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捕まった後のお話
7.茹ですぎです。 <大谷>
しおりを挟む私の額にチュッと口付けて亀田課長が扉を出て行った。
「うはぁ……」
優し気に薄く微笑む課長の表情が残像のように私の心に焼き付いている。もぉお!課長!私を何度萌え殺せば気が済むんですか……!!!
ガバッ
溜まらず私は勢いを付けて飛び起きる。勿論素っ裸だ―――恥ずかしい事この上ない。そして光の速さで亀田課長が拾い集めてくれた衣服を身に着ける。
なになに?『気にせず、一緒に着れば良かったじゃない?』
ノー!駄目!絶対!
さっき見たでしょ?亀田課長のその……引き締まった体を。課長、顔も整っているけどお体も……綺麗と言うか良い形をしている。ベッドの上にムクリと起き上がった課長を見て、思わず私の息と時間が止まってしまった。さっきまでは必死だったし、酔っぱらっていたようなモンだから意識していなかった。一度眠ってスッキリした頭と目で見ると……ゴクリ。思わず生唾を飲み込んでしまった。
すると我に返る訳ですよ。
われとわが身を振り返って思わず私は自問自答した。―――お前、日の光の下で……見せられる体、しているんですか?……と。
ダメ、ゼッタイ。
インドア生活が長いせいで、筋肉なんかタルンタルン。二の腕もお腹も太腿も―――ああっ!明るい西日に晒して課長の素敵な体と並べるのは酷過ぎる……!!課長が人間だったら、私なんか白玉団子ですよ、それも茹ですぎの。そして形も崩れちゃってるのっ!
うん。今度からなし崩しは駄目ね。
昼間はダメ。真っ暗じゃないと。
着替え終わって自堕落な体をすっかり隠し遂せた私は、やっと冷静さを取り戻す事ができた。ベッドを軽く整え、腰に手を当て忘れ物が無いか見直した後―――改めて心にそう固く誓って大きく頷くと、課長が待つダイニングキッチンに向かったのだった。
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