ひだまりを求めて

空野セピ

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第四章 バーレスト兄弟

旅は道連れ

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 一方マッドとヴェノルは、机にのの字を書いて落ち込んでいた。

「ちょ……二人共、そんなに落ち込まなくても……」

「どーせ俺なんか……」

「少なくとも俺、マッドよりは頭悪く無いと思うなぁ」

「なんだとお前!」

「うるさいなぁ! 俺は二十歳だ!」

「んな事聞いてねぇし! やっぱお前の方が馬鹿だ!」

「何を~!?」

「ほらほら、そういう所が馬鹿なんだよお前達は!」

 グルーの言葉に反論出来ず、マッドとヴェノルは黙り込む。
 そんな様子を横目に、ウォックはグルーに話かけた。

「と言うか、俺じゃなくても兄さんが行けば良いじゃないか」

「俺よりお前の方が頭良いだろ。それに力だって強いし回復陽術を使える方が良いだろうし」

「分かった! ウォックを連れていく!」

「……は?」

 突然マッドが大きな声を出し、ウォックは唖然とマッドを見た。

「ウォックを連れて行く! 確かに頭良さそうな顔してるし!」

 どんな顔だよと思いつつ、ウォックは顔を引き攣らせる。
 マッドはウォックの肩に手を乗せ、ニッコリと笑顔を見せた。

「な? 行こうぜウォック! てかお前、料理もバッチリとか?」

「あぁ……まぁ……」

 ウォックの返事に、ティミーは目を輝かせた。

「本当? 良かったぁ! まともに料理作れるの私しかいなかったから……じゃあ、これから料理当番交代制で宜しくお願いします」

 話が勝手に進んでいき、ウォックは焦りを感じた。

「いやいや待て、まだ行くと決まった訳じゃ……!」

 ウォックはチラリとグルーを見るも、彼は怪しく微笑んでいる。

「……強制決定って事で」

「んなっ……てめぇ!」

「こらウォック! 兄であるグルーに『てめぇ』は無いだろ!」

「こんな事日常茶飯事だろ! どうにかしろよアリル!」

「断る。面倒くさい」

「んなっ!」

「諦めろウォック! 俺達と行こうぜ、な!」

 ウォックの肩を拒み、ドス黒い笑顔で笑うマッド。
 ウォックは心底嫌な顔をした。

「……後で殺す」

 観念したのか、ウォックは深い溜め息を吐いた。
 その様子を見て、マッド達は喜びの声を上げる。

「よっしゃあ! じゃあ、早く行こうぜ! お前も剣使うのか?」

「俺は格闘技とある程度の陽術は使えるけど」

「力量にも不足無しだな、早く行こうぜ!」

「待て待て! 支度するから少し待ってろ、全く!」

 怒りを込めた足音で階段を上っていくウォックを見送り、マッドはソファーにバフっと身を沈めた。

「早く準備してこいよ! うわ~、楽しみだなぁ~!」

「……ハァ」

(本来の目的忘れて無いか、コイツ等……)

 そう思いつつ、ウォックは呆れながら部屋を後にした。
 グルーもその後について行き、一度ドアの前でマッド達の方へ首を向ける。

「じゃあ俺はウォックの手伝いをしてくるから、その間ゆっくり寛いでいてくれ。今日位泊まって行っても良いけど、どうする?」

 グルーの問い掛けに、マッドは首を横に振った。

「いや、早く先に進みたいし大丈夫だ」

「そうか? 休む事も大事だぞ。じゃあ、少し待っていてくれ」

 そう告げると、ウォックとグルーは部屋を後にした。
 広い部屋には、マッド達とアリルが残される。

「これから大変になるな」

 ふと、アリルが言葉を発した。

「そうですね。でも、ウォックも仲間になるし、楽しくやっていきます!」

 元気に答えるティミーに、アリルは苦笑した。

「ま、いいけど……本来の目的を忘れるなよ?」

「大丈夫ですよ。レンを追ってガーネを調べる。分かっていますって」

 ティミーの言葉に、グルーは安心したのか、小さく息を吐いた。
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