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第二章 旅立ちの決意
マッドの決意
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ティミーはマッドの肩に顔を埋め、泣きじゃくった。
レンは、あからさまにティミーを狙っていた。
それはほぼ間違いないだろう。
(このままだと、ティミーを狙いにまたアイツが来るかもしれねぇ。こんな状態の村を更に襲われたりしたら村も壊滅しちまう。ティミーも命を狙われている。それなら)
ある決断をし、マッドはティミーを自分の方へと向かせた。
真剣な表情をするマッドに、ティミーは一瞬戸惑った。
しかし、マッドはその様子を気に留めず、口を開く。
「ティミー。確かにお前の言う通り、レンはお前を狙っていたと思う。でも、それが何でなのかは俺にも分からねぇ。だがな、このままだともしかしたらまたレンはお前を狙って来るかもしれねぇし、村を襲って来るかもしれねぇ」
「……うん」
「だから……そうならねぇ様にしようぜ」
「マッド、どうするの……?」
「このまま、一緒に村を出る」
マッドの言葉に、ティミーは顔を上げた。
その表情は驚きと戸惑いが混じっていて、茶色の瞳が大きく揺れる。
「村を出て、レンを倒すんだ。それで少なからず、村にはこれ以上の被害は出ないだろうし、アイツを倒せば全て解決するだろ?」
ティミーは大きく目を見開いた。
旅に出る。それは、この村を離れる、と言う事だ。
「まさか、あの、男を探しに旅に出るつもり……?」
「そうだ。それに、どうしてティミーを狙うのかも謎だ。また来るなら、こっちから問い詰めて叩き潰してやろうぜ」
「マッド、分かってたんだ……私が、狙われていた事」
「……自分の口から言ってたからな、アイツ。それにお前、一人でこっそり村を出ていくつもりだったろ? どの道、狙われている事に変わりは無ぇのは事実だ」
ティミーは動揺を隠しきれずにいた。
図星だった。一人で、村を出ようと考えていたからだ。
このまま村にいては、いつレンが襲ってくるか分からない。
そうなると、更に犠牲者が増えてしまう可能性もある。
ティミーは唇を噛みしめ、マッドを見詰めた。
「……うん。私がこの村にいる以上、あの男は、また私を狙って来る可能性が高い。これ以上、村の皆に危害をかけたくない。それに……」
「それに?」
ティミーは言おうとしていた言葉をグッと飲み込み、微笑んだ。
「何でもない! でも、マッドが側にいてくれるなら、私……旅に出る!」
「当たり前だろ。一人でなんて行かせるかよ。俺がティミーを護る。そうと決まったら、村長達に報告してこようぜ」
「うん……!」
「大丈夫か? 立てる?」
「大丈夫、ありがとうマッド」
決意が固まったのか、マッドとティミーは部屋を出て、村長夫妻の元へと向かった。
外へ出ると、村長夫妻と村人達は周辺を片付けていた。
幸い、犠牲者は居なかったらしく、マッドとティミーは胸を撫で下ろす。
「あ! マッドお兄ちゃん! ティミーお姉ちゃん!」
不意に後ろから声をかけられ、二人が振り返ると、そこにはアクスとルチアが泥塗れになりながら駆け寄ってきた。
兄妹が無事で、マッドとティミーはホッとし、マッドは兄妹を優しく抱きしめる。
「ふぁ、マッドお兄ちゃん?」
「良かった、無事だったんだなお前ら」
「うん! ルチアもお兄ちゃんもパパもママも無事だよ!」
「良かった。お茶会所じゃなくなっちまったがな」
ルチアは元気いっぱいに笑い、釣られてマッドも笑みを浮かべる。
その姿を見つけた村長夫妻とフィルは、マッド達の元へと駆け寄った。
「マッド、ティミー。大丈夫かい?」
村長のロダンは心配そうにマッドとティミーを見上げる。
ティミーは思わず視線を逸らし、俯いてしまった。
その様子に、村長は不安になり、ティミーの頭を優しく撫でる。
「ティミー、どうした? 傷がまだ痛むのかい?」
「ち、違うんです、村長さん……その、私達……」
「おー? 結婚すんのかお前ら」
フィルが茶化す様にマッドとティミーの間に割って入った。
村人達が、次々と騒めき出す。
「え、ついに結婚? おめでとうマッド、ティミー!」
「マッド、ティミーを幸せにしてやれよ」
「やっとプロポーズしたのか! ヒューやるねぇマッド!」
周辺にいた村人達に、瞬く間に広まってしまい、マッドとティミーは顔を赤くしながら声を上げた。
「だっ、誰が結婚だっ! 違う! そうじゃ無くて!」
「も、もう! からかわないでフィル!」
「何だ違うのか」
フィルは残念そうに溜息を吐く。
マッドとティミーは恥ずかしさで顔を赤くしたままだった。
しかし、一度大きく深呼吸をして村長夫妻とフィルに視線を向ける。
「俺達、あのレンとかいう男を追うのに旅に出る。もしかしたら、またアイツ、この村を襲って来るかもしれねぇ」
レンは、あからさまにティミーを狙っていた。
それはほぼ間違いないだろう。
(このままだと、ティミーを狙いにまたアイツが来るかもしれねぇ。こんな状態の村を更に襲われたりしたら村も壊滅しちまう。ティミーも命を狙われている。それなら)
ある決断をし、マッドはティミーを自分の方へと向かせた。
真剣な表情をするマッドに、ティミーは一瞬戸惑った。
しかし、マッドはその様子を気に留めず、口を開く。
「ティミー。確かにお前の言う通り、レンはお前を狙っていたと思う。でも、それが何でなのかは俺にも分からねぇ。だがな、このままだともしかしたらまたレンはお前を狙って来るかもしれねぇし、村を襲って来るかもしれねぇ」
「……うん」
「だから……そうならねぇ様にしようぜ」
「マッド、どうするの……?」
「このまま、一緒に村を出る」
マッドの言葉に、ティミーは顔を上げた。
その表情は驚きと戸惑いが混じっていて、茶色の瞳が大きく揺れる。
「村を出て、レンを倒すんだ。それで少なからず、村にはこれ以上の被害は出ないだろうし、アイツを倒せば全て解決するだろ?」
ティミーは大きく目を見開いた。
旅に出る。それは、この村を離れる、と言う事だ。
「まさか、あの、男を探しに旅に出るつもり……?」
「そうだ。それに、どうしてティミーを狙うのかも謎だ。また来るなら、こっちから問い詰めて叩き潰してやろうぜ」
「マッド、分かってたんだ……私が、狙われていた事」
「……自分の口から言ってたからな、アイツ。それにお前、一人でこっそり村を出ていくつもりだったろ? どの道、狙われている事に変わりは無ぇのは事実だ」
ティミーは動揺を隠しきれずにいた。
図星だった。一人で、村を出ようと考えていたからだ。
このまま村にいては、いつレンが襲ってくるか分からない。
そうなると、更に犠牲者が増えてしまう可能性もある。
ティミーは唇を噛みしめ、マッドを見詰めた。
「……うん。私がこの村にいる以上、あの男は、また私を狙って来る可能性が高い。これ以上、村の皆に危害をかけたくない。それに……」
「それに?」
ティミーは言おうとしていた言葉をグッと飲み込み、微笑んだ。
「何でもない! でも、マッドが側にいてくれるなら、私……旅に出る!」
「当たり前だろ。一人でなんて行かせるかよ。俺がティミーを護る。そうと決まったら、村長達に報告してこようぜ」
「うん……!」
「大丈夫か? 立てる?」
「大丈夫、ありがとうマッド」
決意が固まったのか、マッドとティミーは部屋を出て、村長夫妻の元へと向かった。
外へ出ると、村長夫妻と村人達は周辺を片付けていた。
幸い、犠牲者は居なかったらしく、マッドとティミーは胸を撫で下ろす。
「あ! マッドお兄ちゃん! ティミーお姉ちゃん!」
不意に後ろから声をかけられ、二人が振り返ると、そこにはアクスとルチアが泥塗れになりながら駆け寄ってきた。
兄妹が無事で、マッドとティミーはホッとし、マッドは兄妹を優しく抱きしめる。
「ふぁ、マッドお兄ちゃん?」
「良かった、無事だったんだなお前ら」
「うん! ルチアもお兄ちゃんもパパもママも無事だよ!」
「良かった。お茶会所じゃなくなっちまったがな」
ルチアは元気いっぱいに笑い、釣られてマッドも笑みを浮かべる。
その姿を見つけた村長夫妻とフィルは、マッド達の元へと駆け寄った。
「マッド、ティミー。大丈夫かい?」
村長のロダンは心配そうにマッドとティミーを見上げる。
ティミーは思わず視線を逸らし、俯いてしまった。
その様子に、村長は不安になり、ティミーの頭を優しく撫でる。
「ティミー、どうした? 傷がまだ痛むのかい?」
「ち、違うんです、村長さん……その、私達……」
「おー? 結婚すんのかお前ら」
フィルが茶化す様にマッドとティミーの間に割って入った。
村人達が、次々と騒めき出す。
「え、ついに結婚? おめでとうマッド、ティミー!」
「マッド、ティミーを幸せにしてやれよ」
「やっとプロポーズしたのか! ヒューやるねぇマッド!」
周辺にいた村人達に、瞬く間に広まってしまい、マッドとティミーは顔を赤くしながら声を上げた。
「だっ、誰が結婚だっ! 違う! そうじゃ無くて!」
「も、もう! からかわないでフィル!」
「何だ違うのか」
フィルは残念そうに溜息を吐く。
マッドとティミーは恥ずかしさで顔を赤くしたままだった。
しかし、一度大きく深呼吸をして村長夫妻とフィルに視線を向ける。
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