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第三章 深い森の中で
雨降る中で
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村を出て約二日が過ぎようとしていた。
何処に行くかと雑談をしながら二人は黙々と道を歩いていたが、微妙な薄暗さにふと、マッドは空を見上げる。
「何だか雲行が怪しいな」
マッドの言葉に、ティミーも空を見上げた。
確かに灰色の雲が太陽の光を遮っている。
二人して空を見上げていると、ポタっとティミーの頬に雫が当たった。
「冷たっ……」
「大丈夫か……って、うわっ!」
今度はマッドの左目に冷たい雫が入り、マッドは思わず目を瞑る。
「マッド、大丈夫!?」
「大丈夫だ。雨だなこりゃ」
雨の量は多くなり、地面をしっとりと濡らしていった。段々と空から冷たい雨が降り、地面に小さな水たまりが出来ようとしている。
「うわっ、こりゃ本降りだぞ」
「大変、何処かで雨宿りしないと……」
二人は雨宿りが出来る場所を探そうと走り出した。
次第に雨は強くなり、地面に足が付く度に靴が濡れていく。
その感触に、マッドは顔をしかめた。
「くそっ! 近くに町か何か無いのか!?」
「地図見ても良く解らないよね。村の外なんて余り出た事無いし……ん?」
走る先に何かを見付けたのか、ティミーは足を止め、雨で見にくい先をジッと前を見つめた。
「ティミー、どうした?」
突然足を止めたティミーに、マッドも足を止める。
「うん……目の前に何か広がってない?」
「え?」
ティミーの言葉に、マッドは前を見た。
髪にまとわり付く水滴を振り払い、目を良く開けると前方に沢山の大きな木が広がっていた。
木と木の間に獣道が幾つかあり、その先は薄暗くどうなっているのかは解らない。
風景からして、ここは森の前だろうとマッドとティミーは推測した。
目の前に広がる森を見ていると、更に雨が激しく降り始める。
「うわっ、雨酷くなってきたな……どうするティミー、あの森で雨宿りするか?」
「あんな不気味そうな森で? 嫌だよ」
「じゃあ何処で雨宿りするんだよ。村とか街なんて見当たらねぇぞ? 何処かに雨が凌げる場所位あるだろ」
「うっ、分かったよ」
マッドの言葉に渋々従うと、二人は森に向かって走り出した。
「はあ。何とか着いたな」
「うん……良かった」
森の中に入り直ぐに鍾乳洞を見付けた二人は、薄暗い鍾乳洞の中で雨で濡れた体を小さなタオルで拭きながら体を休めていた。
鍾乳洞の中は薄暗く、地面の冷たさとひんやりとした空気のせいか、ティミーは体を震わせる。
「クシュッ……寒いね」
「そうだな。このままだと風邪引いちまうし、火焚くか。丁度薪も有るし」
近くにあった薪に目をやり、マッドは立ち上がり近くに転がっていた拳程の石を二つ拾い、カチカチと薪に火を起こす。
薪は少し湿っていたが、それでも火はそれなりに付いた。
「よし。これで少しは暖まるだろ」
火の暖かさにホッとしたのか、ふぅ。とマッドは息を吐き、腰を下ろす。
向かい合うように、ティミーも腰を下ろした。
「ありがとマッド。はぁ、付いてないね。雨は降るし、村や街も見当たらないし」
「そうだな。これからどうしような……」
翌々考えてみれば、村の外の事は余り知らなかった。
レンを追うにしても、何処に逃げたか分からない。もう少し計画性を立ててから村を出るべきだったかとマッドは少し考えたが、あの時はそうも言っていられなかった。
そう考えると、頭が重くなる。
(ティミーをまた襲ってくる可能性も高いが……俺の力でアイツを倒せるのか? もし、俺達がこうしている間にアイツがまた村が襲って来たりしたら……)
「マッド……大丈夫?」
ティミーの声にマッドは我に返ったが、その途端に、グゥゥゥゥ……とマッドのお腹が鳴った。
何処に行くかと雑談をしながら二人は黙々と道を歩いていたが、微妙な薄暗さにふと、マッドは空を見上げる。
「何だか雲行が怪しいな」
マッドの言葉に、ティミーも空を見上げた。
確かに灰色の雲が太陽の光を遮っている。
二人して空を見上げていると、ポタっとティミーの頬に雫が当たった。
「冷たっ……」
「大丈夫か……って、うわっ!」
今度はマッドの左目に冷たい雫が入り、マッドは思わず目を瞑る。
「マッド、大丈夫!?」
「大丈夫だ。雨だなこりゃ」
雨の量は多くなり、地面をしっとりと濡らしていった。段々と空から冷たい雨が降り、地面に小さな水たまりが出来ようとしている。
「うわっ、こりゃ本降りだぞ」
「大変、何処かで雨宿りしないと……」
二人は雨宿りが出来る場所を探そうと走り出した。
次第に雨は強くなり、地面に足が付く度に靴が濡れていく。
その感触に、マッドは顔をしかめた。
「くそっ! 近くに町か何か無いのか!?」
「地図見ても良く解らないよね。村の外なんて余り出た事無いし……ん?」
走る先に何かを見付けたのか、ティミーは足を止め、雨で見にくい先をジッと前を見つめた。
「ティミー、どうした?」
突然足を止めたティミーに、マッドも足を止める。
「うん……目の前に何か広がってない?」
「え?」
ティミーの言葉に、マッドは前を見た。
髪にまとわり付く水滴を振り払い、目を良く開けると前方に沢山の大きな木が広がっていた。
木と木の間に獣道が幾つかあり、その先は薄暗くどうなっているのかは解らない。
風景からして、ここは森の前だろうとマッドとティミーは推測した。
目の前に広がる森を見ていると、更に雨が激しく降り始める。
「うわっ、雨酷くなってきたな……どうするティミー、あの森で雨宿りするか?」
「あんな不気味そうな森で? 嫌だよ」
「じゃあ何処で雨宿りするんだよ。村とか街なんて見当たらねぇぞ? 何処かに雨が凌げる場所位あるだろ」
「うっ、分かったよ」
マッドの言葉に渋々従うと、二人は森に向かって走り出した。
「はあ。何とか着いたな」
「うん……良かった」
森の中に入り直ぐに鍾乳洞を見付けた二人は、薄暗い鍾乳洞の中で雨で濡れた体を小さなタオルで拭きながら体を休めていた。
鍾乳洞の中は薄暗く、地面の冷たさとひんやりとした空気のせいか、ティミーは体を震わせる。
「クシュッ……寒いね」
「そうだな。このままだと風邪引いちまうし、火焚くか。丁度薪も有るし」
近くにあった薪に目をやり、マッドは立ち上がり近くに転がっていた拳程の石を二つ拾い、カチカチと薪に火を起こす。
薪は少し湿っていたが、それでも火はそれなりに付いた。
「よし。これで少しは暖まるだろ」
火の暖かさにホッとしたのか、ふぅ。とマッドは息を吐き、腰を下ろす。
向かい合うように、ティミーも腰を下ろした。
「ありがとマッド。はぁ、付いてないね。雨は降るし、村や街も見当たらないし」
「そうだな。これからどうしような……」
翌々考えてみれば、村の外の事は余り知らなかった。
レンを追うにしても、何処に逃げたか分からない。もう少し計画性を立ててから村を出るべきだったかとマッドは少し考えたが、あの時はそうも言っていられなかった。
そう考えると、頭が重くなる。
(ティミーをまた襲ってくる可能性も高いが……俺の力でアイツを倒せるのか? もし、俺達がこうしている間にアイツがまた村が襲って来たりしたら……)
「マッド……大丈夫?」
ティミーの声にマッドは我に返ったが、その途端に、グゥゥゥゥ……とマッドのお腹が鳴った。
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