BL異世界溺愛シリーズ『異世界ルーヴル』

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【第六章 騎士団長である侯爵令息は年下の公爵令息に辺境の地で溺愛される】

辺境の地

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 私達は王命で辺境の地へ来ていた。


 『サクフォン伯爵』


 それが、私達が新しく仕えることになったあるじの名だった。私達と言ったのは、部下のユリウスがいたからで――騎士団副団長のユリウスは何故か私をすごく慕ってくれていて、今回も団長である私についてきてくれていた。


 そもそも私がヘマをしなければ、私達が辺境の地へ来ることはなかっただろう……。私はつい先日、第5王子からの求婚を断ってしまっていた。


 第5王子の専属護衛を務めていた私は、彼の好意に気づいていたものの、まだ12歳だからと、たかをくくっていた。彼の婚約の申込みにあまりいい顔をしなかっただけで、「もう二度と会いたくない」と言われてしまったのである。もちろん、専属護衛も解任だ。


「団長ぉ、まだ着かないんすかね」


「ああ、もう少しだろう。頑張れ」


「ういーす」


 まだ雪が少し残る山道を二人で歩いていた。昨年、第3王子であるハリス殿下が辺境伯の息子に婿入りしていて、そのハリス殿下の護衛の役割を担うと共に、『辺境伯領内部調査』という密命を受けていた。


 サクフォン伯爵は一筋縄でいかない方らしく、国王が最も警戒している人物の一人である。


 私達は、そんな辺境伯に仕えることになったいわば『スパイ』だ。第3王子は我がままだという噂だし、まだ屋敷に着いていないのに、これからの事を考えるとなんだか疲れてしまう。


「団長、やっぱり休みましょう。顔色悪いですよ」


「そうだな。少し、休むとするか」


 途中にある宿屋で休みながら来た私達だったが、ユリウスの提案で木陰で休むことになった。木に寄りかかると、ユリウスは自分の膝の上を叩いていた。どうやら膝を貸してくれるらしい。


「いいのか? ありがとう」


 横になった私は、気持ちの良い風に吹かれて、いつの間にか眠ってしまっていた。目が覚めると、だいぶ日が傾いていた。


「ユリウス、起こしてくれたらよかったのに」


「団長が、あんまり気持ちよさそうに眠ってたんで、起こすのが忍びなかったんですよ」


「ありがとう。今度、お詫びとお礼をするからさ――何か考えておいてくれよ」


「マジっすか。やった!」


「あまり、高くないので頼むよ」


 私は侯爵家の5男だが、騎士になった時に独立したので、今はしがない国の兵士である。はっきり言って、給料もそんなに高くはない。


「分かってますって……」


 満面の笑みで張り切って歩くユリウスを見て、少し心配になったのだった。


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