追放された無能の俺、死に際に古代秘術に目覚め仲間と共に世界最強のパーティを目指す

仲山悠仁

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2章 騎士団学校

28 寮生活開始と気づき始めた思い(フレア視点)

女子寮の廊下は静かで、どこか甘い香りが漂っていた。
私は自分の部屋の前に立ち、そっと深呼吸をする。

(……緊張する。でも、二人なら……大丈夫)

扉を開けると、
リリアとルーナがこちらを振り向いた。

「フレアさん。いらっしゃい。今日から同室ですね」

リリアが柔らかく微笑む。
その笑顔を見るだけで、胸の緊張がふっとほどけた。

「フレアさん……! また会えて……う、嬉しいです……」

ルーナが小さく手を振る。

(……二人が同室でよかった)

「二人とも……よろしくね」

「もちろんです。こちらこそ二年間よろしくお願いします!」

ルーナもこくりと頷いた。

「うん……! フレアさんと一緒、安心します……」

胸がじんわり温かくなる。

---

荷物を置くと、リリアが丁寧に寮の説明をしてくれた。

「浴場は一階で、洗濯室はその隣です。
 女子寮の食堂はこの建物の奥にあります。
 男子寮とは別なので、落ち着いて過ごせますよ」

ルーナが控えめに補足する。

「よ、夜は……少し冷えるので……気をつけてください……」

「ありがとう、ルーナ」

「う……うん……!」

ルーナは照れながらも嬉しそうだった。

---

夕食を終え、荷物の整理もひと段落したころ。
リリアが声をかけてくれた。

「そろそろ入浴の時間ですね。三人で行きましょうか」

浴場に入ると、湯気がふわっと立ちこめていて、
他の女子たちの笑い声が遠くから聞こえてきた。

私は少し緊張しながら髪をほどく。

「フレアさん、髪……本当に綺麗ですね」

リリアが優しく微笑む。

「えっ……そ、そんな……普通だよ……」

「普通じゃないです……」
ルーナが小さな声で言う。
「フレアさんの髪……光に当たると、すごく綺麗……」

「そ、そうかな……?」

リリアが微笑ましそうに二人を見ている。

「フレアさんは、誰に対しても優しいですからね。
 ルーナが懐くのも当然です」

「そ、そんなこと……」

私は慌てて否定するけれど、
胸の奥がじんわり温かくなる。

---

湯船に浸かると、ルーナがぽつりと話し始めた。

「……フレアさんって……アレックスさんと一緒にいる時……なんか……楽しそう……」

「えっ!? な、なに急に……!」

「だって……街で助けてもらった時……二人、息ぴったりで……」

リリアが静かに頷く。

「確かに。アレックスさんは、フレアさんのことをとても大切にしているように見えました」

「ちょ、ちょっと待って……! そんな……!」

私はお湯からバシャッと手を出して、慌てて振った。

ルーナが慌てて謝る。

「ご、ごめんなさい……! でも……気になって……」

「ルーナは素直なんですよ」
リリアが優しくフォローする。
「それに……フレアさんの話になると、アレックスさんの表情が変わるのは事実ですし」

「へっ……?」

「柔らかくなるんです。とても」

「そ、そんなの……気のせい……」

言いながら、胸が熱くなる。

リリアが湯に肩まで浸かりながら、穏やかに言う。

「フレアさん。
 大切な人のことを考えると、胸が温かくなったり、苦しくなったりします。
 それは……とても自然なことですよ」

「……っ」

ルーナが小さく微笑む。

「フレアさん……アレックスさんの話してる時……ちょっと嬉しそう……」

「う、嬉しくなんて……!」

顔が熱くてたまらなかった。
色んな意味で、のぼせそうだった。

---

入浴を終えて部屋に戻り、
それぞれベッドに入ったところで、リリアが静かに口を開いた。

「フレアさん。さっきの続きですが……好きな人はいますか?」

「い、いないってば……!」

ルーナが布団からひょこっと顔を出す。

「で、でも……フレアさんは……アレックスさんのこと……考えると……顔、赤くなってます……」

「ルーナ……!」

リリアが優しく笑う。

「フレアさん。
 この人に触れられたいとか、この人のそばにいると落ち着くとか……
 そう思うなら、それは“好き”ということですよ?」

胸がぎゅっと締めつけられた。

(アレックスのことを考えると……胸が苦しい。
 これが“好き”ってこと……なの?
 わたし……アレックスのこと……好き……?)

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