俺のねーちゃんは人見知りがはげしい

ねがえり太郎

文字の大きさ
128 / 211
・後日談 俺とねーちゃんのその後の話のおまけ1・

おとうとは心配性 <有吉>

しおりを挟む
晶の友人 有吉視点です。
清美が取りまとめを頼まれていた飲み会のヒトコマ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




晶の弟、清美君にM大バスケ部の一年生を集めて貰った。
向こうの要求はフリーの女子を集めて欲しい、と言う事なので読者モデルをやっていた頃に付き合いがあった女の子達に声を掛けた。

女の子達も将来有望な運動選手と繋がりが出来ると聞いて喜んで参加してくれた。顔合わせをしたところ、皆ニョキニョキと背が高いものの、口を開けばつい先日まで高校生……と言う雰囲気が漂っていて何とも可愛らしい。うーん、これは一方的に女性側に軍配が上がってしまうかもしれない……なんてニヤニヤしながら、皆を盛り上げたり間を取り持ったり動き回っていた。

晶の美しい弟、清美君は特に際立っていたから、彼女持ちと前もって伝えてはいるものの近寄って行く女の子は多い。単に『綺麗どころ』と話すのが好きって子も多いから、本気で粉を掛けている訳じゃないとは思うけど。少し心配になって清美君ににじり寄っている舞子の肩を叩いた。

「舞子~、この子私の友達の彼氏だから!それ以上お触り禁止!」
「え~~、ちょっとくらいイイじゃん。ケチ」
「あ、あそこのイケメンが、舞子の事気にしてたよ!ちょっと構ってやってよ。頼む!私の顔を立ててくれ~!」
「むー、分かったよ。仕方ないなぁ……。じゃあ、またね!森君」

と満更でも無い顔でグラスを持って移動してくれた。
スルリと空いた席に滑り込むと、ホッとしたように溜息を吐く栗色の髪の美形がオレンジジュースを一口飲んだ。こんなデカいナリしてまだ、未成年なんだよね。

不思議だ。
並んでいたらどう見ても晶の方が未成年に見えるよね。

「今日はアリガトね。皆喜んでるわ。私も色々現場の話を聞けて嬉しいし」
「いえ……」
「絡まれるの嫌だったら、晶にも来て貰えば良かったのに」
「……」
「そんなに他の男に会わせたくない?」
「はい」

素直に頷くから笑ってしまった。

「晶にだって男友達いるんだけどねー」
「彼女が自分で付き合う分には、邪魔しませんけど……余計な交友関係は増やしたくないです。それでなくても無防備って言うか鈍いので」

確かに。
晶は自分に向いている視線には無頓着だ。

恋愛小説とか映画とかをまるで読まないと言っていたからその微妙なニュアンスにどうもピンと来ないらしい。ちょっと情緒が理系男子に近い気がする。
その証拠に男の子の熱っぽい視線や誘い掛けをサラリとスルーしている所を、何度か目の当たりにした事がある。明らかに晶に気があって話し掛けて来る私の知り合いがその場を去った時「あの人、本当にゆっこの事好きだよねぇ」と的外れな事を言うので「何でそーなる!」と突っ込んだ事もある。説明しても全く納得してくれなかったけど。

「うん、それは何となく分かる」

大きく頷くと、至極不安そうな表情をするので、彼の背を叩いて励ました。

「大丈夫だって。晶が目移りするような性格に見える?それにあーいう真面目な子に安易に言い寄れる男、案外少ないから。遠巻きに憧れるのがせいぜいだって」
「だと良いんですけど……」

フッと寂しそうに笑うキラキラした精悍な美形を見て『晶、超愛されてるなー』と私は感心したのだった。

先日大学の喫茶店で紹介してくれた『弟』とさっそく付き合い出した(しかも元サヤ)と聞いた時は驚いたし、あんな派手な外見のモテそうな運動選手と付き合って、浮気されたり女性関係のトラブルに巻き込まれないか……と心配になったが、これだけ愛されているならその心配は杞憂に違いない。

結局ほとんど合コンとなってしまった飲み会会場で居心地悪そうにしている清美君。晶に頼まれたから人数を集めてくれたけど、本当は気が進まなかったんだろうなってちょっと思った。



これは早めに解放してやらねばなぁ……と姉目線で考える。
―――とか言って私、気ままな『ひとりっ子』ですけどね……!気分だけです、ハイ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

晶の友人の目から見た清美です。
ちょっと思い付いたので投稿しました。山なしオチなしの小話でスイマセン。

お読みいただき、有難うございました!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※特別編9が完結しました!(2026.3.6)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

溺婚

明日葉
恋愛
 香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。  以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。  イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。 「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。  何がどうしてこうなった?  平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?

訳あり冷徹社長はただの優男でした

あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた いや、待て 育児放棄にも程があるでしょう 音信不通の姉 泣き出す子供 父親は誰だよ 怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳) これはもう、人生詰んだと思った ********** この作品は他のサイトにも掲載しています

さよなら、私の初恋の人

キムラましゅろう
恋愛
さよなら私のかわいい王子さま。 破天荒で常識外れで魔術バカの、私の優しくて愛しい王子さま。 出会いは10歳。 世話係に任命されたのも10歳。 それから5年間、リリシャは問題行動の多い末っ子王子ハロルドの世話を焼き続けてきた。 そんなリリシャにハロルドも信頼を寄せていて。 だけどいつまでも子供のままではいられない。 ハロルドの婚約者選定の話が上がり出し、リリシャは引き際を悟る。 いつもながらの完全ご都合主義。 作中「GGL」というBL要素のある本に触れる箇所があります。 直接的な描写はありませんが、地雷の方はご自衛をお願いいたします。 ※関連作品『懐妊したポンコツ妻は夫から自立したい』 誤字脱字の宝庫です。温かい目でお読み頂けますと幸いです。 小説家になろうさんでも時差投稿します。

処理中です...