ひだまりを求めて

空野セピ

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第四章 バーレスト兄弟

目指すは港町

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 その横で、あ、と思い出したかの様にアリルは口を開いた。

「あ、そうそう。ウォックはあんまり怒らせない方が身の為だそ。アイツ、キレたら手に負えないからな」

 アリルは遠い目でマッド達に忠告する。それは、過去に何かしらやらかした経験があるんだなとティミーは推測した。

「そんなに怖いんですか?」

「そりゃあ……マジキレしたアイツに町の人が巻き込まれて……全治四ヶ月の怪我を負わせた事も有るからな」

「……」

 アリルの言葉にマッドとティミーは沈黙し、ヴェノルは首を傾げ口を開いた。

「え~? 優しそうに見えるけどなぁ」

「お前、あいつ優しそうに見えるか? ポーカーフェイスかましてる野郎じゃねぇかよ」

「マッド、それは失礼だよ」

「まあ、普段温厚な奴に限ってキレると怖いんだよ。それにアイツは他人にも自分にも厳しい」

「そうなのかなぁ……?」

「ま、肝に銘じておくぜ」

「……ん~? 優しそうなのに。人って見た目に寄らずだね」

 マッドはのんびりと欠伸をし、ヴェノルはグルーの言葉が理解出来ずに、難しい顔をして考え込んでいだ。

「まぁ、そう深く考えるなよ。後、お前達」

 アリルは真剣な表情になり、マッド達を見詰める。

「たとえこれからどんな事が起きても、仲間を絶対に見捨てたりするなよ?」

「は? はい……そりゃあ見捨てたりなんかしねぇよ」

「絶対だぞ」

「あ、ああ……」

 アリルの表情は真面目で、マッドは少し戸惑った。
 すると、木の軋む音が聞こえ、ドアが開かれる。

「やぁ、待たせたね」

 声が聞こえた方に振り向くと、グルーと荷物袋を持ったウォックが入ってきた。
 マッドは眠たげな眼を擦りながら口を開く。

「ウォック、準備出来たのか?」

「だから此処にいるんだろう? それ位見て解らないのか」

「んだとぉ!?」

「ほらほら、ケンカしない!」

 マッドとウォックは睨み合ったが、グルーに静止された。
 そんな中、話しかけて良いのか戸惑いつつも、ティミーが口を開く。

「あの、それで……これから何処に行くんですか?」

 ティミーが問いかけると、グルーは机に地図を広げ、とある大陸に指を指す。

 自分達が住んでいる大陸とは、別の大陸だ。

「取り合えず、ベルトア大陸に行って、ベルトア軍のヴェイト大佐って言う人に会ってくれ」

「ヴェイト大佐って、どんな奴だ?」

 マッドが訪ねると、グルーは苦笑した。

「あぁ。俺達の知り合いだ。連絡はしておいたから容易く会える筈だよ。そうだね……軍医で真面目な人ではあるかな」

「あと、ヴェイト大佐とは別に不良軍医もいるから、寧ろ不良軍医のほうに気を付けな」

 妙に笑顔で話すグルーと補足で話すアリルにマッド達は何処か不安を覚えた。

「会える筈って……不良軍医ってなんだよ! しかもベルトア大陸なんて海の向こうじゃねぇかよ!」

「大丈夫大丈夫。港町ベルナスから船が出てるから、それに乗るといいよ。お金も用意してあるから」

「え~」

「え~じゃない。ガーネが封印してある所に行くにはベルトア軍の許可が必要なんだよ。あそこは今、ベルトア軍が管理しているからね」

 グルーの言葉に、マッドは顔をしかめつつも剣を腰ベルトに装着し、勢いよく立ち上がった。

「分かったよっ! とにかく、港町に行けば船が出ているんだな?」

「あぁ。君達の旅の健闘を祈るよ」

「どうも。じゃ、行くか皆!」

「うん!」

「はーい!」

「ハァ……」

 マッド達のはしゃぎっぷりに、ウォックは大胆な溜め息をついた。
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