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第八章 護りたい想い
トラメシアの花
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マッドは何処か怯えた様な表情で二人を交互に見ると、身体を丸めて俯いた。
ティミーとウォックに剣を向けた事は事実で、激しい後悔と罪悪感に押し潰されそうになる。
「......その、俺」
「マッド、良いんだよ。大丈夫だから」
震えるマッドの背中をティミーは優しく撫でると、マッドは手に力を込めて自分の腕に爪を食い込ませた。
その手を慌ててティミーは止めると、マッドはポスンと枕に頭を埋め、腕で目を隠し小さく息を吐く。
「本当、何やってんだろうなぁ......俺。レンを追う為にルグート村を出て、ティミーを護るって......誓ったのに」
マッドの声は何処か震えていて、ティミーはマッドの左手を握り、そのまま優しく両手で包み込んだ。
「仕方ないよ。あの時、マッドはサソリの攻撃にやられちゃって......」
「それが原因でお前達を傷付けたと思ってるのか? そうだよな。サソリの攻撃を受けた後から俺、自我が保てなくなって......それで」
マッドは言葉を続けようとするが、次の言葉が喉に引っかかり、喋る事が出来なかった。
そのまま目を閉じると、様子を見ていたヴェイトが二人に近付き、ティミーは顔を上げる。
「ヴェイトさん?」
「それは、お前自身の体質の問題でもあるな」
「体質......?」
「ほら、寝たままでいいから」
無理矢理マッドは身体を起こそうとするも、ヴェイトに押し返されて無理矢理寝かされてしまった。
机の上からカルテを取り出し、少し深刻そうな表情をすると、マッドとティミーは小さく息を呑む。
「そう身構えるな。マッド、お前はな。体内に毒を溜め込みやすいんだ。そして解毒の陽術も効きにくい体質をしている」
「解毒が効きにくい......?」
「サソリと戦った時に毒を予め防ぐ結界術も、解毒陽術も使ったのにお前はサソリの毒にやられていた。今まで解毒陽術のリカバリーションで完全に解毒出来なかった人物はお前だけだ」
ヴェイトの言葉にマッドは呆然とし、ティミーは不安そうにマッドの手を握る。
「解毒が効きにくいって......それじゃ、マッドはまだ毒に侵されているという事ですか?」
「血液の反応を見ると、まだ毒は抜け切っていない。でも、だいぶ良くはなっているよ。それより問題は」
ヴェイトはパタンとカルテを閉じ、静かに眼鏡を外した。
「マッド、お前のその異常な錯乱と暴走だ」
マッドは顔を逸らし、布団を強く握り締める。
しかしヴェイトはマッドの顔を無理矢理向かせ、真剣な表情でマッドを見詰めた。
「目を逸らすな。この事はキチンと説明しておかないと、今後同じ事が起こった時、また今回みたいな事が起きてしまうかもしれないんだぞ」
「分かってる、けどよ......」
マッドの手は震え、呼吸も段々荒くなって来るのが分かる。
その様子を見ていたティミーは、マッドの左手を優しく握った。
「マッド、落ち着いて。大丈夫だから......」
「......うん」
マッドは顔を上げ、ヴェイトに強い視線を向ける。
「教えてくれ。俺の身体、どうなっちまってるんだ......?」
マッドの言葉に、ヴェイトは目を細め、何とも言えない表情を見せた。
「マッド。お前の身体は体内に蓄積した毒を上手く分解出来ない。それもかなり問題があるが、それ以前に別の大きな問題が有る」
「別の問題? 何だよ」
「マッドの血液反応を調べて解った事がある。陽力を構成する組織が全て破壊されていた。陽力って言うのは陽術を使うのに必ず必要な力であり、細胞の一部でも有る。陽力を持たない人間でも、必ず300程度は有る筈の数値なんだ。だがな、その細胞数がゼロなんだよ、お前の場合は」
「破壊、された......?」
ヴェイトの言葉に、マッドは力が抜けた感覚を覚える。
「どう言う事なんだ? それと毒を溜め込みやすい身体に何か関係があんのか?」
「あるさ。この陽力を構成する組織が無いと、体内に直接ねじ込ませる陽術の効果もほぼ無くなってしまう。受け皿が無くなってしまった状態、と言うのが正しいかな」
「受け皿......」
「怪我や出血は何とか治せるけど、毒ばかりはこの陽力の細胞が無いと陽術で解毒が出来ないんだよ。この細胞が全身を巡って、血液に流れ込んだ毒を解毒してくれるんだ。それが効かないから、薬で治していくしかないけどな」
「......えっと」
難しい言葉にマッドとティミーは言葉を詰まらせる。
ヴェイトは少し困った表情で二人を見詰めた。
「すまない、早口になってしまったね。つまり、解毒陽術が効かないから、薬で血液に入り込んだ毒を無くしていかないといけないって事なんだ。治療には少し時間が掛かってしまうけどな」
「そう、なのか」
何処か目を背けようとするマッドに、ヴェイトはそのまま言葉を続けた。
「そしてマッド。お前は陽術が″使えない″んじゃなくて、”使えなくなった″んだろう?」
ヴェイトの言葉に、マッドはビクッと身体を振るわせる。
「やっぱりな。陽術を使えない人間でも、陽力を構成する細胞組織は必ず存在するから。それがゼロって事は、何かしらの理由で陽力を構成する細胞組織が破壊されたからだ。そして、細胞組織を破壊する”毒草″がある」
「毒草......?」
マッドは顔を上げ、ヴェイトを見上げた。
ヴェイトは本棚に向かい、ある一冊の本を取り出し本のページをめくっていく。
その本は、大総統に会う前にこの部屋で待っている時にマッドが偶然見つけた本だった。
「その、本は......」
「様々な薬草と毒草が書かれている調合書みたいなものだ。そしてマッド、お前は以前、この”毒草”を飲んだ事があるだろう?」
ヴェイトに見せられた本のページには、赤い花が映されていた。
その花を見た瞬間、マッドは呼吸が苦しくなり、鼓動が早くなる感覚に息を詰まらせる。
「ち、違う! それは”毒草”なんかじゃ......!」
「大総統に呼ばれた後、部屋に戻った時にお前がこの本を読んで動揺していた事に気が付いていないと思ったか? まさかとは思っていたが、本当に飲んでいたとはな」
状況が読み込め無いティミーは、マッドとヴェイトを交互に見てわたわたしてまった。
「あ、あの、どう言う事なんですか......?」
ティミーが不安そうにヴェイトに聞くと、ヴェイトは本に描かれている花をティミーにも見せて、静かに言葉を吐いた。
「この花の名前は《トラメシア》と言ってな。毒草でもあるんだ」
ヴェイトの言葉にマッドは点滴を剥ぎ取り、勢い良くベッドから起き上がるとヴェイトの胸倉を掴み、そのまま壁に叩きつける様に身体を倒そうとした。
しかしヴェイトはマッドの腕を掴み、そのまま軽く捻り上げる。
軍医と言えど軍人のヴェイトに弱っているマッドの筋力では敵う筈も無く、マッドは小さく唸りながらもヴェイトを強く睨み付けた。
「毒草なんかじゃない! コレは医者の母さんが飲ませてくれた秘薬なんだ!」
怒鳴るように言葉を吐くと、ヴェイトはマッドの腕を掴んだまま静かに言葉を返した。
「確かにトラメシアは秘薬でもある。二十年に一度しか咲かない希少な花だからな。その花を煎じて飲めばどんな病気ですら治す効力があると言われている。治療不可能な後遺症を一生残す代わりにな」
「何だよそれ! 言ってる事全然分からねぇ! 村で伝染病が流行って死にかけてた俺に、母さんがコレで助かるって、あの時俺に飲ませてくれたんだよ! 母さんが悪い事したって言うのかよテメェは!」
マッドは暴れるも、ヴェイトは力を緩める事なくそのまま言葉を続けた。
「トラメシアは強力な毒を秘めている。その毒で病気を治す代わりに陽力を構成する細胞までも破壊してしまうんだ。つまり、このトラメシアを飲んだら陽術が一切使えなくなってしまう。それを分かった上で、お前の母親はトラメシアを飲ませたのだろう」
ティミーとウォックに剣を向けた事は事実で、激しい後悔と罪悪感に押し潰されそうになる。
「......その、俺」
「マッド、良いんだよ。大丈夫だから」
震えるマッドの背中をティミーは優しく撫でると、マッドは手に力を込めて自分の腕に爪を食い込ませた。
その手を慌ててティミーは止めると、マッドはポスンと枕に頭を埋め、腕で目を隠し小さく息を吐く。
「本当、何やってんだろうなぁ......俺。レンを追う為にルグート村を出て、ティミーを護るって......誓ったのに」
マッドの声は何処か震えていて、ティミーはマッドの左手を握り、そのまま優しく両手で包み込んだ。
「仕方ないよ。あの時、マッドはサソリの攻撃にやられちゃって......」
「それが原因でお前達を傷付けたと思ってるのか? そうだよな。サソリの攻撃を受けた後から俺、自我が保てなくなって......それで」
マッドは言葉を続けようとするが、次の言葉が喉に引っかかり、喋る事が出来なかった。
そのまま目を閉じると、様子を見ていたヴェイトが二人に近付き、ティミーは顔を上げる。
「ヴェイトさん?」
「それは、お前自身の体質の問題でもあるな」
「体質......?」
「ほら、寝たままでいいから」
無理矢理マッドは身体を起こそうとするも、ヴェイトに押し返されて無理矢理寝かされてしまった。
机の上からカルテを取り出し、少し深刻そうな表情をすると、マッドとティミーは小さく息を呑む。
「そう身構えるな。マッド、お前はな。体内に毒を溜め込みやすいんだ。そして解毒の陽術も効きにくい体質をしている」
「解毒が効きにくい......?」
「サソリと戦った時に毒を予め防ぐ結界術も、解毒陽術も使ったのにお前はサソリの毒にやられていた。今まで解毒陽術のリカバリーションで完全に解毒出来なかった人物はお前だけだ」
ヴェイトの言葉にマッドは呆然とし、ティミーは不安そうにマッドの手を握る。
「解毒が効きにくいって......それじゃ、マッドはまだ毒に侵されているという事ですか?」
「血液の反応を見ると、まだ毒は抜け切っていない。でも、だいぶ良くはなっているよ。それより問題は」
ヴェイトはパタンとカルテを閉じ、静かに眼鏡を外した。
「マッド、お前のその異常な錯乱と暴走だ」
マッドは顔を逸らし、布団を強く握り締める。
しかしヴェイトはマッドの顔を無理矢理向かせ、真剣な表情でマッドを見詰めた。
「目を逸らすな。この事はキチンと説明しておかないと、今後同じ事が起こった時、また今回みたいな事が起きてしまうかもしれないんだぞ」
「分かってる、けどよ......」
マッドの手は震え、呼吸も段々荒くなって来るのが分かる。
その様子を見ていたティミーは、マッドの左手を優しく握った。
「マッド、落ち着いて。大丈夫だから......」
「......うん」
マッドは顔を上げ、ヴェイトに強い視線を向ける。
「教えてくれ。俺の身体、どうなっちまってるんだ......?」
マッドの言葉に、ヴェイトは目を細め、何とも言えない表情を見せた。
「マッド。お前の身体は体内に蓄積した毒を上手く分解出来ない。それもかなり問題があるが、それ以前に別の大きな問題が有る」
「別の問題? 何だよ」
「マッドの血液反応を調べて解った事がある。陽力を構成する組織が全て破壊されていた。陽力って言うのは陽術を使うのに必ず必要な力であり、細胞の一部でも有る。陽力を持たない人間でも、必ず300程度は有る筈の数値なんだ。だがな、その細胞数がゼロなんだよ、お前の場合は」
「破壊、された......?」
ヴェイトの言葉に、マッドは力が抜けた感覚を覚える。
「どう言う事なんだ? それと毒を溜め込みやすい身体に何か関係があんのか?」
「あるさ。この陽力を構成する組織が無いと、体内に直接ねじ込ませる陽術の効果もほぼ無くなってしまう。受け皿が無くなってしまった状態、と言うのが正しいかな」
「受け皿......」
「怪我や出血は何とか治せるけど、毒ばかりはこの陽力の細胞が無いと陽術で解毒が出来ないんだよ。この細胞が全身を巡って、血液に流れ込んだ毒を解毒してくれるんだ。それが効かないから、薬で治していくしかないけどな」
「......えっと」
難しい言葉にマッドとティミーは言葉を詰まらせる。
ヴェイトは少し困った表情で二人を見詰めた。
「すまない、早口になってしまったね。つまり、解毒陽術が効かないから、薬で血液に入り込んだ毒を無くしていかないといけないって事なんだ。治療には少し時間が掛かってしまうけどな」
「そう、なのか」
何処か目を背けようとするマッドに、ヴェイトはそのまま言葉を続けた。
「そしてマッド。お前は陽術が″使えない″んじゃなくて、”使えなくなった″んだろう?」
ヴェイトの言葉に、マッドはビクッと身体を振るわせる。
「やっぱりな。陽術を使えない人間でも、陽力を構成する細胞組織は必ず存在するから。それがゼロって事は、何かしらの理由で陽力を構成する細胞組織が破壊されたからだ。そして、細胞組織を破壊する”毒草″がある」
「毒草......?」
マッドは顔を上げ、ヴェイトを見上げた。
ヴェイトは本棚に向かい、ある一冊の本を取り出し本のページをめくっていく。
その本は、大総統に会う前にこの部屋で待っている時にマッドが偶然見つけた本だった。
「その、本は......」
「様々な薬草と毒草が書かれている調合書みたいなものだ。そしてマッド、お前は以前、この”毒草”を飲んだ事があるだろう?」
ヴェイトに見せられた本のページには、赤い花が映されていた。
その花を見た瞬間、マッドは呼吸が苦しくなり、鼓動が早くなる感覚に息を詰まらせる。
「ち、違う! それは”毒草”なんかじゃ......!」
「大総統に呼ばれた後、部屋に戻った時にお前がこの本を読んで動揺していた事に気が付いていないと思ったか? まさかとは思っていたが、本当に飲んでいたとはな」
状況が読み込め無いティミーは、マッドとヴェイトを交互に見てわたわたしてまった。
「あ、あの、どう言う事なんですか......?」
ティミーが不安そうにヴェイトに聞くと、ヴェイトは本に描かれている花をティミーにも見せて、静かに言葉を吐いた。
「この花の名前は《トラメシア》と言ってな。毒草でもあるんだ」
ヴェイトの言葉にマッドは点滴を剥ぎ取り、勢い良くベッドから起き上がるとヴェイトの胸倉を掴み、そのまま壁に叩きつける様に身体を倒そうとした。
しかしヴェイトはマッドの腕を掴み、そのまま軽く捻り上げる。
軍医と言えど軍人のヴェイトに弱っているマッドの筋力では敵う筈も無く、マッドは小さく唸りながらもヴェイトを強く睨み付けた。
「毒草なんかじゃない! コレは医者の母さんが飲ませてくれた秘薬なんだ!」
怒鳴るように言葉を吐くと、ヴェイトはマッドの腕を掴んだまま静かに言葉を返した。
「確かにトラメシアは秘薬でもある。二十年に一度しか咲かない希少な花だからな。その花を煎じて飲めばどんな病気ですら治す効力があると言われている。治療不可能な後遺症を一生残す代わりにな」
「何だよそれ! 言ってる事全然分からねぇ! 村で伝染病が流行って死にかけてた俺に、母さんがコレで助かるって、あの時俺に飲ませてくれたんだよ! 母さんが悪い事したって言うのかよテメェは!」
マッドは暴れるも、ヴェイトは力を緩める事なくそのまま言葉を続けた。
「トラメシアは強力な毒を秘めている。その毒で病気を治す代わりに陽力を構成する細胞までも破壊してしまうんだ。つまり、このトラメシアを飲んだら陽術が一切使えなくなってしまう。それを分かった上で、お前の母親はトラメシアを飲ませたのだろう」
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