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新妻・卯月の仙台暮らし
19.眼鏡屋さんへ行きます。
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時系列として、別作『うさぎのきもち』完結後のお話になります。
※『結婚するまでのお話』「24.そして春になりました。」以降のお話でもあります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
週末、丈さんと一緒に眼鏡屋さんを訪れる事になった。
忙し過ぎてずっと放置していたけど、そろそろ眼鏡を再調整したいと考えていたらしい丈さん。今の眼鏡を購入した眼鏡屋さんは彼のおばあちゃんの代からの御用達で、定期的に眼鏡調整の案内がハガキで送られてくる。つい先日、仙台に支店が出来たとの案内が届いたので、早速足を向けることに決めたようだ。
実は、少しワクワクしている。
子供の頃からずっと両目とも二.〇。眼鏡屋さんとは全く縁のない生活をしてきた。単純に踏み込んだことのないお店に入るのが、嬉しい。それからもう一つ、ひそかに野望を滾らせていることがある。
丈さんに新しい眼鏡を掛けて貰いたい……!出来たらいろいろ着せ替えて、眺めてみたい!そんな考えがこの間から頭から離れないのだ。
思いついた切っ掛けは、丈さんが会社の部下の戸次さんと『うさぎひろば』でバッタリ遭遇したことだ。戸次さんは目が合ったのに、丈さんを避けた。ハッキリ本人に確認してはいないけれど、たぶん戸次さんは丈さんのことが怖かったんだと思う。その後私も彼と何度か顔を合わせる機会があった。戸次さんは社交的で感じの良い人だ。仕事のできそうな、今時のお洒落が似合うイケメンさん。でも何となく、丈さんの前では少しだけ緊張しているように見えるんだよね……その気持ち、分かる分かる!って元部下だった私としては、彼の肩を叩きたい気分になった。モチロン、やりませんけどね!
そして意外にも戸次さんに避けられたことを、気にしていた丈さん。かつて本社でつけられたあだ名のことを思い出した。
元部下達が彼に付けたあだ名は『コワモテ冷徹銀縁眼鏡』!
丈さんは何かの拍子にそれを知ったらしい。私としては、悪口と言うよりはむしろ親しみを込めてって意味合いが大きいように思う。……最初は純粋に、怖い上司に対する悪口だったのだとは思うけれど。
だったら『銀縁眼鏡』を『黒縁眼鏡』にしちゃえば良いんじゃない?なんてフォローのつもり提案したら、丈さんは無言になった。何かを抉ってしまったらしい……。
でもね。咄嗟の思いつきで口にしたことだけど、やっぱり眼鏡で人の印象って大きく変わると思う。
丈さんの眼鏡は横に細長い感じの四角いフレーム。如何にも仕事のできそうな理知的に見える。見える、て言うか実際仕事も出来るんだけど。理系君でこういう眼鏡の人がいそう。でも細い銀縁のフレームはちょっと冷たい印象を与える。
最近多いのはもっと黒っぽいしっかりしたフレームみたい。べっこうとか丸みを帯びた太い存在かのあるフレームが人気らしい。スマホで検索したら色んなタイプがあるんだなぁって分かった。
そう言うお洒落眼鏡が丈さんに似合うかどうかは分からないけど、試しにいろいろ掛けてみたら良いと思うんだ。新しい眼鏡に変えてみたら、そしたら冷たい印象も少し和らいで、部下達の緊張も幾分解れると思うんだよね。
―――なんていろいろ理屈をこねくり回していますが、単に私が丈さんにいろんな眼鏡を掛けて貰ってそれを見てみたいだけ!ってのもある。スマホで眼鏡を検索しながら、丈さんにはこれが似合うかな?あれが似合うかな?……と考えてニマニマしていた。
そこへ飛び込んで来た眼鏡屋さんの案内ハガキ……!丈さんは『調整だけだから、俺一人で行って来る。その間退屈だろうから卯月は同じ駅ビルで服でも見ていれば良い、後で合流しよう』なんて気を回してくれたけど―――こんな素敵な機会、もちろん逃すのはもったいない……!
『眼鏡屋さんに興味あるから』なんて言い訳をして、強引について行くことを主張した。丈さんは『面白いもん何も無いから退屈だぞ?』なんて不思議がっていたけれど、そんなことはない!
丈さんには、どんな眼鏡が似合うかなぁ?
ああ、今から週末が、楽しみで仕方が無い……!
※『結婚するまでのお話』「24.そして春になりました。」以降のお話でもあります。
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週末、丈さんと一緒に眼鏡屋さんを訪れる事になった。
忙し過ぎてずっと放置していたけど、そろそろ眼鏡を再調整したいと考えていたらしい丈さん。今の眼鏡を購入した眼鏡屋さんは彼のおばあちゃんの代からの御用達で、定期的に眼鏡調整の案内がハガキで送られてくる。つい先日、仙台に支店が出来たとの案内が届いたので、早速足を向けることに決めたようだ。
実は、少しワクワクしている。
子供の頃からずっと両目とも二.〇。眼鏡屋さんとは全く縁のない生活をしてきた。単純に踏み込んだことのないお店に入るのが、嬉しい。それからもう一つ、ひそかに野望を滾らせていることがある。
丈さんに新しい眼鏡を掛けて貰いたい……!出来たらいろいろ着せ替えて、眺めてみたい!そんな考えがこの間から頭から離れないのだ。
思いついた切っ掛けは、丈さんが会社の部下の戸次さんと『うさぎひろば』でバッタリ遭遇したことだ。戸次さんは目が合ったのに、丈さんを避けた。ハッキリ本人に確認してはいないけれど、たぶん戸次さんは丈さんのことが怖かったんだと思う。その後私も彼と何度か顔を合わせる機会があった。戸次さんは社交的で感じの良い人だ。仕事のできそうな、今時のお洒落が似合うイケメンさん。でも何となく、丈さんの前では少しだけ緊張しているように見えるんだよね……その気持ち、分かる分かる!って元部下だった私としては、彼の肩を叩きたい気分になった。モチロン、やりませんけどね!
そして意外にも戸次さんに避けられたことを、気にしていた丈さん。かつて本社でつけられたあだ名のことを思い出した。
元部下達が彼に付けたあだ名は『コワモテ冷徹銀縁眼鏡』!
丈さんは何かの拍子にそれを知ったらしい。私としては、悪口と言うよりはむしろ親しみを込めてって意味合いが大きいように思う。……最初は純粋に、怖い上司に対する悪口だったのだとは思うけれど。
だったら『銀縁眼鏡』を『黒縁眼鏡』にしちゃえば良いんじゃない?なんてフォローのつもり提案したら、丈さんは無言になった。何かを抉ってしまったらしい……。
でもね。咄嗟の思いつきで口にしたことだけど、やっぱり眼鏡で人の印象って大きく変わると思う。
丈さんの眼鏡は横に細長い感じの四角いフレーム。如何にも仕事のできそうな理知的に見える。見える、て言うか実際仕事も出来るんだけど。理系君でこういう眼鏡の人がいそう。でも細い銀縁のフレームはちょっと冷たい印象を与える。
最近多いのはもっと黒っぽいしっかりしたフレームみたい。べっこうとか丸みを帯びた太い存在かのあるフレームが人気らしい。スマホで検索したら色んなタイプがあるんだなぁって分かった。
そう言うお洒落眼鏡が丈さんに似合うかどうかは分からないけど、試しにいろいろ掛けてみたら良いと思うんだ。新しい眼鏡に変えてみたら、そしたら冷たい印象も少し和らいで、部下達の緊張も幾分解れると思うんだよね。
―――なんていろいろ理屈をこねくり回していますが、単に私が丈さんにいろんな眼鏡を掛けて貰ってそれを見てみたいだけ!ってのもある。スマホで眼鏡を検索しながら、丈さんにはこれが似合うかな?あれが似合うかな?……と考えてニマニマしていた。
そこへ飛び込んで来た眼鏡屋さんの案内ハガキ……!丈さんは『調整だけだから、俺一人で行って来る。その間退屈だろうから卯月は同じ駅ビルで服でも見ていれば良い、後で合流しよう』なんて気を回してくれたけど―――こんな素敵な機会、もちろん逃すのはもったいない……!
『眼鏡屋さんに興味あるから』なんて言い訳をして、強引について行くことを主張した。丈さんは『面白いもん何も無いから退屈だぞ?』なんて不思議がっていたけれど、そんなことはない!
丈さんには、どんな眼鏡が似合うかなぁ?
ああ、今から週末が、楽しみで仕方が無い……!
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