2 / 7
2
しおりを挟むと、二つ返事でポロリとチャックを下に降ろそうとしたのです。
「ちゃんと、あーんして口いっぱいに頬張ってね?」
「おいおいおい待て!!」
「ん? 何だよ兄さん。彼女が欲しがってるんだから答えてあげないと」
待て待てと止めたのは、この中で一番まともっぽそうな兄のべルナード・アイビーさん。兄弟二人は、顔面レベルMAXの超イケメン盗賊で尋常ではない強さをお持ちなのです。
ボサッとした黒髪で凛とした目つきの赤目、そして多少色黒でバランス良く筋肉があります。それがべルナードさん。
しかしルーツリアさんは、べルナードさんとは反対でサラサラとした髪に青く滑らかな艶をお持ちです。どこでお手入れをしてるのでしょうか……。前髪は長く右目が隠れています。兄と同じで赤目の持ち主ですが少々タレ目です。そして筋肉は……ほぼ皆無。色白の超細身なのです。
二人とも同じ黒のスカーフを首に巻いていて、更に黒のマントを羽織っておりました。ベルナードさんはマントのみで胸元は包帯で巻きつつ後は半裸状態。割れた筋肉をお持ちなので褐色かつ筋肉が好きな人は見惚れてしまうかもしれません! 下は足の皮膚と同化したかのようにぴっちりとした黒のスキニーパンツに、膝下まである紺のブーツを履いています。ルーツリアさんも同じく。半裸ではありませんでしたが、代わりに白シャツを着ていました。
ルーツリアさんに関しては、一見、爽やかな王子様だと騙される人々が相次ぐ事でしょう……。でも、でもでもでも……!!
「このルーツって人……すごくエッチなのです……!!」
その時はリリアは思わず声に出してしまいました。
まさか、リリアの初のごっくんするお相手がこの人になってしまうんじゃないかと震えが止まりませんでした。だってリベラ姉様は兄のべルナードさんが好きなんだもの、だとしたらリリアがべルナードさんを選ぶわけにはいきません。
するとルーツリアさんもリリアにシフトするのです。もう……逃げられません!!
だって、この人は……大山猫の血が流れているから!
そのリンクスの血が流れていると、相手の身も心も全部操れる魔力が生まれるのです。一時的な効果しか発揮できないので、永続は無理ですが……。
か弱いリリアとリベラ姉様はそれを回避する力など持っておりません。操られるべくして存在しているようなものです。
それから呆気なく呪いにかけられ、かかったらもう…………駄目でした。
リンクスの呪いをかけられた以上、頭の中はルーツリアさんでいっぱいになってしまったのです。
「ルーツ様ルーツ様ルーツ様ルーツ様…………」
この時、リリアはひたすら「ルーツ様」としか考えられなく、他の言葉が言えなくなってしまいました。言いたいことはいっぱいあったけれど、何も浮かんでこないのです。
唯一記憶に残っていたのは、リベラ姉様が兄のべルナードに耳打ちをされて、何か約束事をしていたところ。それを覚えていたリリアは、リベラ姉様に海へ引き戻されて貝殻のベッドへ休ませてくれた数時間後に、自分の体に鞭を打つように急いで地上へと向かったのです。
何故なら、リベラ姉様がリリアを置いて先に人間になりに行こうとしていたから。
リリアも追いかけました。けれど、もうリベラ姉様のお姿は見当たらず……。
途方に暮れるだけでした。
真っ暗な砂浜に、独りぼっち……いえ、リリアぼっちでした。
尾を伸ばし波に打たれながら、ぽやんと月を眺めていたところ、急にリリアを後ろから抱きしめる輩が現れたのです。
しかも、手でリリアの口を軽く塞ぐのです。
「むぐっ!? むむむーーっっ!! んーーっ!」
「見つけた、赤髪ちゃん」
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染の勇者に「魔王を倒して帰ってきたら何でもしてあげる」と言った結果
景華
恋愛
平和な村で毎日を過ごす村娘ステラ。
ある日ステラの長年の想い人である幼馴染であるリードが勇者として選ばれ、聖女、女剣士、女魔術師と共に魔王討伐に向かうことになる。
「俺……ステラと離れたくない」
そんなリードに、ステラは思わずこう告げる。
「そうだ‼ リードが帰ってきたら、私がリードのお願い、一つだけなんでも叶えてあげる‼」
そんなとっさにステラから飛び出た約束を胸に、リードは村を旅立つ。
それから半年、毎日リードの無事を祈り続けるステラのもとに、リードの史上最速での魔王城攻略の知らせが届く。
勇者一行はこれからたくさんの祝勝パーティに参加した後、故郷に凱旋するというが、それと同時に、パーティメンバーである聖女と女剣士、そして女魔術師の話も耳にすることになる。
戦いの昂りを鎮める役割も担うという三人は、戦いの後全員が重婚の認められた勇者の嫁になるということを知ったステラは思いを諦めようとするが、突然現れたリードは彼女に『ステラの身体《約束のお願い》』を迫って来て──?
誰がどう見ても両片思いな二人がお願いをきっかけに結ばれるまで──。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる