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うさぎ小話
うさぎの性(さが)
しおりを挟むGWお疲れさまでした。日常生活、頑張りましょう~!(←カラ元気です)
箸休め的なうさぎ小話です。近頃うさぎ成分が薄めだったので投入。
三人称・うータン視点でお届けします。
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ケージの出入口が世話係の手により解放されたので、うータンはヒクヒクと鼻を利かせ気配を窺ってからゆっくりと前足を外へと降ろした。
トテットテッ……と部屋の中を跳ねつつ、良い位置を吟味する。
うータンが最近気に入っているのは、壁際のフカフカしたラグの上ーーーそこは日中の間陽当たりが良く、コンパクトに丸まっていると思わずウトウトしてしまう、昼寝には打ってつけのベストスポットだ。そこまで跳ねて辿り着き、フンフン辺りを検証してみる。しかし夕方の西日からは外れており、イマイチ座り込む気になれない。
―――他にもっと良い場所はないか?―――
後足で立ち上がりフンフンと鼻を利かせ、耳をピン!と立てて音を拾う。
すると大きな壁のような生き物が座っているのを発見した。台所で作業をしている世話係と何やら楽し気に話をしながら、卓袱台の前に座って飲み物を飲んでいる。
嗅ぎ覚えのある匂い、聞き覚えのある鳴き声のこの大きな生き物は―――そう、暫く前から現れるようになった、うータンの『世話係その2』だ。
うータンはジッと世話係その2を検分した。
そしてある一点に惹き付けられる。―――その魅惑的な穴倉……うさぎであれば誰もがそのフィット感を確かめずにはいられない、そのちょうど良い大きさの窪みへと。
抗えない吸引力に引き寄せられるようにうータンはそこへ近づき……勢いよくズボッと頭を突っ込んだ。
「わっ……うータン!」
何処か弾んだ低い声が、上から響いて来る。
こうするといつも、世話係達は何故か嬉しそうな声を上げるのだ。うータンにとってはどうでも良い事だ。うさぎは自分のしたい事が一番。周りの生き物がどう思うか何を考えてるのかなんて―――彼女、うータンにとっては些末な事に他ならない。
―――ああ……この、えも言われぬ満足感。―――
頭蓋にぴったりと嵌るサイズの世話係の手も気持ちが良い。しかしこの、大きな体躯の世話係その2の、うータンの肩甲骨辺りまで覆う大きさの掌も―――近頃彼女はかなり気に入っている。それに鼻づらを撫でるマッサージの技量も、なかなかツボを突いたもので宜しい。的確にうータンの気持ちの良い所を撫で擦ってくれる所はまずまず評価している。
―――うん、悪くない。世話係その2、苦しゅうない、そのまま続けるが良いぞ―――
うータンは、うっとりと目を閉じた。
「出来ましたよー……っと、あ、うータン嵌ってますね!」
「ああ、アッチに居たかと思っていたのに―――いきなり掌に突っ込んでくるから少し驚いた」
「とか言って嬉しそうですよね~、丈さん、声が弾んでますよ!」
「まあな……気ままな癖に懐っこいのが、またイイんだよなぁ」
グイグイっ!
世話係その2は世話係との話に夢中になって、鼻づらを撫でるのを怠ってしまっていた。
うータンは要求する。
―――止まってるぞ!私はまだ満足していない、弛まず励め……!―――
「あっスマン、うータン!」
慌てて鼻づらを撫でる作業を再開する世話係その2。すると世話係がクスリと笑って揶揄った。
「フフッ……泣く子も黙る営業課の『コワモテ冷徹銀縁眼鏡』も、うータンには形無しですねぇ」
「……何とでも言え……」
「可愛いです」
「卯月お前……後で覚えてろよ」
「え?何ですか?」
「……何でもない」
会話に不穏な空気を感じないでも無かったが……うータンにとってはこれも些末な事だった。鼻づらを撫でる世話係その2の指をうっとりと堪能し、うータンは心行くまでその日、それを楽しんだのだった。
揶揄った借りを存分に返され、世話係その2に可愛がられた世話係のお話は……また今度!
【続く?】
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とか言って『また今度』のお話は特に予定しておりません。面目ない……!
また何か浮かんだら追加したいです。が、まだ何も浮かんでいないので番外編の後になるかもしれません。
お読みいただき、誠にありがとうございました!
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