ひだまりを求めて

空野セピ

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第三章 深い森の中で

町の異変

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 しばらく歩き続けていると雨は小降りになり、雲の間からは光が差し込んでいた。
 雨雫が木の葉から流れ落ち、森の中は深い木の匂いに包まれている。
 その匂いを深く味わいながら森を抜けると、広い道に出た。

「んぁ~! ようやく出られた! 気持いなぁ~」

「ずっと森の中だったしね」

「うん! マッドとティミーもびしょびしょだね~」

「そりゃお互い様だろ?」

 互いに笑い合う三人。
 小降りになっていた雨も、空を見上げればいつの間にか止んでいて、快晴の空が広がっていた。

「ん? あれ何だろう?」

 何かを見つけたのか、ヴェノルは背伸びをし、遠くを見つめる。
 その様子に気付き、マッドは声をかけた。

「どうしたヴェノル?」

「ん~? 何か煙見たいなのが見えたけど良く見えない……」

「何だよソレ……何処だ?」

「あっち」

 ヴェノルが指を指す方向に目を向けると、確かに煙が見える。
 町があると、マッドは確信した。

「町かもしれないな。もしかしたら温泉があるのかもしれない。行ってみるか」

「そうだね。色々補給したいし」

「……でも、お金無いよ?」

 ヴェノルの言葉に、二人は顔をしかめる。

「魔物を倒して角とか売るぞ。骨董品は高く売れる筈だ」

「そうだね、角生えた魔物も沢山いるだろうし」

「貧乏臭いなぁ~。本当に旅してたの?」

「まだ村を出て数日しか経ってねぇんだよ」

 マッドとヴェノルの言葉に、ティミーは小さく苦笑する。
 まさかこんな数日で仲間が出来るとは思っていなかったからだ。

「よし、じゃあ魔物を倒しつつ向かおう」

 マッド達は、襲い掛かる魔物達を倒しながら町へと向かった。



「何か……臭うな」

 魔物を倒しつつ暫く歩いていると、鼻に突く臭いが漂ってきた。

「ケホッ 何か……煙くない?」

「大丈夫かティミー? 確かに煙いな」

「そうかなあ? う~、俺お腹空いちゃったぁ」

「お前、元気だな」

 何処からか焦臭い匂いが風に乗りに、マッドとティミーはその匂いに顔をしかめる。
 マッドとティミーに対し、ヴェノルは平然としていたが、次第に街に近づくにつれ匂いにやられたのか、口元を押さえていた。

 暫く歩いていくと、町の入口が見えてくる。
 しかしどこか違和感を感じたのか、マッドは眉を潜め耳を澄ませた。

「何か……様子が変だぞ?」

「本当だ。活気が無い」

「水と……火の音がする!」

「えっ!?」

 ヴェノルの言葉に二人はバッと町の入り口を見た。

「行ってみようぜ! 嫌な予感がする!」

「うん!」

 三人は急いで町入り口へと走った。



「なっ……これって」

「嘘、だろ……」

 町に着くと辺りは水浸しで、建物の半数は全壊状態、更に壊れた建物の所々から赤い炎と黒い煙が上がっていた。
 此処に着く前に見えた煙りは、火災によって上がっていたものだろう。
 全壊した建物の瓦礫の隙間からは人の手足が見え、所々から赤い血が水溜まりのように溜まっていた。
 その光景にティミーは顔を逸らし、肩を震わせる。

「どうし、こんなっ……!」

「生きている人、誰かいねえのか!?」

 マッドとティミーは顔色を変え、恐怖で足が動かず、呆然と立ち尽くす事しか出来ない。
 同時にマッドの頭に、ある考えが過ぎった。

「まさか……レンが……?」

 様々な嫌悪感を感じ、マッドは唇を噛む。

(あの時と同じ……? アイツが……レンがこの町を?)

「マッドー! ティミー! 生きてる人がいたよ~!」
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