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番外編・うさぎのきもち
48.風間の話
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俺を殺気の籠った視線で縫い留めていた風間は、不意に乾いた笑いを零して再びドサリとソファに背を預けた。
「でもそれは俺には無理だ。スッパリ振られたからな―――今度こそって思ったけど、駄目だった」
ハッキリ口に出した事は無かったが、出会った当初風間がみのりに気があるのは明らかだった。みのりも薄々それを感じていて、気安く話が出来る俺を間に立てて盾にしていたのだ。
結局それが元で付き合う事になり、それから彼女が俺の家に泊まる日数が多くなり……みのりの部屋の賃貸契約の更新期間が迫って来たので『なら便利だから俺の家に一緒すんじゃえば?』なんて冗談で言ったら、いつの間にかそれが本当になっていた。ウチは交通の便も良いし、みのりもそれほど高い給料を貰っていた訳じゃなくて正直家賃が負担だったらしい。料理上手なみのりが作るメシは上手いし食費やなんやかや出し合った方が安く済む。彼女は掃除も洗濯もこまめにチャッチャッと済ませるタイプだから俺も随分暮らし向きが良くなった。
そんなこんなで三年はアッと言う間に過ぎ。だけどその間ずっと風間がみのりを、しかも本気で思い続けているとまでは思っていなかった。俺とみのりが付き合うようになってから、風間はこれまでみのりに強引に近づく事は無かったし親しい女の子がいた時期もあった。風間が言わなかったから実際何処までの関係なのか、果たしてどんな付き合いなのかはわからなかったが。しかしその彼女との関係があった間も、風間の内面にはみのりに対する未練が燻っていたと言う事なのだろう。それが俺の煮え切らない態度を目にして再燃してしまったのかもしれない。
「でも、みのりと会ってたんだろ?」
しかも俺のいない所で。
くそっ、俺のこととやかく言っておいて何だよ。自分が後ろめたい事をしていたから、俺の事もそんな風に見えたんじゃないかって思えて来る。
「お前と一緒にすんなよ! みのりさんに会ったのは……偶然だ」
「『一緒』ってなんだよ、俺は何もしてないって言ってるだろう」
不穏な台詞に思わず気色ばんでしまう。
「この間、駅前のカフェで花井さんとデートしてたじゃねーか」
「は?」
『花井さんとデート』?なんだ、それは。
「あっ……」
思い出した。亀田部長から伊都さんが忘れ物だと言って渡してくれたリーフレットを受け取った日。カフェでそれを眺めていたら花井さんが現れたんだ。仕方なく一緒にメシを食べる事になって、ついでに愚痴やら世間話やら聞いたんだっけ。ちょうどみのりが出て行って混乱していた頃だ。ヨツバにどう接して良いか分からなくて、伊都さんから渡されたそのリーフレット『初めてのうさぎのお世話』を見て自分の失態に気付かされて。ショックを受けた直後に彼女が俺に声を掛けて来たんだ。
「いや、あれは違う。偶然花井さんが同じ店に入って来て声を掛けて来たんだ。別の席って言うのもなんだから、同席したってだけで」
「でも随分楽しそうだったよな。外から丸見えだったのに、全然こっちに気付かないくらい」
「お前……あそこにいたのか?じゃあ、声掛けてくれれば良かったのに」
「掛けれる雰囲気じゃ無かった。みのりさんも呆然としていたぞ」
「は?」
みのりが? あのカフェの外に居たのか?
何故、そんなところに……?!
「みのりも其処に居たのか?」
俺はテーブルに手を付いて立ち上がった。身を乗り出して迫ると、風間は俺の視線を真っすぐ受け止めて目を細めた。
「ああ、随分驚いていたよ。帰り道にそこを通り掛かったら、お前と花井さんが楽しそうに笑って呑気に食事しているのを見掛けてさ。そこに偶然みのりさんも居合わせたんだ。俺が何を話し掛けても上の空で……直ぐにお前たちが出て来たけど、何だか良い雰囲気でいちゃついてるから。それを目にしたみのりさんが気の毒なくらいショックを受けていたから、その場から連れ出した。どうせお前達はこの後どっかに消えるんだろうって思ったからな。それを見せるのは流石に忍びなくて」
「いや……あの時は! その後、勿論すぐに別れたよ。……確かに花井さんからは『まだ話足りない』って引き留められはしたけど」
「そうか……? 今にも抱き合いそうな雰囲気だったぞ?ジッと見つめ合って、肩に手なんか置いて、さ」
風間の細めた瞼の奥がギラリと光った気がして、ギクリとする。
あの時確かに花井さんの潤んだ上目遣いに、本能を揺さぶられかけたのは事実なのだ。胸ポケットに入れたままのリーフレットの音で、ヨツバの事を思い出したから何とかそこから体を引き離す事が出来たものの―――だから傍から見てもそんな雰囲気が伝わってしまったのかもしれない。
「いや、本当だって! その後本当にすぐに別れたよ」
流されなくて良かった、と心から思う。つまりそれはヨツバと伊都さんのお陰で何とかギリギリ後ろ暗い立場はまぬかれたのだと言う事だろう。
俺はコホンと咳払いで居住まいを正し、再びソファに腰を下ろした。
「それで―――あんな妙な誤解をしたのか?」
そしてみのりも風間のように、俺が花井さんと隠れて付き合っているのだと誤解したのだろうか?……それで家出を? いや、あの時既にみのりは家を出ていたのだ。だからこそ俺はヨツバの為にアレコレ苦労する羽目に陥っていたワケで。
「みのりもお前の言い分を頭から信じたって言うのか」
「いや」
風間は首を振った。
「少なくとも俺が最初、花井さんの事を伝えた時は、気にしていないように見えた。学生時代の友人と飲みに行った時、偶然そこでみのりさんも同僚と飲んでいたんだ。―――その後一杯だけ付き合って貰って……彼女がお前のこと、まるで疑ってないようだったから。だんだん腹が立って来てつい言っちまったんだ」
「……」
みのりは俺を信じてくれていたのか。
安堵の気持ちが湧き上がるが、一方でみのりは後足で砂を掛けるような真似をして勝手に出て行ってしまっているから訳が分からない。風間の告げ口に腹が立つわ、みのりの行動に対してモヤモヤするわ、俺の腹の中は混乱と疑問符で一杯になっていた。
「ガックリ来たよ。……俺がこんなに心配しているのに何故彼女はこんな調子が良いだけの男を信じているんだって。だから余計にお前に腹が立った、呑気な顔しやがってって」
溜息を吐く風間に苛立ちを覚える。勝手に暗躍して勝手に失望してりゃー世話ぁ無い。そんな事に巻き込まれた俺達にとっては迷惑そのものでしかない。いや、みのりの本心はどうだか分からないのだが……。
「お前……みのりと会ったなんて一言も言って無かったじゃねーか」
「悔しいだろ、告げ口なんて卑怯な真似したのに全く相手にされなかったワケだし」
偉そうにしていたが、風間自身も『卑怯な真似』だと認識していたのだ。驚いて思わず目を見開いてしまう。俺から見て―――全く後悔しているような素振りは見つけられないのだが。
「だけどみのりさんも、言って無かったんだな。だとしたら、全くお前を疑って無かった訳じゃなかったのかもしれない。だからなおショックだったんだろ、あんな所に居合わせてしまって」
「……」
俺に何も告げずにみのりが出て行った後だった。だから例えあの時花井さんと何かあったとしても、みのりに責められるいわれは無い!……と胸を張って言えたら良いが、みのり自身が風間に花井さんの存在を告げられて疑心暗鬼になっている所であの場面を目にしたのなら―――そう言い切ってしまうのは心情的に難しい。
ああ訳が分からなくなって来た。様々な事情やタイミングが絡み合って、どう考えて良いのかも分からない。みのりは一体その時、何を感じていたのだろう? ショックを受けて呆然としているようだ、と風間は言った。だけど本当に? 食事をして引き留められて―――往来で抱き合っていたワケでもないのに、あのみのりがそんな不確かな情報だけで俺が本当に浮気をしていたなんて、信じるだろうか。
そもそもみのりは何故家を出たんだ? 風間から噂話を聞いた時は相手にしていなかったという。なのに実際は逃げるように俺とヨツバを置いて出て行ってしまっている。すっかり冷めてしまった珈琲をグッと飲み干して、俺は視線を落とした。
「みのりは……何故、あんな所にいたんだ?それにお前の所にいないなら、一体何処にいるんだ?」
「……知らないのか?」
驚いたような声に俺は顔を上げた。
風間は知っているのか? みのりが何処にいるのかを。
何故そんな不思議そうに俺を見ているんだ?
「いや、置手紙には『出て行く』とだけ。俺から連絡を入れても全く反応が無い」
眉を顰めてそう吐き出すように言うと、風間が目を丸くした。
そしてそこで、初めてコイツは同情の籠った眼差しを俺に向けたのだ。
「トウキョウだよ」
「は?」
トウキョウ?……東京?!
は?……コイツ何を言ってるんだ? まさかみのりが今、仙台では無く―――東京にいるっていうのか?
「え、何でだ? だって仕事が……いや、もしかして仕事の取材とか研修で?」
みのりは仙台市内の印刷会社に勤めている。その印刷会社は地元志向で仙台と周辺地域中心に仕事を取っているから、これまで出張があったとしても東北近辺から出る事は無かった筈だ。だけど経営方針の変更とか……東京に長期出張が入る可能性が全く無いわけじゃ無い。
じゃあ俺に愛想を尽かして出て行ったんじゃなくて、やっぱり帰って来るつもりで『ヨツバを頼む』って言う主旨の置手紙を置いて行っただけだったのか?
いや、違うよな。それなら連絡に返信がある筈だし、荷物を持ち出すのは不自然だ。風間の言い分を聞いても、そんなハズは無いって分かる。
風間は『俺がみのりの行先を知っている』と思っていたと言う。つまり、どうやらコイツもみのりの事情を全て知っているという訳ではないのだ。
一体、どういうことなんだ?―――何故みのりは東京に行ってしまったのだろう。
「でもそれは俺には無理だ。スッパリ振られたからな―――今度こそって思ったけど、駄目だった」
ハッキリ口に出した事は無かったが、出会った当初風間がみのりに気があるのは明らかだった。みのりも薄々それを感じていて、気安く話が出来る俺を間に立てて盾にしていたのだ。
結局それが元で付き合う事になり、それから彼女が俺の家に泊まる日数が多くなり……みのりの部屋の賃貸契約の更新期間が迫って来たので『なら便利だから俺の家に一緒すんじゃえば?』なんて冗談で言ったら、いつの間にかそれが本当になっていた。ウチは交通の便も良いし、みのりもそれほど高い給料を貰っていた訳じゃなくて正直家賃が負担だったらしい。料理上手なみのりが作るメシは上手いし食費やなんやかや出し合った方が安く済む。彼女は掃除も洗濯もこまめにチャッチャッと済ませるタイプだから俺も随分暮らし向きが良くなった。
そんなこんなで三年はアッと言う間に過ぎ。だけどその間ずっと風間がみのりを、しかも本気で思い続けているとまでは思っていなかった。俺とみのりが付き合うようになってから、風間はこれまでみのりに強引に近づく事は無かったし親しい女の子がいた時期もあった。風間が言わなかったから実際何処までの関係なのか、果たしてどんな付き合いなのかはわからなかったが。しかしその彼女との関係があった間も、風間の内面にはみのりに対する未練が燻っていたと言う事なのだろう。それが俺の煮え切らない態度を目にして再燃してしまったのかもしれない。
「でも、みのりと会ってたんだろ?」
しかも俺のいない所で。
くそっ、俺のこととやかく言っておいて何だよ。自分が後ろめたい事をしていたから、俺の事もそんな風に見えたんじゃないかって思えて来る。
「お前と一緒にすんなよ! みのりさんに会ったのは……偶然だ」
「『一緒』ってなんだよ、俺は何もしてないって言ってるだろう」
不穏な台詞に思わず気色ばんでしまう。
「この間、駅前のカフェで花井さんとデートしてたじゃねーか」
「は?」
『花井さんとデート』?なんだ、それは。
「あっ……」
思い出した。亀田部長から伊都さんが忘れ物だと言って渡してくれたリーフレットを受け取った日。カフェでそれを眺めていたら花井さんが現れたんだ。仕方なく一緒にメシを食べる事になって、ついでに愚痴やら世間話やら聞いたんだっけ。ちょうどみのりが出て行って混乱していた頃だ。ヨツバにどう接して良いか分からなくて、伊都さんから渡されたそのリーフレット『初めてのうさぎのお世話』を見て自分の失態に気付かされて。ショックを受けた直後に彼女が俺に声を掛けて来たんだ。
「いや、あれは違う。偶然花井さんが同じ店に入って来て声を掛けて来たんだ。別の席って言うのもなんだから、同席したってだけで」
「でも随分楽しそうだったよな。外から丸見えだったのに、全然こっちに気付かないくらい」
「お前……あそこにいたのか?じゃあ、声掛けてくれれば良かったのに」
「掛けれる雰囲気じゃ無かった。みのりさんも呆然としていたぞ」
「は?」
みのりが? あのカフェの外に居たのか?
何故、そんなところに……?!
「みのりも其処に居たのか?」
俺はテーブルに手を付いて立ち上がった。身を乗り出して迫ると、風間は俺の視線を真っすぐ受け止めて目を細めた。
「ああ、随分驚いていたよ。帰り道にそこを通り掛かったら、お前と花井さんが楽しそうに笑って呑気に食事しているのを見掛けてさ。そこに偶然みのりさんも居合わせたんだ。俺が何を話し掛けても上の空で……直ぐにお前たちが出て来たけど、何だか良い雰囲気でいちゃついてるから。それを目にしたみのりさんが気の毒なくらいショックを受けていたから、その場から連れ出した。どうせお前達はこの後どっかに消えるんだろうって思ったからな。それを見せるのは流石に忍びなくて」
「いや……あの時は! その後、勿論すぐに別れたよ。……確かに花井さんからは『まだ話足りない』って引き留められはしたけど」
「そうか……? 今にも抱き合いそうな雰囲気だったぞ?ジッと見つめ合って、肩に手なんか置いて、さ」
風間の細めた瞼の奥がギラリと光った気がして、ギクリとする。
あの時確かに花井さんの潤んだ上目遣いに、本能を揺さぶられかけたのは事実なのだ。胸ポケットに入れたままのリーフレットの音で、ヨツバの事を思い出したから何とかそこから体を引き離す事が出来たものの―――だから傍から見てもそんな雰囲気が伝わってしまったのかもしれない。
「いや、本当だって! その後本当にすぐに別れたよ」
流されなくて良かった、と心から思う。つまりそれはヨツバと伊都さんのお陰で何とかギリギリ後ろ暗い立場はまぬかれたのだと言う事だろう。
俺はコホンと咳払いで居住まいを正し、再びソファに腰を下ろした。
「それで―――あんな妙な誤解をしたのか?」
そしてみのりも風間のように、俺が花井さんと隠れて付き合っているのだと誤解したのだろうか?……それで家出を? いや、あの時既にみのりは家を出ていたのだ。だからこそ俺はヨツバの為にアレコレ苦労する羽目に陥っていたワケで。
「みのりもお前の言い分を頭から信じたって言うのか」
「いや」
風間は首を振った。
「少なくとも俺が最初、花井さんの事を伝えた時は、気にしていないように見えた。学生時代の友人と飲みに行った時、偶然そこでみのりさんも同僚と飲んでいたんだ。―――その後一杯だけ付き合って貰って……彼女がお前のこと、まるで疑ってないようだったから。だんだん腹が立って来てつい言っちまったんだ」
「……」
みのりは俺を信じてくれていたのか。
安堵の気持ちが湧き上がるが、一方でみのりは後足で砂を掛けるような真似をして勝手に出て行ってしまっているから訳が分からない。風間の告げ口に腹が立つわ、みのりの行動に対してモヤモヤするわ、俺の腹の中は混乱と疑問符で一杯になっていた。
「ガックリ来たよ。……俺がこんなに心配しているのに何故彼女はこんな調子が良いだけの男を信じているんだって。だから余計にお前に腹が立った、呑気な顔しやがってって」
溜息を吐く風間に苛立ちを覚える。勝手に暗躍して勝手に失望してりゃー世話ぁ無い。そんな事に巻き込まれた俺達にとっては迷惑そのものでしかない。いや、みのりの本心はどうだか分からないのだが……。
「お前……みのりと会ったなんて一言も言って無かったじゃねーか」
「悔しいだろ、告げ口なんて卑怯な真似したのに全く相手にされなかったワケだし」
偉そうにしていたが、風間自身も『卑怯な真似』だと認識していたのだ。驚いて思わず目を見開いてしまう。俺から見て―――全く後悔しているような素振りは見つけられないのだが。
「だけどみのりさんも、言って無かったんだな。だとしたら、全くお前を疑って無かった訳じゃなかったのかもしれない。だからなおショックだったんだろ、あんな所に居合わせてしまって」
「……」
俺に何も告げずにみのりが出て行った後だった。だから例えあの時花井さんと何かあったとしても、みのりに責められるいわれは無い!……と胸を張って言えたら良いが、みのり自身が風間に花井さんの存在を告げられて疑心暗鬼になっている所であの場面を目にしたのなら―――そう言い切ってしまうのは心情的に難しい。
ああ訳が分からなくなって来た。様々な事情やタイミングが絡み合って、どう考えて良いのかも分からない。みのりは一体その時、何を感じていたのだろう? ショックを受けて呆然としているようだ、と風間は言った。だけど本当に? 食事をして引き留められて―――往来で抱き合っていたワケでもないのに、あのみのりがそんな不確かな情報だけで俺が本当に浮気をしていたなんて、信じるだろうか。
そもそもみのりは何故家を出たんだ? 風間から噂話を聞いた時は相手にしていなかったという。なのに実際は逃げるように俺とヨツバを置いて出て行ってしまっている。すっかり冷めてしまった珈琲をグッと飲み干して、俺は視線を落とした。
「みのりは……何故、あんな所にいたんだ?それにお前の所にいないなら、一体何処にいるんだ?」
「……知らないのか?」
驚いたような声に俺は顔を上げた。
風間は知っているのか? みのりが何処にいるのかを。
何故そんな不思議そうに俺を見ているんだ?
「いや、置手紙には『出て行く』とだけ。俺から連絡を入れても全く反応が無い」
眉を顰めてそう吐き出すように言うと、風間が目を丸くした。
そしてそこで、初めてコイツは同情の籠った眼差しを俺に向けたのだ。
「トウキョウだよ」
「は?」
トウキョウ?……東京?!
は?……コイツ何を言ってるんだ? まさかみのりが今、仙台では無く―――東京にいるっていうのか?
「え、何でだ? だって仕事が……いや、もしかして仕事の取材とか研修で?」
みのりは仙台市内の印刷会社に勤めている。その印刷会社は地元志向で仙台と周辺地域中心に仕事を取っているから、これまで出張があったとしても東北近辺から出る事は無かった筈だ。だけど経営方針の変更とか……東京に長期出張が入る可能性が全く無いわけじゃ無い。
じゃあ俺に愛想を尽かして出て行ったんじゃなくて、やっぱり帰って来るつもりで『ヨツバを頼む』って言う主旨の置手紙を置いて行っただけだったのか?
いや、違うよな。それなら連絡に返信がある筈だし、荷物を持ち出すのは不自然だ。風間の言い分を聞いても、そんなハズは無いって分かる。
風間は『俺がみのりの行先を知っている』と思っていたと言う。つまり、どうやらコイツもみのりの事情を全て知っているという訳ではないのだ。
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