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新妻・卯月の仙台暮らし
寝不足です。 <亀田>
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寝不足で頭が軋むように、痛い。
しかし今日は這ってでも帰らなければならない―――いまだに卯月から連絡が無いからだ。一体、どういう事なんだ?
ボロボロの体を引き摺って、タクシーを捕まえる。歩ける距離ではあるが、途中で意識が途切れて倒れてしまいそうなぐらい、眠かったのだ。メッセージを入れようかと思ったが、座席のシートに背を付けた途端睡魔に襲われ、気付いた時にはマンションの下に辿り着いていた。
マンションの玄関を開けると、廊下の奥、居間の方が騒がしい。一瞬ひやりとして足元を見ると、見慣れない靴が並んでいた。スニーカーだが、大きさから明らかに女物と判断できたので、ホッと胸をなでおろす。
女性の客?―――考えられるのは、あの小柄な『うさぎひろば』の店員だ。うータンにでも、会いに来たのだろうか。
居間に入ると、微かにアルコールの匂いが漂って来た。「やめっ……やめて下さいっ……!」と、伊都とか言う店員のせっぱつまった声が聞こえてきたが、パッと見た処では声だけで人影は見当たらない。鞄をダイニングテーブルの椅子に置き、歩み寄ると漸く全貌が現れた。
ラグの上で身を丸める店員、それからその上に覆いかぶさるようにしているのが、俺の妻―――卯月だった。
卯月が女を襲っている。
衝撃の光景に、俺は思わず立ち竦む。
「何を……やっているんだ?」
目の前の光景を理解できないまま、呆然と声を掛けると。四つん這いになって、店員に覆いかぶさっている卯月が、そのままの格好で顔を上げた。トロンとした目がこちらに向けられる。これは、完全に酔っぱらっている。
テーブルの上に転がっているのは……日本酒の瓶だ。何故よりによって、日本酒なんだ? 通常卯月が、強い酒を自分で選ぶ事はない。酒が得意じゃないからだ。全く飲めない、と言う訳じゃないが、カクテルとかサワーなどアルコール度数の低いものを舐めるくらいで、十分満足するくらいの耐性しかない筈だ。
「たけし、さん……」
卯月はボンヤリとそう呟いて、黙りこむ。やがて店員の上からのっそりと体をずらした。それから、ペタンとその場に座り込む。体幹が保てないのか、ふらふらと柳のように体が揺れていた。
「酒に弱いくせに……飲み過ぎだろう。何だってこんなに飲んだんだ?」
すると、むくりとラグに転がっていた小柄な店員が体を起こした。ゾンビのような白い顔でスクッと立ち上がる。コイツは意外としっかりしているな。酔ってはいるようだが、酒に強い体質なのかもしれない。
「『何故』って―――それを、亀田さんが聞きますか?」
ビシッと店員は俺を糾弾するように指差して、挑戦的に見上げる。
「卯月さんを! もっと大事にしてください!」
「は?」
「ちゃんと、分かるように説明してくださいっ! それが出来ないなら、そう! 私が卯月さんを、かっさらいます……!」
「……何の話だ……?」
突然喧嘩を売られて、思わず声が低くなる。寝不足で頭痛に悩まされている所に声が響く。気分は最低だった。
すると威勢の良かった店員が、顔をこわばらせビクリと体を揺らした。じりっと一歩、後退る。人の家に上がって酔っ払い、挨拶も無しに、突然喧嘩を売るなんて、失礼過ぎる。なのに、なんだその態度は。
「お前が、卯月に……こんなに酒を飲ませたのか?」
「え……はい。だって、憂さ晴らしには酒が一番……」
「適量ってものがあるだろう。見ろ、明らかにフラフラしているじゃないか。飲ませ過ぎだ」
卯月の体は、円を描くように揺れている。意識も朦朧としているようで、反応がない。
店員はチラリと卯月を振り返り、卯月が明らかに酔っぱらい過ぎであることを認識したのか、途端にトーンを落とした。多分、図星だったのだろう。
「ええと、そのぉ……」
ゆらり、と揺れる体のまま卯月が立ち上がった。体を支えきれないのか、仁王立ちでフラフラしながら、顔を上げる。その表情は険しい。顔色も赤いし、かなり具合が悪そうだ。
「たけしさん……あのおんなのひと、はぁ……だれなんれすかぁ」
「え?」
「きのお、かえってこなかったれしょお」
彼女が何を言いたいのか、全く分からなかった。まず呂律が回っていない。酔っ払いの言うことだし、支離滅裂なのはどうしようもないが……それより、フラフラしている卯月が今にも倒れそうで心配だった。
「卯月、とりあえず座れ」
ソファに座らせようと、伸ばした手がバシッと跳ねのけられる。
実際はふらりと柔らかく、手を押されただけだ。卯月の体自体に力が入っていないからだ。
けれども俺の心には、その拒絶が『バシッ』と響いた。ショックで思わず、動きが止まってしまう。
「な……」
「きのーは、あのひととぉ、いっしょだったのぉ?」
「は?」
ええと今のは……『あの人と一緒だったの?』か?……あの人……あの人……誰のことだ?
「うわき、れしょ!」
「は?」
「きのう、よる! だきあってたもん!」
『抱き合ってた』と言ったか? 何を言ってるんだ? 昨日の夜―――と言えば、居酒屋で会った時のことか? いや、むしろ卯月のほうが。肩を抱かれてあの男と密着していただろう?
俺は、後ろで呆気に取られている小柄な店員に目を向けた。すると店員は「ひっ……!」と呻いて、挙動不審に視線を彷徨わせる。
「どういうことだ?」
「あの……居酒屋で、その。亀田さんに、スーツの女性が抱き着いて……いたのを、卯月さんが目にして、ですね。かなりショックを受けられまして……」
もぞもぞと、小さい声でたどたどしく店員が言った。
「スーツ?……ああ、富樫のことか。あれは……」
やっと、合点が行った。俺は卯月が男といることにショックを受けて、それしか頭に無かったのだが―――卯月から見れば、あの場面がそう見えたとしても、おかしくないかもしれない。すると卯月がバッと耳を塞いだ。
「ききたく、なぁーい!!」
弁明しようとしたが、彼女はそう叫ぶと拒絶するようにクルリと店員のほうを振り返る。
「いぃとさん! どうおもうぅ? へんだよねぇ?」
「え、ええと……」
「いとさんもぉ、みたでしょお! おんなのひとぉ、ないてたって言ったもんねぇ!」
「あ、ええと、そう見えた……かもしれないですが……」
「やっぱり、そうなんだぁ!!」
両二の腕をガッチリと捕まえられて、小柄な店員はガクガクと体を揺らされている。そこで俺は、ある事に気が付いた。
「おい、『伊都』」
「あ、はい」
「お前も居酒屋にいたのか? じゃあ、卯月と一緒にいた男は―――」
「仁さんです。三人で居酒屋に行って、その。あ、でも卯月さんは待合わせの時まで、私と二人切りだと思っていたみたいで。私が勘違いして、仁さんも誘ってしまって……」
なるほど。解けた!
そう言われれば、あの垂れ目がちな目とガッチリした肩が、たちまち見覚えのあるものに思えて来る。髪型に髭、それを変えるだけで随分印象が変わるものだ!
「う……なんで、かえってこないのぉ。あのひととぉ、いっしょだったのぉ……?」
卯月が伊都の腕を握ったまま、俯いて涙声になる。
「卯月さん……」
「卯月、それは誤解で……いや、一緒ではあったんだが、その社外秘に関することで」
「う、うう~……!」
卯月はそのままクニャリと、床に倒れ込むように腰を下ろした。そして顔を覆ってさめざめと泣き始める。
卯月が泣くなんて……!
俺は動転のあまり、動けなくなった。それは隣にいる伊都も、同じだったようだ。暫く「卯月……」「卯月さん……」と二人で声を掛けるが、彼女は嗚咽を漏らしながら泣き続ける。その光景には、胸を締め付けられた。居酒屋で男に肩を抱かれているのを目にした時より、衝撃だった。情けないことに、こんな時にどう対処すれば良いのか、全く分からない。
誤解だと言っても聞いて貰えず、手を伸ばせばまた払われるかもしれない。
俺は全くの役立たずになってしまった。女心なんて分からなくても問題ない、と思っていた。自分に後ろ暗い所がないなら正々堂々としていれば良いと。
なのに今、苦しんでいる卯月を見ていると、それが例え理不尽なものだとしても―――なんとかしてやらなくては、と思ってしまう。しかし、何もできないのだ。
オロオロするばかりの、俺達を余所に泣き続ける卯月。
しかし突然、その嗚咽がピタリと止まった。
そしてスクッと別人のように、しっかりと卯月は再び立ち上がる。
俺と伊都は、初めて見る野生の生き物の生態を観察するような緊張感をもって、固唾を飲んで見守っていた。沈黙は数秒だったが、一時間にも二時間にも思えた。しかし行動の理由は、その後すぐに判明した。
「……きもちわるい……」
そう言い残すと、卯月はグッと口を押えて、よろめきながらトイレへ駆け込んだのだった。俺は慌てて、その後を追った。
しかし今日は這ってでも帰らなければならない―――いまだに卯月から連絡が無いからだ。一体、どういう事なんだ?
ボロボロの体を引き摺って、タクシーを捕まえる。歩ける距離ではあるが、途中で意識が途切れて倒れてしまいそうなぐらい、眠かったのだ。メッセージを入れようかと思ったが、座席のシートに背を付けた途端睡魔に襲われ、気付いた時にはマンションの下に辿り着いていた。
マンションの玄関を開けると、廊下の奥、居間の方が騒がしい。一瞬ひやりとして足元を見ると、見慣れない靴が並んでいた。スニーカーだが、大きさから明らかに女物と判断できたので、ホッと胸をなでおろす。
女性の客?―――考えられるのは、あの小柄な『うさぎひろば』の店員だ。うータンにでも、会いに来たのだろうか。
居間に入ると、微かにアルコールの匂いが漂って来た。「やめっ……やめて下さいっ……!」と、伊都とか言う店員のせっぱつまった声が聞こえてきたが、パッと見た処では声だけで人影は見当たらない。鞄をダイニングテーブルの椅子に置き、歩み寄ると漸く全貌が現れた。
ラグの上で身を丸める店員、それからその上に覆いかぶさるようにしているのが、俺の妻―――卯月だった。
卯月が女を襲っている。
衝撃の光景に、俺は思わず立ち竦む。
「何を……やっているんだ?」
目の前の光景を理解できないまま、呆然と声を掛けると。四つん這いになって、店員に覆いかぶさっている卯月が、そのままの格好で顔を上げた。トロンとした目がこちらに向けられる。これは、完全に酔っぱらっている。
テーブルの上に転がっているのは……日本酒の瓶だ。何故よりによって、日本酒なんだ? 通常卯月が、強い酒を自分で選ぶ事はない。酒が得意じゃないからだ。全く飲めない、と言う訳じゃないが、カクテルとかサワーなどアルコール度数の低いものを舐めるくらいで、十分満足するくらいの耐性しかない筈だ。
「たけし、さん……」
卯月はボンヤリとそう呟いて、黙りこむ。やがて店員の上からのっそりと体をずらした。それから、ペタンとその場に座り込む。体幹が保てないのか、ふらふらと柳のように体が揺れていた。
「酒に弱いくせに……飲み過ぎだろう。何だってこんなに飲んだんだ?」
すると、むくりとラグに転がっていた小柄な店員が体を起こした。ゾンビのような白い顔でスクッと立ち上がる。コイツは意外としっかりしているな。酔ってはいるようだが、酒に強い体質なのかもしれない。
「『何故』って―――それを、亀田さんが聞きますか?」
ビシッと店員は俺を糾弾するように指差して、挑戦的に見上げる。
「卯月さんを! もっと大事にしてください!」
「は?」
「ちゃんと、分かるように説明してくださいっ! それが出来ないなら、そう! 私が卯月さんを、かっさらいます……!」
「……何の話だ……?」
突然喧嘩を売られて、思わず声が低くなる。寝不足で頭痛に悩まされている所に声が響く。気分は最低だった。
すると威勢の良かった店員が、顔をこわばらせビクリと体を揺らした。じりっと一歩、後退る。人の家に上がって酔っ払い、挨拶も無しに、突然喧嘩を売るなんて、失礼過ぎる。なのに、なんだその態度は。
「お前が、卯月に……こんなに酒を飲ませたのか?」
「え……はい。だって、憂さ晴らしには酒が一番……」
「適量ってものがあるだろう。見ろ、明らかにフラフラしているじゃないか。飲ませ過ぎだ」
卯月の体は、円を描くように揺れている。意識も朦朧としているようで、反応がない。
店員はチラリと卯月を振り返り、卯月が明らかに酔っぱらい過ぎであることを認識したのか、途端にトーンを落とした。多分、図星だったのだろう。
「ええと、そのぉ……」
ゆらり、と揺れる体のまま卯月が立ち上がった。体を支えきれないのか、仁王立ちでフラフラしながら、顔を上げる。その表情は険しい。顔色も赤いし、かなり具合が悪そうだ。
「たけしさん……あのおんなのひと、はぁ……だれなんれすかぁ」
「え?」
「きのお、かえってこなかったれしょお」
彼女が何を言いたいのか、全く分からなかった。まず呂律が回っていない。酔っ払いの言うことだし、支離滅裂なのはどうしようもないが……それより、フラフラしている卯月が今にも倒れそうで心配だった。
「卯月、とりあえず座れ」
ソファに座らせようと、伸ばした手がバシッと跳ねのけられる。
実際はふらりと柔らかく、手を押されただけだ。卯月の体自体に力が入っていないからだ。
けれども俺の心には、その拒絶が『バシッ』と響いた。ショックで思わず、動きが止まってしまう。
「な……」
「きのーは、あのひととぉ、いっしょだったのぉ?」
「は?」
ええと今のは……『あの人と一緒だったの?』か?……あの人……あの人……誰のことだ?
「うわき、れしょ!」
「は?」
「きのう、よる! だきあってたもん!」
『抱き合ってた』と言ったか? 何を言ってるんだ? 昨日の夜―――と言えば、居酒屋で会った時のことか? いや、むしろ卯月のほうが。肩を抱かれてあの男と密着していただろう?
俺は、後ろで呆気に取られている小柄な店員に目を向けた。すると店員は「ひっ……!」と呻いて、挙動不審に視線を彷徨わせる。
「どういうことだ?」
「あの……居酒屋で、その。亀田さんに、スーツの女性が抱き着いて……いたのを、卯月さんが目にして、ですね。かなりショックを受けられまして……」
もぞもぞと、小さい声でたどたどしく店員が言った。
「スーツ?……ああ、富樫のことか。あれは……」
やっと、合点が行った。俺は卯月が男といることにショックを受けて、それしか頭に無かったのだが―――卯月から見れば、あの場面がそう見えたとしても、おかしくないかもしれない。すると卯月がバッと耳を塞いだ。
「ききたく、なぁーい!!」
弁明しようとしたが、彼女はそう叫ぶと拒絶するようにクルリと店員のほうを振り返る。
「いぃとさん! どうおもうぅ? へんだよねぇ?」
「え、ええと……」
「いとさんもぉ、みたでしょお! おんなのひとぉ、ないてたって言ったもんねぇ!」
「あ、ええと、そう見えた……かもしれないですが……」
「やっぱり、そうなんだぁ!!」
両二の腕をガッチリと捕まえられて、小柄な店員はガクガクと体を揺らされている。そこで俺は、ある事に気が付いた。
「おい、『伊都』」
「あ、はい」
「お前も居酒屋にいたのか? じゃあ、卯月と一緒にいた男は―――」
「仁さんです。三人で居酒屋に行って、その。あ、でも卯月さんは待合わせの時まで、私と二人切りだと思っていたみたいで。私が勘違いして、仁さんも誘ってしまって……」
なるほど。解けた!
そう言われれば、あの垂れ目がちな目とガッチリした肩が、たちまち見覚えのあるものに思えて来る。髪型に髭、それを変えるだけで随分印象が変わるものだ!
「う……なんで、かえってこないのぉ。あのひととぉ、いっしょだったのぉ……?」
卯月が伊都の腕を握ったまま、俯いて涙声になる。
「卯月さん……」
「卯月、それは誤解で……いや、一緒ではあったんだが、その社外秘に関することで」
「う、うう~……!」
卯月はそのままクニャリと、床に倒れ込むように腰を下ろした。そして顔を覆ってさめざめと泣き始める。
卯月が泣くなんて……!
俺は動転のあまり、動けなくなった。それは隣にいる伊都も、同じだったようだ。暫く「卯月……」「卯月さん……」と二人で声を掛けるが、彼女は嗚咽を漏らしながら泣き続ける。その光景には、胸を締め付けられた。居酒屋で男に肩を抱かれているのを目にした時より、衝撃だった。情けないことに、こんな時にどう対処すれば良いのか、全く分からない。
誤解だと言っても聞いて貰えず、手を伸ばせばまた払われるかもしれない。
俺は全くの役立たずになってしまった。女心なんて分からなくても問題ない、と思っていた。自分に後ろ暗い所がないなら正々堂々としていれば良いと。
なのに今、苦しんでいる卯月を見ていると、それが例え理不尽なものだとしても―――なんとかしてやらなくては、と思ってしまう。しかし、何もできないのだ。
オロオロするばかりの、俺達を余所に泣き続ける卯月。
しかし突然、その嗚咽がピタリと止まった。
そしてスクッと別人のように、しっかりと卯月は再び立ち上がる。
俺と伊都は、初めて見る野生の生き物の生態を観察するような緊張感をもって、固唾を飲んで見守っていた。沈黙は数秒だったが、一時間にも二時間にも思えた。しかし行動の理由は、その後すぐに判明した。
「……きもちわるい……」
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