BL異世界溺愛シリーズ『異世界ルーヴル』

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【第四章 プレイボーイと噂された公爵令息は、年下の王子殿下に溺愛される】

第3王子

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「彼は、先王の息子である第11王子の息子です」


「そういや、子供の頃は王子がいっぱいいたな。で? 何で、その息子がここにいるんだ? 第11王子って言えば、市井に下ってあきないをしていたはずだろ?」


「それが、12年前に元王子が商売をしていた店で火事がありまして──フェイ殿下は、たまたま近所に遊びに行っていて助かったのですが、元王子とその奥様は、その時にお亡くなりになりました」


「……」


「スミス様、この髪色を見て何か思い出しませんか?」


「髪色──あ、もしかして副団長の事件の時の子か?」


「はい。あの日、奴隷商に誘拐され、城に保護されたと見せかけて、副団長に監禁されていたのが、ここにいるフェイ殿下だったのです」


「じゃあ、引き取ったんだな? 王家が」


「ええ。髪色が珍しく、また誘拐されてしまうかもしれないのと、殿下がオメガ性でいらっしゃいますので、孤児院にいては、そのうち暮らしづらくなるだろうと、陛下がそう仰いまして……」


「オメガ性って、俺の親友ぐらいかと思ってたよ」


「王弟殿下の奥様──クリス妃ですね? 聞きおよんでおります。今の時代、オメガ性は少ないですからね。そういう方が傍にいれば、殿下も少なからず、心強いことでしょう」


「で? 話が戻るけど、何で穴を掘ってるんだ?」


「それは、その──近々、植林の予定があるので、先に穴を掘っていたんです。昨日、殿下とクリス様で掘っていらっしゃいましたから……」


「久々に城に来たら、こんな──俺は公爵家で公爵の仕事だけしていたいんだが」


「それは、陛下に言ってください。それに、狭い中庭を突っ切る貴族なんて、いるとは思わないじゃないですか」


「……」


 俺が閉口していると、水色の髪をした青年──フェイ殿下が、俺へ手を差し出していた。長い前髪と肩まで伸びた髪で顔が隠れていて、今まで顔がよく分からなかったが、手を掴まれて引っ張り上げられる時になって、彼が美人であることに、ようやく気がついた。


「なんだ、クリス以上に美人だな」


「ちょっと、ちょっと。殿下に触れないでくださいよ? 婿入り前なんですから」


「え──あ、ああ」


 フェイ殿下は、水色のハンカチをポケットから取り出すと俺に差し出していた。前髪から覗く綺麗なアメジストの瞳に見つめられ、俺は子どもの前で何をやっているのだろうと、少し恥ずかしくなった。


「ありがとな」


「──はい」


 俺はそのハンカチでズボンの泥を払うと、そのまま執務室へ向かったのだった。


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