まいらじ!

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Spring and Start up

#03 オモイたったら

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 私の通う星見野高校は特徴的な点が幾つかある。
 もちろん全て把握しているわけではないが、今の私が関係することで一つ挙げるなら、部活動関連の環境がかなり整っているという点である。
 活動可能時間は朝6時半から始まり、最終下校時間前の夕7時半まで。
 部活動で使用できる場所や教室は活動の際は自由に開放され、更には部活動時のみ使用可能となる特別な場所もある。
 部活動設置数も多く、中でも文化部は選択肢に困ってしまうほど多岐にわたる。
 でもそれだけ自由に設置やら活動やらしていると、管理把握に教師は追いつけるのだろうかと疑問になる。
 もちろん、その部分もきちんと対策されていたのは言うまでもなかったのだ。

『部活動管理委員会』

 諸所部活動において正しく活動が行われているか、部費管理は正しく行われているかなどを生徒たちで顧問を結成し管理していかんとする機関、らしい。
 正直私もよくはわかってない。
 遥は略して『部管理会』なんていってたっけな。
 教師が面倒みきれないから生徒に任せた、的なことでいいのかな?
 ただ私としては、普通に部活動をするにあたって、あまり難しくされるのは困るなというのが第一印象だ。

 部活動のパンフレットを見ながら私があれこれ考えを巡らせるのには訳がある。
 それは新部活動を設立するにあたって、障害となるものがなんなのかを把握しなければならないからだ。
 帰り道で遥に勧誘ポスターを作る!と声高らかに宣言した私。
 その時遥に、多分今の状態では設立は厳しいかもと言われていた。
 そんなのなんとかなるよー、なんてあの時は言ったんだけど、制度がしっかりしてるという事はそれだけ管理が厳しいという事。
 そうもいかないよねーとなったわけでありますよ。

「発足に必要な最低人数は3名…私と遥と…あと一人必要なのかぁ」
 設立にあたる規定を読んで一人ぼやく。
 まぁまぁ、二人で始められるほど甘くはないか。
 はぁーとため息を漏らす。

 ん?

 でも私今勧誘ポスター作ってるんだよね…
 それって部に入ってくれるメンバーを募集するためのものじゃんか。
 なら私の今出来ることはそのままポスターつくることなんだ!
 ひとりコントみたいな流れの中、私はポスターを完成させるべきなんだと再確認し、中断していた作業に取り掛かった。


 次の日の朝、学校に来るやいなや、意気揚々と遥の座る席まで歩を進める私は、もちろんポスターの出来栄えを早く遥に見せたかった所以の行動である。
 ポスターを作る程度ならお茶の子さいさい、なんて高を括っていたのが恥ずかしく思えるほど時間がかかってしまったのは内緒だ。
「ほれ見たまえ!」
 ノートを開いて何か書き物をしていた遥に、私はポスターをおもむろにつき出す。
 なっ、とかえっ、とか声を出すとおずおずとポスターを手に取り、じーーっと凝視。
 そして一言、
「音里にしてはなんて早い仕事…何があったさ…」
 なんだ、そんなことか。
「思い立ったが吉日!」
「あんたそんなこと今の一度も言ったことないし」
「私はホンキなんだ!どーや!」
 私は遥からポスターを抜き取ると、もう一度目の前に、今度は更に深くつき出す。
「ラジオ放送活動部、通称『ラジ活部』部員募集中、我々の楽しいラジオで校内を共に盛り上げよう、か、ふむふむ、ほおぅ…」
 良い出来だと言わんばかりの感心ぶりを見せる遥。
 私も少し嬉しくなる。
 ポスター全体は薄赤を貴重に、文字のレイアウトも目に止まりやすいよう気を配った。
 可愛めのラジオのイラストを添えたのも好印象になるだろう。
 これを一番皆が見てくれる所に貼ってアピールすれば…
「繁盛しそうだよ、ふふふ」
「繁盛?何言ってるの?」
 おっといけない。商売じゃないんだからね。
 はてな顔を浮かべる遥に私は提案を投げかける。
「このポスター、昼休みに、学校でいっちばーん目立つ所に貼りに行こー!」
「一番目立つ所…昇降口とか?」
「昇降口…うーん、それだと三枚ないと、だってほら、学年毎に場所が微妙に違うし」
「印刷すれば?職員室前にコピー機あるよ?」
「なっ!?」
 印刷…その手があったか!
「私、これ一枚のことしか考えてなかったや。コピー機使えばじゃんじゃん増やせる!」
 私は自分の作ったポスターが学校中に貼られることを想像してテンションが上がってしまった。
「ちゃんと必要な枚数だけ印刷しなきゃ、押し付けてる感じになっちゃうよ。こういうのは自然に、ね!」
「う、うん。」
 うんって言ってしまった。
 なんかこの手のことには慣れてます感をかもし出されて、それしか言えなかった。
「じゃあ、どこに貼るかは遥に任せるよ!」
 はるかだけに。
「おっけー、考えとくよ」
 そう答えると遥は、予習の続きがあるから、と再びノートに向かった。
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