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伯爵令息になった第8王子は、魔族の次期領主に溺愛される
魔族領での手当て
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それからというもの、ファビエルくんは僕のところへ時々遊びに来ていた。けれど、大きくなるにつれて来なくなってしまい、会うのは10年ぶりだった。久しぶりの再会に、嬉しいと思いつつも、僕はどう接したらいいのか分からずに困り果てていた。
「ケガしてるの?」
「あ、いや。大丈夫だよ、護衛もいるし」
「何処にいるんだ?」
僕は雨が降り荒れる中、護衛が走り去った森の中を探すように見ていた。
「手当が先だ。行こう」
ファビエルくんは溜め息をつくと、僕をお姫様抱っこした。突然の浮揚感に戸惑いながらも、僕はファビエルくんの首にしがみついた。
「待って──飛んでるの?」
「少し急ぐぞ。恐ければ、目を瞑っててくれ」
ファビエルくんに、しがみついていた僕だったが、風を切る音が凄くて怖くなり、途中からは本当に目を瞑っていた。
「着いたぞ」
ファビエルくんの声に目を開けると、天蓋付きのベッドのそばに立っていた。ベッドに腰掛けると、ファビエルくんは僕の腫れている足に、薬を塗ってくれた。すると、腫れが引いたばかりか、ほとんど痛みは無くなっていた。
「うわっ、すごいね」
「良い薬草を使っているからな。ケガをしてもすぐに塗れば、たいていの傷はよくなる。悪いが、これを着てくれ」
手渡された衣服は、上質な布で作られていたが、1つだけ問題があった。
「ワンピース? 何だか聖職者が着る衣服みたいだね」
僕はヒラヒラしたスカートの裾が、くるぶしまである服を眺めながら言った。女性が着るような服に見えなくもない。
「すまない。それを着ていれば、俺の客だと分かるから、失礼な扱いはされないはずだ」
僕は魔族同士での階級差別が激しいという話を思い出していた。
「分かった。城にいる間は、これを着るよ」
「レイル伯爵へは遣いを出したが、来るまでに時間がかかるだろう──ゆっくりしていってくれ」
「ありがとう。迷惑をかけてごめん。迎えが来たら、すぐに帰るから」
「いや、いいんだ。ずっと@!&#§」
「ごめん。最後は魔族語? よく聞き取れなかったよ」
「今日は疲れただろう? 明日、皆に紹介するから、ゆっくり休んでくれ。おやすみ、リューン。良い夢を」
ファビエルくんは、そう言うと僕の額にキスをした。魔族では当たり前なのかなぁ? 友達同士で額にキスをするの。
僕は何も聞けずに、出された食事を食べると、ベッドに入って眠りについたのだった。
「ケガしてるの?」
「あ、いや。大丈夫だよ、護衛もいるし」
「何処にいるんだ?」
僕は雨が降り荒れる中、護衛が走り去った森の中を探すように見ていた。
「手当が先だ。行こう」
ファビエルくんは溜め息をつくと、僕をお姫様抱っこした。突然の浮揚感に戸惑いながらも、僕はファビエルくんの首にしがみついた。
「待って──飛んでるの?」
「少し急ぐぞ。恐ければ、目を瞑っててくれ」
ファビエルくんに、しがみついていた僕だったが、風を切る音が凄くて怖くなり、途中からは本当に目を瞑っていた。
「着いたぞ」
ファビエルくんの声に目を開けると、天蓋付きのベッドのそばに立っていた。ベッドに腰掛けると、ファビエルくんは僕の腫れている足に、薬を塗ってくれた。すると、腫れが引いたばかりか、ほとんど痛みは無くなっていた。
「うわっ、すごいね」
「良い薬草を使っているからな。ケガをしてもすぐに塗れば、たいていの傷はよくなる。悪いが、これを着てくれ」
手渡された衣服は、上質な布で作られていたが、1つだけ問題があった。
「ワンピース? 何だか聖職者が着る衣服みたいだね」
僕はヒラヒラしたスカートの裾が、くるぶしまである服を眺めながら言った。女性が着るような服に見えなくもない。
「すまない。それを着ていれば、俺の客だと分かるから、失礼な扱いはされないはずだ」
僕は魔族同士での階級差別が激しいという話を思い出していた。
「分かった。城にいる間は、これを着るよ」
「レイル伯爵へは遣いを出したが、来るまでに時間がかかるだろう──ゆっくりしていってくれ」
「ありがとう。迷惑をかけてごめん。迎えが来たら、すぐに帰るから」
「いや、いいんだ。ずっと@!&#§」
「ごめん。最後は魔族語? よく聞き取れなかったよ」
「今日は疲れただろう? 明日、皆に紹介するから、ゆっくり休んでくれ。おやすみ、リューン。良い夢を」
ファビエルくんは、そう言うと僕の額にキスをした。魔族では当たり前なのかなぁ? 友達同士で額にキスをするの。
僕は何も聞けずに、出された食事を食べると、ベッドに入って眠りについたのだった。
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