48 / 211
俺のねーちゃんは人見知りがはげしい【俺の奮闘】
◆ 気になる男(3) <鴻池>
しおりを挟む友人たちにことわって、中庭に通う事にした。
ベンチの右から私・森・森のお姉さんという順で座る。
私はお姉さんに「1人で好きな所で食べてもいいですよ」と提案してみた。何せ2人は一言もしゃべらず黙々とお弁当を食べているのだ。一緒に食べる意味、無いだろう。きっと話が合わないのに無理に傍にいるからだ。
私は森と話す事がいっぱいある。話が合う。だから、森に話し掛ける。お姉さんは暇そうに黙って森の横に座っているだけだ。
その時間って無駄だよね。もっと、彼女も有効に時間を使いたいハズ。森のお節介に付き合う必要は無いと思う。
しかしそう言うと、森が凄い目で私を睨む。
だから、森はお姉さんに気を使い過ぎだって。ぼっちでいたい人に構うのは、果たして親切なのか?お節介だと思われている事の方が、多いと思う。
ここ何日か2人と一緒に座っていて思った。
お姉さんの容姿が問題なのかも。
大人しそうで真面目そうで小柄で。森はお姉さんの事、まるで年下の相手を気遣うような優しい対応をする。
狡いな、お姉さん。
私は背が高いし気も強いから、どうしても守りたいって思われるタイプじゃない。森も私が構うと、腰を引いて逃げようとする。それは親しい故の 照れ隠しみたいなものだと―――私はずっと、自分に都合の良い考え方をしていた。
それにこうも思っていた。私が女子の中では1番……森と気が置けない関係だって。森と学校で1番よく言葉を交わす女子は私だって、自惚れていた。
でも、森がお姉さんに接する様子を見ると。
私に対するよりもずっと丁寧に対応している事に、嫌が応でも気付く。
森は私にぶっきらぼうに話す。これは私が気を使わない親しい相手だっていう―――そういう証拠だと思っていた。
でも、お姉さんの「いってらっしゃい」にそれはそれは嬉しそうに優しく「いってきます」と返す森の声音を聞くと、胸の中がザワリと騒いだ。
名残惜しげに校舎に戻る入口で振り返り、森はお姉さんが手を振る様子を必ず確認してホッと息を吐く。小さく手を振り返す森を見ていると―――無性に苛々してしまい、腕を引っ張って無理矢理退場させたくなってしまう。
私は焦っていた。
2人が一緒にご飯を食べる時間は無駄だと思う。
例えば私と森が2人で食べたほうが、きっとずっと会話が弾むに違いない。
お姉さんに気を使って森は黙っているに違いない。……なのにそう結論付けた心の奥で……うっすらと不安が湧き上がってくる。まるでその結論付けの正当性を疑問視するように。
** ** **
一緒に中庭のベンチでお弁当を食べた最初の日。
私は沈黙に耐えられなくて口を開いた。だって、森だって本当は楽しくおしゃべりした方が楽しいに決まっている。こんなふうに無言でお弁当を掻き込む時間って―――無駄だよね。
「ねぇ、何で黙ってるの?」
「別に……いつも黙って食べてるけど」
「えぇ?……そんなんで何が楽しいの?」
「すっごく、楽しいよ」
『すっごく』を強調するように言う森。
自棄になっているように見えた。私の方を見ないまま、くぁっと口を開けソーセージを放り込みモグモグと咀嚼している。
私は少し首を伸ばして―――森の向こう側に座るお姉さんに声を掛けた。
「お姉さん話もしないでご飯食べているのなら、別に1人でもお弁当大丈夫だよね?」
森だって自棄になるくらい、いい加減この役割に飽きているのだ。お姉さんも察してくれるよね?
「え?……あ、はい。そうですね」
お姉さんは不安そうに曖昧に答えた。
しかししっかりと頷いている。
彼女だって、森の負担になりたくないハズだ。
「良かった。森、お姉さん1人で食べてくれるって」
お姉さんの言質がとれて、本当に良かった。
強く言えない森に代わってきちんと確認して良かった。
お姉さんがこう言ってくれるんだから、森もいい加減諦めるだろう。お姉さんはこう見えても高校3年生。高1の忙しい弟の助けなんかなくても、十分やっていけるのだから。
私が、笑って森を見ると―――森は怒っていた。
先ほどまで全く合わなかった目線がガッチリ絡まり、私の両目を射抜くように見ている。
「……だから姉貴は別に1人で弁当食べたくないなんて言って無いって―――さっきから言ってるだろ!俺が姉貴と食べたいって無理言うから、付き合ってくれてるんだ。合わせて貰ってるのはこっちなんだから―――別に姉貴は俺がいなくてもどうとも思わないって……」
吃驚した。
森が怒っているところを―――初めて見たから。
こんな厳しい顔の森は見た事が無かった。
いや―――そうでは無い。
ギリギリの試合展開ではこんな剥き出しの怒りに任せた表情を見せていた。それを―――今までは遠くから見て来た。
私がふざけてど突いたりすると、怒ったように返事をしてきた森。
でもそれは本気で怒っている訳じゃなかったんだって、分かっていたけど―――今ハッキリと自覚した。森は私に対して、今まで手加減してくれていたんだって。
私の背に冷や汗が伝った。
純粋に怖かった。
だから咄嗟に―――その怒りに気付かない振りをした。
「ほ……ホントに優しいよね、森って」
笑いながら。
でなければ、震えて泣いてしまうかもしれなかった。
「清美……時間大丈夫?」
険悪な空気を無かったもののように、お姉さんが坦々と割り込んで来た。
その途端、森が纏っていた黒い雲のようなものが……一気に霧散した。
「あ!やべ。ねーちゃん、行ってきます」
「ホントだ!森、昼練始まるね、行こっ」
だから、私もそれに習った。
何でも無いように、振舞った。
「いってらっしゃ~い」
だけど、だからこそ、呑気に手を振るお姉さんに苛立った。
「遅れるよっ!」
にやけながら自分の姉に手を振る森にも苛立って、腕を強く引っ張った。
翌日から、私は中庭に通った。
そうして、森の隣に座ってパンを食べた。
時間になると、森を引っ張って部活へ行く。
1週間そんな風に過ごしていた。
週の終わりにはこのメンバーにもすっかり慣れて、お姉さんを空気みたいに思えるようになった。
だけど週明け月曜日、中庭に森はいなかった。お姉さんも来ない。
風邪か何かで休んでいるのだろうか?
しかし森は昼練に普通に参加していた。話し掛ける切っ掛けが掴めなくて、悶々とする。
放課後練が終わって片付けに入った時、私は森を呼び止めた。
「ねえなんで今日、中庭来なかったの?」
「いてて……」
あ、つい無意識に森の耳を引っ張ってしまった。
私がこんなに心配しているのに、呑気そうにしている森に腹が立ったのだ。
「別に約束しているわけじゃないだろ」
「教室にもいなかった」
「こわっ!お前、ストーカーかよ」
森は私の手首を掴んで、耳を摘まむ手を降ろさせた。
ギュッ胸の奥が痛んだ。
森が自分から私に触る事って、もしかして初めてかもしれない。
ゴツゴツした大きな手。態度が軟弱でも―――やっぱり森って男子なんだ。
途端に試合中の森が、私の手首を掴む森に重なって頬に血が上ってしまう。
にやけそうになる頬を押さえるために、口をすぼめて顔に力を入れた。そうして近くにいる森を見上げると、その背の高さと迫力ににドキリと心臓が跳ねるのを感じた。……森、また背が伸びた?
なんだか、変。
ドキドキしてきた。
「私は、森のためを思って」
「『俺のため』というなら、放って置いてくれない?」
森の声音はいっそ、静かだった。
「お姉さん優先なんて、絶対良くないよ。森のためにならない」
私は胸にずっと巣食っていた、思いを籠めて言い募った。
どうか森に気持ちが通じますように……と祈りながら。
これまで同じ事を重ねて言ってきたつもりだった。でも森の心に響いていないのは―――明白だった。
どうしたら、森にわかって貰えるの?
「じゃあ何を優先すれば……『俺のため』になるっていうの?」
森の目が獰猛な光を宿して、私を上から睨み付けた。
私の体はカッと熱くなった。その目はコート上で、試合中に森が見せる闘志そのものだったから。
「それは」
「バスケを優先するって言うなら―――俺は姉貴のお蔭でバスケを始めたし、今部活に集中できるのも……姉貴がいるからなんだ。そもそも彼女と出会ってなかったら……きっとバスケ自体始めてない」
「……」
私は唖然として、声を失った。
本当は、分かっていた。
薄々気づいていたのに、認めたくなかった。
激しい怒りを湛えた森の、男の顔から目が離せない。私はこの顔が見たくて―――いつも森を怒らせようとしていた。気になって、気になってしょうがなかった。
でも、憎まれたいわけじゃ無かった。
嫌われたいわけじゃない。
ただ……森の中に存在する『男』を見せて欲しかった。私を『女』だと認識して欲しかっただけだ。
だから森の当たり障りのない反応に―――何時も苛立っていた。
周りの男達が私を見るみたいな視線で、森も私を見て欲しい……。
でも、森がそういう目で見ている相手は……。
その時トン、トン、トン……と、ボールが転がって森の足元にぶつかった。
「わーるい、ボールとって。―――お前ら話してないで、片付け参加しろよ。いい加減、帰りたいわ」
冗談めかして地崎が言った。
不意に私達を包んでいた結界にヒビが入る。
夢から醒めたような様子で、森はフイッと私から視線を外して溜息を吐く。
―――その呆れたような溜息が。
悲しい。
森の視野に、何をやっても引っ掛からない。
私はずっと―――自分が森ばかり見ていた事に気が付いた。
思えば、中学の時から。
最初は―――結城が見つめる森に興味を持っただけだった。
結城の目を通して見る、森。結城が語る森。
そのどれもが、すごく魅力的で。
気が付くと結城が追う視線を伝って、私も森に夢中になっていた。
でもトラウマやプライドが邪魔して―――自分が森にどうしようもなく惹かれているって言う事実をどうしても認められなくて―――必死で自分を否定していた。
気付かない振りをして。
アイツの世話をやかなきゃって言い訳して、中庭に通って隣に座った。
幸いお姉さんは森に執着していないようで―――ホッとした。
でも一方で……森の方がお姉さんに執着しているっていう事実に気が付いて―――ショックを受けていた。
その事実は深く、私の心を抉った。
でも、その事にも気付かない振りをした。痛くない振りをして、自分の感情に蓋をした。
気付いてしまったら―――森の傍から離れなくてはならないから。
森のその執着心が、単に度を過ぎた『シスコン』なのか、家族の絆を越えたものなのかは、私には判らない。だけど確実に森は―――お姉さんに夢中だった。
でも、一過性のものかもしれない。
私が目を覚まさせれば―――悪い魔法使いに捕まった王子の呪いを解くように彼の目を覚まさせれば―――こちらに目を向けてくれるかもしれない。
繕った心の覆いの下で、密かにそんな望みを抱いていた。
見上げると能面のように感情の浮かばない森の顔が、私にチラと向けられた。そして途端にそれが、ギョッとしたように崩れた。
「おい……何、泣いてるんだよ」
「……泣いてないっ」
狼狽えて、詰問口調だった冷たい声のトーンが落ちる。
私はその僅かな弱さに安堵する。―――やっぱり森は優し過ぎる。
しかし、涙は後から後から湧いてきて、頬を過剰に濡らした。
私は袖で涙を拭って―――森を置き去りにして出口に向かって駆け出したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
理想の男性(ヒト)は、お祖父さま
たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。
そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室?
王太子はまったく好みじゃない。
彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。
彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。
そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった!
彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。
そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。
恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。
この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?
◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
R-Kingdom_1
他サイトでも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる