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第三章 深い森の中で
衝撃の事実
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「で……ヴェノルはこれからどうするんだ?」
「あ、そっか……ヴェノル……一人なんだよね。旅している最中だった?」
二人は寂しそうにヴェノルを見る。
するとヴェノルはにっこりと笑い、服に付いた砂を祓いながら口を開いた。
「俺も着いてくよ」
「……はい?」
二人が拍子抜けた声を出すと、ヴェノルは頬を膨らませ二人を睨んだ。
「聞こえなかったの? 着いてくって言ったの!」
「お前っ、着いてくって!」
「そうだよ、危ないよ? 私達、狙われているんだから」
「旅は常に危険と隣合わせなものでしょ! 俺だってレンに用が有るんだから良いの!」
「なっ……何だよ、用って」
マッドが訪ねると、ヴェノルは剣を抜き空に刃を向けた。
「アイツが言ってたんだ。『何れ分かる。過去の事も。遅かれ早かれ』って。アイツを追えば、過去の事も何か分かるかと思ったんだ。だから、俺は二人に着いていって記憶探しをする! はい決まり! 行こう二人共!」
「お、おい、ヴェノル」
あわあわとしている二人を無視しヴェノルは更に言葉を続けた。
「それに俺……アイツを見てると何でかモヤモヤするんだ! でも初対面の筈なのにいきなり飛針飛ばしてきたし。 絶対にギッタギタにしてやる! 打倒! レン!」
ヴェノルの周りには黒いオーラが漂っており、マッドは微かに距離を置いた。
その横で、ティミーが不安そうに口を開く。
「でも、狙われてるんだからいつ何が起こるか分かんないんだよ?」
「そんなの、旅してるんなら当たり前の事じゃない? 今更じゃん」
「もうっ……マッドも何か言ってよ」
説得するも、聞く耳を持たないヴェノル。
ティミーがマッドを見ると、マッドは深い溜め息を付いた。
「あのなぁ、確かにお前の言う事も正しいけど。お前見たいなガキを危険な旅に付き合わすのは……」
「俺はガキじゃない!」
「あぁ!? ガキだろうが!」
マッドの言葉に、ヴェノルは凄まじい勢いでマッドの胸倉を掴み、声を上げる。
「俺は二十だ!」
「何がだよっ!」
「年がだよっ!」
「はぁっ!?」
ヴェノルの言葉に、マッドとティミーは固まった。
「は……二十歳?」
「嘘だろ……?」
マッドとティミーは驚きながらヴェノルを見る。
顔は童顔で背はティミーより数センチ高い位で、何より華奢な体。
どう見ても二十歳とは思えなかった。
マッドとティミーは唖然とヴェノルを見る。
「私達より……年上?」
「信じられねぇ……と言うより信じたくねぇ」
現実を受け止めきれない二人だが、そんな二人を無視しヴェノルは言葉を続けた。
「とにかく! 俺も着いてくから! もしかしたら記憶とか戻るかもしれないし。アイツをぶっ飛ばしたら旅するのやめるけどね」
「やめるのかよ!」
黒い笑みで喋るヴェノルに、二人は何処か恐怖を感じた。
観念したのか、マッドは再び大胆なため息を付く。
「分かったよ。確かに何かキッカケが有れば記憶も戻るかもしれないし」
「駄目って言っても聞かないし……ね」
「何だ~分かってんじゃん二人共~! よし、そうと決まったら早く森から抜けよう! 俺道知ってるしさ」
「……ハァ」
マッドとティミーは深い溜め息を吐きながら、ズカズカと歩くヴェノルを追った。
「あ、そっか……ヴェノル……一人なんだよね。旅している最中だった?」
二人は寂しそうにヴェノルを見る。
するとヴェノルはにっこりと笑い、服に付いた砂を祓いながら口を開いた。
「俺も着いてくよ」
「……はい?」
二人が拍子抜けた声を出すと、ヴェノルは頬を膨らませ二人を睨んだ。
「聞こえなかったの? 着いてくって言ったの!」
「お前っ、着いてくって!」
「そうだよ、危ないよ? 私達、狙われているんだから」
「旅は常に危険と隣合わせなものでしょ! 俺だってレンに用が有るんだから良いの!」
「なっ……何だよ、用って」
マッドが訪ねると、ヴェノルは剣を抜き空に刃を向けた。
「アイツが言ってたんだ。『何れ分かる。過去の事も。遅かれ早かれ』って。アイツを追えば、過去の事も何か分かるかと思ったんだ。だから、俺は二人に着いていって記憶探しをする! はい決まり! 行こう二人共!」
「お、おい、ヴェノル」
あわあわとしている二人を無視しヴェノルは更に言葉を続けた。
「それに俺……アイツを見てると何でかモヤモヤするんだ! でも初対面の筈なのにいきなり飛針飛ばしてきたし。 絶対にギッタギタにしてやる! 打倒! レン!」
ヴェノルの周りには黒いオーラが漂っており、マッドは微かに距離を置いた。
その横で、ティミーが不安そうに口を開く。
「でも、狙われてるんだからいつ何が起こるか分かんないんだよ?」
「そんなの、旅してるんなら当たり前の事じゃない? 今更じゃん」
「もうっ……マッドも何か言ってよ」
説得するも、聞く耳を持たないヴェノル。
ティミーがマッドを見ると、マッドは深い溜め息を付いた。
「あのなぁ、確かにお前の言う事も正しいけど。お前見たいなガキを危険な旅に付き合わすのは……」
「俺はガキじゃない!」
「あぁ!? ガキだろうが!」
マッドの言葉に、ヴェノルは凄まじい勢いでマッドの胸倉を掴み、声を上げる。
「俺は二十だ!」
「何がだよっ!」
「年がだよっ!」
「はぁっ!?」
ヴェノルの言葉に、マッドとティミーは固まった。
「は……二十歳?」
「嘘だろ……?」
マッドとティミーは驚きながらヴェノルを見る。
顔は童顔で背はティミーより数センチ高い位で、何より華奢な体。
どう見ても二十歳とは思えなかった。
マッドとティミーは唖然とヴェノルを見る。
「私達より……年上?」
「信じられねぇ……と言うより信じたくねぇ」
現実を受け止めきれない二人だが、そんな二人を無視しヴェノルは言葉を続けた。
「とにかく! 俺も着いてくから! もしかしたら記憶とか戻るかもしれないし。アイツをぶっ飛ばしたら旅するのやめるけどね」
「やめるのかよ!」
黒い笑みで喋るヴェノルに、二人は何処か恐怖を感じた。
観念したのか、マッドは再び大胆なため息を付く。
「分かったよ。確かに何かキッカケが有れば記憶も戻るかもしれないし」
「駄目って言っても聞かないし……ね」
「何だ~分かってんじゃん二人共~! よし、そうと決まったら早く森から抜けよう! 俺道知ってるしさ」
「……ハァ」
マッドとティミーは深い溜め息を吐きながら、ズカズカと歩くヴェノルを追った。
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