【R18】蜜を求める牢獄

ロマネスコ葵

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第ニ章 もう一人のヒーロー。

21 危ない人。 ※

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 聞こえていないのか、何も反応が無い。

「あっ……んふっ……じゅる、じゅるる……」

 あれ……女性の声?
 じゅるって音は? なんだか怖くなってきた。
 私は逃げるように布団を被り、少し隙間を空けて観察をする。

「はぁ……はぁ……ルーツ様……とても美味しいです……。わたくし幸せですわ……」

 ルーツ様って――。
 まさか、ここはルーツの部屋……!? なんで私がここに? 私は元々ベルと抜け出して、一緒に酒場に行った。――その後は??
 そういえば、ルーツにバレたんだった。そこからは……? 私は――、そうだ……確かルーツに操られたんだ。そっから記憶が無い。
 気絶させられて連れて行かれたか、もしくは記憶を消す魔力でも使われたか。そんな魔力を持っているとは思えないけれど、操れるのだから可能性はあるのかな。
 どうしよう。その時はもう真っ暗だったから、もう一日が経っているという事で合ってるかな? 

 ベルは、無事なのかな。
 まさかベルを処刑したりなんか、していないよね……? 弟なんだから、流石にそこまでは。これは私の偏見になるのかな。彼らの中で兄弟愛というものは存在しないのかな。

 どうか、無事でいて――――……。


「はぁっ、はぁ……! 凄い、沢山……! 嬉しいですわ……ルーツ様! んふっ……じゅるる」

 女性の猫なで声のようなものはいつになっても終わりがみえない。
 まさか、噂の奉仕作業をルーツにしているの……? もう、そうとしか思えなくて手も足も出ない。どうしよう、どうしよう……! なんでこんな事をしているの!?


「んっ……今日もありがと。でもね、君は今日で最後なんだ」
「ふぇっ……!? 今、何と??」
「この仕事は別の娘に任せることにしたんだ。だから君はもうおしまい。新しい勤務先なら既に決まっているよ」
「はっ……??」

 別の娘って、まさか。私。
 私は心の赴くままにベッドから飛び上がった。

「っ……お、お言葉ですが!! ルーツ兵長……!」

 精一杯の気持ちを込めて一言。彼の座る椅子まで歩み寄る。心臓が痛いくらいドキドキしているけれど、こういう事はしっかり話さないと――

「ひゃっ……」

 椅子の背もたれを超えてルーツと女性の姿が映り、声が出る。ルーツは燕尾服のようなものを着用しながらも、股を開きズボンは履いたままチャックを外していた。
 その上から覆い被さるように、メイドらしきお姉さんが口いっぱいにルーツの物を頬張っていた。
 唖然……。二人の邪魔するようだけれど私は自分の思いを口にした。

「わ、私、は、その仕事につきましては辞退させて頂きます……。も、もっと私にとってできる事があると思いますので、ご迷惑おかけしますが……ぜひ、その……別のものをご紹介いただければと思いまして……!」

 先程の威勢はどこへ行ったのか。自分自身もよく分かっていない。生まれたての子鹿のように足が震える。そして両手で目を押さえて、隙間から彼らを見た。

「だから~。そういうの無いから」
「でしたら! 彼女の新しい勤務先にお伺いに行ければと思います……!」
「君にはそれが務まらないの。分かってくれないかい?」

 私の提案に拒みながらも、「ほら、もういいから」と、メイドの額を押して自分の物から引き離す。今まで彼女の口に包まれていた肉棒は、先端が赤く染まっていて真っ直ぐと伸びていた。メイドは顔を赤らめながらも、すぅーっと肉棒の臭いを吸い込んでいるように見えた。

「はうっ……失礼ですが、こんなのおかしいです。こ、このメイドさんもどうかしてますっ……! 第三者がいる前で、なんてはしたない」
「なんですって!?」

 メイドが気持ちを露わにして、眉を顰めつつ怒涛の表情を浮かべながら立ち上がる。

「ルーツ様! 彼女はルーツ様の元で働ける事に喜びさえも感じない、ましてや拒んでおります。そんな方が私以上に務まると申しますか?!」
「彼女は新人なんだ。少しくらい許してあげないと。君はもうベテランだろう? 何ヶ月この仕事してきたの。いい加減に昇格しないとと思ってね」
「そんな!! 私は昇格など望んでおりません……! 私は貴方の事をお慕いしているのです。どうか貴方の傍にいさせてください」

 ルーツはクククッ……と黒い笑みを浮かべつつ、メイドを振り払うように指を右に向けた。するとメイドは右へ周り、出口の扉らしきものへと向かい始める。

「なっ……私を操らないでくださいまし……! ルーツ様、ルーツ様っ……!!」
「ねぇ、626番さん。君もいつかはこうなるんだよ。見習いなさい」

 見習うもんですか。そう心に誓った時だった。
 何故、このメイドはルーツに対してここまで慕っているのだろう。朝から下半身を舐めさせられて、なんて酷い。
 ――でも、私もベルにだったら喜んでやったのかな……? とも思う。

「誰が、見習うもんですか! 貴方はベルさんと違って優しくもないし……とても良い人だと思えません! そんな人の言うことを誰が聞くとでもっ……!!」

 そう言うと、メイドが部屋を後にして二人きりになった時に、ルーツは自分のチャックを閉めて立ち上がった。
 背は向けたまま、顔だけを私に向ける。

「ふむ……。つまり、優しくすればいいの?」
「なっ……!」

 その、言葉の綾をすり抜けるような言い草は何となくベルに似ているような気がした。

「さ、優しくしてあげるから、僕と気持ちよくなろっか? 三日も眠ってたんだ。流石に溜まってきてるんじゃない?」
「えっ……み、三日も!? 嘘……!!」
「ほんとさ」
「待って! せ、戦争は? 飛空船とやらはどうなったのでしょう? それにベルは!? 貴方は兵長なのでしょう? こんな事をしている場合では」
「僕は今まで牢務管理も担当していたからここから離れるわけにはいかない。本当に必要になった時だけ参加するのさ。今はまだその時じゃない」

 とは言えど……。なんとなく、今後は兵士になる受刑者達の世話をするのはルーツなのでは? と思っている自分がいる。
 忙しいはずなんだけれど、どうして余裕があるのだろう。誰かに仕事を押し付けているのかな……?

「626――否、キラさんを癒してあげる時間ぐらい作れるよ?」
「っむ……! け、結構です……! そんなの必要ございません。早く私を元の場所に帰して!!」
 
 私が拒み続けると、ルーツは子供のようにムッ……と不貞腐れたように唇を瞑った。その、ムッとした表情はどことなくベルと似ている気がする。蒼髪バージョンのベルというべきか……。
 私が否定しやすいのも、どことなくベルの面影を感じつつあるからだろうか。
 ――ああ、もう……早くベルに会いたい。

「キ~ラ~さん。どうしたら言うこと聞いてくれる?」
「私は……貴方のお兄さんの話しか聞きませんっ! ちょっ……これ以上、近づかないでください!」
「む。優しくすればそうやってつけ上がっちゃうんだなぁ。やっぱり僕にはこういうの向いてないのかな」

 私の方に歩み寄ってくる度に、私は後ろへと徐々に下がった。

「きゃっ」

 ついにベッドまで戻って来てしまい、脚をぶつけて転倒する。後ろからベッドに飛び込み、腕を使って起き上がるけれどもう手遅れで。ルーツが私にのしかかってきた。

「んー……兄さんはどうやって魔力を使わずに、君を惑わす事ができたんだろう? コスパ良いよなぁ~。――ま、いいか。僕は遠慮なく使いますか……」

 私に催眠をかけるかのように、人差し指を向けて円を描いた。それをゆっくりと何周もさせる。

「あ……あ……っああっ……!」
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