道入純

読書人間ヨミ・ヨーミ

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タイトル          道入純

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桜咲く。
 桃色花弁は見上げられ、地に落ちた花弁は無意識に踏み躙られる。

「安直だね。持て囃されたモデルを批判して悦に浸っているのかい?」

 俺の書いている卒業文集の一文を覗き見て、小馬鹿にしたような笑みを道入ミチイリは浮かべた。 

「卒業文集にしては頑張ってる方だろ」

「ふゥん。まぁ君がそれでいいならそれでいいけども」

 そう言うと道入は赤ペンを取り出し、

『桜泣く。
 地に落ちた身体の一部を踏みつける者が、笑顔で自分を持て囃すから。』

「僕はこの方が美しいと思うけどな」
 道入は得意気に僕の反応を伺う。

「……微妙。ヒステリックに染まり過ぎ」

「……だね。まるで助けて欲しいと作者が叫んでるようだ」
 そう言って道入は自分の書いた文を赤ペンでグジャグジャと塗り潰す。

「道入は、助けてほしいのか?」

「なにさいきなり。冗談じゃない。創作物と作者は切り離す物だよ」

 





 道入ミチイリジュン


 道入は、虐められている。
 捻くれた性格と、女のような顔、男とは思えない華奢な身体、赤みの強い茶色の瞳。

 一番の原因は、SNSの裏垢が学校の皆に知られてしまった事。

 クラスメイトの悪口などは一切なく、そこには、道入の裸の写真があった

 それは援交をする為の裏垢で、投稿されていたのは肌色の多い写真、おっさんと二人で映る女装した道入の写真。
 集合場所、いちごや神、FやNの文字。

 その事実は、同級生、下級生、それに次年度の新入生にまで伝わってしまっていた。

 平穏を飾るには華美な色。
 陰口、嫌がらせは語るべくも無く。

 ただ、道入は引っ越す事もなく、あと三ヶ月で卒業するまでに至る。




 しかし、だからと教室に居場所はない。


「朝から仲良えなお前ら!! なんぼでやったんな!!」

 時間が経っても道入へのイジメは苛烈を極め、その矛先は僕にも向いていた。

「少し五月蝿いね、昼になったらいつもの場所に行かないかい?」
「行くか」

「おい皆! 道入らが昼にホテルに行くぞ!」

 密閉された空間にモラルとコンプライアンスは無い。

─────────────


 屋上には幽霊がいる。
 生徒と教師という禁断の恋をしてしまった二人が屋上から飛び降りたと。

 誰かが噂し脈々と受け継がれ、そのせいで開放されてるにも関わらず誰も寄り付かなくなってしまった場所。
 俺と道入の、開放的な閉鎖空間。


「しっかし今頃柵もない屋上とか、自殺してくださいって言ってる様なものでは?」
屋上の縁を歩く道入は言う。

「別に……あってもなくても関係ないだろ」
 道入の内側を沿い歩きながら答えた時、ぽこんと馬鹿みたいな電子音が道入のスマホから鳴る。

「そりゃーそうだー、ふぃーあったかい」
 道入は、間延びした返事をしながら、僕の知らないスマホを取り出し、真っ白になった手を合わせカイロのように暖を取る。

「また変えたのか、スマホ」

「あ~これ、連絡用のスマホ、いやぁ~四六時中通知が来るからさ、困っちゃうよね」
 チラッと見せられた画面には、大量の絵文字と電子マネーカードと俯瞰で取られたナニの写真があった。

「忙しそうだな」

「んまぁね。そんなことより、卒業文集は完成しそうかい?」
 慣れた手付きでスマホを操作しながら道入は言う。
 その答えが分かってそうな口振りが鼻に付いた。

「道入が何も言わなければ今すぐにでも完成するよ」

「へ?」
 スマホを叩く音が止まったと思えば、道入の口から間抜けな声が抜け、丸々とした目を僕に向けたと思えば、目も開けられない程に笑い出した。

 ククククと口をツグもうとしても、笑いが腹から押し寄せダムが決壊したかのように、ヮハハハハハハと白い歯を見せて腹を抱えて道入は笑う。

 このまま落ちて死んでくれないかなと思った。


 通り一遍の笑い方を出し尽くした道入は、涙を拭いながら口を開く。

「ふゥゥぅごめんごめん、レポートや作文、職業体験先へのお礼の手紙すらも提出日守れなかった人の言葉とは思えなくて」

「別に、それは」
「いいかい?君は気にしいだから一度書いたらウーンと悩んで消してしまう。あと一文で完成かと思ったら、次の日には真っ白のレポート用紙を前に頭を抱えていた時なんか夢でも見てるのかと思ったよ」
「きっと、君の文章が人間になったら肉割れまみれだろうね」

 道入は空気を一杯に吸い腹を膨らませ、ジグザクに肉割れ線を書くが、真っ白な肌にピンク線が指を辿って消えてゆくだけで、
 そのあまりの馬鹿らしさに

「なんだよそれ、腹冷やすぞ」

「小粋な表現さ、この発想力が君には足りない」
「第一、君は頭が固いんだよ、更に変に取り繕うとする癖がある、レポートや感想文とかだって最初に書いたのをそのまま」
 道入は一度鼻が高くなると止まらない、いつか伸びすぎて折れるだろう。

「そ、そういえば道入は卒業したら何をするんだ?」


「う?ぁあね……僕に対する悪評のせいでここら辺で就職は難しそうだからね」
 道入はお手上げと、名の通り、手を上げて進路の不透明さを言う。
 狭い町だから、子供も大人も道入のコトは知っている。
 そんな事は知っていた。

 しかし、返事を用意していなかった。 
「……」

「ある人から誘われててさ」
「結婚しようかなって思ってるんだ」

「は?」

「大丈夫さ、男の人とだもの」

「……」

「こういう時代だからね 男と男が結婚するだなんてもう異常ではないのさ」
 言われた言葉の意味が分からなかった。

「それは、小粋なやつか?」

「いいや、正真正銘、本気」
「それに、男同士の結婚を小粋な表現と言うのはもうコンプライアンス的に良くないよ」

「そうか……」

「……君はいい友達だね」




「でも、祝ってはくれないんだね。嬉しいよ」


 道入は笑っていた。









 桜は枯れた。
 また芽吹くのは何時だろうと土を見る。



 
 会社を辞めて、ただ時間を貪っていた。

 答えはなく、応えはなく。
 それが堪えて。
 自分自身を尖らせ続けていた。


 ピンポーン

 チャイムが。
 布団から出るのが億劫だった。
 地面に溶ける様に這いながら、扉を見つめる。

 扉の新聞受けが開き、そこから、赤みの強い茶色の目がこちらを見つめていた。


「生きているじゃないか」


 聞いたことのない声だった。

 ガラついて、変に高い。 

 知らずの内、立ち上がっていた。
 足のスジや筋肉が痛みでそれを知る。

 扉を開けていた。

 そこには、

「やぁ、息災かい?」

 男がいた。
 
「──ぇ」

「まぁ何も聞かずに上げておくれよ。見て御覧、雪が降ってる」
 タッタと肩に積もる雪を払い、その男は家に入り、さっきまで入っていた布団の中へ。

「はぁ冬は嫌だね、手足や体、頭は暖かくても顔はどうやっても寒いや。目が凍ってしまいそうだよ」
「君も入りなよ、扉を閉めてもこの寒さは堪えるだろう?」

「……ァぇ……ぁ」
喉奥が詰まっているような、声が出ず、脳は言葉を選べず。
この男は
「だれ……ですか」

「!……なんだ酷い事を言うじゃないか」
「何しに来た」

「……ふふ。友達に会いに来ては駄目だったかい?」
 男は俺を見上げながら、昔聞いたような口調で話す。

「なんで今更」

「会いたかったからさ……んん駄目だね、こんな理由ではまるでネズミ講やマルチ商法の誘いのようじゃないか」

 男は、無精ヒゲが生え、まるで金タワシのように傷んだ髪の毛で。

「その様子では君も自堕落に生きている様だ」

 男は、無雑に生え育った眉毛に、短いまつ毛で。

「ムッ少しばかり臭うね。ちゃんとお風呂に……というより着替えてもないのかな?」

 男は華奢というより、ただ細いだけの身体で。

「銭湯でも行こうか、君の事だ、服自体はあるんだろ?」

 道入だった。

 男は道入だった。
 

「──────────
─────────






 道入の体には、大きな入れ墨が入っていた。

「やっぱりご時世だね。僕が変なの背負ってるからこんな遠くまで来てもお風呂にも入れない」

「いいよ別に」

「これじゃあ何処に行っても風呂に入れそうにない。なんならこんな所まで来てしまっていい加減足が限界だ」
「となるとそうだ……休憩していかないかい?」

 道入が指さした先、田舎には珍しい背丈の高いホテルが。

「いゃ……」

「あそこは男二人で入っても大丈夫だよ、なんなたパネルで部屋選ぶタイプだから顔も見られない」

「……」

「お金は僕が払うよ。ホラホラ君の肩にも雪が積もり始めてる」

 返事はせずに、出来た足跡も降る雪が消していく。

─────────

「意外と綺麗でしょ?」
 熱くも、寒くもない包まれるような生温い空気が漂う部屋。

 怠惰と肉欲を表現したかのようなベッドとソファー。

「ここは泡風呂が出来るんだよ? 面白いでしょ? 後で一緒に入ろうよ」

 変に広い風呂、中抜けした風呂椅子。

 個包装されたタオル。

「デカいベッドにデカいテレビ、最高だね見れるだけ映画を観ようよ」
 枕元のティッシュとドドメ色に調整する照明操作盤。

 ゴム。

「空調してても寒いね、寄っていいかい?」
 指。
 肌。
 道入。
 触れて、



 荒れて。

ガコン!とお湯の止まる音が鳴り、俺と道入が身体を一瞬震わせた。

一瞬の静寂、何かわからない音楽が酷く大きく聞こえて。
咄嗟に、

「さ、先に風呂、入ってこいよ」
出た言葉。

「ふふ、分かったよ」
小馬鹿にしたような、笑顔。
シワに溢れた。





 シャワーの音が不必要に十二分に反響して、
 止まったような空間、
 血管の所在が感知出来て、
 手は置き場所が分からず膝の上に丸く固まって、
 ソファーから背中を離して、
 ホテル案内の表紙に釘付けになって、
 安いスリッパに汗が滲むのを感じて、
 脱ぎ捨てられたクタクタな肌着が傍に置いてあるのを知っていて、
「ねェー! 君も入りなよー! 寒いでしょー!」

 道入の声
 聞こえて
 気づけば
 揺れる様に
 服を脱いでいて
 風呂場のレバーに
 手を伸ばし、目が
 離れそうになるくらい
 胸がきゅうくつで呼吸は荒くて
 それでも、
 そっと置いたら
 開くドア


「いらっしゃあい」


 湯に浸かっていた道入が俺が入ったと同時に立ち上がった。
 見せた身体は、華奢というより貧相で、肋に胸骨も浮いて、下腹は皮が余っているかのように段がついて、胸は張り付いているように体にあって、それでも垂れていて、色気も何もない、貧相な、身体。

 湯気に惚れられようと艶はならず、湿気た髪はデコの面積を増やして、足は骨に色を塗ったかのようで。

 そんな姿は、
 そんな姿の、
 道入は、
 そんな身体の
 そんな身体に

「えっ」
 戸惑いの声。
 聞こえた途端、風呂場から出て、服を荒く着た。

「まって!」
 静止する声。
 湯気と共に道入は風呂から出ていた。
 俺は、ズボンも上げきらず内に出口に向かった。

 強くドアレバーを握る、開かない。
『ピンポンパンポーン当ホテルは自動会計システムを採用しております、お帰りの際は、会計ボタンを押してくださいメンバーズカードをお持ちの』
 斜め後ろの機械は言う。
 会計ボタンを押し、財布を開こうとチャックを開ける、レシートが引っかかる。

『ただいま、ご請求額の問い合わせ中です。しばらくお待ち下さい』

「まって、まってよ!」
 ドタドタと細い玄関に道入が急いで着替える音が聞こえる。
 力いっぱいにレシートを巻き込みながら財布のチャックを開ける。
 レシートとクーポンを掻き分け一万円が一枚。

 押し込む様に入れるが返され、それでまた焦って入れ直し、入ったが壊れそうな音。

『よろしければ確認ボタンを押してください』
 押した。
「待ってよ!」

 火照って、汗か、拭き残しか分からない物を頬に流した、道入が俺の肩を掴んだ。

 一枚ずつ、千円が出てくる、轟音と共に。

「待ってよ……」

 一枚ずつ、千円が出てくる。

「ねぇ」

 一枚ずつ、千円が出てくる。

「ねぇなんで」

 一枚ずつ、千円が出てくる。

「ねぇ!」

 一枚ずつ、千円が出てくる。

「なんで……」

 一枚ずつ、千円が出てくる。

「勃ってるの……?」

 放り捨てられるように小銭が出てきた。





「僕で……興奮してくれたの……?」












「待って!」

 ホテルを出て、逃げるように走っていた。
 後ろから道入の声が聞こえても。

 しかし、雪が足を掴み、逃さない。
 ずっと逃げていた俺の足では、逃げれなかった。


「ねぇ……君だったらさ……なんでもしていいしさ……」

「なんでもしてあげるしさ……」

「ほら寒いしさ」
 腕を抱いて起こそうとする道入の腕を払った。

「大丈夫だよ、大丈夫。僕慣れてるからさ……だから」
 その声に、目に

「あの頃よりは」
「お前とは違うんだよ!!」

「えっ」

「俺はァ!」
「俺はぁ……ぁあア!」


「お前みてェな、ホモじゃねぇんだよ!!」

 仲間の様に、見て囁く、それに、酷く、脳が、嗚咽を繰り返してた。


「俺は男で! 女が好きで!! 女が好きで、女とヤって!! 子供作って!!」
 言えば言うほど、心がから回る。

「道入は……ッ! お前は!!」

「男とヤる異常者で!! 俺は男とヤッてないから正常で!! 俺は……俺はァ!」

「男なんかに興奮しねぇんだよ……」

 自己認識と現実が、回るように首を締め上げて、どれかを否定すれば、何方かが自分を否定して、心を締め上げ、もう絞り切れぬ程の失血はして。
 だから男に縋って、男を捨てて。
 自分が何も生み出せない、何も成せない生きていて何の価値のない存在である事を認めたくなくて。


「もう……俺は俺が分からん……」













「……さむいね」
 泣き腫らた頬が、木枯らしで切れるような痛みを感じていた時、困った様に笑い、道入は言った。

「……寒いな」

 ホテルから離れ、宛もなく歩いていた。
 横に並んで、手を繋ぐ訳もなく誰が行き先を決める訳もなく。

「………ごめんね」

「言うな」

 身の上など語れなかった。
 俺も道入も、これ以上何も抱えきれない事が、分かっていたから。

 だから出てくる話題は一つで。


「そういえばさ、僕達が通ってた高校ってまだあるのかな」

「確か……まだあったはず、だいぶ人数減ったらしいけど」

「まださ……柵、付いてないのかな」
 道入は笑っていた。









 冬休み、人っ子一人いない高校を男二人荒らしたりすること無く、ただカンカンと音を鳴らしながら階段を上がっていく。

 道入が先を行くのは、昔から変わらず。
 いつだろうと開いていた屋上も、冬休みでも、今でも、嬉しいかな、施錠されていなかった。

 錆擦れ、鳴る鈍色の音が一瞬に、ただそれが阻むるもので、吹く風と共に扉は開き、風に蹌踉めくヨロメク道入を支える。

 骨を触った様だった。
 襟口から覗く肌が、あれだけ透き通るような白肌が、黄色に滲んでいた。

「ありがとね」

「あ……おう」

 困った笑顔で手から抜けて行く。
 開けた世界、仕切りもなく、一歩踏み出し外れば違う世界に行ける場所。

「……死ぬのか」

「くどいよ」
 明言を避けていた質問。
 明言を避けた明確な答え。
 答えに対する返事は有象無象しか用意しておらず、選べど選べど同じ意味の千日手。

「そじゃ、勝手に死ぬから君とはここで、ありがとね」
 道入は減る扉の隙間から最後まで手を振り続け、最後はピースして引っ込んでいった。

 擦りガラスに映る影が小さくなっていく。

 カンカン鳴らしながら階段を降りていく。
 踊り場で佇む。
 死んでほしくない。
 しかし、あの時道入を拒んだ自分に何も出来る事はなく。
 仮に受け入れてしまったら、今度は自分が生きている事が出来ない。
 であれば、今は、何も、しない事が、正しい事だ。

 と、どろつく答えを飲み込んでいた時に背後からドン!と音が。

 落ちた。
 急いで階段を登った。
 死んでしまった。
 着いた。
 見た。


 擦りガラスに赤みの強い茶色の丸とその下に赤黒い下弦三日月。
 なぜか開く扉。

「道入……?」




「あっあはっあっあっやっぱり、やっぱり」

「まだ、まだいてくれた。うれしい、うれしい。こわい、こわいの、しっしのうと思ったけど、こわいの」

「わたし、きみがすき、すきなの。
昔から」

「きみが居ればいい、きみだけがわたしのいきがい」

「だからね、いっしょに、いっしょにいて」




 あぁ……駄目だ。
 初めて道入に触れた気がする。
 顔が砕けた様に泣く顔が、溢れ溢れてアフレコボレテしまったような声が、脳に響き、心を飲み、触れる肉が、心臓を犯す。

 脳が緩む事を感じる。
 脳がそれを感じ、心を考えさせた時には肉体が動き出そうとしてしまう。

 引き籠ってばっかりだった、白い肌が、心臓の血流ポンプによってピンク色に変わっていく。


「ねぇ……きみだったらさ……なんでもしていいしさ……」

 爆ぜた理性を食むように、一言が甘言で。

「なんでもしてあげるしさ……」

 指が這う。
 真夏も、真夏、陽炎が道を歪ませるように、目が、視界がぼやけて。
 散り降る雪が顔に触れる度、音を立てて溶けるような。
 微睡やかな現実。


「ほら」

「道入!!」



「……ッ死のう!!」


「うん いいよ」

 この時、道入は笑っていたのか、分からない。

「こっちに来て」
 引かれる、二本の指に手をかけただけの先導。
 振り払う事など容易、そんな事は出来ないが。

「ここから落ちたらきっと、死ねるよ」
 下は見なかった。
 道入の言葉を疑う事が出来なかった。

「噂のさ、禁断の恋をした二人も、こんな感じで死んだのかな?」



「……ヒステリックに染まり過ぎ」



「へぇ、助けて欲しい?」



 風が吹いた。
 吹いた。




















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