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第四章 バーレスト兄弟
バーレスト
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渋い顔をして、ウォックは三人を見る。
「おい、お前達。俺等、ちゃんと自己紹介したよな?」
「しましたね」
「したよね」
「したな……何でだよ?」
「なっ!?」
「何でって……!」
グルーとウォックは唖然とした。
アリルは飲んでいたお仰茶を吹き出しそうになり咳き込んでいる。
顔をしかめ再度、ウォック、グルーはマッド達を見た。
「お前等……本当にちゃんと俺達の名前聞いていたか?」
おどおどと言葉を発するウォックをマッドは不思議に思いつつ、ウォックの質問に答えた。
「聞いてたってば。お前はウォック・バーレストだよな?」
「あ、あぁ……で、ファミリーネームで何か疑問に思う事は……」
「バーレストだっけ? そこまで変なファミリーネームじゃねぇだろ?」
「兄さん。コイツ、本物の馬鹿だ」
「まぁ、仕方ないさ」
呆れながらウォックはグルーに視線を向けると、グルーもアリルも呆れた表情をしている。
「ハァ。お前等って歴史を学んでいないのか?」
「あ!」
ウォックが大胆な溜め息をついたと同時に、ティミーは大きな声を出した。
マッドは若干びっくりしたのか、戸惑いながらティミーを見る。
「な、何だよティミー。いきなりデカイ声出すなよ」
「マッド、この人達のファミリーネーム! 確か三十年前に何かを封印したバーレスト夫妻と一緒だよ!」
「えっと……誰だっけそれ」
「嘘でしょマッド、知らないの!? 村長さんに教わったじゃない! 三十年前に世界の何かを封印した英雄だよ!」
「英雄って程でもないんだけどな」
ティミーに大げさに言われ、グルーは思わず苦笑する。
しかし、マッドは良く解っておらず、ヴェノルはそもそも話をロクに聞いていなかった。
「兄さん……コイツ」
「頭が馬鹿な奴なんだろ」
兄弟揃って馬鹿にされているマッドを横目に、ティミーは構わず話を続けた。
「バーレストって……そうですよね? 三十年前に何かを封印した英雄夫妻ですよね?」
「そう。君は何を封印したかまでは知らないのか?」
この子は少しは頭が良いとウォックは確信した。
ティミーだったらまともに話せそうだと、グルーとウォック、アリルは心の中で安直する。
「はい、そこまでは分からないです。でも……バーレスト夫妻の息子さんなんですね」
「まぁな」
「へぇ、折角だし、そのバーレスト夫妻にも会って見てぇな」
「あ、私も」
「この紅茶美味しい~! ねえねえ、おかわり頂戴!」
バーレスト夫妻に会えるかもと目を輝かせるマッドとティミーに対して、話に興味を持たずヴェノルは紅茶を啜っていた。
ウォックとグルーはマッドとティミーの言葉を聞くと、険しい表情になる。
そして重い口を開き、グルーは言葉を発した。
「会いたい気持ちも分かるが……父さんと母さんは既に他界した」
「え!?」
マッドとティミーはバッとグルーを見る。
グルーは険しい表情だったが、苦笑して誤魔化した。
「五年前に、ある事件が起きてね。それで父さんと母さんは……」
その声は微妙に震えていて、ウォックは目を伏せ俯いていた。
そんな二人の様子を見て、ティミーは即座に頭を下げる。
「ごめんなさい! そうとは知らず、私、無神経な事を……」
「気にしなくて良い。ウォックもほら」
ティミーに笑顔を向けるとグルーはウォックに落ち着けよと、紅茶を手渡した。
マッドも申し訳なさそうに頭を下げる。
「わりぃ……その、俺が先に言い出した事だから」
「だから気にするなって言っただろ?」
「けど……」
「だぁ~! 俺暗い話嫌いなの! 明るい話しようよ!」
紅茶を啜っていたヴェノルが立ち上がり、重たい空気を破った。
そんなヴェノルを見てグルーは苦笑し、目を細める。
「おい、お前達。俺等、ちゃんと自己紹介したよな?」
「しましたね」
「したよね」
「したな……何でだよ?」
「なっ!?」
「何でって……!」
グルーとウォックは唖然とした。
アリルは飲んでいたお仰茶を吹き出しそうになり咳き込んでいる。
顔をしかめ再度、ウォック、グルーはマッド達を見た。
「お前等……本当にちゃんと俺達の名前聞いていたか?」
おどおどと言葉を発するウォックをマッドは不思議に思いつつ、ウォックの質問に答えた。
「聞いてたってば。お前はウォック・バーレストだよな?」
「あ、あぁ……で、ファミリーネームで何か疑問に思う事は……」
「バーレストだっけ? そこまで変なファミリーネームじゃねぇだろ?」
「兄さん。コイツ、本物の馬鹿だ」
「まぁ、仕方ないさ」
呆れながらウォックはグルーに視線を向けると、グルーもアリルも呆れた表情をしている。
「ハァ。お前等って歴史を学んでいないのか?」
「あ!」
ウォックが大胆な溜め息をついたと同時に、ティミーは大きな声を出した。
マッドは若干びっくりしたのか、戸惑いながらティミーを見る。
「な、何だよティミー。いきなりデカイ声出すなよ」
「マッド、この人達のファミリーネーム! 確か三十年前に何かを封印したバーレスト夫妻と一緒だよ!」
「えっと……誰だっけそれ」
「嘘でしょマッド、知らないの!? 村長さんに教わったじゃない! 三十年前に世界の何かを封印した英雄だよ!」
「英雄って程でもないんだけどな」
ティミーに大げさに言われ、グルーは思わず苦笑する。
しかし、マッドは良く解っておらず、ヴェノルはそもそも話をロクに聞いていなかった。
「兄さん……コイツ」
「頭が馬鹿な奴なんだろ」
兄弟揃って馬鹿にされているマッドを横目に、ティミーは構わず話を続けた。
「バーレストって……そうですよね? 三十年前に何かを封印した英雄夫妻ですよね?」
「そう。君は何を封印したかまでは知らないのか?」
この子は少しは頭が良いとウォックは確信した。
ティミーだったらまともに話せそうだと、グルーとウォック、アリルは心の中で安直する。
「はい、そこまでは分からないです。でも……バーレスト夫妻の息子さんなんですね」
「まぁな」
「へぇ、折角だし、そのバーレスト夫妻にも会って見てぇな」
「あ、私も」
「この紅茶美味しい~! ねえねえ、おかわり頂戴!」
バーレスト夫妻に会えるかもと目を輝かせるマッドとティミーに対して、話に興味を持たずヴェノルは紅茶を啜っていた。
ウォックとグルーはマッドとティミーの言葉を聞くと、険しい表情になる。
そして重い口を開き、グルーは言葉を発した。
「会いたい気持ちも分かるが……父さんと母さんは既に他界した」
「え!?」
マッドとティミーはバッとグルーを見る。
グルーは険しい表情だったが、苦笑して誤魔化した。
「五年前に、ある事件が起きてね。それで父さんと母さんは……」
その声は微妙に震えていて、ウォックは目を伏せ俯いていた。
そんな二人の様子を見て、ティミーは即座に頭を下げる。
「ごめんなさい! そうとは知らず、私、無神経な事を……」
「気にしなくて良い。ウォックもほら」
ティミーに笑顔を向けるとグルーはウォックに落ち着けよと、紅茶を手渡した。
マッドも申し訳なさそうに頭を下げる。
「わりぃ……その、俺が先に言い出した事だから」
「だから気にするなって言っただろ?」
「けど……」
「だぁ~! 俺暗い話嫌いなの! 明るい話しようよ!」
紅茶を啜っていたヴェノルが立ち上がり、重たい空気を破った。
そんなヴェノルを見てグルーは苦笑し、目を細める。
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