ひだまりを求めて

空野セピ

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第四章 バーレスト兄弟

水害の原因

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「ははっ、元気な子だね」

「ふえ? そう? えへへ~褒められた! ありがとうおにーさん!」

 グルーに向けて、ヴェノルはニッコリと笑顔をみせる。
 その表情は、どこからどう見ても幼く見えて、グルーはふと疑問を感じた。

(この子は男の子、だよな...... ?)

「ん~?」

 不思議そうに見上げるヴェノルの様子に、つられるようにグルーは苦笑する。
 するとウォックとグルーは改めてと言う感じに、マッド達を見た。

「話がズレたかな。すまない」

 グルーが申し訳なさそうに謝った。

「いえいえ、此方こそすみませんでした。それで……アリルさんは何で私達をグルーさん達に会わせたんですか?」

「あぁ、実は……五年前にも君達と同じ様な事がこの町で起こってね。関連が有るかもと思ったんだよ。だから、詳しい話を聞きたくて」

「五年前!? レンがこの村を襲ったのか!?」

 目を見開き、身を乗り出したマッドに対し、グルーは難しい表情をした。

「同じ人物かは分からない。だが五年前に謎の連中が町を襲って来た事があった。同時にルグート村と同じように水害が起きたのは事実だ。水害に関しては、近くの川で山のふもとからの大規模な雪解けがあって、その水が町に流れ込んできたのが原因だったんだが、状況がかなり似ているな」

 雪解け、の言葉に、ティミーは有る事を思い出す。

「そう言えば、レンが村を襲った日の朝、村の近くの川が増水していた気がします」

「あ、言われてみれば確かに。それを村長に伝えようとしたら、レンが村を襲って来たんだ!」

 マッドとティミーは村が襲われた日の朝を思い出す。
 森で木の実を採取した帰り道で、川が増水していた事を思い出したのだ。

「つまり、村を襲った水は、レンの仕業じゃ無かったって事か?」

「レンが襲って来たのと川の増水のタイミングが一緒だったって事?」

 マッドとティミーの疑問に、ウォックとグルーは腕を組み難しい表情をする。

「そのレンとかいう奴がどんな奴だか分からないが、村の半分を飲み込む水を操るには相当の陽力がいる。そんな水の量を操れる陽術も聞いたことが無い」

「そもそも陽術は魔法陣を描いて自然の力を借り、自身が持つ陽力を色々な形にして放つ術だからね。村一つ潰す陽術なんてあったらひとたまりもないよ」

「へえ……陽術ね」

 マッドは何処となく視線を窓の方へと向ける。
 そんなマッドを横目に、ティミーは更に質問を重ねた。

「じゃあ、村の水害はレンとは関係ないのですね」

「多分な。ここ数年、異常気象や天変地異が増えているから、その影響もあるんだろう。それで、そのレンって奴はどんな奴だ?」

 ウォックが訪ねると、マッドは頭を押さえて記憶を辿っていく。

「目が赤くて黒いコート着て髪が黒くて……大剣を装備してたな。後は飛針を持ってる」

「じゃあ、五年前にこの町を襲った奴とは全然違うな」

 グルーは溜め息をつき、紅茶を口にする。

 それと同時にウォックが口を開いた。

「と、言うより……分からないんだ。姿が良く」

「分からない?」

 ウォックの言葉にマッド達は驚いた。

「何で? そいつペカペカ光ってたのか?」

「そんなワケないでしょ、マッド」

「第一ペカペカ光る人間が何処に居るのさ?」

「うるさいな! ただ言ってみただけだろ!」

 ティミーとヴェノルにあしらわれて落ち込むマッド。
 その様子をウォックは呆れながら見ると、難しい表情をしながら口を開いた。

「と言うか……一瞬しか姿が見えなかったんだ」

「一瞬? 何で?」
 
 ウォックの言葉に、またもや驚くマッド。
 すかさずグルーが口を挟んだ。

「あんまり記憶にないんだか……結界か何かで姿を隠していたんだろうな」

「結界……?」

「まぁ、光の壁みたいな感じの物だ。でも一瞬だけ姿が見えたんだ。良くは分からなかったがな」

「そう、だったんですか。あれ? ウォックさん?」
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