無能と追放された俺、死にかけて覚醒した古代秘術を極めて最強になる

仲山悠仁

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1章 追放

06 冒険者登録

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隣町のギルドの前に立つと、胸の奥がじんわりと熱くなった。

昨日まで“無能”と呼ばれていた――
その俺が、今はここに立っている。

「……さぁ行くか」

扉を押し開けると、賑やかな声と酒の匂いが一気に流れ込んできた。

木製のテーブル。
依頼書が貼られた掲示板。
冒険者たちの笑い声。

その奥に――受付カウンターがあった。

「冒険者登録の方は、こちらへ!」

明るい声に導かれ、列に並ぶ。

俺の前には、炎のように鮮やかな赤髪を揺らす少女が立っていた。

背は俺より少し低い。
腰にはショートソード。
新人らしい軽装レザー。
金色の瞳が強気に輝いている。

(……きれいな髪色だ)

少女は書類を握りしめながら、そわそわと落ち着かない様子だった。

「次の方、こちらへどうぞ」

受付嬢に呼ばれ、少女が前に進む。

「フレア・イグナイトさんですね。
 私は受付のミーナと申します。
 それでは魔力測定から行います」

フレアは水晶に手を置く。

水晶が淡く光り、ミーナが微笑む。

「魔力量は“Dランク相当”ですね。
 新人としては十分ですよ。
 ただし、登録ランクは規定によりEからのスタートになります」

「……ふぅっ。
 まぁ、当然の結果よね。
 私、魔力量だけは自信あるんだから……!」

胸をなでおろしたフレアは、ほっとしたように笑った。
その笑顔は、炎のように明るかった。

そして――俺の番が来る。

「では、手を置いてください」

俺が水晶に触れた瞬間、水晶は――無反応。

「……やっぱり」

ミーナ「……あれ? もう一度お願いしますね」

フレアが振り返る。

俺はもう一度手を置く。

次の瞬間――

バチィッ!!

水晶が眩しく光り、粉々に砕け散った。

「キャッ!」

ミーナの悲鳴がギルドに響く。

ギルド中が静まり返る。

「……すっ……すみません……弁償しますので……」

俺は深く頭を下げた。

「い、いえ……弁償は結構です……そんなことより……測定不能……?」

沈黙が、ざわめきへと変わる。

「測定不能だって!?」
「そんなの聞いたことねぇぞ!」

ミーナは砕けた水晶を見つめながら、震える声で言った。

「アレックスさん……その……測定不能です。
 本来なら魔力量に応じてランクを決めるのですが……
 測れない以上、規定により暫定でFランクからのスタートになります」

周囲がざわつく。

「いや、あれ絶対Fじゃねぇだろ……」

ミーナは困惑しつつも、俺を見つめた。

「Fランクは最低ランクですが……
 アレックスさんの場合は“測れない”だけですので、
 実力次第で早期昇格も可能です。
 むしろ……その……期待しています」

その時――
赤髪の少女が、俺の横に歩み寄ってきた。

フレア「……あんた、何者?
 べ、別に興味があるわけじゃないけど……
 その……ちょっとだけ気になっただけ!」

強気な目。
でも、頬はほんのり赤い。

「俺にも……分からないんだ」

フレアはそっぽを向きながら、小さく呟く。

「ふ、ふん……!
 新人のくせに調子乗らないでよね。
 ……でも、その……」

最後が小さすぎて聞こえなかった。

「ごめん、最後なんて言ったんだ」

フレアは口を膨らませ、睨みつけてくる。

「……だからっ……すごいって言ったの……!」

ミーナが依頼書を差し出す。

「アレックスさん、フレアさん。
 ちょうど新人向けの依頼があります。
 薬草採取ですが、魔物も出るので二人で行くのをおすすめします。
 あとアレックスさん、武器は鍛冶屋で購入してくださいね」

フレアがビクッと反応する。

「べ、別に……あんたと組みたいわけじゃないけど!
 新人同士だし……その……ちょっと興味があるっていうか……!」

俺は思わず笑ってしまった。

「よろしく頼むよ、フレア」

「もうっ……! な、なんで笑うのよ!」

綺麗な赤髪が揺れた。

こうして――
俺とフレアの初めての依頼が始まった。

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