもう帰るのも……」
「じゃあ、村長さんの家で朝ご飯食べない?」
「いや、腹減ってないし……って、うわっ!」
不意に下から声が聞こえ、マッドは危うく木から落ちそうになってしまった。
慌てて体制を整え声が聞こえた方へ顔を覗かせると、その視線の先にはティミーが大きな籠を持ちながらにっこりと微笑み、小さく手を振ってマッドを見上げていた。
「おはようマッド! 今日も相変わらず早いね」
「おはよう……って、お前こそこんな朝っぱらから何してんだよ」
「あ! ちょっと、そのまま動かないで」
マッドは呆れながら下へ飛び降りようとしたが、ティミーが慌ててそれを止めた。
マッドが不思議そうに下を見ると、ティミーは自分のスカートを左右に軽く広げ、マッドの直ぐ下へと移動し、マッドは納得したのか木の実をむしり取った。
「何だよ、お前もユタの実採りに来たのか」
「うん。昨日の夜に丁度使い切っちゃったから、朝一で採りに行こうと思ってて」
「成る程な。そらっ、落とすぞ」
「はーい」
マッドは手のひらサイズのユタの実を二つずつティミーの広げるスカートへと落としていった。
十個前後溜まる度にスカートから籠の中へとユタの実を入れていき、その作業を籠の中がいっぱいになるまで繰り返していく。
暫くして籠の中がユタの実でいっぱいになると、マッドは勢い良く木から飛び降り、大きく伸びをした。
「ん、こんなもんで良いだろ?」
「うん。ありがとうマッド、これでジャムが作れるよ」
「妙に多いと思ったら、ジャム作るからだったのか」
「そうだよ。マッドにも作ってあげるからね」
ティミーがにっこりと笑いながら背を向けると、マッドはどこか難しい表情でティミーの背中を見詰め、小さく息を吐いた。
「……なあ。何でいつもそんなにお裾分けとかしてくるんだよ」
「え? だって、どのみち余っちゃったりもするし、それに」
「余るのはこんなに沢山採るからだろ。店で使う分だけ採れよな」
「……もう! 何でいつもそうなの?」
呆れながら見てくるマッドに対し、ティミーは軽く睨みつける。
マッドは大きく息を吐き頭を掻くと、地面に視線を向け、ティミーと目線をあわせないようにした。
「マッド、目線逸らさないで」
「うるせーな。関係無いだろ。自分の事は自分で出来るんだ。俺が過保護過ぎるのが嫌いだって知ってるだろ」
「知ってるよ。でも」
「……何だよ」
低い声で明らかに不機嫌な表情のマッドに、ティミーは思わず後退りをした。
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