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【第五章 辺境伯爵令息は婚約者である王子殿下を溺愛する】
プロポーズ※
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朝になってベッドから起き上がると、自分の身体についたキスマークの数に驚いた。レオンハルト様をベッドに残したまま湯浴みを済ませて部屋へ戻ると、レオンハルト様は既に着替えていて、眉間にしわを寄せながら私に言った。
「ハリス殿下が見つかったそうだ」
「えっ……」
「もうすぐここへ来るらしい」
「そ、そうですか……」
私は急に態度を変えて戻ってきたハリス殿下に、苛立ちのようなものを感じていた。着替え終わったタイミングでノックする音が聞こえてドアを開けると、ドアの向こうにはトルネスさんとハリス殿下らしき人と護衛騎士が立っていた。
「やっほー。レオ、久しぶり。元気してた?」
レオンハルト様は顔に手を当てると、猫を追い払うかのようにハリス殿下を手で追い払った。
「お前ら出てけ」
「ひどい言い方」
「そんなこと言って──結局は、みんなグルだったんだろう?」
「え?」
私が話についていけずにいると、トルネスさんが言った。
「外へ出て話しませんか?」
※※※※※
中庭の一角に東屋があり、そこにハリス殿下とレオンハルト様が向かい合う形で座った。当事者である私もレオンハルト様の隣に座らせてもらう。
「……つまりは、トルネスさんも殿下の企みを、ご存知だったのですね」
「申し訳ありません」
トルネスさんは、地面に平伏しながら謝っていた。
「やめてください。そんな事をされても困ります」
私はトルネスさんを立ち上がらせると、ハリス殿下を睨んだ。弟かもしれないハリス殿下と私は、髪型から服装まで瓜二つだった。
「それで、どうしてこんな事になったんですか?」
「私は、騎士のミハエルを愛している。だったら、兄上に婿入りしてもらったほうが、よっぽど双方にとって良いのではないかと思ってね」
ハリス殿下は肩をすくめる仕草をして、いたずらっぽく笑った。レオンハルト様が、眉間にしわを寄せながらハリス殿下を睨んでいた。
「途中から、貴方の企みではないかと思っていましたが──やりすぎです。殿下、エドワード様に謝ってください」
「兄上、申し訳なかった」
「私は、君の兄ではない」
「それで、兄上に一つ提案があるのですが――私達、入れ替わりませんか?」
「はぁ?」
「殿下、この期に及んで何を仰るのです?」
「私に、辺境伯に婿入りしろということでしょうか? それは、レオ様に対してあまりにも失礼ではありませんか? 私で済ませようなんて……。いいわけがありません」
「失礼なの? レオンハルト?」
「私は──エドワードに来てほしいと思っている」
「……」
レオンハルト様の言葉に、私は固まってしまう。
「私は運命なんか、信じていなかった。いや、今でも信じていない。でも、君は私の運命だと思う」
「……」
「何度でも言おう。私と一緒に辺境伯領へ行って欲しい。結婚してくれ」
そう言うと、レオンハルト様は頭を下げながら手を差し出した。
「……」
私は差し出された手を掴むことが出来ないまま、ハリス殿下と護衛騎士のミハエルを見上げた。ミハエル様は微笑んでいたが、ハリス殿下は不敵な笑みを浮かべていた。私は差し出された手を、そっと掴んで言った。
「お気持ちは嬉しいのですが、やはりここは──王族が自分の責務を果たすべきではないでしょうか?」
「兄上……」
「エドワード様……」
空気を読めば、私が辺境伯へ行った方がいいのは分かっていた。だが、釈然としないものがあるのも事実だ。私は深呼吸をすると、自分自身を見つめ直し、言葉を選びながら言った。
「でも、王族とか辺境伯とか全部抜きで考えたら、私もレオンハルト様の事が好きです。本当はレオ様と一緒にいたい……」
「……」
「レオ様を愛しています」
私が顔を赤らめながら必死にそう言うと、レオンハルト様は傍に来て私を抱きしめた。
「愛している」
「わたしも愛しています」
二人でキスをしていると、後ろから咳払いが聞こえた。
「兄上、良かったね。父上の説得は僕に任せてくれて大丈夫だからね!! お幸せに」
「!!」
レオンハルト様は、私の頬を撫でると再び抱きしめてきた。
「結婚は、良いことばかりではないだろう。だが、私の傍にいて共に生きて欲しい」
「はい。お傍におります──いつまでも、ずっと」
私はレオンハルト様を抱きしめ返した。そして、どちらからともなく唇を重ね合わせたのだった。
「ハリス殿下が見つかったそうだ」
「えっ……」
「もうすぐここへ来るらしい」
「そ、そうですか……」
私は急に態度を変えて戻ってきたハリス殿下に、苛立ちのようなものを感じていた。着替え終わったタイミングでノックする音が聞こえてドアを開けると、ドアの向こうにはトルネスさんとハリス殿下らしき人と護衛騎士が立っていた。
「やっほー。レオ、久しぶり。元気してた?」
レオンハルト様は顔に手を当てると、猫を追い払うかのようにハリス殿下を手で追い払った。
「お前ら出てけ」
「ひどい言い方」
「そんなこと言って──結局は、みんなグルだったんだろう?」
「え?」
私が話についていけずにいると、トルネスさんが言った。
「外へ出て話しませんか?」
※※※※※
中庭の一角に東屋があり、そこにハリス殿下とレオンハルト様が向かい合う形で座った。当事者である私もレオンハルト様の隣に座らせてもらう。
「……つまりは、トルネスさんも殿下の企みを、ご存知だったのですね」
「申し訳ありません」
トルネスさんは、地面に平伏しながら謝っていた。
「やめてください。そんな事をされても困ります」
私はトルネスさんを立ち上がらせると、ハリス殿下を睨んだ。弟かもしれないハリス殿下と私は、髪型から服装まで瓜二つだった。
「それで、どうしてこんな事になったんですか?」
「私は、騎士のミハエルを愛している。だったら、兄上に婿入りしてもらったほうが、よっぽど双方にとって良いのではないかと思ってね」
ハリス殿下は肩をすくめる仕草をして、いたずらっぽく笑った。レオンハルト様が、眉間にしわを寄せながらハリス殿下を睨んでいた。
「途中から、貴方の企みではないかと思っていましたが──やりすぎです。殿下、エドワード様に謝ってください」
「兄上、申し訳なかった」
「私は、君の兄ではない」
「それで、兄上に一つ提案があるのですが――私達、入れ替わりませんか?」
「はぁ?」
「殿下、この期に及んで何を仰るのです?」
「私に、辺境伯に婿入りしろということでしょうか? それは、レオ様に対してあまりにも失礼ではありませんか? 私で済ませようなんて……。いいわけがありません」
「失礼なの? レオンハルト?」
「私は──エドワードに来てほしいと思っている」
「……」
レオンハルト様の言葉に、私は固まってしまう。
「私は運命なんか、信じていなかった。いや、今でも信じていない。でも、君は私の運命だと思う」
「……」
「何度でも言おう。私と一緒に辺境伯領へ行って欲しい。結婚してくれ」
そう言うと、レオンハルト様は頭を下げながら手を差し出した。
「……」
私は差し出された手を掴むことが出来ないまま、ハリス殿下と護衛騎士のミハエルを見上げた。ミハエル様は微笑んでいたが、ハリス殿下は不敵な笑みを浮かべていた。私は差し出された手を、そっと掴んで言った。
「お気持ちは嬉しいのですが、やはりここは──王族が自分の責務を果たすべきではないでしょうか?」
「兄上……」
「エドワード様……」
空気を読めば、私が辺境伯へ行った方がいいのは分かっていた。だが、釈然としないものがあるのも事実だ。私は深呼吸をすると、自分自身を見つめ直し、言葉を選びながら言った。
「でも、王族とか辺境伯とか全部抜きで考えたら、私もレオンハルト様の事が好きです。本当はレオ様と一緒にいたい……」
「……」
「レオ様を愛しています」
私が顔を赤らめながら必死にそう言うと、レオンハルト様は傍に来て私を抱きしめた。
「愛している」
「わたしも愛しています」
二人でキスをしていると、後ろから咳払いが聞こえた。
「兄上、良かったね。父上の説得は僕に任せてくれて大丈夫だからね!! お幸せに」
「!!」
レオンハルト様は、私の頬を撫でると再び抱きしめてきた。
「結婚は、良いことばかりではないだろう。だが、私の傍にいて共に生きて欲しい」
「はい。お傍におります──いつまでも、ずっと」
私はレオンハルト様を抱きしめ返した。そして、どちらからともなく唇を重ね合わせたのだった。
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